2018年3月25日日曜日

マネキン



マネキン 映画 パンフレット

1987年作品


アンドリュー・マッカーシー、キム・キャトラル、メシャック・テイラー、ジェームズ・スペイダー、G.W.ベイリー、エステル・ゲティ、キャロル・デイビス、クリストファー・メイハー、スティーブン・ビノビッチ

あらすじ:


ある日、自分の作ったマネキンが人間になって……。



出会い


こだわりがあり過ぎて、仕事が遅くマネキン作りをクビになったジョナサン・スイッチャー(アンドリュー・マッカーシー)は、以降なかなか仕事が定着しなかった。

ガールフレンドのロキシーは流行のデパート「イラストラ」で働いており、そんなジョナサンとは付き合えない、とフラれてしまった。

1人寂しく歩いていると、自分が作ったマネキンが飾られているのを見つけ、雨に濡れながら思わず駆け寄った。


プリンス・デパート


翌日、ジョナサンはマネキンが飾られていたプリンス・デパートに行くと、偶然女社長のティムキンの命を救う。

そのお礼として、ジョナサンはプリンスデパートで仕事をもらい、ストック係になった。

実はプリンス・デパートは経営が上手くいっていなかったのだが、それはライバルの「イラストラ」の手先であるリチャーズ(ジェームズ・スペイダー)が部長として内部に潜り込んで操作しているせいだった。
プリンスを経営難にして安く買収するのが目的だった。



ジョナサンは、デパートの中で自作のマネキンを探すとマネキンに話しかけた。
するとマネキンにまるで愛の告白をしているような会話を、同僚のデコレーター、ハリウッドに見られてしまう。
しかし、ハリウッドは自身も派手で個性的な格好をしている分、他人の趣味にも寛容で、ジョナサンをマネキン・フェチとして受け入れた。



新入りのジョナサンは早速、ランボー(G.W.ベイリー)というブルドックを連れた警備員のフェリックスに目をつけられる。
あまり頭が賢いとは言えないフェリックスは、リチャーズの言いなりだった。



早速、ハリウッドとショーウインドウの飾りをするが、ハリウッドは先に帰宅する。
すると、突然ジョナサンの作ったマネキンが人間(キム・キャトラル)になって自己紹介を始めた。
「エミーよ」
エミーはあなたが私に命をくれた、とジョナサンにハグをした。

実は、エミーは古代エジプトの女性だったが、親が決めた結婚が嫌で、神様に助けを求めたらタイムスリップをしてしまっていた。その後にジョナサンの作ったマネキンになり、そして何故か、ジョナサンの前で人間に戻った。

2人は、閉店後のデパートで着せ替えを始めた。


ショーウインドウ


翌朝、ジョナサンはデパートの前で目覚めた。

すると、徹夜で作業したのかエミーのマネキンを中心にテニス・ウエアのウインドウが出来上がっていた。

そのウインドウはたちまち待ちゆく人の足を止め、人だかりを作った。

ジョナサンはウインドウの効果を認められ、ディスプレー係長に任命された。

デパートを盛り上げたジョナサンを邪魔に思ったリチャードは、フィリックスにジョナサンの監視を強めるよう命令した。


それから、毎晩エミーと共同でウインドウを飾り続けた。
エミーは、ジョナサンの前でだけ人間になって他人に見られるとマネキンに戻っていた。

その為、ジョナサンはマネキンと会話するおかしな男と思われたが、何せデパート立て直しの功績がある為、周囲には芸術家だと理解されていた。

デパートが閉店した夜は2人だけの時間で、デパートの中を好きに着替え、自由に踊り遊んだ。
2人での会話は、近づけばジョナサンが1人でマネキンとしゃべっているだけにしか見えない。

それを気にしないのはハリウッドくらいで、フィリックスやリチャードは怪しんだり、従業員達は興味本位で噂にしていた。


引き抜き


ジョナサンのウインドウのおかげでプリンスの売上げが伸びた分、イラストラは立場が逆転してしまっていた。

ジョナサンの元カノであるロキシーは上司からの命令で引き抜きを持ち掛けるが、ジョナサンはティムキン社長への恩がある、とキッパリ断った。


追い込まれたリチャードはフィリックスにジョナサンの秘密を暴くよう命じた。
すると、夜水着のエミーと抱き合うジョナサンを追い詰める。
だが、ジョナサンとエミーもフィリックスを振り回し、翌朝フィリックスはデパートの中で疲れて眠っている所をティムキン社長に見つかり、その責任者のリチャードと共にクビになってしまう。

