2018年3月11日日曜日

マジック・マイク



マジック・マイク 【DVD】

2012年作品

監督スティーヴン・ソダーバーグ


チャニング・テイタム、アレックス・ペティファー、コディ・ホーン、マット・ボマー、オリヴィア・マン、ジョー・マンガニエロ、マシュー・マコノヒー、アダム・ロドリゲス、ケビン・ナッシュ、ガブリエル・イグレシアス、ライリー・キーオ


あらすじ:


起業資金の為にストリップクラブで働いていたマイクは、偶然出会った青年の面倒を見る事になる。それはやがて自分を見つめ直すきっかけに――。




出会い


オーダー家具会社の起業を夢に持っていたマイク(チャニング・テイタム)は、数々の仕事を掛け持っていた。
洗車サービス、ストリップクラブでは、稼ぎ頭のストリッパー。

そして今日は建築現場に出向くと、日雇いの素人、19歳のアダム/キッド(アレックス・ペティファー)と組まされてしまった。

アダムは姉のブルックと同居していたが、定職に就けず姉を心配させ続けていた。
建築現場の仕事も、初日で辞めてしまった。


夜、アダムが行くあてもなく街をふらついていると、クラブに入ろうとするマイクを見つけて声を掛けた。
入るなら一緒に、と頼むがアダムは汚いパーカーに短パン姿で一度はマイクに断られる。
だが、しょんぼりした背中を見てマイクは邪険にも出来ず、言う事を聞くなら、と誘った。


マイクがクラブの中でアダムにさせたのは、ナンパだった。
マイクは、ストリップ・クラブの客探しをしていたのだった。

最初は不慣れなアダムだったが、マイクのアドバイスを素直に聞くと才能があるのか大学生のグループを上手く引きつけた。
何かを感じたマイクは、アダムをストリップクラブのオーナー、ダラス(マシュー・マコノヒー)に紹介して下働きとして雇ってもらう事に。
仕事を失ったばかりのアダムには願ってもなかった。

アダムは楽屋で仲間を紹介してもらう。
ダンサーのリッチー、ケン(マット・ボマー)、ティト(アダム・ロドリゲス)、ターザン。そしてDJのトバイアス。

アダムの仕事は小道具を渡す等、簡単だからとそのまますぐに働かされた。

ショーが始まり、順調に進行するがターザンの出番のはずが景気づけのアルコールを飲み過ぎてダウンしてしまった。

代わりのダンサーがいない為、急きょアダムがステージに押し出された。

すると、ぎこちなさがありながらも店を盛り下げる事はなく、チップもたんまりもらって無事ショーを終わらせる事が出来た。


もともと、ナンパをする様子を見ていて何かあると感じたマイク。
そして、ダラスも教えればモノになるかも、と思い始めていた。
女にもてる才能があるのかもしれない。
アダムを本格的にダンサーとして育てる事にした。

ダラスの夢は店をマイアミに移転する事だった。
マイクの事は認めていて、移転が実現したら共同経営者にする、とも言っていた。


転職


アダムは、ナンパした女子大生達とマイクと朝まで遊んで過ごした。
19歳のアダムにはマイクが兄貴分として面倒を見てくれるのは、嬉しく頼もしいようだった。
すぐに「親友になろう」と懐いた。

朝帰りのアダムを見送るマイクは、姉のブルックにも挨拶をした。
アダムとは違い、真面目に仕事をして生活をしているブルックは、マイクの朝食の誘いを断った。


アダムのダンサーとしての生活が始まった。
最初は何もかもが初めてで、戸惑うことばかりだったがマイクや周囲の先輩達に助けられ、どんどん自信をつけていった。

ブルックも店に来て踊るアダムを見て、マイクに面倒を頼んだ。


現実


マイクは、大分溜まったチップなどを掻き集めて企業の為の融資を求めて、銀行へ行った。
しかし元手となる金が問題ではなく、マイクの過去のクレジット問題から融資を断られてしまう。所定の信用基準に満たないと判断されたのだった。


変化


月日が経ち、アダムは立派なダンサーになって稼いでいた。

クラブは順調で、マイアミへの移転も決定した。
マイクはダラスの右腕として、取り分を7.5%だと言われる。
だが最初は10%のはずだった。

人気もあり、仲間の一員としても馴染んだアダムに、トバイアスがドラッグ売買を持ち掛けた。
2人で半々で売ろう、と。
マイクは断っていたのだが、アダムは何も考えずに即答で承諾した。


