2018年5月28日月曜日

マイ・インターン



マイ・インターン/ロバート・デ・ニーロ[DVD]

2015年アメリカ

ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ、アンダーズ・ホーム、ジョジョ・クシュナー、アンドリュー・ラネルズ、アダム・ディヴァイン、ザック・パールマン、ジェイソン・オーリー、クリスティーナ・シェラー、セリア・ウェストン

あらすじ:


ベン


70歳の老人、ベン(ロバート・デ・ニーロ)は妻に先立たれた後は悠々自適に暮らしていた。
しかし3年半が経つと、誰かの役に立ちたい、社会に貢献したいと考えるようになっていた。

ある日シニア・インターン制度の募集チラシから、ファッション通信サイト「アバウト・ザ・フィット」の面接を受け、働く事になる。


ベンが担当にされたのは、一からサイトを立ち上げた女社長ジュールズ(アン・ハサウェイ)の直属インターンだった。

もともとシニア・インターンには興味のなかったジュールズは、ベンを使うつもりはないから他の担当に回すと最初に伝えていたが、それをベンが断っていた。
その為、何かあればメールでとは言ったが、ベンにジュールズからメールが入る事はなかった。


「行動あるのみ」


ジュールズから仕事が与えられず、暇を持て余したベンはただ座っているだけではなく、自分から目についた仕事をし始めた。

郵便係のワゴンを押したり、同じインターンの若者デイビスを手伝ったり。

次第に、人生の先輩として若者社員から相談を受けるようになったり、オフィスに馴染んで行く。

そして初めてジュールズのアシスタント、ベッキーからメールで呼び出された。
ジュールズがサンローランのジャケットに醤油をこぼしたからシミ抜きして欲しいというのだった。


悩み


ベンは、ジャケットを受け取ろうと会議中のジュールズの隙を伺っていると、会議の内容を聞いてしまう。

ジュールズは、投資家たちから外部CEOを迎えてはと提案されていた。
1人で立ち上げたジュールズにしてみれば、今からまた上司をつけられる感覚でショックでしかない。
会社が大きくなりすぎて忙しすぎている。
好きな仕事に集中できるよう、仕切りを任せればいいと言われるが、ジュールズには不安しかなかった。
これまで自分の思い通りにやってきていたのに、お伺いを立てなくてはいけなくなる。

ベンは、半泣きになって自分がCEOの勉強をする、と弱さを見せるジュールズを初めて見た。


急接近


翌朝、ベンはジュールズを悩ませていた山積みのサンプル置き場を綺麗に片づけた。
ジュールズは喜び、オフィスの仲間からは拍手をされた。

ご褒美に、と会社専属のマッサージ師、フィオナ(レネ・ルッソ)が席にやってきた。
ちらりと見かけた時から気になっていた女性だったので、ベンは喜んだ。


窓からジュールズの社用車を見ると、運転手が誰も見ていないと思って飲酒をしていた。
ベンは運転手に声をかけて、その日の運転を変わった。

車内のビデオ通話で、今から会いに行くのがCEO候補の1人だとわかった。

ベンは会議中、お腹の空いたジュールズの為にチキンサンドを買って待っていた。

戻ってきたジュールズは、相手が気に入らなかったようで電話で文句を言っていた。

ベンは翌日もジュールズの運転手を任された。


急展開


ベンが、ジュールズを自宅まで迎えに行くと専業主夫の夫が中に招いてくれた。
ジュールズの娘にも会い、車中では旦那を褒めた。

すると、ジュールズはこっそり携帯でベンの異動を命令していた。
オフィスでは評判のよいベンの異動にアシスタントは、なぜ? と返すと、ジュールズは「目ざとすぎる」と答えていた。

その日ジュールズが最初に向かったのは商品の発送倉庫だった。
自ら抜き打ちで通販を頼み、梱包の状態をチェックしていたのだった。
実際に梱包の問題点を従業員に説明していた。
ベンはそんなジュールズの姿を車の側から見ていた。


夜になるとベンはいつものようにジュールズの残業につきあっていた。
それに気づいたジュールズは食事休憩の際にベンに声を掛けた。
2人は食事を摂りながら、他愛もない話しをした。

ジュールズは思いのほか、ベンとの大人の会話を楽しんでいた。


異動


翌朝、ベンはジュールズの望み通り異動となっていた。
しかし、指示を出したジュールズ自身がその事を忘れて驚いた。

ジュールズは慌ててベンを捜し出し、すぐに謝った。
異動させたいと思ったのは一瞬の気の迷いだったのだ。

そしてベンを昇格させてアシスタントのベッキーの隣にデスクを置く事にした。

正直、最初はベンに偏見を持っていたのだが、ベンが出来る人間だと言う事を認めたのだった。

しかし、今度はベッキーがベンの昇格に動揺した。
自分は一生懸命やっていてもジュールズに認められた事がないのに、と。

そこでベンは、ベッキーに思いを寄せるジェイソン(アダム・ディヴァイン)に慰めさせた。
その上でベッキーの事をジュールズに売り込んで、褒めてもらうようにも仕組んだ。


「みんなのおじさん」


すっかり若者社員達に馴染んだベンは、行くあてのないデイビスを居候させる事にした。

最初はだらしなかったデイビスはベンの影響でどんどん小奇麗になって行く。


悪口メール


ジュールズは、母親への愚痴をメールで友達に送るつもりが、母親当てに送ってしまった。
母親に読まれたら大変だ、と技術チームを呼んで何かできないかと相談をするが、ハッキングは不可能だと言われてしまう。