代わりにジョナサンは最年少の部長に昇進した。


マネキン


その夜、実はロキシーもジョナサンが夢中になっている女性を見てやろう、とプリンスに忍び込んでいた。
だが、そこで撮影できたのはマネキンと抱き合うジョナサンだった。

その報告を受けた上司は、プリンスをクビになり戻ってきたリチャードにジョナサンの弱味を握ろうとマネキン泥棒を命じた。

リチャードは、同じくクビになっていたフィリックスを呼んで手助けをさせた。


エミーとの仲が深まると、ジョナサンは外にも連れて行くようになる。
だがその姿はバイクの後ろにマネキンを乗せて走るという、異様なものだった。

リチャードとフィリックスはそのジョナサンを追うが、追いつけなかった。


その後、2人はプリンスに忍び込み、エミーのマネキンを盗みだした。

何も知らないジョナサンは、デパートで目覚めるとハリウッドからマネキンが盗まれた事を教えてもらう。

すぐに2人はイラストラに乗り込むが、もうゴミだと言われて慌ててデパート内を探す。

マネキンに嫉妬していたロキシーは、先回りして盗んだマネキンをゴミ処理機まで運んだ。

次々に粉砕されていくマネキン達。

ジョナサンはギリギリ、エミーのマネキンが粉砕機に落ちる寸前に、その手を掴む事が出来た。

あくまでマネキンのままだが、助けなくてはいけない。
すると、掴んだ腕がいつの間にか人間に変わっていた。

エミーはジョナサン以外の人間もいる場所で、人間になっていた。

そしてエミーを助けた。
エミーは完全に人間に戻れたようだった。

そこにハリウッドが足止めしていた、警備員や警察等が到着する。

ハリウッドは動くエミーを見てびっくりした。
フィリックスはマネキンだ! と叫んだ。
そこにはティムキン社長も来ていて、実は防犯ビデオからリチャードとフィリックスがマネキンを盗み出した証拠がある、と警察を呼んでいたのだった。
その黒幕が、イラストラの社長である事も分かっていた。

3人は逮捕されて行った。


ジョナサンとエミーはウインドウで結婚式を挙げた。


おしまい


かんそう:



Starship - Nothing's Gonna Stop Us Now


80年代の良さが詰まった、モダン・ファンタジー作品でした。
テーマ曲「Nothing's Gonna Stop Us Now/Starship」が大ヒットしているので、聞き覚えがある方も多いと思います。

いろんな面で時代を感じました。
まずはショーウインドウが人目を引いて、宣伝効果があったと言う事。
ネット通販が盛んで、デパートに買い物に行く事自体が日常から遠ざかっている昨今では、あまり想像がつきません。

デパートという場所が特別に感じられた時代。
しかも閉店後のデパートで自由に遊ぶ、というのは確かに憧れました。

そして本作では美しいマネキンが人間になるという、かなり絞り込んだ趣味が実現化されていますが、これについてはもっと映像的なギミックがあるのかな~と思ったらそうではなく。
単純に、ファンタジーとしての設定だけでした。
マネキンが動くとかではないです。


でも、それ自体に共感が出来なくても問題はありません。
というのも、作品中の登場人物のほとんどがマネキンと会話をする(という特殊な趣味を持つ)主人公、ジョナサンを「変わり者の芸術家」だと一線を引いて見ていますから。
あくまでも一般的な感覚が映画全体に流れています。

80年代の良き映画としても、興味があった作品ですが個人的にはジェームズ・スペイダーが目的でした。
これがまた出番は少な目ながら良かったです。
ほぼ出落ち感のある、オーバーなキャラ作り。
眼鏡にぺったりとなでつけて、分けた髪型。
スパイに相応しい、嫌な感じムンムンでしたw
嫌われ役とはいえ、ラブコメ・ファンタジーなテイストに相応しいコミカルさがありました。

ただ、本当にチョイ役だったのが残念でしたが。

そしてそのリチャードと絡む警備員役は、ドラマ「クローザー」「メジャークライムス」でお馴染みのG.W.ベイリーなのですが、とにかく若い! 当たり前ですけどw

人間になったマネキンは、「セックス・アンド・ザ・シティ」のキム・キャトラル。
スタイル抜群です。

今やドラマで活躍する重鎮達がフレッシュに絡む姿が見れたのも、貴重だと思いました。

個人的な目的がなかったとしても、80年代の作品としての味わいは楽しめたと思います。

でも、それ以上を期待するような作品でもないように思いました。

マネキンになった経緯とかそういう事は、一応説明っぽい事はされていますが良く分かりませんし、ツッコミ所も満載ですがそれはさておきを楽しむ(時代の)作品でした。

80年代のファッションや音楽も楽しめました!




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