バニラ・スカイ(2001) 何度見ても発見と謎が楽しめる







バニラ・スカイ スペシャル・コレクターズ・エディション 【DVD】

2001年作品(オープン・ユア・アイズ/1997年/スペイン、リメイク)

トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ジェイソン・リー、カート・ラッセル、ノア・テイラー、ティモシー・スポール、ティルダ・スウィントン、ケン・レオン、ジョニー・ガレッキ、トミー・リー、シャローム・ハーロウ


あらすじ:



デヴィッド


デヴィッド・エイムス(トム・クルーズ)33歳。

父親の遺産を独りで継いで、大手出版社の若きオーナーとなっていた。

高級車を乗り回し、モデルのジュリー・ジアーニ(キャメロン・ディアズ)と遊びで一夜を過ごし、親友のブライアン(ジェイソン・リー)に羨ましがられる。

仕事も大勢の部下に囲まれ、気ままにしていた。

若さとは愚か。
「自分だけは、人類でただ1人永遠に生き続ける」と思っていた。

出版社に敵はいた。
「7人の役員」と名付けた、49%の株を持つ7人だった。
子供の頃から知られている長老達。

10年前、両親が酔った若者の車にはねられて死亡した際に会社を継ぐと思っていたが、デヴィッドが株の51%を引き継いだ為、実現できなかった。
以来、その座を狙われているように感じていた。


誕生日会


デヴィッドの自宅で、誕生日会が行われた。

デヴィッドは、ブライアンが連れてきたソフィア・セラノ(ペネロペ・クルス)に一目惚れする。

もともと遊び相手としか思っていなかった、ジュリーは招待すらしていなかったが、勝手にパーティーに潜り込んでいた。

ジュリーはソフィアと接するデヴィッドの様子に気づき、嫉妬を露わにした。


デヴィッドは、ソフィアをプライベートな別室に案内した。

そこには、母親が購入したというモネの絵が飾ってあった。
バニラ色の空。

その横にあった、自分でデザインしたというバニラ色の空のようなスノーボードもソフィアに見せた。

ブライアンもソフィアに惚れていたのだが、2人の雰囲気を察して身を引く。
だが、パーティーでジュリーと会い、デヴィッドがジュリーのことを「セックス・フレンド」だと言っていたと教えてしまう。


