ヘルレイザー10「ジャッジメント」(2018)ネタバレあらすじ
©2018 Dimension Films
2018年 アメリカ
シリーズ10作目
・前作よりは持ちなおしているものの、シリーズのファンにとって結末はスッキリしないはず……
ネタバレあらすじ
シリアルキラー プレセプター
若い女性が自宅で殺され、刑事2人が現場に向かう。
その車中で被害者が元カノだというショーン(兄)にデヴィッド(弟)がどんな子だった? と尋ねる。
「ディケンズの二都物語みたいな子」
弟はそのタイトルしか知らなかった。
新しく配属されたという女性刑事、エジャトンが現場に現れる。
被害者の腹の中にはペットの小型犬が生き埋めにされていた。
プレセプターは古いタイプライターで打った手紙を残すが、手がかりとなる痕跡は一切残さない。
今までの被害者は14人。
十戒をなぞっているが、まだ「盗むな」と「姦淫するな」が残っている。
ショーンはエジャトン刑事の配属に不満を表わすが、逮捕のためだと3人で捜査を進める。
「盗むな」
新たなプレセプターの被害者が発見される。
公園の滑り台に手首と瓶詰の血が複数置かれていた。
すぐ側のフェンスには、行方不明のビラが「THEVES(盗人ども)」の形に貼られていた。
握られた手の中には目球と歯があった。
「目には目を。歯には歯を」というメッセージだろう。
DNAや血液などから4人の十代の少女たちで、全員万引きの逮捕歴があった。
また4人の共通点に、ワトキンズというロリコンの性犯罪者が浮上する。
ワトキンズは4人の通う学校すべてから接近禁止命令を受けていた。
ワトキンズの自宅を調べると、長い間不在だと言われる。
汚部屋の様子から、ワトキンズがプレセプターとは誰も思えなかった。
雑誌の上に、古いタイプライターで打たれた封筒が置かれているのを見つける。差出人の情報はない。
審判
一度オフィスに戻ったショーンは、1人でもう一度ワトキンズの部屋を調べることにする。
するとパソコンに、ワトキンズが地図で調べた場所が残っているのを見つけた。
その足で、その住所に1人で向かうが、目覚めた時にはショーンは車椅子に拘束されていた。
狭い小部屋に、小さなボックスが並んでいるのが気になり、ショーンは顔中傷だらけのラウンドサングラスの男に尋ねる。
「あれは何だ?」
男は、この状況にも肝が据わっているショーンを珍しいと面白がり、特別だと答えた。
「こちらとそちらを繋ぐ箱。開けた者に審判と贖罪をもたらします」
そのまま男は審問官のようで古いタイプライターで、ショーンの調書を取ると言う。
彼らはセノバイト(魔導士)の手先で、この空間で犯罪者を独自の方法で審判し、魔導士たちに引き渡している。
すると4歳の時の犬虐待から始まり、元兵士でもあるショーンには大勢殺した過去があった。
調書は大量になった。審問官は満足するが、いつものように評価人に調書を食べさせると苦しんで吐血する。
陪審員たちも同様にショーンの調書に窒息して苦しんだ。
珍しい反応に驚きながらも審問官はショーンを次の工程、洗浄と外科医に回そうとするが、そこへ突然の訪問者がやってくる。
この場とは対極的な白い服を着た金髪の女性で、ショーンを解放しろと命令する。
頭はあがらないようだが、すべてが異例なことに審問官はピンヘッドに相談をする。
ところがショーンの様子を見に行くと、すでに逃げた後だった。
パズルボックスも1つ減っている。
仕方なくピンヘッドが調書の切れ端を食べると、どうせ戻って来るから放っておけとだけ言った。
悪夢
逃げ出したショーンは夜中の2時頃だったが、弟を呼び出し再び同じ住所に戻っていた。
しかし調べても空き家だった。
戸惑う弟には何の説明もせず別れるが、セノバイトたちの悪夢にうなされ、家を飛び出す。
目的
翌朝、ショーンが出勤してこないうちに、エジャトンはデヴィッドに配属された本当の目的を伝える。「ショーンにはPTSDの疑いがあってそれを確かめるためなの。あなたたちは事件にのめり込み過ぎている」
二都物語
そこへショーンの妻アリソンからデヴィッドに連絡が入り、酔いつぶれていたショーンをピックアップする。
知らぬ間に禁酒を解いていたことを心配する弟にショーンが言う。
「俺を裁けるのは神だけだ」
ショーンを自宅に送ると、リビングにあった「二都物語」が目に入りデヴィッドは手に取る。
するとマーカーがつけられいたので気になり、こっそりページをスマホで撮影して、元に戻した。
ショーンより先にオフィスに戻り、エジャトンに写真を見せた。
「プレセプターを調べてたんじゃないの?」
