ビーキーパー(2024) あらすじを要約するとほぼ同じなんだけどそれがイイ!
2024年 アメリカ
ジェイソン・ステイサム、ジョシュ・ハッチャーソン、ジェレミー・アイアンズ
あらすじ
「俺の出番だ」
養蜂家のアダム・クレイ(ジェイソン・ステサム)は、一人暮らしの老女、エロイーズ・パーカーの納屋を借りて住んでいた。
それは初めて人に優しくされた経験だった。
その日も、夕食に招待され、はちみつを持って向かうが昼間は明るく元気だったエロイーズは死んでいた。
エロイーズの娘ヴェローナはボストンでFBIに勤めている。
母親と連絡が取れなくなり、かけつけたところにクレイと出くわし容疑者扱いした。
しかしクレイの無実が明らかになると、ヴェローナは素直に謝罪をした。エロイーズは自殺だった。
その際にエロイーズの死の背景に、サポート詐欺があったことを伝える。全財産が奪われていた。
「サイバー犯罪課でここ2年追ってるがまったくつかめない組織がある。もし突き止めても起訴は難しい。多分、老人相手だから同意をさせている」
それを知ったクレイは子供以上に老人をターゲットにすることに怒りを表した。
「子供は親が守ってくれる場合があるが、老人は守ってくれる人がいない」
復讐開始
クレイは、自分がかつて所属していた組織にコンタクトを取った。
その組織はビーキーパー(養蜂家)。
国家の安全を守るためのプログラムで、指揮系統外に存在している。
任務は体制を維持すること。そのための対処は自分たちで考え、動いている極秘プログラムだった。
人間の暮らしに蜂の存在が重要なことから名づけられている。
蜂なしで農業はできず、農業が文明を開いた。
そして蜂の群れは国家と似ている。
様々な役割で構成され、その複雑なメカニズムに問題が起きると群れは崩壊する。
その力はFBIが何年も掴めていない、エロイーズを詐欺にひっかけたコールセンターをあっという間に突き止めた。
そしてクレイは、そのビルに正面玄関から堂々と侵入し、持ち込んだガソリンで火をつけて壊滅した。
詐欺組織
生き延びたコールセンターのリーダー、ガーネットはボスのデレクに電話をかけて、被害を報告する。ボスとはいえ28歳の若者だった。
すぐにダンフォース・エンタープライズの顧問弁護士ウォレス(ジェレミー・アイアンズ)に相談をするが、元CIAの弁護士は「私の仕事ではない」とジャージ姿でテニスに出かけていく。
デレクはどうせ被害者の恨みだろう、とガーネットに最近のカモから犯人を洗い出させる。
FBI
クレイが爆破したのはユナイテッド・データ・グループだった。一見ダンフォースとのつながりはない。
ヴェローナと相棒のワイリーが現場に行くが、助かった者も詐欺グループの一員ということもありクレイの事を含め、大した情報は得られなかった。
その頃、ガーネットの一味はエロイーズ・パーカーの家にたどり着いていた。
経歴から犯人とは無縁で片付けようとしたが、クレイの作業トラックを見かけて尾行し、犯人が蜂の話をしていたことからクレイだと確信する。
見られていることに気づかないわけがなく、クレイは自陣に誘い込むように気づかぬ振りをして襲撃に備える。
楽々とガーネット以外の3人を撃退し、ガーネットは5本の指を切って放置し、納屋に火をつけた。
ヴェローナが納屋にかけつけた。遺体からはUDGのIDが発見されている。
センターの爆破を合わせてクレイが容疑者になるのは自然だった。
ガーネット
ガーネットはなんとか車を運転して逃げ出していた。
可動橋を待つ間に、デレクにしくじりの報告をする。
やった相手は「養蜂家」としか分らない。
するとクレイが追い付き、通話したままガーネットに止めを刺す。
クレイのトラックとガーネットをベルトでつなぎ、トラックごと水中に墜落させた。
そして通話したままのデレクに告げる。
「次はお前を燃やしてやる」
デレクは身元まではバレていないと、怖気づくことなく宣戦布告を受けた。
弁護士ウォレス
だが実際はびびっており、弁護士のウォレスに相談をする。
そもそも弁護士はデレクがやっている事業が「データマイニング」程度の把握しかしてない。
そして「養蜂家」を知っていて詳細を聞かずとも頭を抱えた。
「養蜂家を怒らせた。殺すと言われたら死ぬ。誰にも止められない」
元CIA長官が一企業の顧問弁護士になったきっかけは、デレクの母親ジェシカの存在があった。
ジェシカのためにドラ息子のいろんな不始末を対処してきている。
だが今回ばかりは無理だと、ウォレスがびびってもデレクは大げさだとしか思わない。
「その男の正体は一体なんなんだ」
「恐らく君が最後に目を見る男になる」