マイクには決まった遊び相手がいて、最初はお互いの利害が一致していた気軽な関係だったが、相手は次第にマイクに依存されているように感じるとマイクと距離を取り始める。

どんどん状況に流されて、変わっていくアダムに対してマイクは失っていた何かを取り戻そうとしているかのようになっていく。


転機


ある日、マイクとアダムのペアで出張ストリップに行った。
そのパーティー先で、アダムは持っていたドラッグを客の女の子に飲ませてしまう。

それに気づいたボーイフレンドが激怒して、乱闘騒ぎを起こす。
マイクはとにかく逃げろ、とアダムを連れ出すがアダムはバッグを取りに戻りたいという。
中にはドラッグが入っているのだった。
しかしそれが100錠ぐらいだと聞くとマイクは1000ドルなら払えるだろ、と忘れるように言う。
するとアダムも「俺はダラスから共同経営者に誘われたから余裕だ」と言い出す。
アダムの調子に乗った態度が目につき出す。


店に戻り、代金も受け取れなかった事をダラスに謝る。
マイアミ進出前に俺の評判を落とすな、と言われマイクはかっとなった。
「おかしいな、マイアミ進出はキッドと俺の人気あってこそじゃないか?」
するとダラスも受けて立った。
もうマイクが右腕というのは過去なのだ。
今となっては人気者のアダムもいる。
ダンサーとしては若さという武器も永遠ではない、とダラスは釘を刺した。


その夜のステージでは、マイクは言われた通りに新しい出し物を披露した。
まだ共同経営者のつもりだった。
ステージは大ウケで終った。

仕事の後、マイクはアダムを誘ってウサをはらしに行った。

朝になり、アダムと連絡がとれないと心配するブルックが迎えに来た。
するとアダムはラリって吐いたまま床に倒れていた。

面倒を見るというから信用したのに、とブルックはその責任をマイクに押し付けた。
「あんたは大ウソつきの30歳の男ストリッパーよ!」


約束


その後、マイクの部屋が荒らされた。
商品のドラッグを失くした上、その代金を払っていないアダムを探しに来たトバイアスの雇い主の見せしめでもあった。
マイクは1000ドルくらい払えるだろ、というとドバイアスは首を横に振った。
それはアダムのウソで、本当は1万ドル相当が未払いになっていた。

マイクはそれを聞くとすぐに自分が立て替えるつもりになった。
現金じゃないとダメだと言われると、これまで起業の為に溜めていたチップを使った。

いくらアダムが稼ぎ出したとはいえ、今すぐ1万ドルは用意できないだろうから。
トバイアスもさすがにマイクを哀れんだ。

マイクにとってアダムの面倒を見るのは、ブルックとの約束なのだろう。
アダムに連絡が取れず、自宅に行くと留守だった。
ブルックに伝言だけを頼む。

帰ろうとするがブルックに未練のあるマイクは、信頼を取り戻したくて必死だった。
「誤解しないでくれ。俺って人間は……。
今話しているのは「マジック・マイク」か?
ステージの俺は俺じゃない。
あれは仕事だ。俺って人間とは違うんだ。
俺は……。
だからマイアミに行く。経営者になるんだ」

一生懸命話しても何一つ響いていないようだった。
「マイアミでは今の状況がひどくなるだけよ。
でも頑張って。アダムもね。
私は行かない」


マイクはアダムと会った。
金の立て替えを知ったようで、アダムはマイクに礼を言った。
しかし、「くだらない家具の為の金を」と嫌味を混ぜていた。

アダムはすっかり変わってしまった。
あんなに慕っていたマイクを今や下に見ているかのようだった。
「1セント残らず返すよ。
信じてくれ。
20年後に振り返ったら……。
マイクは死んでるかも。
俺は生きてて、2人でしたことを振り返る。
すげえよ、3か月前チンケだった俺がここまでになった。
マイクのおかげだ。
前はただのザコだった。
今は金もある。
ヤリたい女とヤレるし、自由もある。感謝してるよ。
もっと楽しもうな。マイアミで」

