2018年2月4日日曜日

8mm



8mm/ニコラス・ケイジ

1999年作品

ニコラス・ケイジ、ホアキン・フェニックス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ピーター・ストーメア、アンソニー・ヒールド、クリス・バウアー、キャサリン・キーナー、ノーマン・リーダス、エイミー・モートン、ジェニー・パウエル


あらすじ:


私立探偵が受けた依頼は、1本の殺人フィルムの真偽の調査だった――。


調査依頼


私立探偵のトム(ニコラス・ケイジ)は、大富豪クリスチャン家の未亡人から調査依頼を受ける。
弁護士ロングデールが業界内で評判だとトムを褒めた。

依頼の内容は、死んだ夫が金庫に隠していた1本の8mmについて、だった。
再生すると少女がボンテージマスクの男に殺される、いわゆるスナッフ・フィルムと思われるものだった。
噂はあるが幻とも言われている事から、トムはおそらくSMの趣味の範囲だろうと答えた。

夫人から、とにかく見て欲しいと言われて見ると作り物であったとしても、目をそむけたくなるような内容だった。
特に娘が産まれたばかりのトムには虐待される少女は、きつかった。


トムは、確かにリアルに作られているから警察での鑑定を提案した。
するとロングデールと夫人は大反対をした。
故人の名誉に傷が付く。

とりあえずトムがどういうフィルムなのか調査する事になったが、トムは夫人に伝える。
「フィルムを焼却すればすべてなかった事にできるんですよ」
しかし、夫人はフィルムの中の少女が心配なのだという。
あれが作り物で、彼女が無事だという事を知りたい。
トムはそれに応える約束をした。


行方不明者


トムはリソース・センターへ行き、少女との関係をでっちあげ、似顔絵を見せて行方不明者の情報から少女のデータを捜しだす。
膨大な量のデータに、まだすべてがコンピューターに対応している訳ではなく、時間がかかりそうだった。

8mmを注意深く見ていると、フィルムを特定するロゴを見つけた。
それにより、スープララックス544であると突き止める。
92年に製造が中止されていた。
そこから、夫人に連絡をして92年より前の出金記録に不信な支出がないか調べてもらう。

そして何日目かに、紙資料の中にフィルムの少女のデータを見つけた。


メアリー・アン・マシューズ


少女の名前はメアリー・アン・マシューズ。
93年、16歳で失踪していた。

トムは、メアリーの母親ジャネットを訪ねた。
ジャネット(エイミー・モートン)はメアリーの帰りを今でも待ち続けていた。

所持品を調べたトムは、トイレのタンクからメアリーが隠していた日記帳を発見する。
そこには家出の際に書いたと思われる母親への手紙があった。
ウォレン・アンダーソン(ノーマン・リーダス)と一緒にハリウッドを目指す、と書いてあった。

母親には伏せたまま、手紙に書いてあったウォレンの実家へ向かう。
父親にウォレンの連絡先を聞くと、ウォレンはフェイエットヴィル刑務所にいると分かる。

刑務所に居るウォレンに会いに行く。
すると、メアリーの存在は最初から邪魔ですぐに蹴り出していたという。
このルートは手詰まりとなった。


トムは再度ジャネットを訪ねると、念の為の確認をした。
真偽はさておき、娘さんがどこかで幸せに暮らしてると想像する。
最悪の事態だが、何があったのかは知らされる。

ジャネットは真実を知る事を選んだ。


ハリウッド


トムは、メアリーの足跡を辿る様にハリウッドへ向かった。

地道な聞き込みから始め、あるポルノ・ショップへ立ち寄る。
ポルノ雑誌の広告から糸口を捜そうとした。
そこで店員のマックス(ホアキン・フェニックス)と出会う。

ホテルで8mmを再生していると、新たな事実に気づく。
見学者が写り込んでいたのだった。
よりクリアな映像にする為に映像処理をしてもらう。
すると黒髪の男の背後が現れた。


