フォレスト・ガンプ 一期一会(Blu-ray Disc)
1994年作品
監督ロバート・ゼメキス
トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン
あらすじ:障害がある主人公が、その純粋さ故か、アメリカの歴史と共に成長していくドラマ。
原作があるようです。ただ感動するだけじゃなく、笑いながら心温まる、洒落たドラマでした。
フォレスト・ガンプは、背中が曲がっているせいで、足に矯正具をはめ、そして知能指数も人より低い少年だったが、母親は、特別扱いしないで育てたいと考え、公立の小学校に入れる。
だが、当然学校では異質で目立ってしまい、いじめに合うが、唯一スクールバスの隣に座らせてくれたジェニーという少女が友達になる。
ジェニーは、普通の立ち位置にはいたが、実は家で虐待にあっていた。
そんな家庭環境からか、ジェニーだけはフォレストに偏見を持たず、幼馴染のようになっていった。
ジェニーの虐待が発覚すると、ジェニーは親戚に引き取られ、よりフォレストの家の近くになった。
ジェニーの存在はフォレストにとって、大きく、いじめっこにおいかけられた際に、逃げて! という掛け声に押され、矯正具をつけたまま走れるようになる。
さらに、その俊足は磨かれ、高校生になると車で追いかけられるが、逃げるフォレストの速さにアメフトのコーチに見初められ、アラバマ大のフットボールチームに入るまでに。
さらに、全米代表にまでなり、フォレストの扱いに周囲が慣れると、名プレイヤーとして受け入れられケネディ大統領に面会するほどに。
本人に欲がないせいか、フォレストは誰もが憧れるような立場に気が付くと治まっているようになる。
ただ、ジェニーだけは、フォレストの永遠の片思いという感じで、常に気が付くとフォレストと遠く離れた所で暮らしていた。
大学卒業後も、なんとなく流れでアメリカ陸軍に入るが、規律正しく、イエスだけでやりこなす生活は、むしろフォレストに向いていた。
たちまち有望な新入りとなる。
また、フォレスト同様のんびりしたババという友人にも恵まれる。
ババは、エビの話を延々としており、それを淡々と聞くフォレストとすぐに親密になった。
そして、いつかババが船を買ってエビ漁をするから、一緒にやろう、と約束をするのだった。
そんなババとフォレストは、ダン(シニーズ)のいる小隊に配属される。
ある日、敵の襲撃にあい、フォレストは「とにかく逃げて」というジェニーの言葉を思い出し在りし日のように、延々と走り逃げる。
が、気が付くと逃げすぎていて、周囲には誰もいない。
慌てて戻ると、次々に倒れている仲間を見つける。
その中には、負傷したを失ったダンも。
本人は、このまま死なせろ、と嫌がる中フォレストは助ける為にまた走る。
そして、まだババがいるはずだ、と探すとババはすでに手遅れの状態だった。
せっかく出会えた親友を失い、自身も逃げる際にお尻に銃弾を受け、帰国後、軍病院に入院する。
ダンは、両足を失い、こんな状態になった事をフォレストのせいだと恨む。
だが、少々足りないフォレストはいまいちピンとこず、変わらぬ尊敬の念で、ダンと接する。
でも、それこそがダンにはきつかったに違いない。
病院で、フォレストは卓球と出会う。
単調な動作はフォレストと相性が良かったようで、また才能を発揮する。
そして、全米チームに入るまでに。
軍人としては、ダンこそ欲しかっただろう、栄誉勲章に選ばれる。
そのころ戦争反対でヒッピーグループに入っていたジェニーは、何もわからずに反戦演説の列に並んでしまって舞台に上げられたフォレストと再会する。
元軍人とヒッピーグループという事で、フォレストの存在は受け入れがたく、またしてもジェニーはフォレストの前から去っていく。
フォレストは、卓球にうち込み、TVショーのゲストに呼ばれるまでに。
ジョン・レノンと共演までするが、その後、ジョン・レノンはファンに撃たれる。
すっかり有名になったフォレストの前に、再びダンが現れる。
フォレストへの敵意丸出しだが、足りないフォレストは何も気づかない。
車椅子である事から、フォレストの助けの手を振り払う事も出来ず、2人はまた距離を縮めていく。
それは、2人が健常ではないという共通点を持ったという事をダンが認めて受け入れて行く事でもあった。
フォレストは、どこかでおバカである事は自覚していて、それを指摘されると傷つくのだった。
ダンが障害者と言われたくないのと同様に。
そして打ち解けた2人は、フォレストの夢であるエビ漁の話をした。
一方、ジェニーはヒッピーからグルービーのような生活に代わっていた。
ドラッグ、パーティー三昧の日々に、嫌気を感じながら。
卓球で稼いだお金で、フォレストは、念願のエビ漁を始める。
約束どおり、「ババ・ガンプ・シュリンプ」と名付けて。
だが、当然経験も知識もないフォレストにはエビがかからない。
