2018年4月1日日曜日

SPY/スパイ



SPY/スパイ 【Blu-ray】

2015年作品

メリッサ・マッカーシー、ジェイソン・ステイサム、ジュード・ロウ、ローズ・バーン、ミランダ・ハート、50セント、ボビー・カナヴィル、アリソン・ジャニー、モリーナ・バッカリン、ピーター・セラフィーノウィッチュ

あらすじ:


CIAでスパイの誘導として働いていたが、パートナーのエージェントを殺され復讐の為、デスクからエージェントとして現場に出る事に……。


発端


CIAのスパイ、ファイン(ジュード・ロウ)は、核爆弾を所持するボヤノフを誤って情報を聞き出す前に撃ち殺していた。
花粉症でくしゃみをしたはずみで。

しかしその後もCIAは、核爆弾売買の情報を盗聴で仕入れる。
ファインの誘導役のスーザン(メリッサ・マッカーシー)は、娘のレイナ(ローズ・バーン)の仕業だろうとボスのクロッカーに話した。


早速、レイナの自宅にファインが潜入する。

あまりに警戒が見られない事をスーザンは危険だと、警告するがファインは聞かなかった。
するとレイナの罠だったようで、ファインは捕まりレイナに撃たれて死んでしまった。
そのシーンそのものは、カメラを奪われ見えはしなかったが音はしっかり聞いていた。

最後にレイナはスーザンが見るカメラに向かって、エージェントは全員把握してると脅した。


手掛かり


太っている自分に自信が無い為、ファインに抱いていたほのかな恋心を隠していたスーザンは悲しみの中、監視ビデオの中に手がかりを見つけた。

テロ組織の仲介役として目をつけていた、デ・ルーカという男の電話番号を書いたメモが写り込んでいたのだった。
核爆弾を売る為に接触しているのだろう。


気の荒いエージェント、フォード(ジェイソン・ステイサム)はフォードの後釜として俺が行くと息巻くが、レイナに素性がバレているとクロッカーに止められる。

すると、顔移植マシンを使って顔を変えればいいと言い出す。
クロッカーはそんなものはない、と諭した。
フォードは、単純で騙されやすいバカだった。

そこへスーザンが立候補した。
自分なら誰にも顔は知られていない。何よりファインの仇を討ちたい。

フォードは事務のおばさんが現場に出るなら俺は辞めると、呆れて出て行った。


クロッカーは、あながち悪くないとスーザンを調べた。
すると、アカデミーでは優秀な成績で卒業していた事がわかる。
その時の指導役がファインだった。
スーザンは現場に出られる十分な才能を持っていたのに、ファインに言われるまま誘導役に収まっていたのだった。
ファインに取り込まれたのだが、恋心ゆえスーザンに迷いはなかった。

ともあれクロッカーは現場に出すには問題ないと判断をし、スーザンを尾行だけするという名目でエージェントに任命した。
接触はナシで、デ・ルーカの電話やメールを傍受して報告をする。
それでもスーザンは初めてのスパイ活動にドキドキだった。


しかし、実際準備が始まるとスーザンが期待した007の世界とは遠い、あくまでおばさんの体を崩さない設定にがっかりした。

スパイ・グッズも旅行者が持つ除菌スプレーやお尻拭き、下剤などに仕込まれた。
全員に支給する暗視スコープ付きの腕時計は、「フォーエバー・フレンズ」のベット・ミドラーとバーバラ・ハーシーの写真つきというダサさだった。


パリ


何処から見てもただの太ったおばさんに扮したスーザンは、パリに到着する。
用意されたホテルも、テンションが下がるボロさだった。
スーザンの誘導役は親友のナンシーだった。

部屋でリラックスしようとすると、突然フォードが侵入していた。
CIAを辞めたフォードは、スーザンには任せられないと1人で核爆弾売買を止める気でいる事を宣言しに来たのだった。
スーザンが止めても聞くわけはなかった。