再び、ポルノ・ショップへ行き、トムはマックスなら裏ポルノの関係者や事情に詳しいと思い、協力を求めた。
しかし、その様子を誰かが監視していた。


スナッフ・フィルム


トムは、マックスと共にスナッフ・フィルムについての調査を始めた。
だが何処へ行ってもその単語を口にすると、酷く拒絶された。
そして、やっと入手したかと思えば、同じ女性が殺されるという明らかな偽物だった。
やはり本物など存在しないのかもしれない、と思いかけていた。


救済センター


トムは1人で救済センターに向かった。
するとメアリーを覚えている人がいた。1ヶ月程滞在したがある日消えたという。
しかし預かったままの荷物があると言われ、トムが回収した。

その荷物の中から、電話番号のメモを見つけ掛けていくと「セレブリティ・フィルムズ社」に行き当たった。

訪ねるといかにもポルノ関連のオフィスだったが、メアリーの事は知らないとエディ・プールに言われた。
だが、写真を見た反応から知っていると感じてトムはオフィスを監視し、盗聴を始めた。

ある夜、エディが出かけるのを見て後をつけるとポルノの撮影現場だった。
しかしすぐにトムが覗き見しているのがバレて、逃げた。


次の日。
トムは、エディのオフィスに電話をした。
「バレたぞ。あの娘さ。6年前、彼女に何をした?
お前は仲間と彼女を殺した」
エディがどう動くのか引っ掛けたのだった。

エディはすぐに電話を掛け、直接話すと言って出て行った。

盗聴時に入手した電話番号から、電話の相手がニューヨークの変態プロデューサー兼監督ディーノ・ベルベットだと判明した。
SMのジム・ジャームッシュだとマックスは言った。
市場に出回る事はほとんどなく、撮影注文も受けているようだった。


ニューヨーク


ディーノの知り合いにコネがあるというマックスを連れてトムはニューヨークへ飛んだ。

その頃、夫人との連絡で不明な少額を合わせて100万ドルの支払いがあったことを知る。

トムは、マックスに集めさせたディーノの作品をチェックした。
するとフィルムに映るマスクの男の手にあるタトゥーを発見する。
マックスによると、ディーノのお気に入りの男優マシーンだという。
頭をすっぽりと覆うラバー・マスクが売りだった。


ディーノ


マックスのツテを使ってディーノを訪ねた。
トムはファンで作品依頼をしたい、と自己紹介した。
ただし条件として、撮影現場に立ち会う事とマシーンの起用を希望した。

交渉が成立して撮影が決定すると、トムはマックスをLAに帰るよう言った。
マックスを気に入ったトムは、また仕事があれば声を掛けると金を渡して別れの挨拶をした。


撮影当日、現場に行くとトムの素性がバレていてトムはディーノに矢を向けられる。
そこにはエディも来ていて、トムがメアリーを捜している事はバレバレだった。

更に驚いた事に、ロングデールもいた。
メアリーを捜索しているその背景を、ロングデールはディーノ達に話していたのだった。

ディーノはフィルムの返却を要求し、そのダメ押しとしてマックスまで拉致して拷問していた。
血まみれのマックスを見てトムは驚く。

ロングデールを見張りにつけられ、フィルムを取りに行く事に。

ロングデールは事の真相を話し出す。

そもそもトムに目をつけたのは、若造で切れる男じゃなく途中で降りると思ったからだった。
しかし、読みが浅かった。

ロングデールは過去、スナッフ・フィルムの手配を頼まれそんなものが存在しない事から、自ら作成するしかなかったのだった。

トムは、クリスチャンは何故あんなものを! とロングデールを問い詰めた。
「それが出来たからさ」
たったそれだけの理由だった。

そしてフィルムを返すも、マックスは目の前でマシーンに殺されてしまった。
抵抗して暴れるトムも、ボコボコにされベッドに手錠でつながれた。

フィルムはすぐに焼却された。

そこでトムは100万ドルという金額を口に出した。
するとロングデールが金額にサバを読んでいたようで仲間割れを始めた。
ディーノは、怒りの矛先をロングデールに切り替える。