そんなある日、ダンがフォレストの元にやってくる。
フォレストの出した手紙を手にして。
約束通り、仲間になる、と。
だが、それでもなかなか成果が上がらないが、ある日ハリケーンがやってきて、フォレストの舟以外ほとんどが被害にあってしまう。
ライバルがいなくなったせいか、途端に大漁になり、フォレストの会社は今や誰もが知る大企業に。
自分がそのフォレストだ、といっても街の人が「大ぼらふきめ」と笑うくらいに。
大成功の中、フォレストの母親が危篤になり、フォレストは船を降りる。
それをきっかけにフォレストは、会社をダンに任せて別の職につく。
だが、ダンがアップルに投資してくれたおかげで、フォレストは大金持ちになっていた。
母を失い、実家で一人暮らしになるが、ある日ジェニーが訪ねてくる。
家族のように暮らす中、フォレストはプロポーズをし、その夜初めて結ばれるが、翌朝、ジェニーはまた姿を消していた。
再び孤独になったフォレストは、また遠い昔のように走り出す。
そしてそのまま延々と走り続けた。
この行動は、若者達に影響を与え、フォレストを探し、後をついて走るグループが出来た。
何かの目的を持って走っているのだと、周囲は勝手にイメージしたが、フォレストはそんな事考えてはいない。
ある日、「疲れたから家に帰る」と言って、走るのを辞めた。
そして今、ジェニーから「会いに来て欲しい」という手紙を受け取り、ジェニーの住む家の側のバス停に座っていた。
バスを待ちながら、居合わせた人に昔話をして。
だが、ジェニーの家はここから歩いていける所だとわかると、フォレストは走り出す。
そして再会する。
そこには、一人息子フォレストがいたが、それはフォレストの息子でもあった。
実は、ジェニーは難病にかかっていたのだった。
そして、余命をフォレストの家で、家族として過ごすようになる。
結婚式には、ダンも義足をつけて、参加する。
やがてジェニーは死に、息子と2人の生活になる。
そして、自分がそうされたように、スクールバスに乗り込むのを見送る。
おしまい。
【かんそう】
有名な作品ですから、タイトルは知っていましたが、今まで「見ず嫌い」でした。
でも、身近な人が面白いとずっと薦めてくれていたので、アマゾン・プライムで見れるようになったので、一緒に見ました。
最初の出だし、フォレストがバス停に座って、かなり危ない感じで、1人で思い出話を喋り出します。
なんなんだ? とちょっと引いてしまいますが、その決して幸せで始まったわけではないフォレストの人生は、フォレストのキャラクターのおかげで、とても楽しく、わくわくしたものになっていきます。
でも、ずーっとどんな話なんだろう? というのはクエスチョンではありました。
笑わせたいのか、感動させたいのか?
すごい作品というのは、単純ではないし、だけど確実に見てすぐ楽しいんですね。
なんか、有名な大作という事で完全に(見ないで)ナメていました。
普通に面白いのですが、ただ面白いというのが勿体ない程、良くできています。
なんでしょう、全体的にシャレてるんですよね。
生まれつき障害がある人物を主人公にしている、となるとどこか感動作を狙っているように考えてしまいますが、ここがアメリカの文化の見せどころなんでしょうね。
狭い日本のようにあまり障害について、腫物扱いをしていない、ように感じました。
本作は、むしろ障害があるからこそ、とんとん拍子に地位や富を得たように描いています。
何か、フォレストが計算したり、狙ったりしていたら、きっとこんな人生にはなっていなかったんじゃないか、という。
だけど、なかなか恋愛面では、永遠の片思いで、苦しい想いをしてきたフォレスト。
それも最後にはやっと、短い間でしたが、家族で過ごすという幸せを手に入れます。
やっぱり、人間、名声やお金ではなくてプライオリティのトップは家族なんだなーと思えました。
そして友情ですね。
本作には、おばかなフォレストを利用しようと近寄るようなネガティブなエピソードがないのも、いさぎよく感じました。
あくまでもフォレストが放つエネルギーは、彼の走りのように一直線で真っ直ぐ。
ただ、それだけです。
歴史上の有名な事件にフォレストをいちいち絡ませているのも、面白かった。
その映像の作りも、味があっていい。
今ならばCGでもっとリアルに出来るのかもしれないけど、本作でちょうどいいと思いました。
ジェニー側のストーリーも、アメリカの時代の移り変わりが早送りでわかるようになっています。
ヒッピー、グルービー。
ファッションも、小さい頃からいい感じです。
さすが、ハリウッド。いろいろ凝っています。
90年代の作品も良作ありますねー。
もっといろいろ見たくなりましたし、今更ですが見ず嫌いしていた事を後悔しました。
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