2018年3月18日日曜日

マジック・マイクXXL



マジック・マイク XXL

2015年作品


チャニング・テイタム、マット・ボマー、ジョー・マンガニエロ、アダム・ロドリゲス、ケビン・ナッシュ、ガブリエル・イグレシアス、アンバー・ハード、ドナルド・クローヴァー、スティーヴン・”トゥイッチ”・ボス、アンディ・マクダウェル、エリザベス・バンクス、ジェイダ・ピンケット=スミス


あらすじ:


前作から3年。ストリッパーを引退していたマイクの元に、仲間から連絡が入る。
その理由は、男性ストリッパー大会への出場の為だったが……。



再会


ストリッパーを引退したマイク(チャニング・テイタム)は、念願のオーダー家具の事業を運営していた。


そんなある日、3年ぶりに元ストリッパー仲間のターザンから連絡が入る。
当時のボス、ダラスが死んだと言う連絡だった。

葬式に出る為に、久しぶりに仲間と再会するとそれはマイクを呼び出す為のウソだった。

実は、ダラスはアダムだけを連れて、海外進出をしていた。
アダム以外のメンバーは捨てられていたのだった。
そのメンバーで、最後のパフォーマンスとしてストリップ大会へ出場する事になっていた。

マイクは自分には仕事があると、参加するつもりはなかった。


だが、仕事に戻り夜1人で音楽を掛けていると、黄金時代のヒップホップが流れる。
するとついつい音に合わせて身体を動かして、踊ってしまっていた。

翌日マイクは仲間の元を訪ね、大会出場に参加すると移動のバンに乗り込んだ。


その移動車は、ティト(アダム・ロドリゲス)がヨーグルトを販売しながらトバイアスがDJを回すという、移動ヨーグルト・パーティー・カーだった。

参加を歓迎をする仲間の中で、マイクはずっとスマホの画面をにらんでいた。
仕事の為だから仕方ないというが、呆れたリッチー(ジョー・マンガニエロ)は車の窓からマイクのスマホを捨ててしまう。

マイクは仕返しに側に会ったスマホを捨てたが、それはリッチーのではなくターザンのだった。


和解


途中、マッド・メアリーの店に寄って皆で盛り上がった。
ショーの後、スタッフや客らと一緒にビーチで火を囲んでクールダウンをした。

近況報告の流れで、各自の夢を語ったりした。

マイクとケンにはどこかわだかまりがあったようで、マイクはケンに俺を殴れと言い出した。
ケンに思いっきり殴られたマイクは用を足しに1人、輪から離れた。

そこで、マイクの写真を撮る少女と出会う。
少女はNYへ行くといって、あなたのようなストリッパーにはならない、と生意気だった。

翌朝、マイクとケンはすっかりお互いを認めていた。

突然クビになり、皆先行きが不安だった。

テイトはビーチで運命的な出会いをしていたが、リッチーは実は5か月も女性とのつきあいがない、と告白した。
35歳だというのに、未だ(身体の)相性の合う人が現れない、と諦め半分になっていた。


アイデア


車の中でショーのプランを話していると、マイクはせっかくだから新しい演目をしようと提案した。
しかしショーは2日後。
仲間には不安しか感じられなかった。

でも、マイクはダラスにやらされていただけのダンスよりも、やりたい事をした方がいいと引き下がらなかった。

するとドラッグの影響もあったのか、1時間もすると皆やる気になっていた。
リッチーは、結婚式というテーマを出して大興奮をするがショーへの自信を失っていたようだった。

そんなリッチーを途中で立ち寄ったスーパーのレジの女性を笑顔にしろ、といきなりお題を出して奮起させた。
それが成功すればショーも成功だし、ダメなら昔の古い演目に戻せばいい。
リッチーは仲間に見守られながら、スーパーの店内BGMに合わせて踊り出す。

ちょうど「Backstreet Boys /I Want It That Way」、バラードに切り替わった。

Backstreet Boys - I Want It That Way


店の外で見守って応援する仲間達の前で、リッチーはしっかり女性を笑顔にすることができた。
仲間達も新しい演目に自信を感じた。
ティトは古い衣装を車の窓からどんどん投げ捨てて行く。