するとベンは、ママの家に忍び込んでPCから削除するしかない、と提案をする。
ジュールズはすぐに実行をさせた。

デイビスやジェイソンなど仲の良い3人の若者をつれてベンは、ジュールズの母親の家に忍び込んだ。
セキュリティ・アラームが鳴る中、ラップトップを見つけてメールを削除した。
パトカーが到着するギリギリで、4人は逃げ帰る事が出来た。

ジュールズはベン達の行動力に感謝し、テンションが高くなった。


デート


ベンはマッサージ師のフィオナをデートに誘った。
行き先は友人の葬儀だったが、2人はすぐに親密になっていった。


浮気


ベンが、ジュールズの留守に娘を預かっていると、ジュールズの夫の浮気現場を目撃してしまう。

言うべきか黙っているべきか。
態度もおかしいままに、ベンはジュールズとのサンフランシスコ出張に向かう。

すると出張先のホテルで、ジュールズから旦那の浮気を打ち明けてきた。
ベンも正直に現場を見たとジュールズに話した。

まだ夫は知っている事を知らない。
夫とやり直したいと思っているジュールズ。
CEOを呼ぶ決心をしたのは、時間が出来れば家庭も立て直せると思ったから。

サンフランシスコであったCEO候補をジュールズは気に入った。

帰宅したジュールズは夫にも、同じように報告した。
CEOが来れば、私達夫婦の為になる。

それなのにジュールズは、1人でバスタブの中で泣いた。
夫もそんなジュールズに気づいていた。


CEO


翌朝、早く目覚めたからとジュールズからベンの家を訪ねていた。
ベンは、自分も一晩考えたといい、CEOの採用を考え直すようにと意見を伝えた。

それはジュールズが聞きたかった言葉でもあったようだ。

出社すると、会社に夫が訪ねてきた。
夫もまた「僕のためならやめてくれ」と言ってきたのだった。
そして浮気は終わったと言って謝った。

ジュールズは、もともとCEOは断るつもりではいたが、皆の想いが同じ方向を向いている事が分かった。
そしてすぐにベンに報告をしようとベンのデスクに向かった。

だがベンは休暇をとっていた。

ジュールズは公園で太極拳をするベンを捜し、その横で太極拳をした。



おしまい。



かんそう:


アン・ハサウェイでファッション業界と言う事で、「プラダを着た悪魔」をイメージする方が多いのではないかと思います。
私も、そうだったのですが見ると全然違う事が分かりました。
女性向けのようで、実は男性の方が思う所がありそうな。


まず、職場がファッション業界というのはストーリー上、設定なだけであってあまり関係ありませんでした。

ベンは元々電話帳作成の会社に居たのですが、本人自身が小奇麗で自宅を見ていると潔癖とも言える位。
だから、ファッションを取り扱うオフィスでも人気者になれた……って感じはありますが、仕事内容的にファッションがフィーチャーされる事はほとんどありません。
ベンは何してるんだ、って言うとそもそも最初はジュールズから仕事を与えられないので、1日暇潰すのが大変そう……って思ったくらい。

そんな中、自分から率先して仕事を見つけて行くのは年齢に関係なく、社会人としては必要な姿勢ですし、特にわざわざシニア枠で雇われているのだとしたら、尚更。
とはいえ、70歳の老人に映画とはいえ厳しいスタートに感じました。

でも70歳とはいえロバート・デ・ニーロですからね。
良くも悪くも悲壮感などがなく、いるだけでもうその場のリーダーみたいな貫禄があります。
ベンがしているのは車の運転だったり、ジュールズのママの家に侵入する等、仕事とはいえかなり特殊。
これはもう完全にシニア・ファンタジーだと思いました。

しかも、会社の若者からすぐに信頼され、人気者になります。
誰もシニア・インターンを無視したり、ラップトップの電源が入れられなくてもバカにすることはありません。
親切丁寧に教えてくれます。
うーん、良い職場。

長生きするのが当たり前の今の時代、こういったシニアが主役で社会で活躍する明るい作品というのも、どんどん需要が増えて行くんだろうなと思います。
正直、第二の人生でベンのように恵まれた仕事が手に入るなんて、映画の世界そのものだと思いますが。

そして、フィオナ(レネ・ルッソ)との恋。
レネ・ルッソはさすがに70歳ではなく、劇中の年齢は分かりませんが撮影当時は約60歳位。
伴侶に先立たれた後にも、こんな素敵な出会いがあって人生を謳歌できる。
このドラマって、明るい希望しか与えないんですよね。


そもそも、ジュールズも恵まれた人。
1人で服のレビュー・サイトを始めて、そこから一大ECサイトに成長させたという現代のシンデレラそのもの。
スパイスとして、ダンナの浮気はありつつも最終的には夫も反省して大団円。
会社も誰に乗っ取られることなく、ベンという心強いアシスタントを手に入れて明るい未来しかないという感じ。

ストーリーそのものは目新しさはないものの、それでも全体的にチープさが感じられず、一定のクオリティを感じるのも、デ・ニーロにアン・ハサウェイという一流が揃っているからでしょうか。

脇を固めるのも、「モダン・ファミリー」「ピッチ・パーフェクト」等のコメディでお馴染みのアダム・ディヴァインだったり、同じインターン仲間には同じく「モダン・ファミリー」のセリア・ウェストンという安心感でした。


とにかくデ・ニーロにとっては、入り組んだストーリーでもなければ、裏切りもなく、殺人もなく、演じるのが楽だったのではないかな~と余計なお世話な事まで想像しちゃいましたが、見ている最中よりも見終わった後のスッキリ感がありました。

悪人が1人もいなくて、大きな事件もなく、夢があって息抜きにちょうど良い作品でした。



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