犬のベニー


その夜、デヴィッドはソフィアの家まで送っていった。

デヴィッドは、テレビで流れる延命技術の番組を見ていた。

冷凍された手がいつか蘇る。
生命に終焉が来なくなると言っている。
ベニーという犬が、偶然冷凍された状態から生き返っていた、と紹介されている。

主張するのは、トゥーリー博士。
著書は、「人生:そのパート2」。


2人は、これからの予感は感じたものの、朝まで何もなく別れていた。


交通事故


デヴィッドがソフィアの家から出るとジュリーがつけていた。

ジュリーは、デヴィッドに償いを迫った。
デヴィッドのためにオーディションもすっぽかしたのに、パーティーにも招待されない。

この時の選択がデヴィッドの人生を大きく変えてしまう。

デヴィッドは、少し考えてジュリーの車の助手席に乗り込んだ。

ジュリーはデヴィッドへの愛を訴える。
ブライアンからセックスフレンドと聞いて、ショックを受けていたのだった。

「あなたの考える幸せは?」
ジュリーの幸せは、デヴィッドと居る事。
だがデヴィッドには何も答えられなかった。

ジュリーの運転は乱暴になっていく。
デヴィッドはジュリーを宥めようと、「愛してる!」と言うがもう遅かった。

2人を乗せた車は、減速しないまま橋の上から落ちた。


事故の後


ジュリーは死んだ。

デヴィッドは、3週間意識不明。
顔と腕は潰れ、あごは4か所の骨折。
昏睡状態で手術は不可能だった。


そこからある日蘇るも、デヴィッドの顔は傷だらけになった。
ひどい頭痛に、神経もやられている。

この事故をデヴィッドは役員会の仕業だと思い込んだ。

持ち株51%を保持するには正常な精神が条件。
一時は、無能力者のレッテルを貼られた。


医師の勧めで義顔(マスク)を着けるようになっていた。
心理的にも、有害光線をブロックして細胞の蘇生にも役立つ。
人間工学の技術で顔面の動きの邪魔はしない。

そんな中でも、デヴィッドの頭の中はソフィアでいっぱいだった。
少しでも社会復帰して、ソフィアに会いに行く。
それが支えだった。

しばらくすると、リモートで役員会に出席するようにもなっていた。


そしてデヴィッドはソフィアに会いに行った。
マスクなしで。
ソフィアはデートを受け入れた。

家に帰ると、TVでまた犬のベニーが放送されていた。
初めて会った夜を思い出して、これからの希望を持ってソフィアの留守電にメッセージを入れた。


思い違い


デヴィッドは、マスクをしてクラブに行った。
すると、ブライアンとソフィアが居た。

デヴィッドにとっては、ソフィアは自分の彼女のはずだった。
しかしそんな態度にブライアンは、「ソフィアと一度しか会っていないのに」と言った。

デヴィッドには信じられなかったが、もう一度最初からやり直そうと、ソフィアに初めてあった誕生日会での会話を再現する。が、ソフィアは言葉を詰まらせる。

全てを吐き出せとデヴィッドが言うとソフィアは吐き捨てるように言った。
「猫に生まれ変わった時にね!」


デヴィッドとブライアンは、ソフィアを家の近くまで送った。
ブライアンにはまた映画でも、と言うがデヴィッドにはまたね、とだけ言った。

デヴィッドはブライアンを責めた。
事故は、ブライアンがジュリーにセックスフレンドだと話したせいで起きたのだと。

ブライアンはデヴィッドと別れると、ソフィアと落ち合っていた。
もう2人はつきあっている。


目覚め


機械的な音が鳴る。

デヴィッドは、酔いつぶれて路上で寝ていた所を、ソフィアに起こされた。
「目を覚まして」

そのソフィアが、一瞬ジュリーに見えて怯える。
空の色は人工的なブルー、デヴィッドのスノーボードの色のようだった。

ソフィアは昨夜とは別人のようにデヴィッドと接した。
デヴィッドの面倒を見る決意をしていた。


マスク


その後の生活は順調だった。

整形手術の技術によって、デヴィッドは元の顔を取り戻し、マスクをする必要がなくなっていた。

ブライアンにも祝福してもらい、また親友に戻っていた。


異変


ところが、デヴィッドに異変が起き始める。

度々ソフィアの顔が、ジュリーと入れ替わるようになってしまったのだった。

ジュリーの顔でソフィアだと言われて気が動転したデヴィッドは、その女を窒息死させていた。

そして捕まった。
弁護士のトミーに言われたのは、
「友達の彼女に何をしたのか見ろ」。

そこには顔が傷だらけのジュリーの写真があった。
殴った覚えもなく、これもまた7人の役員の陰謀だと思った。

だがトミーは、役員も味方となってもみ消してくれたと言う。

ブライアンには、責められた。
ジュリーはとっくに死んでいる。
ソフィアじゃなくてジュリーだというと、イカれてると言われた。
被害者はソフィアに間違いないようだった。

デヴィッドにはブライアンも、自分を追い詰める役員会の手先だと思えた。


契約


デヴィッドがバーで飲んでいるとある男が話しかけてきた。
その男は、空の色がバニラ・スカイになった日から度々デヴィッドの側に登場していた。
整形手術の時、3人でカフェに居た時……。

