トラップ(2024) ネタバレあらすじ:この映画自体がトラップでした

 
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あらすじ

シリアルキラーがいる

クーパー(ジョシュ・ハートネット)は娘、ライリーを連れて娘の大好きな人気歌手のアリーナライブへ行く。

しかしいくら人気アーティストとはいえ警備、警察、加えてFBIまでもが隙間のないほどウロついているのはおかしい。

親しくなった物販の男に聞くと、このライブにシリアルキラーのブッチャーが来ているという。それでこの機会に捉える計画があると知り驚く。

会場から出る方法

そのシリアルキラーはクーパー本人だった。今も1人、隠れ家に男を拉致し、その様子をスマホで確認している。
そこからなんとか捕まらないよう、会場から逃げ出す算段を始める。

サイコパスのクーパーは、慌てず騒がず運までも味方にしてFBIの無線も手に入れ、難なく網の目をくぐっていく。

それでも会場から出るには身体検査が必要で、腕のタトゥーが防犯カメラに残っていることを知った以上、正攻法では出られない。

そこでクーパーは、アーティストと一緒ならノーチェックで出られることを利用して、娘を元白血病だと嘘をつきVIPパスを入手して、アーティスト、レディ・レイヴン(サレカ/シャマラン監督の娘さん)を脅して、レディ・レイヴンのリムジンで会場から出る。

予想外の出来事

レディ・レイヴンはクーパーがブッチャーだと知りながらも、このままにはしておけないと「ライリーのお家に言ってもいいかしら?」と自ら絡んでいく。

家には何も知らない妻とライリーより幼い息子もいた。人気アーティストの突然の来訪に大喜びで迎えるが、クーパーはとっとと帰って欲しい。
さもなければ、拉致している男を殺す、とスマホをちらつかせるとレイヴンは最後にピアノで一曲歌って帰ります、とライリーを呼んだ。

発覚

レイヴンは機転を利かせ、ライリーのスマホを咄嗟に盗みいざセルフィーを撮りましょと言ってスマホを捜すライリーに、クーパーが構えていたスマホを取り上げた。
「貸してね」
そしてそのままトイレを借りたいとスマホを持ってトイレにこもる。
慌てたのはクーパーで、スマホを返せ! とトイレのドアの前で大声を出す。
ドン引きする家族を気にする余裕もなくなっていた。

トイレの中でレイヴンは拉致されている男に呼びかけ、場所のヒントになる情報を聞き出す。そして動画を配信して、ファンの情報からその場所を突き止め、警察の手配をさせた。

クーパーがなんとかトイレのドアを開けた時には、拉致していた男は解放されていた。
そして暴れっぷりから家族は家の外に逃げており、パトカーのサイレンも聞こえてくる。
クーパーはレイヴンだけを家から出し、観念したのか一人で家に残った。

不撓不屈

ところがFBIが踏み込むと、クーパーはすでに逃走していた。
家には秘密の抜け穴があって、しかもクーパーは踏み込んだFBIの1人を倒し、その制服を奪っていた。

そして現場から去ろうとするレイヴンの運転手と入れ替わり、逃げつつレイヴンもさらった。

レイヴンは車中で手錠につながれたが、車の窓をあけてファンに助けを求める。
ファンに囲まれ車が動かせない間に、手錠がつないであったバーを壊して脱出することに成功した。
そこへまたFBIも追いつき、リムジンをハチの巣にするもまたしても車の中はからっぽ。
クーパーは、ライブグッズのTシャツに着替えて脱出していた。

止め

家では妻が1人、キッチンにいた。
すると音もなくクーパーが戻っていて驚く。
だがクーパーも妻の告白に驚いた。

そもそもレディ・レイヴンのライブにブッチャーが来る、という情報を得た経緯は、妻の通報が元だったのだ。

「最初は浮気かと思ってた。夜遅く帰ってきて。でも、ある時隣人に平然とウソをつくのをみて怖くなった。そして服についた薬品の臭い」
一度尾行して、隠れ家を見つけ、そこにライブチケットを買ったレシートを置いてから通報したという。
「何をしているのか捜査されれば分かると思って」

クーパーの手にはブッチャーナイフがある。
殺される覚悟をしている妻は、最後に用意していたケーキだけ食べて、と頼む。
大した時間稼ぎにもならない、と言いながらケーキをたいらげると、異変に気付く。
妻は、クーパーが持っていた薬をケーキに仕込んでいた。

朦朧としながら立ち上がると、テーザー銃で撃たれ、クーパーはやっと逮捕された。

結末

強迫性障害をもつクーパーは、家の前で倒れている子供用自転車をきちんと起こしてから輸送車に乗せられた。

だが1人になると腕の中に隠していた長いワイヤーを取り出す。
さきほど起こした自転車からとっていたのだった。

そして手錠の鍵を外し、笑った。


おしまい

かんそう

これめちゃくちゃあらすじ見て期待しちゃったんですよね。
シャマランでこの設定、どんなどんでん返しがある!! って想像しながら見てたんですけど、見終わって「は?」そのまんま??