感極まって円陣を組む。
運転しているトバイアスにも手を伸ばさせた。
そして皆で目を閉じようと声を掛けると、運転しているトバイアスも目を閉じてしまった。

車は道を外れ標識を倒して森に突っこんで事故ってしまった。
トバイアスは、怪我をして入院する羽目になりバンも修理が必要になってしまった。


現実


それぞれがドラッグが抜けて正気に戻ると、お互いを責め始めた。
そんな中、マイクに「CEOさん」とリッチーが嫌味を言うとマイクは真実を告白した。

皆にはマイクの事業は大成功していると思わせていたが、実はそんな事はなかった。
従業員は1人だけ、保険料も払えない。それでもなんとか頑張っている。

私生活はもっとひどく、同棲を始めたブルックには家も犬も婚約指輪も用意したのにプロポーズを断られていた。

実は、マイクは前に進む為にこの旅に参加する事にしたのだった。

それを聞いて、文句を言い合っていた仲間達も目を覚ます。
ここで終らせるわけにはいかない。


MC


旅を続ける為には、トバイアスの代わりとなるMCも捜さなくてはならない。
するとマイクには心当たりがあるという。

マイクは、ある店にローマという女性を訪ねた。
ローマはマイクの古い知り合いで会員制ストリップ・クラブのMCだった。
まずは店を案内してもらう。

主に黒人のダンサーが多い店内は、札が舞い大盛り上がりだった。

マイクがローマにストリップ大会に出るというと、ローマは立ち寄ったのは大会のついでだったのか、と怒りだした。
8年ぶりだという再会がついでな上に何か頼み事でもあるんじゃないかと勘繰られると、マイクは「何もない」と誤魔化した。

するとローマは突然マイクをショーに引っ張り出した。
過去の幽霊に蘇るチャンスを与える、と。

マイクのダンスはローマを納得させる事が出来たようで、帰りの車を用意してくれた。
結局MCを頼む事は出来なかった。


運命


次に立ち寄ったのは、ティトがビーチで出会った運命を感じた少女の家だった。
そこは、想像以上の豪邸だった。

尋ねると少女の母親の友人らも集まっていて、男達の登場を歓迎した。
娘たちとマイクがビーチで出会った生意気な少女も加わって、酒盛りが始まる。

主婦達は夫の愚痴で盛り上がっていた。
それを聞いたダンサー達は、ここぞとばかりに魅力を発揮して主婦達を癒した。

すると、家主の主婦(アンディ・マクダウェル)とリッチーが関係を持ってしまう。
リッチーにとって彼女が運命の相手だったようだ。

翌朝、元旦那のセレブな車を借りて旅を続けた。


大会


マイク達はやっとマートル・ビーチのホテルに到着した。
するとそこで待ち受けていたのは、ローマとアンドレ(ドナルド・グローヴァー)、マリク(トゥイッチ)だった。
それはローマがマイク達に協力する、という事だった。

すぐにショーの準備を始めた。


大会当日。
受付けにはマイクの知り合いのパリスが居た。

再会に喜ぶが、事前に登録をしていない場合は参加できない、とルールには厳しかった。
ところがローマが顔を出すと、パリスはローマは師匠だといい参加を認めざるを得なかった。


大勢の参加者が集まった。
さっそく湧き上がる歓声に、リッチーは急に弱気になる。
マイクが活を入れるとショーの順番がやってきた。

MCはローマ。
自身の店のように客の女性を「クイーン」と呼んで盛り上げる。

最初はターザンのソロ。
会場から選んだ女性の絵を描くと言う設定で、黒いキャンバスに何もつけていない筆を走らせる。

最後にシルバーのラメを振りかけると、あらかじめ用意していた絵が現れるという仕掛けを披露した。

次はティトのソロ。
会場から3人の女性をステージに上げ、ジャムやクリームなどの食べ物を使って踊った。

3人目のケンは、ダンスと歌を披露し、アンドレに繋いだ。
アンドレの歌をBGMに結婚式をテーマにリッチーが登場する。

そしてマイクとマリクの、鏡に想定した大きな額縁を挟んでのシンクロ・ダンス。

ショーは大成功で終った。


ショーの後、外に出ると修理から戻った車に乗って、退院したトビアスがやってきた。

空には花火が打ち上げられる。

全員で花火を見上げた。


おしまい


かんそう:


監督はソダーバーグから、ソダーバーグ監督の助監督を務めていたグレゴリー・ジェイコブス監督に変わっています。

なので、雰囲気が大きく変わった訳ではないのですが1作目とは明らかにノリが違います。

これは、1作目にも参加している&ソダーバーグDNAがある事が良いのかどうか、判断が難しい所だなぁ、と思いました。

まず前作から引き継いでいるのは、あくまでも「青春タッチ」な所。
前回はマイク1人の自分探し? のような成長がテーマでしたが、今回はマイクもまた振り出しに戻っているような状況で、その他全員も人生の岐路に立たされています。

まあまあの大人が集まって、全員「俺これからどうしよう……」状態。

なかなか、恐ろしいドラマです。

そんなストリッパー最後の打ち上げ花火として、大会に出場する。

リアルな結果はさておき、自分達が自分達に対するはなむけとして満足できればヨシ!
といったような終り方に感じました。
まさに、笑顔で花火を見上げて終わる、という。


ストーリー性は、前回以上に希薄に感じました。
特に後半は、ほとんど台詞や展開がなくただショーを眺めるのみ。

しかも、2作目と言う事で踊りそのものではなく「出し物」でアッと言わせようとさせたのか、ダンスの印象よりも仕掛けが目立つ&ソロで誤魔化されてしまっているのが、全体的なインパクトに物足りなさを感じました。

全員揃ってのダンスが見たかったんですけどね~。
やっぱり大変なのかな。

今回はプロのダンサー、トゥイッチ(アメリカン・ダンス・アイドル、シーズン4出身)も投入して、1作目以上の底上げをしていましたが、そのマイクとマリクのシンクロ・ダンスは見応えがありました。

さらにダンサーとしては若干違和感のあるアンドレ役のドナルド・グローヴァーは、シンガーソングライターとして登場。
ストリップに歌がプラスされて、ディナーショーちっくなノリも追加されていました。


と、1作目に感じた「男性ストリップ」を取り扱うドラマにしては変に真面目、という妙な違和感は残しつつ、大きく違いとなったのは「1作目ではただのダンサーだったマイクその他に日の目が当たっている」という部分でした。

これは1作目で物足りなさを感じていた方には、朗報だと思います。

前作ではあまり見えなかった彼らの個性が、感じられました。

とはいえ、せっかく見えた所で、「これからの人生どうしよう」なストーリーというのはテンション下がるんですけどネ。

そんな感じなのでストーリーは、正直イマイチでした。

まず、マイクが3年後であっても実はそんなに幸福度が上がっていない。
むしろ、かなり下降している状態という寂しさ。

てっきり、イケイケなマイクが余裕ある所から「久々おどってみっか!」みたいなノリなのかと思ったのですが、マイク自身「俺の人生、何もいい事ねえ」みたいな感じで、ストリップ大会に現実逃避しちゃうんですもん。

1作目でどうなったかなーと思ったブルックと同棲していて、プロポーズまでしたというのは、嬉しい状況なのにそこで何でフラれてる?w

そう、マジック・マイクってドラマは、いつも何かを迷って報われていないドラマなんですよね~。
それをストリップで、刹那的に誤魔化しているという。
まあ、どんな仕事であっても旬というのはありますが。

ともかく、ストーリー的には実はダウナー系というのは引き継いでいます。

結局、マイクは大会に出て、それから自分の生活に戻って。
どうなるのでしょうか?

最後皆で打ち上げ花火を見上げていましたが、花火も瞬間の美の象徴そのものです。

マイクは、いくらステージで踊ってその瞬間は女の子達の熱い視線を独り占めしていても、結局何も満たされないのは永遠に変わらない。

どこが「マジック」なのか?

やっぱりマジックなんてないっていう、むしろ「祭り」がなければその後の空しさもそもそも感じなかったんじゃないかしら? と、人生に対して消極的な気持ちになるストーリーでした。




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