マイクのおかげだと口では言いつつも、アダムから尊敬は感じられなかった。

移転の前の最後のステージに、久しぶりにダラスが立ち大盛況となった。
しかしマイクはその間に店を出て行った。
誰にも何も言わずに。

それがマイクの最後だった。
察したダラスは迷わずアダムを右腕として指名した。
「マイクは抜けた。後釜はアダムだ」


マイクは、ブルックを訪ねていた。
いつもなら店に出ている時間だ。
ブルックは、それだけで何かを察したのか素直にマイクを部屋に入れた。

マイクが話し出す前に、ブルックは朝は金を立て替えた事を聞いて居なかったと詫びようとした。
でもマイクにとってはそんな事はどうでもよくて、「その話じゃない」と言った。
「マイアミはやめた。
君の言うとおりだ、辞めた」

新しいプランはこれから考える。

2人は初めて会った時の会話を繰り返す。

「”メシでも食いながら”話す?」
「”それってデート?”」

ブルックは彼氏と別れていた。

初対面のブルックに断られた朝食を、今やっと一緒に食べに行く。
だけど開店の6時までまだあと7時間もある――。

テーブルを挟んで見詰め合っていたが、ブルックからマイクにキスをした。




おしまい



かんそう:


マット・ボマーに、アダム・ロドリゲスと好きな俳優が、ダンサーとして登場するのでとても楽しみに見たのですが……。
全然想像していたノリと違った!!

さすが、ソダーバーグ作品なだけありますわ。
男性ストリッパーを取り上げているのだから、さぞバカバカしいコメディたっちな作品かと思いきや、甘酸っぱい青春……というには、30歳って大分大人なのですがw 気づいた時が大人になる時、といったような成長ドラマでした。

更に大きな不満としてはマット・ボマー、アダム・ロドリゲスであっても台詞がほとんどないお飾りのダンサー状態だった事。
そりゃ、ソダーバーグ作品で、マシュー・マコノヒーとか出て来られちゃ仕方ないのかもしれないけど。

ある意味超贅沢!! でも出来ればもうちょい存在感が欲しかった~。
ほぼルックスだけって感じでした。(まあそれでも良い物を見た感はありますけどね!)

チャニングは、実際にストリッパー経験者という事でその体験が作品の元にもなっているようです。
最初はチャニングがこれからストリッパーになる側なのかな、と思ったのですがぜんぜんそうじゃなかった。
チャニングってどこか「良い後輩」な感じがあって、それも違和感というか最後11歳も歳の離れたアダムに完全にナメられるのですが、そこは仕方ない感があってハマっていました。

とにかく、ストリップシーンについては期待を裏切りませんでした。
ダイジェストっぽい感じも多かったですが、それでも見応えはありました。
ストリップだけを目当てで見ても、満足感はあったと思います。

ストーリーは、そんなバカ騒ぎと反してかなり真面目です。

起業の為とはいえ、ストリップ界にどっぷりと浸かるマイク。
でもダンサーの旬は短く、いつかはダラスのように経営側に回るか。

本当はオーダー家具屋を起業したいマイクだけど、いくらダンサーで儲けているとはいえチップの1ドル札を数える日々ではなかなか実現しない。
かといって、銀行に融資を頼んでも信用がないからと断られる始末。

そこでつまづいたまま、結局変化のない日々を過ごしてしまう。

でも、自分が面倒見たアダムが側で化け物になっていくのを見ながら、それは自分を見つめ直す事にもつながったようで。
アダムの姉であるブルックとの出会いも影響した。
ブルックはこれまでマイクの周囲にいたタイプとは違い、真面目に働いて生活をしているいわゆる普通の人間。

マイクは変わりゆくアダムを見ることで、いかに自分も普通からかけ離れた生活をしていたのかと気づいたのかもしれません。

そして夜の世界から足を洗う事を決意したマイク。
それは新しい一歩を踏み出すと言う事。
そんな決意をしたマイクだからこそ、ブリックはやっと受け入れられたんでしょうね。


続編「マジック・マイクXXL」に、続いていますが、監督が変わっている事からも趣が違いますので、このソダーバーグ節? ドラマが気に入っている場合はここで終りとするのが良いかもしれません。

ダンサー達を見たい! というのであれば、ほぼ引き継いでいる上、本作以上にダンサー達に日の目が当たっているのでお薦めです。




0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...