「問題でも?」
デヴィッドとはネットで話しをしたという。
「君の力になりたい。恐怖に打ち勝って人生を取り戻せ。思い通りに人を動かすんだよ。
僕も含めて」

男は、この世界での過ごし方をレクチャーした。
黙れと言ったら周囲にいる全員がデヴィッドを見て黙った。

「君は契約したんだ」


エリー


デヴィッドは、容疑者となり精神科医マッケイブ(カート・ラッセル)のカウンセリングを受けていた。

そこにはソフィアも面会に来ていたというが、それはデヴィッドの幻覚のようだった。

マッケイブは、「あなたの考える幸せは?」と死ぬ前にジュリーがしたのと同じ質問をした。
デヴィッドはどちらにも答える事はできなかった。

また、時々「エリー」と言ってうなされていたという。
それがある日なんなのか、デヴィッドは思い出した。

マッケイブのカウンセリングが時間切れで終了となった日。

マッケイブは、デヴィッドを家族のように思えるといい、君を見捨てたくないと言った。
「でもただの分析医。これ以上出来る事はなくお別れだ」

そして部屋を出て行った直後、看守部屋のTVで「延命プログラム」が流れるのを見た。
エリーとは「LE(エルイー、ライフエクステンション)」の事だった。

デヴィッドはエリー延命プログラムと契約をしていたのだった。


LE社


デヴィッドは、戻ってきたマッケイブに付き添われてLE社に向かった。

見覚えがあるような気がした。

レベッカ・デアボーン(ティルダ・スウィントン)に説明を受ける。

延命プログラムLEとは、死後1時間以内に遺体をカプセルに密閉・冷凍しマイナス127度に保つ。
停電、地震、何もその眠りを妨げない。

追加料金で「リアルな夢」の冷凍娯楽が冷凍体験として得られる。

例えば、不治の病を宣告され、冷凍保存を希望する。
だが蘇生後も今の人生を続けたい。
LEはそれに応える。

「生を取り戻したあなたは、そのまま年をとらずに保存状態で望む未来を生きられます。
死の記憶は消去され、あなた自身がリアルな「生」を画家のタッチで描くのです。

夢を見てるという意識はなく、以前の人生より楽しいという感覚だけ。

万一の時は救護員が駆けつけます」

バーでデヴィッドに話しかけたのは、テック・サポートの男だったのだ。


デヴィッドは悪夢になる事もあるのかと聞く。
「潜在意識の力でそういうことも」

マスクを外すとデヴィッドの顔は傷のままだった。

自分が夢を見ていると自覚し、大声で救護員を呼びながら走り出した。


救護員


デヴィッドの望み通り、救護員は現れた。

旧称オアシス企画、現LEのヴェンチュラ。
初めて会ったのは150年前。

デヴィッドに「夢」を売りつけた男。

「これは君が作った世界。君が最後の選択をする」

夢が始まったのは、クラブへ行った夜。

「彼女が去り、君は歩道で酔いつぶれた。あれが夢と現実の継ぎ目。
君は低温保存のまま何年も夢を見ていたのだ。
目覚めてからはいわゆる現実ではない。
君の夢はLEがモニターしていて、今この瞬間も君の頭の中をフォローしている」
あの時の機械音は、モデムが接続された音だったのだ。

2人はエレベーターで上昇していく。
高所恐怖症のデヴィッドは高い所を苦手だという。
「知ってる。以前の記憶は消した。いい夢と置き換えた。モネが描いた美しい空の下に広がる世界」
それは、デヴィッドの家に飾ってあった母親の絵。

「ソフィアのいる世界。君が創造した世界だ。お気に入りのアルバムジャケットのイメージ」
ボブ・ディランのThe Freewheelin'。

「昔見た映画が、君の理想の父親像を創った」
精神科医のマッケイブは、現実には存在しない。

理想の恋愛関係。優しい女性ソフィア。

実際は、誕生日会でたった一度会っただけ。
夢では救いの女神。

デヴィッドは混乱した。
「実際に何が起きた?記憶から何を消した?」


実際は、歩道で目覚めた後、二日酔いで独りぼっち。
ソフィアとはそれっきり。殺してもいない。

7人の役員と戦い、弁護士トミーが社を取り戻していた。

「でも誰かが死んだ」

デヴィッドは何か月も家にこもり、ソフィアを想い続けた。
孤独と耐え難い頭痛。
人間として機能できぬ日々。
ネットでLEを見つけ、契約書にサインした。

そして自殺。

デヴィッドは、思い出した。
自分が死んでいた事を。


12月のあの日、死体が運ばれ低温保存された。
ラベルにはパート1、1968~2001と記されている。
それがデヴィッドの最初の人生。

ブライアンは3日間の葬式を開いていた。
皆が君を偲んだ。
ソフィアは深い痛手を。
君を本当に理解して、君と同様真の愛に触れたあの夜の事を忘れなかった。


2人はビルの屋上に出た。

「問題は潜在意識だった。君の夢は悪夢に。だがその故障は直った」
「想像が現実になるわけだ。じゃ、これは?」
やっと状況を理解したデヴィッドはマッケイブを呼んだ。
すぐに現れる。

自分が夢の存在だとは思わないマッケイブはデヴィッドに、こいつらは危険だからすぐに降りようと言う。

「現在は一時停止状態だ。夢に戻れば、この記憶は消去され救護員要請は無料サービスに。
今が判断の時だ。
夢の世界でソフィアとバラ色の人生を送るか、それとも元の世界へ戻るか?

