2017年12月20日水曜日

SING/シング




SING / シング ブルーレイ+DVDセット 〔BLU-RAY DISC〕

2016年作品

CGアニメ


あらすじ:


時代と共に経営不振になっていた劇場を再び盛り上がらせようと、歌のコンテストを開催するが……。




劇場再建


幼い時に父親に連れられヒツジの大舞台女優ナナのステージを見た事で、劇場支配人となったコアラのバスター・ムーン。
亡き父親が、洗車から始めて手に入れていた大事な劇場だった。
しかし今では経営不振で銀行差し押さえ寸前になっていた。

お調子者のムーンは、友人のヒツジでセレブの息子のエディに出資を頼むが、もう父親から止められていると言われてしまう。
それでも次のプランは当たると自信満々だった。


歌のコンテスト


ムーンが次に考えたのは「歌のコンテスト」だった。
オフィスに戻るとすぐにコンテストのチラシをイグアナで片目が義眼のミス・クローリーに作成させる。
賞金の設定は、ムーンに出せる金額ギリギリの1000ドルにした。
ところが、扇風機でミス・クローリーが義眼を飛ばした際にキーボードにバウンドして100,000ドルと入力してしまう。
それに気づかず大量にプリントアウトして、確認する前に再び扇風機ですべてのチラシを窓から外に飛ばしてしまった。

そうとは知らず、配る手間が省けたからいっかと楽観するムーンに、チラシを拾った街の人々は高額賞金に浮かれた。


オーディション


オーディション当日、想像以上の列を作り大盛況となる。
賞金のせいだとは知らずに、自分の狙いが当たっていたとムーンは浮かれた。

オーディションで残ったのは、

カエルのトリオ。(喧嘩で途中リタイア)
ラクダのピート。(怪我で途中リタイア)
ヤマアラシのバンド・ギャル、アッシュ。
窃盗団の息子、ゴリラの青年ジョニー。
ネズミのマイクスは、ストリート・ミュージシャン。
ブタの主夫ロジータは歌は上手いが少し地味だからと同じブタで明るいグンターとコンビを組まされた。

彼らには、それぞれの事情があった。

ムーンは合格者達に10万ドルの賞金を見たいと言われ、始めて賞金にミスがあった事を知る。
それでもポジティブなムーンはなんとかなるだろ、とお金がない事を伏せたまま、そのままコンテストを続行させた。


ゾウのミーナ



ゾウのミーナは、オーディションに参加したのだがあまりのシャイさに、歌を歌わず帰っていた。
家族は、ミーナの歌の上手さを知っているので、その性格さえなんとかなれば、と残念がった。

ミーナは再びムーンにオーディションをしてもらおうと訪ねる。
その時電気代が未払いで停電になった劇場の電気を隣のビルから頂こうとコンセントを持って奮闘していたムーンと再会した事から、ムーンはミーナを裏方として参加しないかと誘った。

ミーナは歌いたい気持ちもあったが、裏方の方が気楽と言う事もあり引き受ける。
しかし、劇場から戻ってきたミーナをオーディションに合格したと勘違いして大喜びする家族には言いにくかった。

何度かミーナにも歌わないかと声を掛けられても断っていたミーナだったが、ムーンに最終確認されてやっと参加する決意をする。



ヤマアラシのアッシュ


ヤマアラシの彼氏とパンク・バンドを組んでいたアッシュは自分だけが合格した事から、自信家の彼氏とギクシャクし始める。
彼氏は少しモラハラな一面もあって、アッシュの事は歌も作曲も自分より優れているわけがない、と頭ごなしだった。

さらにリハーサルで家を空けていると、彼氏は違うヤマアラシの女子を連れ込んで浮気をしていた。

アッシュは、彼氏との別れを決めリハーサルで泣き出してしまう。

しかし、その想いを歌にのせオリジナルを歌うとムーンが認める。


子だくさん主婦ロジータ


ブタの主婦ロジータには25人の子供がいた。

家事に追われるだけの日々、夫も仕事でくたくたでロジータの事を気にする余裕もないようだった。

オーディションに合格したものの、25人を預かってくれるツテもなく途方に暮れるが、どうしても参加したいロジータは、徹夜で主婦の代わりをするカラクリを家に仕込んだ。

余裕のない夫はそれにもしばらく気づかなかった。


ゴリラのジョニー


父親が窃盗団のボスで、自身も家業の手伝いをさせられていたゴリラのジョニー。
でも本当は歌手になりたいと思っていた。
コンテストの事も家族には言えず、こっそり参加していた為、たびたび家業の手伝いで抜けなくてはいけなかった。

ある日、窃盗の運転手役で抜けなくてはいけなかったがリハに参加した為、渋滞に巻き込まれ父親達を迎えに行く事が出来なかった。
その為、全員刑務所に入れられてしまう。

ジョニーは父親の面接に行き、実は歌手になりたいと告白し賞金で釈放させると言った。
父親は、初めて聞くジョニーの夢を受け入れられずそのまま黙って檻に戻ってしまった。
それ以降、面会にも応えてもらえなくなってしまう。


