ミスティック・アイズ 【DVD】
2011年作品
ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ、ショーン・エヴァンス
あらすじ:
弟
デイビット(ベネディクト・カンバーバッチ)とドーン(クレア・フォイ)は、夫の地元に戻り古い家を修復しながら生活をスタートさせていた。
ある日、そこにデイビットの弟、軍にいるニック(ショーン・エヴァンス)が現れる。
夜になると、ドーンはデイビットからニックが昔母親を突き落したと打ち明けられるが、その時は幼い頃の事故だとあまり大事には捉えなかった。
そのニックが夢遊病で歩き出すのを見て、最初は驚いたが2人は笑い合った。
虐待
ドーンは子供を欲しがっていたが、なかなかできなかった。
ニックと共にかつての恩師に会いに行くと、2人が父親から虐待を受けていた事を初めて知る。
夜、旧友との集まりの場でデイビットにも虐待の事を聞くが、ここではよせ、とあまり話したくはないようだった。
ニックの腹には戦場での傷なのか、傷跡だらけだった。
ニックとドーンは服を入れ替えてふざけるが、デイビッドは笑わなかった。
過去を思い出して取り乱すニックをデイビッドは宥めた。
ドーンはニックを助けなきゃと言い出すが、デイビットは救ってはやれないと言った。
ドーンとニックが話すのをデイビッドは遠くからこっそり見ていた。
喧嘩
ドーンは、兄妹喧嘩を見てしまった。
怒鳴り合う2人の迫力に怖かったとデイビッドに伝えた。
ドーンはだんだんニックに打ち解けたのか、悩みをこぼすようにもなっていた。
子供が欲しい。
昔カウンセリングを受けた事もある。
自分は養子で、その両親もすでに死んでいる。
2人は話しながら古い家に行った。
すると、そこにはデイビッドが先回りしていた。
ドーンが寝るとニックが悪夢を見たのか、叫んでデイビッドに宥められていた。
その前には、2人で抱き合っているようでもあった。
翌朝、犬が鶏を襲っていた。
ニックが寝ぼけて鍵を開けたとデイビッドがいい、また口論になる。
昔同じようにウサギを殺したというと、それは兄貴がしたくせに、とニックが言った。
そのまま取っ組み合いになりそうになるとドーンがタマゴを投げて止め、家に逃げて鍵をかけた。
その後、恐らく死んだ鶏をドーンが調理していると、ニックが花を持ってデイビッドよりも先に詫びに来た。
ドーンはもめ事が続くせいかデイビッドに、ニックを家から出すように言った。
でも、どこかでデイビッドのせいかも、とも思っているようで「あなたが犬を?」 と聞いてしまった。
デイビッドは、それを上回る勢いで暴れた。
ニックは土下座して謝り、ドーンの存在に冷静になると、弁償するといった。
デイビッドはそのまま外に出て行った。
翌朝、何故僕を置いて出て行った? と会話が聞こえた。
友人とのピクニック
デイビッドは、友人とのピクニックの最中に土曜日が(ニックの)お別れ会だと告げると、ニックは素直に受け入れた。
ピクニックでは友人の子供の話題が出る。
ドーンは、そこでニックが友人ゲイリーの妻と浮気しているのを見てしまう。
不妊
なかなか妊娠しない事で、デイビッドは自分に原因があるのかもとドーンに告白した。
前の恋人ともダメだった。
今までは、ドーンにプレッシャーをかけるから言えなかった。
ドーンは早く教えてもらえなかったせいで、自分のせいかもと責めていた事から、ずっと黙っていたデイビッドに怒りを感じ、1人で車を降りて歩き出した。
家に帰るとニックは留守だった。
ニックの荷物を盗み見てると友人のゲイリーが訪ねて来て、ドーンはそのまま浮気してしまう。
夜、また夢遊病なのか物音がしたので、ドーンが見に行った。
するとニックはちゃんと起きていた。
ドーンにキスしようとして拒まれるが、2人は抱き合う。