翌朝、用意されたオフィスへ行くと火災にあった後だった。
近所の人に動画を見せてもらい、現場にいた不審な男をナンシーに調査させた。

するとまたフォードに遭遇する。
フォードはパリだからか、トレンチコートにヴィトンのリュックというおしゃれな姿だった。
すると、火災現場の男がフォードを尾行している事に気づいた。
スーザンはさらに尾行をする事に。


フォードは女と待ち合わせをしていたが、その時隙を見て火災現場の男はフォードのヴィトンのリュックを入れ替えた。


何も気づかず歩いて行くフォードにそれを知らせようとスーザンは追いかけた。

なかなか気づいてもらえず、スーザンはイベントステージのマイクを奪い、フォードに声を掛けた。

するとリュックの中に爆弾が仕掛けられている事を知り、フォードは慌てて川に投げ捨て大事にならずに済んだ。

しかし、マイクで目立ってしまったスーザンは、火災現場の男に写真を撮られてしまう。
気付いたスーザンは、慌ててテロリストとなった火災現場の男を追う事に。
すべてはファインの為だから。

そしてテロリストと対峙する事になるが、スーザンは見た目以上の動きで相手を建物の屋上から突き落として殺してしまった。


スーザンがテロリストが持っていたカメラのデータを見ていると、テロリストはデ・ルーカの手先だと分かる。
フォードが会っていた女もデ・ルーカと共に映っていた。
そして、デ・ルーカ達の会話にあった「レナルド」というワードが気に止まる。

スーザンは、ファインが撮ったボヤノフの映像の中に「レナルド」というナンバープレートの車が映っていた事を思い出したのだ。

そして追跡システム搭載車だから、ハッキングすればデ・ルーカの居場所が突き止められる事に気づく。


ローマ


デ・ルーカを追って、スーザンは次はローマへ向かう。
またしても設定は、ファインのレーサーのような華やかさはなく、猫おばさんだった。

女性には甘いイタリア人もネコのTシャツにピンクのジャージを着たおばさんには冷たかった。
だがCIAが用意したドライバーは違った。
空港に迎えに来たちゃらいアルドは、隙あらばスーザンの胸を触ろうとするほど熱烈歓迎した。


デ・ルーカの滞在するホテルですぐにデ・ルーカを目撃するとスーザンはやる気に燃えた。
近寄るなと言われているのに、接触しようと夜になると着替えてカジノに繰り出した。

しかし入口でリストにない、と止められてしまうと中からフォードが現れ連れだ、と助けてくれた。
下手に騒ぎを起こしたくないフォードの計らいだったが、立場上相容れず2人はそのまま口喧嘩をして別れた。


なかなかデ・ルーカに近づけないスーザンは別室でレイナを発見する。
そのレイナが毒を盛られた所を助け、偶然レイナと近づく事が出来た。


レイナはディナーの席で、お礼にスーザンをブタペストへ連れて行くと言い出した。
しかし、プライベート・ジェットに乗り込んで乾杯をすると、飲み物には薬が仕込まれていてスーザンは気を失った。


スーザンが目覚めるとジェットは飛行中だった。
寝ている間に荷物を調べられただけのようで、まだスパイである事はバレていないようだった。

しかし、ホっとしたのはつかの間、内紛が起きる。
手下の1人がレイナに銃を向けた。
操縦士が流れ弾に当たり、ジェットが落下しかけるとスーザンが操縦して墜落の危機を防いだ。

だがそのせいで、スーザンが只者ではない事がバレてしまった。
CIAじゃないかと疑うレイナにスーザンは、思いつきで父親が残した護衛係だとウソをついた。
素直に信じたわけではなかったが、スーザンの命は助かった。


ブタペスト


ブタペストに到着したスーザンは、やっとナンシーとの通信が再開すると弱音を吐いた。
成り行きでレイナに張り付く事は出来たが、どうしよう、と。
するとナンシーも様子を見に、ブタペストへ来ていたのだった。

ホテルの側で再会する2人を、レイナに見られてしまう。
なんとか誤魔化そうとしていると、レイナは通りかかった車から銃撃にあう。
スーザンはレイナをナンシーに任せて、犯人の車を盗んだスクーターで追った。