しかしジェシカに息子を守って欲しいと頼まれると、ウォレスは突き放すことはできなかった。
元養蜂家VS養蜂家
ヴェローナはUDGが巨大組織の一角に過ぎないと気づく。
ガーネットの遺体もすぐに見つかった。
ウォレスは現長官に連絡を入れ、養蜂家の始末を頼むことに。
するとクレイが現役ではなく引退している養蜂家であることを知り、ほっとする。
「現役養蜂家に対処させる」
元仲間アダム・クレイがターゲットということで養蜂家たちは盛り上がるが、クレイは送り込まれたクレイの後任を迎え撃って、始末した。
ウォレスの目論見は外れ、この一件で養蜂家たちは中立を保つことを宣言し、クレイからは手を引いた。
この現場にもヴェローナたちは呼ばれた。
被害者は、クレイと同様のゴーストのような存在。そしてトラックからは「養蜂家のための手引き」が見つかった。養蜂家であることは間違いない。
目撃情報などからクレイがボストンに向かったと後を追う。
次の手
ウォレスは特殊部隊の精鋭たちを集めた。
ただし当てにはしていない。一対一では確実に勝てないが、数を集めればなんとかなるかもしれない。それくらいの気持ちで次のターゲットとなるコールセンターの警備にあてる。
女王殺し
刺客の現役養蜂家の指を切っていたクレイは、隠れ家の指紋認証を突破する。
物資を補給し、データベースからナイン・スター・ユナイテッドのボストンの住所を突き止める。
ヴェローナは本部の副本部長直々に、クレイと養蜂家、それにまつわる事件を説明すると、重く見た副本部長は、ヴェローナたちの思うままにクレイを追うことを認めた。
結果、ボストンのオフィスには、クレイよりも先に、FBIとウォレスの手配した警備が到着していた。
入り込む隙はないと思われるが、クレイは堂々と玄関前にいたFBIに声をかけて自己紹介をし、邪魔するなら仕方ない、と囲んできたFBIの特殊部隊を一人で倒し、楽々とビルに侵入する。
警備が待ち受けるビルの中でも、クレイはまるで自陣のように罠をしかけ、着実に敵を潰していった。
あらかた警備を片付けるとクレイはオフィスに戻り、リーダー格の男を拷問して黒幕の正体を吐かせる。
名前は言えないが写真を見せる、とデレクが映っているパソコンの壁紙を見せた。
「な、手出しはできないだろ?」
デレクに強い後ろ盾がいるのは説明せずとも分かるらしい。だが、クレイには関係なかった。
「そんなことはない。群れのバランスが崩れたら、女王蜂を差し換える」
すると、ヴェローナとワイリーが到着した。
「君の母親の死はその男のせいだ」
ヴェローナは、まだモニターを見ていない。それでもクレイの言葉を信用するが、クレイに向けた銃をしまうつもりもない。
「でも法律ってもんがあるのよ!」
「法律が役に立たない時は俺の出番だ」
クレイは逃走した。
ヴェローナとワイリーが改めてモニターを見ると、デレクが黒幕だと知り驚いた。
失敗
ウォレスは集めた特殊部隊が失敗した連絡を受けると、デレクに母親ジェシカを頼るように言った。
「母親の側にいれば危害を加えられないだろう」
負け犬、と言いながらもデレクは母親に連絡をして週末別荘に行くことを許される。
デレクの母親はアメリカ合衆国の現役大統領だった。だから誰もがデレクの顔を知っていた。
クレイのしていることが母親の仇討だとわかりながらもヴェローナは正義を貫き、クレイを追う。
副本部長にクレイの狙いを報告するとともに、その裏に大統領が存在していることを伝える。
「ダーンフォース・エンタープライズで金融詐欺が行われています」
説明せずとも、創業者がジェシカなことは知られている。
就任後は経営から退いているが、一気に選挙資金の出どころがきな臭くなった。
「クレイはデレク・ダンフォースを欠陥だと思っており、女王殺しを目論んでいるでしょう」
ヴェローナは引き続き、クレイの対処をまかされる。
決戦
ダンフォース家の私有地に、ヴェローナとワイリーも向かう。その日はパーティーを開いていて参加者も大勢集まっている。
ウォレスは、クレイ対策に養蜂家を殺した経験のある傭兵のチームを雇った。
だがそれは偶然が味方した結果でもあり、養蜂家が簡単に倒せると思っていない。
厳重体制で警備をするが、クレイはいとも簡単に大統領の別荘に侵入する。
木を隠すなら森といわんばかりに、シークレットサービスを襲い入れ替わった。
だが侵入に成功すると、せっかく紛れ込んでいるのにマスクを外し、服を着替えと堂々とパーティーの中を練り歩いた。
三者会談
パーティーにFBI副本部長が現れ、大統領がデレクを呼び出し3人だけになる。
大統領は息子のしていることを把握しておらず、副本部長から詐欺の件を聞いてデレクを追及した。