銃を持つロングデールは、ディーノの弓を捨てさせようとするが直前で矢を射った。
ロングデールも矢を受けながら発砲し、ディーノと相打ちとなった。

その間こっそり近くにあったナイフに手を伸ばしていたトムは、テーブルを倒してなんとか入手し、反撃に出る。
マシーンを刺し、倒した間に銃も手に入れてエディとマシーンを脅し、隙を見てトムは逃げた。

逃げながら妻に電話をし、3時間後に思い出の場所で待ち合わせをした。
夫人にも電話をし、ロングデールの死とフィルムの真実を告げた。


その後、妻と合流をし家族の無事を確認するとトムは夫人を訪ねた。
しかし、夫人はトムとメアリーの家族に手紙を残して自殺をしていた。
手紙には「私達夫婦の事は忘れて」とだけ記されていた。


エディ


トムは再びロスへ行った。
エディを訪ね、マシーンの素性を探った。
なかなか口を割らないエディに、フィルムの撮影現場に案内させると、そこへ拘束した。

そしてジャネットに電話をし、メアリーの真実を告げ、その犯人に罰をあたえていいか、許可を得る。

そして、エディに火をつけた。


マシーン


病院の聞き込みからマシーンを追った。
名前はジョージ・ヒギンズ。自宅をつきとめ、夜銃を持って侵入する。

トムの侵入に気づいていたのか、家の中でもマスクを被って襲ってきた。
揉みあいの末、トムは2階の窓から落ち、柵の外に銃を落としてしまう。

マシンも屋根伝いに降りて来て、殺人の魅力を話しながらトムにナイフをつきつけた。
そこをトムは足に隠し持っていたナイフで刺し、銃を拾い立場を逆転させた。

まずは、マシーンの仮面を取らせる。
すると素顔は眼鏡をかけた普通の男だった。
マシーンはトムの反応を理解するように話し出す。
「モンスターじゃないぜ。納得できないか? 
自分でも分からん。
暴行された経験もなく、性的虐待の経験もない。
生まれつきこういう男なのさ」

マシーンは隙を見て反撃に出るが、揉みあいの末トムにナイフを突き立てられて死んだ。


おしまい


かんそう:


ものすごく気分の悪い話しですが、最後は悪者は全員死んでスカっと? 出来るストーリーでした。

古い映画なので、今でいうネットなどがまだ普及していない頃で作中でポルノのやりとりに、「これからはネットで顔を見ずに流通できる」とマックスが言っているのが面白かったです。
作品の中ではリアルなブラック・マーケットで調査をしていました。

こういった謎解き系は、PCやネットの普及以前の、足で情報を得る設定のほうが面白さはありますね。
1本のフィルムから、その真偽、そして真相が次々に明らかになっていく過程は、純粋にミステリーとして面白かったです。

ただそれが、決して楽しめる作品や世界ではないのが残念でしたけど。

見たのは2回目でしたが、ほとんど内容を忘れていて今見直した事で新しい発見もありました。
 
なんと、ノーマン・リーダスがちょい役の彼氏で登場していました。
そして今シカゴPDに出演中のエイミー・モートンがジャネット役で。名演でした。

トムの捜査の名アシスタント、マックスのキャラも良かったのですが、マックスが殺されて終わってしまうというのも残念でした。

最後、はっきりとは明記されていませんが恐らくトムは探偵を辞めていたんだろうな、と思います。

でも、ジャネットからのお礼の手紙を受け取って終わるので、これはもしかしたらシリーズ化の伏線でもあったのかなーと思いました。

とはいえ、実際の続編は私立探偵トムを引き継いでのシリーズではなく「8mm」という媒体を引き継いだ別モノのようです。

トムとマックスのペアで、さくさくと謎を解いてくスピード感を継続させて欲しかった!





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