その車を追い詰めると、運転していたのは休暇中のCIAの同僚、嫌な女スパイ、カレンだった。
二重スパイだったらしいカレンは、相手がスーザンであっても殺そうと銃を出した。
その瞬間、どこからかスナイパーがカレンを撃ち殺してスーザンを助けた。


ホテルへ戻ると、結局レイナの元に残った護衛はスーザンとナンシーだけになっていた。
レイナはダサイ2人のおばさんにイラつきがMAXになっていた。


クラブ


夜、レイナはクラブで買い手候補の女と会う事に。
その相手は、パリでフォードと会っていた女で、デ・ルーカの手先だった。

スーザンは何か怪しいと感じる。

クラブには変装したフォードも来ていて、フロアで女と踊っていた。
スーザンはパリの女に顔を知られているフォードを追い出そうとするが、フォードが素直に応じる訳はなかった。


ステージに50セントが登場すると、買い手の女もクラブにやってきた。
スーザンは女を捕まえる為にナンシーに、レイナの気を引く為に派手に騒いでくれ、と頼んだ。
50セントにテンションの上がったナンシーは、任せとけとばかりにステージに駆け上がり50セントを襲った。


その隙にスーザンは、買い手の女を確保した。
しかし、フォードが乱入してきて逆にスーザンが人質になってしまう。

それに気づいたナンシーは、会場の設備をいじってスーザンをフォローした。
スーザンは解放されたが、女もクラブの外に逃げてしまう。

スーザンがレストランの厨房に逃げ込んだ女を追い詰め、2人はタイマンとなる。
そして逮捕しようとした時、レイナが女にナイフを投げて殺した。

……かと思いきや、そうではなくレイナと一緒に来たファインが投げて殺していたのだった。
ファインは生きていた――。


レイナの手下に殴られて拉致されたスーザンが目覚めると、やはり目の前にはファインがいた。
ファインとレイナは愛人関係だと言う。

スーザンは、レイナの護衛として参加していたアルドと一緒に幽閉された。

任務失敗という事実とファインに裏切られていた事に2重のショックを受け、アルドに慰められる。

するとこっそりファインがやってきて、実はすべて任務のうちだと言う事を明かされる。
レイナを信用させるために、死の偽装までしたのだ、と。

レイナはもともとカレンから情報を得ていたという。
だから局の誰一人信じられなかった。
その証拠は? とスーザンが聞くとカレンから救ったスナイパーはファインだったと分かる。

レイナにはスーザンの事はバレてはいなかったが、厨房での戦いっぷりを見ていて心配したファインが種明かしをしたのだという。
やはりスーザンは素人だ、と。

これからデ・ルーカの別荘で買い手のドゥディエフに会うから、もう少しの辛抱だと励まして、ファインは出て行った。

すべて隣で聞いていたアルドは、ファインがスーザンを過小評価していると言った。

すっかりやる気を取り戻したスーザンは、アルドと協力して拘束を解く事にした。

2人は自力で逃げ出し、アルドとは別れスーザンは1人でデ・ルーカの別荘に向かった。
アルドはスーザンをいつか抱く、と心に誓った。


取り引き


スーザンがデ・ルーカの別荘につくと、まだ取り引き前だった。

スーザンはデ・ルーカに私とファインを生かすべきだ、と言った。
買い手のドゥディエフが油断のならない相手である事。
パリの爆弾女は、デ・ルーカを利用しただけでレイナを拉致しようとしていた事などを告げる。
ファインの命を条件に、爆弾の取り引きを助ける、と。

何故スーザンがそこまでするのかというデ・ルーカの問いには、レイナが代わりに答えた。
ファインに惚れてるから、と言うとスーザンは否定はしなかった。
「そうよ、ファインがいなきゃすぐに辞めてた」
ついでにCIAへの愚痴も言ってデ・ルーカを信用させた。