今の技術で傷は消える。
でも状況は変わっている。
財産は底をついている。モニター室が決断を迫っている。
我々は何も保証しないよ。
未来でも、酸っぱさがあってこそ甘さを感じることを忘れるな」

屋上にはブライアンも来ていた。

「戻る方法は君次第。高所恐怖症との最後の対決が、用意していたシナリオ」

夢の存在、マッケイブはデヴィッドを止める。
「奴を信用するな! 7人の役員の策略だ!」

デヴィッドは目覚める決意をしたようだった。

「改めて自分に問え。君の幸せとは?」
「本当に生きたい。夢はもういい」
「最後の望みは?」
「モニターで心を読め」
「幸運を」

デヴィッドの目の前にソフィアが現れた。
デヴィッドの顔から傷が消えた。
「僕は冷凍。君は死んでる。でも愛してるよ」

彼女の車に乗らなければ……。
デヴィッドは選択ミスを永遠に悔やむ。

「別の世界で会おう。ネコになって」

デヴィッドはビルの端に立った。
そして飛び降りる。


「さあ目を覚ますのよ。デヴィッド」
デヴィッドは目覚めた。


おしまい


かんそう:


現実と夢、同じ夢でも見直す事で変わる内容、という事で何がリアルなのか1回見ただけではよくわからないのが魅力のストーリー。

私は、劇場で見て、それから時間を空けて3,4回は見ていますが何度見ても「これだ!」と1つには絞る事が出来ません。

でもだからこそ、本作が面白いんだろうな、と思います。
人によっていろんな見方が出来る。
見る度に発見がある。

そしてただ夢か現実か分からない、というだけではなくシンプルながらに誰にでも共感できる普遍的なドラマがあるのもいいんです。

全てを手に入れた男。それを永遠に続く、と言われのない自信を持っていた。
だけど、ふとした選択の結果、すべてを失ってしまい、生き地獄のような生活を強いられてしまう。

でもその中に決して悪い事だけではなく、恩を忘れずに救いの手を差し伸べる存在がいたり、疑っていた事が信用しても良いと分かったりする事もある。

人は自分の行いが良くも悪くも返ってくる。

ジュリーにも少しでも思いやる気持ちがあれば、事故に遭う事はなかったはず。

そんな教訓めいたメッセージも勝手に感じ取る事が出来ます。


あらすじは、完全ネタバレにする事も考えましたがそもそもそのネタバレが、正解なのかどうか判断しかねるので、こちらで説明したいと思います。

私が最終的に絞り込んだのは2パターンの説です。


ざっくり言うと1つは、リアルと夢の半々説。

デヴィッドが大金持ちで遊び相手のジュリーに嫉妬から事故を起こされて、大怪我をしてしまい、それを苦に「延命プログラムLE」と契約してソフィアと過ごす夢を見ていた。

作中の説明にある通りを素直に受け取っています。
ソフィアに起こされた所からが夢の始まり。
だけど、ジュリーに対する罪悪感が残るせいで悪夢になるというバグが発生。

その経緯で、デヴィッドは「もう夢はいいや」と決心をして150年後の世界に目覚める。


2つ目は、全部が夢。

「目を覚まして」というワードが、その夢の区切りで、デヴィッドはLEで永遠の夢を見続けている。

ただこの説の場合、LEと契約しようというきっかけが問題になります。

1つ目では、自動車事故で怪我をしたから、という明確な理由が存在しています。

でも、2つ目は「自動車事故」すら悪夢だと捉えています。

理由は、デヴィッドのベッドルームにあったフランス映画「突然炎のごとく」のポスター。

文学好きの青年2人と女性の三角関係。(ブライアンは小説家)
1人を残した目の前で、女性はもう1人の男を助手席に乗せて橋から転落する。

ソフィアとジュリアとデヴィッドの関係。
あるいは、ソフィアとデヴィッドとブライアンの関係。
ジュリアが起こした転落事故。

自分が好きな映画のストーリーと夢が被っています。

(もう1枚は「勝手にしやがれ」だったのですが、こちらは良く分かりませんでした)