「でも聞いてない」
そこへショーンがやってきて話は終わるが、ちょうど被害者の体内からスマホが見つかったと連絡を受ける。そのスマホのおかげで最後の位置情報がわかった。
隠れ家
ショーンとエジャトンの2人で住所の場所に向かった。
2人が到着した倉庫の中は、明らかにプレセプターの隠れ家だった。
被害者の写真が壁に並んでいる。
その最後、まだ布がかけられた写真をみると、エジャトンには見覚えがあった。
金髪の女性と、デヴィッドだった。
驚いた瞬間、ショーンに殴られ、倒される。
そこへデヴィッドも到着した。「俺を裁けるのは神しかいない」その言葉でデヴィッドはほぼ兄がプレセプターだと確信していた。
だがショーンの妻のアリソンもやってきた。ショーンがすべてを見越して呼んでいたのだった。
プレセプターの最後の計画、姦淫の罪は弟と妻だった。
元々妻は兵役中にデートアプリで浮気をしており、その相手も殺していた。
「どいつもこいつもスマホ中毒。全員殺してやる」
そして2人にパズルボックスを開けさせる。
「審判の時だ」
再会
ピンヘッドはショーンに召喚されることがわかっていた。
「悪は悪を求める」
ショーンは取り引きを持ちかける。
「あの2人と引き換えに俺を解放しろ」
審問官もやってくるがショーンが解放されることはなく、チェーンで吊るされる。
弟と妻は開いた壁から出たチェーンで引きずり込まれていった。
ピンヘッドにとっては取り引き材料になどならず、雑魚にすぎない。
「姦淫なぞどうでもいい」
ところがそこへまた先日の女性がやってきた。
エデンの園の番人と呼ばれる女は智天使だった。さすがにピンヘッドも頭を下げる存在だった。
智天使は、ショーンを地上の必要悪だと考えていた。
計画に必要だから地上に戻すよう命令する。
ショーンは神のお墨付きで、自称「処刑」を続けることを奨励されて得意になる。
「決して、許されたわけではない。いずれ裁かれる」
するとピンヘッドは喜んで、とショーンを地上に戻す。
だが戻った先には、死んだと思っていたエジャトンが待ち構えていて、ショーンは撃たれて死んだ。
プレセプターは死んで捕まった。
苦痛
智天使はピンヘッドを責めた。
「分かってて解放したのね」
その上で、ピンヘッドは言いなりにはならないと番人にも苦痛を与える。
だが番人もチェーンで顔を引っ張られ、額にピンヘッドのピンを刺されても、笑いながら言った。
「あなたにも苦痛を」
苦痛は望むところだ、とピンヘッドは動じなかった。
エデンの園から人間を追放した智天使への態度に、審問官はびびる。
「我々でもつらい罰が勝ってるかも」
「俺に怖いものはない」
「追放とか……」
そしてドヤったもののピンヘッドは地上に追放された。
ただの人間に戻り、快楽はない。
「そんなーーーーー!!」
おわり
かんそう
「頼まれたから仕方なく撮った」みたいなかるっかるに感じられる9作目に比べたら、拘りが感じられました。
個人的な趣味で言えば、2が至高なので趣としてはちょっと違うんですが、それでもコミックライクなセノバイトたちの造形やスプラッターシーンはフェチ満載ですし、そこが刺ささる人もたくさんいるだろうな~というのもわかります。
あくまで賑やかし要員として、外科医というガタイのいい、いかにもブッチャーみたいなキャラが出てくるんですが、背中がやけに膨れてて「せ〇し?」って思うと台の前で後に向いて、その背中に背負っていたガスマスクをしたラバースーツの本当の外科医が飛び出してくるんですね。
あのシーンは令和の今見てもカッコいいと思います!
ピンヘッドもだいぶ持ち直していて、見た目は70点くらい?
シーズン9に比べたら大分いいですw
何よりキャラがよい!
尊大で、天使にも逆らう!? かっこええ! 自分の頭のピン抜いて天使の額に刺すなんて太っ腹!
でも最後がダメすぎた……
思わずダサ……と言ってしまう「そんなーーーー!!」。
ダレ目線のストーリーなん? っていうカタルシスのなさ。
あと顔が傷だらけで黒い丸眼鏡をかけている審問官の男が、どうしても北野たけしに見えちゃって……。ちょっと笑ってしまうw
なんでだろう? めちゃくちゃ特殊メイクなのに動作がたけしっぽいのかな?
ヘルレイザーってそもそも様式美とか不治の厨二病向けだと思うんですけど、だからクライム系によっちゃうとどうしても世界観が薄まっちゃうっていうか、個人的にはそっちじゃないんだよな~ってなるんですけど、今回はクライムストーリーを絡めながらも、いい感じに厨二病テイストになってて、そこは好感が持てました!
終わりがね、終わりさえあんなダサくなければ……。

 