劇場崩壊


参加者もいろんな想いを抱えながら、リハーサルを重ねて準備が整っていた頃。
ムーンは、エディの祖母ナナに出資をしてもらおうと特別講演を仕掛ける。

その際にナナを驚かせようと劇場のステージに水槽でいっぱいにして光るイカを泳がせる。
その幻想的な演出は大成功したが、ムーンの賞金を狙ったクマが乱入してきて実は賞金は1000ドルしかないという事がバレてしまう。
さらにその騒ぎで水槽にヒビが入り、劇場は水槽の水で崩壊し瓦礫の山となってしまった。

いつもポジティブなムーンもさすがにそうではいられなかった。
参加者たちも、バラバラになり元の生活に戻るだけと思われた。


やり直し


ムーンは、エディのプールハウスに居候をして引きこもっていた。
そこへコンテストの出演者達が、これまでの事は水に流したから続きをやろう、と声を掛けにきた。

一度はやる気が出せずに追い返していたが、ミーナまでもが手作りケーキで励ましに来たのでムーンも考え直した。

そして父親がそうしてくれたように洗車のバイトからやり直す事に。

エディとミス・クローリーと洗車をしていると、ある歌声に引き寄せられていく。

そこは瓦礫が残った劇場あとで、ミーナが歌を歌っていたのだった。

その素晴らしい歌声にムーンはすぐに客の前で歌うよう説得し、コンテストの合格者全員を集めた。

もうコンテストではなく、純粋に歌うだけのショーを開催する。
瓦礫を片づけて、皆で手作りで野外ステージを作った。

いつしか皆の目標は賞金ではなく、人生の楽しさや希望を歌にこめる事になっていた。


ムーン、プロデュースのショー


ショー当日、1社だけのTVの中継は史上最悪のショーになるとはなから酷評していた。
悪評高いムーンの主催ということで、客はまばらでほぼ身内だけだった。
それでも出演者は誰も文句は言わず希望に満ち溢れていた。


1曲目は、グンターとロジータの「Shake It Off」(テイラー・スウィフト)。

最初は主婦の姿のままで普段と変わらないロジータだったが、衣装チェンジでキラキラのレオタードになり夫も目覚めさせた。

1曲目から人々は中継に夢中になった。
次第に劇場の観客も増えて行く。

街頭でロジータ達がウケているのを見て、賞金がないなら歌わないと不参加だったマイクもステージに戻った。


2曲目はジョニーの「I'm Still Standing」(エルトン・ジョン)
ずっと練習していたピアノもバッチリだった。

刑務所でも中継で盛り上がっていた。
父親はジョニーが歌う姿を見て、やっと自慢の息子だと認めた。
思わず力任せに刑務所を脱走し、ジョニーの元に駆けつける。

大盛り上がりでも父親には認められない事から、1人だけ浮かないジョニーだったが父親とのハグでやっと心から喜んだ。


途中、銀行のジュディスが乱入し全員不法侵入だから通報すると水を差したが、アッシュのオリジナル曲で蹴散らした。
アッシュは自信がなかったが、針を盛大に飛ばして大盛り上がりとなった。

戻ってきたマイクは、マイ・ウェイ(フランク・シナトラ)を歌い上げ、トリはミーナだった。

怖気づきながらもステージに立って、なんとか「Don't you worry bout a thing」(Stevie Wonder)歌い出す。
ミーナも殻を破って大盛況でショーは終わった。

スタンディング・オベーションが続く客席に、ナナの姿を見つける。
ムーンは初めて父親に誇れる事をした。


後日ナナは劇場の土地購入にサインをした。
そして劇場は再建された。


おしまい。


かんそう:



ある意味ズルい作品です。
動物にヒット曲と誰もが嫌う必要のない人気要素だけで構成されていますから。
ストーリーも、誰もがどこかに少しでも共感が持てるような身近でありながらも夢のあるお話しで、毒っ気はまったくありません。

歌や動物が好きなら一度は見て損はないと思いました。

動物は、まるで人間のように見えてくる瞬間がありました。
ひょうきんで踊りの上手いグンターは私にはモダン・ファミリーのキャメロンに見えていましたw

実は声優が豪華キャストなんですよね。
マシュー・マコノヒー、スカーレット・ヨハンソン、セス・マクファーレン、リース・ウィザースプーン等々。
海外俳優さんの声で判別できるほど馴染みはないのが残念ですが。
日本語吹き替えだとウッチャン(内村光良)、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斉藤司(トレンディエンジェル)等こちらも豪華だったんですね。

ともあれ、ヒットが約束されているような作品に間違いありません。


ドラマは人間そのものの誰しもが抱える、いつか夢が叶うといいなというファンタジーなのですが、それを動物達が演じる事でよりポップで悲惨さも軽減されていました。


年齢性別関係なく、何も考えずに楽しめる1本だと思いました。



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