2018年8月12日日曜日

ラ・ラ・ランド


洋画ミュージカルの映像ソフト ラ・ラ・ランド DVD スタンダード・エディション/ライアン・ゴズリング[DVD]

2016年作品

ミュージカル

あらすじ:



出会い


撮影スタジオのカフェで働いているミア(エマ・ストーン)は、女優を目指してはいるが、なかなかオーディションに受からず、焦っていた。

あるパーティーの帰り道、車がレッカーされた為、歩いて帰宅しているとピアノの音に惹かれてバーに入る。

そこでピアノを弾いていたのは、セブ(ライアン・ゴズリング)だった。
ミアが感動して声をかけるも、セブは思いっきり無視をして通り過ぎていた。

何故ならセブはその場でクビになったばかりだったから。
言われた通りの曲を弾かず、自分の好きなフリージャスを弾いてばかりなせいで。


再会


実は2人の出会いは、バーが最初ではなかった。

LA名物の渋滞で、偶然ミアがセブの前を走っていた。
オーディションの練習に夢中になっていたミアをセブが追い越して、怒鳴っていた。

そして、また2人は偶然再会する。

ミアが参加した業界人のパーティーで、セブは80年代コピーバンドのキーボードをしていた。

ミアはそれに気づき、フロック・オブ・シーガルズの「アイ・ラン」をリクエストした。

最前列でノリノリでダンスをするミアに、セブは演奏後クレームをつけた。
「本物のミュージシャンにリクエストする曲じゃない」

セブはバーでの悪態を覚えており、ミアに仕返しをされたと思っていた。


帰り際、ミアはしつこい業界人から助けてもらおうとセブを利用して、一緒に帰った。
出会いから言いたい事を言い合う2人は、すぐに惹かれ合うようになる。


急接近


翌日、セブはミアの職場を訪ねた。
会話の中で、ミアがジャズを好きじゃないというとセブはミアにジャズの魅力を伝えようと必死になった。

セブはミアにはグレッグという彼氏がいる事を知っていたが、理由をつけてデートに誘った。
ミアが「理由なき反抗」を見ていないと知ると、リアルドという名画座で待ち合わせをした。


だが、ミアはグレッグとダブル・ブッキングをしていた。
最初は、グレッグとの食事を選んだが途中で気が変わり、セブを選んで映画館に急いだ。

2人は正式につきあうようになった。


それぞれの夢


女優を目指すミアとジャズに拘るピアニスト、セブは芸術を愛する者同士、お互いの良き理解者でもあった。

ミアはセブの影響を受け、自分で脚本を書いて独り芝居を演じる計画を立てた。

セブは、いつかヴァン・ビークというレストランを買い取りたい、という夢を話していた。
今では、サンバとタパスの店になってしまっているが元々はジャズの名店だったから。


転機


2人の交際は順調で、同棲も始めていた。

ある夜、セブはキース(ジョン・レジェンド)という同級生と再会し、バンドに誘われる。
だが、その時は即答で断っていた。

しかし翌日、ミアの母親が電話で2人の生活を心配しているのを聞いて、生活の為にバンドへの参加を決める。
すでに軌道に乗っているバンドだったので、週給1000ドルにロイヤリティ等が補償された。

ところがリハーサルを始めると、ジャズの要素はあるが現代にアレンジされたポップ・ミュージック・バンドだと言う事を知る。
拒否反応を示すが、キースにやりたい事をやる為にはまずは知名度が必要と説得され、納得をした。


セブはツアー、ミアは1人舞台の準備、とお互い離れる時間は増えてもそれぞれが忙しく、問題はなかった。

だが、ある夜セブのライブを見たミアは、そこで演奏されている音楽を知って驚いた。
これまでセブがバカにしていた部類だったから。
だが客は熱狂してステージに駆け寄っていた。ミアだけを取り残して。


擦れ違い


舞台の本番も近づき、セブと会えない日がつらくなっていた頃、サプライズでセブが一晩だけ帰宅していた。

実はセブもミアの居ないツアー生活が寂しく、できればツアーに同行して欲しいと打ち明けたのだった。

ミアは、舞台もあるしその後の事を考えると出来ない、と断った。
そして逆にツアーはいつ終わるのか? と尋ねる。
ツアーが終わっても、レコーディングでまたツアーと、忙しさは終わらない。

ミアは、自分が思っていたものと違うと言う。
「あの音楽好き?」
セブは分かっていながらも「何故そんな事が大事なんだ?」と聞き返す。
「もし夢を諦めるなら好きかどうかは大問題よ。
何年も続けるんだし」
「君は好きか?」
「ええ。でもあなたが違うかと」

2人の雰囲気は一気にギクシャクした。
「君が望んだんだ。
安定した仕事に就けと」
「それはあなたが店を開く為よ」

終らない言い争いを止めたのは、セブのセリフだった。
「君は優越感の為に、不遇の俺を愛した」

2人の沈黙を火災警報器が打ち消した。

セブがミアの為に用意していた料理は。黒焦げになっていた。

ミアは1人家を出た。


1人舞台


ミアの1人舞台の日がやってきた。
当然、セブも見に行く事になっていたが、雑誌撮影が入っている事を忘れていたのだった。
セブは撮影を選んだ。

1人舞台が終わった。
すぐに数えられるだけ埋まっている客席に、セブの予約席の空席は目立っていた。
舞台裏でも耳に入る悪い評判は、ミアを傷つけた。
「わけがわからないよ」
「女優は無理だな」