その頃、クレイはヴェローナに見つかっていた。
それをきっかけに傭兵たちもクレイを追う。
パーティーの飾りがされた庭で、クレイはヴェローナと傭兵に銃をつきつけられる。
その瞬間、クレイはあらかじめ車にしかけておいた爆弾を爆破させ、混乱に紛れてその場から逃走すると、体制を立て直し、傭兵たちを一人一人始末しながら大統領たちのいる部屋を目指す。
その頃、デレクは選挙に負けそうな母親のために、CIAのソフトを悪用してカネを集めたことを暴露していた。
「やらなきゃ負けてたんだ」
息子がしていたことを知らなかった大統領はすべてを失う覚悟で、養蜂家にも世間にも真実を話すと決心する。
ところがデレクは悪あがきをして、その場にいた副本部長を口封じに撃ち殺す。
傭兵との一騎打ちを経て、クレイは大統領たちのいる部屋にたどり着いた。
さすがに無傷では済まなかった。
直前に、ウォレスが止めに入るが、相手にもせず腕をひねりあげて簡単にどかすとドアを破った。
その時、ヴェローナも追いついた。
クレイは余裕で窓の外に広がる海を見てから、ヴェローナに問う。
「何のために働く? 法律家? 正義か?」
その隙を見てデレクが「ごめん」とつぶやいて母親を撃とうとする。瞬間、クレイがデレクをの脳天を撃ってそれを阻止した。
そして窓ガラスを割って外に出る。
ヴェローナが呼び止めると、立ち止まるがヴェローナは銃を下げてクレイを行かせた。
海辺に隠しておいた脱出装備に着替えると、クレイは負傷しながらも海の中に消えた。
おしまい
かんそう
ステイサム映画にハズレはほぼなし!
今回も期待通りのステイサム節?で安心して見られました! これ大事ですよね……。
とにかく最初から最後までステイサムがかっこいい!
組織から離脱した一匹狼で、しかも本作一切の恋愛要素ナシ! という硬派ゴリゴリのバイオレンス! これ個人的にめっちゃありがたい……。フツーに恋愛ドラマ好きですけど、この手のバイオレンスものにはいらない派。だけど怒りの理由が「優しくしてくれた人を殺された」というハートウォームなのがさらにいい! 塩梅を分かっている!!!
ちなみにヴェローナは女性ですけど、ヴェローナのキャラ的にはじめっから恋愛要素に発展することはないだろうな~っていう安心感がありました。そこも嬉しい!
デレクが登場した時、いわゆる儲かってるIT企業のステレオタイプ的な表現(ストリートファッションで社内をスケボーで移動、スシ・カウンター、大げさなアート、スピリチュアルな施設などなど)がされていて、多分?「え、こんなに若いそこらにいそうなインフルエンサーみたいなやつがボス?!」って思わせたかったのかもしれないけど、見た目が老けててよくいる若作りイキりオジに見えてしまって、感覚の違いを感じましたw
その後も若い奴って扱いでそうだろうね、って思っていたら年齢28歳で、いや若くもない!
やっぱり感覚が違う……?
反面その流れで登場したジェレミー・アイアンズの渋さよ……。
日中に豪華なオフィスからジャージで出て行くのも、それだけでジェレミーのスタンスがわかるし、めちゃくちゃ格好良かった!
最初は、詐欺会社の顧問弁護士っていうだけで悪じゃん!! その悪が一筋縄ではいかない闇深さを感じられて、「これパワーのステイサムと頭脳のジェレミーの対決になるんだ!!」ってわくわくしました。
もしかしたらステイサム映画のこれまでの敵の中で一番厄介かもしれない……。
これは面白いぞ~~!! なんてね。
見進めると弁護士は、ジェレミーの無駄使いとも言えるなんの力もないパっとしないキャラでしたね。アホ息子がしてること何も知らなかった……? どっちもどっちじゃんっていう。
あと養蜂家を養蜂家に始末させる、あたりではまだジェシカが大統領ということは判明していなかったので「え? ジェシカが養蜂家のトップなの?」って勘違いして一人で盛り上がってましたw
結果、ステイサムが暴走働き蜂であることには変わりないんですけど、養蜂家のトップが不出来な息子を自分が作った組織に狙われる……っていうのも面白いなーと思ったんですけど、全然違いました!
私も暴走して見てたようですw
という感じで「いつものステイサムありがと!」って言いながらも、意外と「あれ?もしかして?」と推理しては裏切られるという、想像以上の面白さがありました。
もちろんアクションには言うことなし!
オフィスにあるもの、電話のコード、デカイホチキスなどを武器にするあたり、本当に好き!
飛び道具に素手で行くのに安心感ありすぎる……。
確実に新シリーズ狙っていると思いますし、またド渋な働き蜂クレイに会いたいです!
(ホレイショ/Movielog)