シークレット・アイズ 【DVD】
2015年作品(2009年アルゼンチン/「瞳の奥の秘密」ベース)
キウェテル・イジョフォー、ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツ、ディーン・ノリス、マイケル・ケリー、ジョー・コール、アルフレッド・モリーナ、ゾーイ・グラハム
あらすじ:
13年前の事件
元FBIのレイ(キウェテル・イジョフォー)は、13年前に起きた同僚ジェス(ジュリア・ロバーツ)の娘、キャロライン殺害の未解決事件を独自に追い続けていた。
当時はテロ関連で検察局との合同捜査でLAに来、主にモスクの監視をしていた。
そのモスクのすぐ側で、キャロラインの遺体が発見されていた。
殺人捜査担当の検事補クレア(ニコール・キッドマン)を交え、仲間達と捜査を進めると犯人を見つけていた。
しかしその男アンザー・マージン通称パックマンは、モスクの情報屋だった為、政治的な力で守られていた。
レイも検事モラレスからテロ対策を優先させろと、事件から手を引くように言われてしまう。
それでもレイはマージンを追った。
自宅に忍び込んだ際に、マージンの自作のコミックブックを同僚のバンピー(ディーン・ノリス)が盗んでいた。
そこにヒントがあるかもしれない。
ジェスがコミックブックを良く調べた結果、マージンがドジャーズ好きである事を発見した。
登場人物の名前がドジャーズにちなんでいる事に気づいたのだった。
ジェスはその日から、毎晩元ドジャーズが集まる店で張る事にした。
ファンなら知っているから。
だが待っているのが性分ではないレイは、バンピーを誘って試合球場を捜索した。
10試合目になった時、本人を見つけ逮捕した。
その時、バンピーは脚を負傷し、一生杖をつくようになっていた。
しかしモラレスの圧力によって、マージンはすぐに保釈された。
クレアの迫真の演技で自白をさせたのにもかかわらず。
レイは、怒りで自分達の手で始末するしかないとジェスに相談した。
「見失う前に殺そう」
しかし、ジェスは殺すだけでは満足しなかった。
1日も服役せず死ぬ事が正義には思えない。
まして、手を汚せば自分が何年も刑務所に入る。
そしてマージンは自由の身となっていた。
その上、事件の証拠となるバンがその直後に燃やされた。
おそらくモラレスが完全な証拠隠滅をしたのだろう。
レイはそれからFBIを止め、ニューヨークに戻って民間の警備会社で働くようになっていた。
発見
そして13年後。
レイは、日課としていた犯罪者のデータチェックをしていて、マージンだと思える男を見つけていた。
整形をし、名前をベックウィズと変えていたが間違いなくマージンだと思った。
レイは、FBIを訪ね今や検事になっていたクレアに再捜査を依頼した。
偶然顔を出したジェスにも、話しを伝えたがジェスは疲れ切っていた。
クレアも曖昧な情報でこれ以上ジェスを振り回したくはない、とあまり乗り気ではなかった。
レイはバンピーに協力を頼み、ベックウィズを捜しに行った。
保護観察官の話しで、車の盗難と競走馬が好きだと言う事が分かった。
厩舎で馬を見るベックウィズに声を掛けると、やましい事があるのだろう逃げ出した。
ルイスという職員に連絡先を教え、また現れたら連絡をもらう約束をした。
ベックウィズは、車を盗む常習犯だった。
レイもバンピーも、ベックウィズがマージンだと確信した。
そして、ルイスから連絡が入った。
ベックウィズは駐車場からベンツを盗んで行った。
尾行しながら、バンピーに連絡をして応援を呼んだ。
ベンツが入って行った倉庫に忍び込むと、レイの尾行はバレていて背後から殴られた。
ベックウィズは、レイの事を知らないようだった。
仲間がレイを始末すると、殺そうとした時、バンピーの応援が間に合った。
当時の仲間、レジーとジェスも駆けつけた。
だが撃ち合いになるとレジーは銃弾に倒れてしまった。
盗難でベックウィズを逮捕する事は出来たが、ジェスは「マージンじゃない」と言って同僚を犠牲にしてしまった事に不機嫌だった。
真相
レイとクレアはジェスに呼ばれて、会いに行った。
ジェスはレジーの死に後悔していた。
止められたのに、と。
実はマージンは13年前に死んでいたのだった。
ジェスの手によって。