その様子を、デイビッドは見ていた。
パーティー
翌日、友人との集まりでドーンは、ニックがニックが友人に「ドーンは子供が産めないと兄貴が言ってた」と言っているのに出くわす。
ドーンはニックに、デイビッドが原因だと説明した。
ゲイリーは、軍に戻るニックにタリバンによろしくと、笑えないジョークを言う。
思わずニックはバーベキューの炭を投げるが、それが子供に当たってしまった。
イカれてると言われるニック。
ゲイリーはドーンにも「次は誰と?」とひどいことを言った。
更に、ニックを挑発して乱闘になり、ニックはゲイリーの妻と浮気した事を暴露した。
そして母を突き落したのはデイビッドだとも言い出す。
今度はデイビッドがニックをボコボコにした。
真実
翌朝、ニックは軍を無断外出していたと知る。
そして、姿は消えていた。
デイビッドは、母がニックを虐待していたから突き落としたと告白した。
ドーンが、ニックと以前に行った古い家を見に行くとそこにニックはいた。
兄に支配されているというニック。
俺は兄に愛されていると言われ、ドーンは怒った。
夜、再びドーンがニックを訪ねてみると、ニックはいなかった。
急に、お腹が痛くなる。
家に戻るとデイビッドが心配して待っていたが、ドーンは倒れてしまう。
病院で目覚めると妊娠していた。
デイビッドの子ではない事が確かだから言えなかったのだが、デイビッドは産んで欲しいと言った。
子供
ドーンの子供は大きくなっていた。
デイビッドと3人で散歩をしていると、ゲイリー達と偶然出会う。
ゲイリーは「自慢の息子だな」と2人の子供を抱いた。
デイビッドは何かに気づいたような様子だった。
おしまい
かんそう:
弟がおかしいと思わせておいて、実は兄(旦那)が本物のサイコでした……という感じのストーリー。
虐待に不妊とか軍等、暗いテーマでラストも決して晴れ晴れしくない。
なので、よっぽど好きな役者が居るとか、こういう暗いストーリーが好きでもないと厳しいと思います。
ジャンルとしては「サスペンス」になっていたので、それを期待して見たのですが別に何か事件が起きる訳ではなく、隠されていた暗い過去が明らかになるけど夫婦としては、それでも上手くやっていく道を選ぶといった感じ。
どちらかというと、様々な問題を抱えていてもそれなりに強く、受け入れ生きていくといった人間ドラマに感じました。
いずれにしても、思わせぶりなシーンが多く、白黒はっきりさせるつもりもないようで、見終わっても良く分からない……という部分もあります。
なので、サスペンスよりはホラー的な? 心理的要素はあるかもしれません。
例えば、最終的に弟ニックはどうなったんだろう、とか。
ラストのゲイリーとの偶然の出会いは、それまでは息子の実の父親をデイビッドが気づいていなかったようにも感じられました。
ニックとドーンのキスシーンもあったから、もしかしたらニックが父親だと勘違いしてニックを殺していたり……? とも考えられなくはなさそうです。
ともかく、一番怖いのはサイコ感を隠しきれなくなっていたデイビッドではなく、一番の被害者のような態度をしていたドーンなんですけどね。
しっかり浮気して、欲しい子供手に入れて。
でも、デイビッドも失わず。
そもそもデイビッドがヤバイってわかったのも、ドーンにとっては好都合だったのかな、と思います。
自分の生い立ちに負い目のようなものを感じていたようなドーンだから、デイビッドの存在は「彼よりマシ」という優越感を与え続けてくれる、必要なパーツのような。
って考えすぎかもしれませんが、友人のゲイリーもゲスリーって感じのやな奴だし、その妻はニックと浮気してたし、まともな人間は1人もいないというやっぱり恐ろしい作品でした。
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