デヴィッドの夢が自分の好きなものに影響を受けているのというのは、作中でも説明されています。


公式からのヒント


公開当時、公式からのヒントというのが存在していました。

1.コンピュータのモデムが接続する音が聞こえるのはどこ?
2.レストランにいる男は、真実を言っているのかもしれない。
3.主人公デヴィッド・エイムスの寝室の壁のポスターに注意。
最後の秘密に関わる重要なヒント。
4.ベニーという名前の犬に注意。
5.エレベーターでの会話で、全てが明らかになる。


1、3については、このヒントを知らないとほぼ気づかなかったと思います。

他は、1の夢と現実が半々? という説の裏付けになります。


でもそう言われても、「全部が夢説」を考えてしまうのは、夢は都合よく出来るという設定があるからです。


・冒頭朝9時に人気のないニューヨークをフェラーリで走る夢。
(目覚めた後は、フェラーリからマスタングになっている)

これは、生きている頃のいわゆる普通に見る夢のようにも思えるけど、その内容を相談しているのはマッケイブ。
と言う事は、すでにLEが見せている夢の可能性あり。
(そのせいかわーっと叫ぶと「目を覚まして」でリセットされる)


・出勤前にブライアンとラケットボールに出かけるシーン。
「俺は酸いばっかり。だから甘さが分かる」

この台詞は、エレベーターの中で監視員も言っている。
「未来でも、酸っぱさがあってこそ甘さを感じることを忘れるな」

デヴィッドが好きな台詞を言わせているだけ?

・誕生日会でデヴィッドがブライアンに言う台詞。
「夢を生きてるよ」
誕生日会がすでに夢。


そもそも、親の遺産で大会社を手に入れたハンサムボーイ、デヴィッドという存在が「夢」そのものなんですよね。
その上、きらびやかなモデルと地味だけど優しい美女との三角関係。
葬儀を3日間も開く親友。

恵まれすぎていませんか?

これも、自分が見たくて見ている夢のようです。
そして、そう伝えるような台詞が散りばめられている。


他、エレベーターで種明かしをする監視員の種明かしですらデヴィッドに都合よく出来過ぎている。
「ブライアンは3日間の葬式を開いていた。
皆が君を偲んだ。
ソフィアは深い痛手を。
君を本当に理解して、君と同様真の愛に触れたあの夜の事を忘れなかった」

ソフィアとは事故前には、誕生日会の1回しか会っていないと言っているのに、深い痛手を負うって、これまたかなり都合の良い解釈になっています。

かなり妄想入っていますが、どこかのデヴィッドという男が「こんな人生だったらいいな~」とLEと契約して見ているんだけど、ちょいちょいバグだったり「やっぱ違う!」と夢を見直しているんじゃないのか。

だからこそ最後の「目を覚まして」では、目だけのカットで終っている。
もしかしたら実際のデヴィッドの顔は全然トム・クルーズでもないのかもしれません。


ちなみに最後の「目を覚まして」の声も、ソフィアでもジュリーでもない、LE社の人間の声だと公式で発表しているという書き込みを見かけました。

だから1つ言えるのは、どっちにしろ最後には夢を見ている人間は「目覚める」というチョイスをしている。

それがこの作品のメッセージなんでしょうね。

長くなっていますが、おまけ。
改めて見ると当時は気づかなかったキャストを発見できるのも楽しい!

出版社の社員にケン・レオン(LOST等)
役員の陰謀をデヴィッドに吹き込む弁護士トミー・ティップはティモシー・スポール。ケン・ラッセルの「ゴシック」のポリドリ役が印象的ですが、トミーっていう役名もケン・ラッセルの映画のタイトル!(ありがちな名前なだけですけどw 
部下にビッグバンセオリ―のジョニー・ガレッキ

忘れた頃に見たい名作。

(ホレイショ)


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