撮影が終わったセブは慌てて会場を訪ねた。
帰ろうとするミアに声をかけるが、ミアは「何もかも終わりよ」と言った。
空席で劇場の使用料も払えない。
ミアは実家に帰ると告げ、1人で帰って行った。


新たな始まり


ミアのいなくなった部屋に、ミア宛ての電話が掛かってきた。
キャスティング担当だと聞いて、セブはミアの実家まで訪ねて行った。
実は1人舞台を観ていて、ミアを気に入ったディレクターが居たのだった。

ところが、ミアは自信を失い尻込みをした。
もうこれまで嫌という程傷ついてきていたから。

そんなミアを叱咤激励し、セブは翌朝オーディション前に迎えに来ると約束して帰った。

そしてミアは大役を手に入れた。
撮影はパリ。

最初からセブは信じていたから、ミアと話し合っていた。
ミアは撮影に没頭するべき。
自分はLAに残って音楽の道を進む。

愛し合いながらも、本格的な別れを。


5年後


ミアは女優となって、自分がバイトしていたカフェに戻っていた。
今度は自分がサービスを受け、注目を浴びていた。

結婚をし、子供も生まれていた。

夜はシッターに子供を預け、夫婦で映画に出かけた。

夜でもLAの道は渋滞している。
間に合わなければNYで見ればいい。
ミアは、道を外れて食事をしようと提案する。

2人で歩いていると、夫が気になるバーを見つけた。

そこはセブの店、セブズだった。

セブは、念願の自分の店「セブス」をオープンしていた。
基本的な生活は変わらないが、店は繁盛していた。

ミアは店内にセブの姿を捜した。
バンドにはいなかったが、演奏が終わるとセブがステージで挨拶をした。

すると、セブは客席のミアに気づいた。
しばらく声を失い、沈黙の後小さな声で「ようこそセブズへ」と言った。

そしてソロでピアノを弾きはじめる。
それは2人の思い出の曲だった。

2人の出会いから遡り始めるが、その想い出はすべてが2人が幸せに脚色されていた。

バーでの出会いからキスをし、キースのバンドには入らない。
1人舞台は満席の中にセブもいて、スタンディング・オベーションだった。

2人は結婚し、子供が出来て夜は2人で出かける。
渋滞から逃れて食事へ行くのも、ミアとセブになっていた。


そんなセブの妄想がミアにも伝わったのか、ミアは曲が終わると「もう行きましょう」と言って店を出て行った。

だが、最後に振り向いてステージのセブを見た。

2人は目を合わせると、笑ってうなずき合った。

セブは、気を取り直して演奏を続けた。


おしまい


かんそう:


アワード系での話題が目立ったので、どんな作品なんだろう? と思ってみたら、80年代のMTV映画という印象でした。

良くも悪くも、ストーリーはあってないようなもので、王道の青春? ストーリー。
でも実は映像はもちろん、凝っている。

ハッピーエンドではないというのも含めて。


明るいポップな色合いのミュージカルというイメージで、このアン・ハッピーエンドな終わり方をするのは、なかなか想像が出来ませんでした。

途中別れはあっても、最後にはハッピーでもいいんじゃないかなと思ったのですが。

特に、ミアの方が打算的というか、セブへの踏ん切りもしっかりついていて、結婚をし子供も生まれているという描き方が、「女性に頭の上がらない」男性が書いたのかな? と感じました。

それが良い悪いというよりは、現代の男女関係を表してもいるような。

男性のほうがロマンチスト。
だいたいセブは一度はミアをツアーに誘っているのに、ミアは自分のやりたい事を優先して断っている。
ミアが悪いわけでもないけど、この時点でセブとは合わないんですよね。
そして昨今は、ミアに共感する女性が多いんじゃないかな、と思います。


最後のハッピーエンド妄想は、誰の妄想なのかについては明記されていないので、好きなように想像する事も出来ますが、私は妄想終りからの切り替えが現実のセブだったので、セブなんだろうな、と解釈しました。

またセブの生活は5年後とはいえ、ミアと出会った当時のままを貫いていて、実はそれ程変化がない。

5年間ミアを引きずっている……とまでは言わなくても、運命の出会いまではがっついていない、ある意味セブらしいまんまと思えます。

反面、つきあっている当時はセブを散々「夢を諦めた」などと非難していたミアは、相手の旦那さんは何をしている人かはわかりませんが、ある意味何の特徴もないいわゆる「ザ・夫」といったような旦那さんに、豪華な家。
服装も急にハイブランドのコンサバなワンピース、って感じになっています。

5年前は、ポップな古着のワンピースみたいな感じだったのに。

それにバイトしていたカフェに女優として戻った時の振る舞いも、まるでそこでバイトしていた事をなかったかのようにしているようにも感じられました。

成功してすっかり変わった、と言ってもいいような。

ミアは、「優越感の為不遇なセブを選んだ」と言われていましたが、今ではどんな相手でも優越感を持てるようになった……って感じ。


ミアとセブ、どちらに感情移入して見るか、で平凡なストーリーが2つの意味を持っている……というのは面白いな、と思いました。

そして女性ではありますが、私はセブの方に感情移入しました。
古い考え方なのかもしれませんが。

だいたいあのガラガラの1人舞台でたまたま目をつけられた、だなんて話しがウマ過ぎて、全部夢落ちでいいんじゃねーの? と思う位、ミアには共感できませんでしたw


でも今時の女性ならば、ミア派が多いんだろうな、と思います。

ポップで楽しい演出が多いのだから、こんな風にあれこれ考えさせるのではなく、単純にハッピーエンドで軽く終わらせればいいのに……と思いました。

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