レイがLAを去って、1ヶ月後位の事だった。
例の店で張っていたら、マージンが現れたので尾行した。
遺体は庭に埋めたという。
クレアは自分が検事である事を強調した。
殺人の自白をしている事になる。
「いいの。あなたがどう処理しようとも」
最初からの計画ではなかった。
証拠のバンが焼かれたのを知り、モラレスがマージンを捕まえる気がないと分かった。
それでやる気になった。
クレアは考えさせて、とその日は自宅へ帰った。
疑い
知らぬ間に事件は解決していた。
レイはニューヨークに帰る前に、もう一度ジェスの様子を見に行った。
事件以来、静かで気に入っていると郊外に住んでいる。
何か気になった。
こっそりジェスの様子をうかがっていると、ジェスが小屋でマージンを監禁している事が分かった。
あの夜言っていた発言にブレはなかったのだった。
『1日も服役せず死ぬ事が正義には思えない』
これがジェスがマージンに与えた終身刑だった。
レイはジェスに言った。
「君にとってもだ」
レイは持っていた銃を置いて、スコップを手にして外に出た。
そして庭に穴を掘り始める。
マージンの墓穴を。
その後、銃声が響いた。
恐らくジェスがマージンに止めを刺したのだろう。
おしまい
かんそう:
見所は、ニコール・キッドマンとジュリア・ロバーツという2大女優の共演であり、そしてそれぞれが若い頃と、それから13年後の歳を重ねた役を演じています。
ニコールは、いわゆる女優らしい、歳をとっても女を売りにしているような「美人」役なのに対して、ジュリア・ロバーツが若い頃から「地味」な役というのが面白いです。
ジュリア・ロバーツとしては、幅の広さを見せたかったのかもしれませんが、「疲れた役」なのか、本当に老けちゃったのか、判断にしくくてちょっと戸惑うかもしれません。
まだファンはキラキラしたジュリアを見たいのではないかな~と、勘ぐってみたり。
でもそこは、さすが女優といった感じもしますし、片やいつまでも「ザ・女優」っぽい役のニコールが側に居ることを考えると、扱いに差がありそうで無駄にドキドキしてみたりw
ただ落ちを知ると、この配役にさらに意味があったんだな~と納得はできます。
それだけ、ジュリアの演じる役は重要なのですが、それが逆に「何かありげ」に匂わせすぎてしまっているような感じもあって、最後の驚きが半減している気もします。
ジュリア・ロバーツが、ただ娘を亡くした母親役で終る訳ないだろう、って。
逆に、ニコール演じるクレアはもっと「味方の振りをして実はモラレス派で隠滅に関わっていたないか?」とか、ニコールだからと深読みしていたのですが、ただの綺麗所で大した役ではなかったという……。
レイとクレアのプラトニック・ラブみたいなのも終始流れているのですが、これはまったくいらない感じでした。
実は殺してました、から実は監禁してました、のどんでん返しがドッキリするというサスペンスでしたが、結局レイという男が最初から最後まで「あんまり捜査官としてパっとしない?」という方が気になってしまうというw
13年前当時も、ヒントを解読したのはレイじゃないし、13年後もまったくの別人で大騒ぎしていたというだけになってしまったし。
それより何より、13年前にすぐマージンを監禁していて、あれだけマージンを守っていたのに「マージンと連絡が途絶えた事」が問題に上がっていないテロ対策部というのが、謎です。
レイが退社した後の事とはいえ、ジェスやバンピーはずっと在籍していたようなのに、せめて「マージンが消えたらしい」とか耳に入らないんでしょうかね。
そもそも、レジーはマージン担当だったのにそのレジーが「マージンが発見された」というのに、加勢して来ていましたけど……。
13年間、マージンを情報屋として連絡が取れないまま放っておいて、いきなり整形して別名で見つけました、って言われて「おおそうか」って信じたのかな?
ジェスは「当時は(殺しても)結局テロ対策には影響なかった」の一言で片づけていましたけど、「影響ないってそれだけ?」って突っ込むしかないというw
過去と現在を交互に織り交ぜながら、複雑に見せていますが、実はそれ程複雑ではありませんでした。
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