デ・ルーカはドゥディエフが持ってきた代金代わりの大量のダイヤを確認すると、レイナに核爆弾を見せるよう言った。

誰もどこにあるのか知らなかった核爆弾の在り処がいよいよわかる。

するとそれは「レナルド」のナンバープレートの車に隠されていたのだった。
デ・ルーカすら気づいていなかった。
ずっとデ・ルーカの側にあったのだ。

核爆弾を確認した瞬間、デ・ルーカは突然裏切り出しドゥディエフを撃った。
ダイヤも核爆弾も奪い、用意したヘリで逃走する計画を打ち明ける。
さらに良い買い手に売る、と。

用が済んだレイナも殺そうとすると、そこにフォードがやって来た。
だが格好良く登場したつもりがドアノブにトレンチコートの裾を引っ掛けて盛大にスっ転んだ。

全員が呆れて、仕切り直しとなった瞬間スーザンとファインも反撃に出た。

傷を負わせたものの、ヘリで逃げようとするデ・ルーカをスーザンとフォードが追った。
フォードは邪魔なだけでスーザンにしがみついていたが、途中で湖に落ちた。

ヘリの足にしがみついたスーザンも振り落とされそうになるが、なんとかドアを開けて核爆弾とダイヤを湖に落とした。
怒ったデ・ルーカは今度こそスーザンに銃を向けるが、危機一髪で別のヘリからナンシーがデ・ルーカを撃った。

しかしほっとしたのもつかの間、死んだと思ったデ・ルーカが起き上がり、スーザンがファインから貰った悪趣味なソフトクリームのペンダントを命綱のように掴んだ。

ダメでもスーザンも道ずれにしようと。
だが、ペンダントの紐には調整留め具がついていて、あっさりデ・ルーカを繋ぎとめておく事を止め、デ・ルーカは目の前から消えた。

スーザンは自分でヘリを運転し、無事生還する。

ナンシーが借りたヘリは、50セントのヘリだった。


事件は無事解決となった。

アルドは、実はMI6のアルバートだと名乗った。
でもふざけてばかりで、何が芝居なのか良く分からなかった。


スーザンには、新たなエージェントとしての任務が用意されていた。

ファインはスーザンをディナーに誘うが、スーザンはナンシーを見て断った。

フォードも結局CIAに戻った。
しばらくボートで旅をする、と格好つけて去って行ったがそれが湖だと知らないようだった。
「男には海が必要だ」


その夜、何故かスーザンはフォードとベッドを共にしていた。
記憶にないようでスーザンは叫び声を上げて驚いた。


おしまい。


かんそう:


基本的にネタバレを避けて見たい派なので、本作も大好きなステイサムが出てるスパイ・コメディーという程度の前知識で楽しみに見ました。

……が、見てやられたーと思いました。
たまーにあるパターン。
宣伝には大きく出てるけど、実際はほとんど登場しないネーム・バリュー枠での登場。

これ、ひどいのはジュード・ロウも同様です。
主役は、メリッサ・マッカシーで、ジェイソン・ステイサムは賑やかし程度の存在でした。

それでも救いなのは、映画そのものがバカバカしく面白かった事。
メリッサ・マッカーシーが憎めないキャラであった事。
ローズ・バーンのキャラが良かった事。

見て正解ではありますが、だからこそ最初の騙された感が残念になりました。
普通に、脇役が豪華だよ! みたいな感じで宣伝していたらまだしも。

ステイサムのアクション・コメディーって言う事で、すごいステイサムの活躍を期待していただけに、ほとんど出番がないのにはがっかりでした。

本作を見るとっかかりとして、ステイサムとジュード・ロウの存在は大きいはずですが、結果的に一番楽しめたのはこの2人のファン以外だろうと思います。

最初にステイサムが登場して、これからスーザンと組んで暴れるのかな、と思いきやなかなか登場しないなぁ……、やっとしたと思ったらすぐいなくなる……。
ああ、こりゃやられたわ、と気づくまでは気が気じゃありませんでした。

気づいてからは割り切って作品そのものを楽しむようにしましたが。


文句ばかり書いてしまいましたが、女性が主役のスパイ・コメディーとしては十分面白かったです。


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