がっかりシャマランでした。

救い

でもジョシュ・ハートネットが好きなので、だいぶ救われましたね。
ジョシュ・ハートネットがクーパーというキャラクターにリアリティを与えていて、とにかく「運」がいいのと同時に不屈の精神も凄いんですけど、肉体的に倒れないw
ジョシュがでかくて、ガタイがいいので「この人ならテーザーで挟み撃ちにあっても、確かにスンッとはならなそう」っていう説得力はありましたw

もしジョシュじゃなかったら、見終わった後のダメージもっと大きかったと思います。
あとイケメンは何事にも有利っていう、そこの設定もよかった。
これは主観ではなくて、作中でアーティストがクーパーを見て「イケメン!!」って言うんですね。
世の中ってイケメンには甘くて、一般人がバックステージウロウロしてても嫌がられない?
そんなクーパーの運の強さに、イケメンっていう要素もリアリティを与えていました。

イケメンで親切で娘思い、っていうだけでスタッフが甘く、あっさり信用しちゃうのはわかる。

がっかりポイント

と、シャマランらしい「偶然の連鎖」みたいな出来事こそが、実はすべて仕掛けられたトラップなんだろうな、って深読みしながら見ていたんですよね。

・物販の男:見ず知らずの男に、あっさりシリアルキラー捕獲作戦をバラし、その上尋問された時の「合言葉」まで教える。

・レディ・レイブンの身内(シャマラン本人):いかにも関係者然でアリーナにいて、クーパーが声をかけると「身内です」と自己紹介して、「娘は白血病だった(嘘)」というクーパーに同情して恒例のステージに上げる観客に選んでしまう。その際にもボディチェックをしなくてはいけないのに「いいじゃないか」とスルーさせる。

・すご腕プロファイラーの女性:プロファイリングしているもののすぐ側にいるクーパーに全然気づかない。まずステージに上げる人間のボディチェックしないでスルーしてることを把握してないのもおかしい。

・単なるアーティストのレディ・レイヴンが機転ききすぎる。また大人気アーティストがアリーナライブ終わりに一般人と一緒に会場を後にして、こっそり後をつけるSPとかいないのも不自然。FBIも何してるん? ってなる。

その他、あまりにも運が良すぎる、等々。
これらがあまりにも、ガバガバすぎるので「こうしてクーパーをあぶり出してるんだ! 何万人もいる現場で騒ぎ起こさないで確保するには、クーパーを泳がせて1人になったところで捕まえればいいんだもんね!」って思って見てたんですよね。

観客も2人以外は全員、グルというかエキストラ? くらいの設定を想定していたんですけどそんなもん、なんもなかった。

お得意のどんでん返しは?

ということで、シャマラン監督らしい「どんでん返し」的な要素って「妻は気づいていた」になるんですけど、これってある意味当然? むしろリアリティがある。
映画的、エンタメ的どんでん返しのうちに入れていいのか?

それと物足りないのは、「妻は疑問を抱いて、それを捜査にゆだねた」。
だから匿名の通報になるわけですけど、それはそれで危険すぎませんかね?
妻にしてみたら夫が帰宅したことが、想定外だったのかな?
でもその危険な夫と娘を一緒に出掛けさせてるんですよ?
もちろん娘には危害を加えない、という信頼はあったとしても、どんな騒動になるかわからないのに。
なので、妻も相当やべえ奴じゃんってなりました。

この映画がそもそものトラップ

親子といえば、この作品自体が、シャマラン監督の娘さんがレディ・レイヴンを演じるという親子共演を見せています。

そのせいか、とにかくレイヴンが活躍しすぎているのも気になりました。
まずシリアルキラーが来る可能性があるから、ライブは中止にしないでそこで捕獲する、まではまあわかる。
でもその状況で、「恒例の客をステージに上げる」までやるのは不自然。
少なくとも、容疑者に該当するタイプは除外しないと説得力に欠けますよね。

ただジョシュがイケメンで「こんなイケメンがブッチャーなわけない」って思わせているのはわかるけど。
それにしても誰もかれも計画を知ってるのに油断しすぎ。

結果、シャマラン監督の「うちの娘、めっちゃいいシンガーでしょ? 女優としてもイケるでしょ?」って「娘自慢」を見せられただけ? キャラとしてもめちゃくちゃいい役でしたしね。
なーんだこの映画がトラップじゃん……っていう後味でしたw


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