2017年7月10日月曜日

ダウト・ゲーム



ダウト・ゲーム 【DVD】

2014年作品

ドミニク・クーパー、サミュエル・L・ジャクソン、エリン・カルプラック、グロリア・ルーベン、ライアン・ロビンズ、ディラン・テイラー、フィリップ・ベニンクメイアー

あらすじ:


ある検察官が仕事帰りに飲酒運転で人をはねてしまい……。


ミッチ


ミッチ(ドミニク・クーパー)は有能な検察官で、娘は産まれたばかりと公私共に幸せの絶頂にいた。
そんな生活を守る為、仮釈放してきた血の繋がらない、戸籍上も記録の無い兄の事は妻には言えずに避けていた。

だが、ある日仕事帰りに飲酒運転をしていて人を轢いてしまう。
慌てて通報しようとするも、スマホの画面の妻と娘の写真を見て思い直す。

公衆電話を使い名前を言わずに救急車を呼んで、逃げたのだった。

今の生活を壊さない事を選んで。


しかし、気になるミッチは翌日自分からひき逃げ事件の担当に立候補する。
ただ少し様子が変わっていて、ミッチが轢いた男はバンで運ばれている所を見つかっていた。

車内で発見された遺体はセシル・アッカーマン、仮釈放中の24歳だった。

容疑者はクリントン・デイヴィス55歳(サミュエル・L・ジャクソン)。
整備士で過去に2件の暴行があるが、服役はなし。
数年前自宅で強盗に妻子を殺されている。
犯人は翌日別の家を襲って撃ち殺された。
虫も殺さぬ善人だと神父が証言。

デイヴィスは、轢き逃げされたアッカーマンを搬送していたと言ってるが、車内から血のついた工具が発見されていたり、現場は雪が溶けた為轢き逃げの片りんがない事から、容疑者にされていた。

女性刑事のキャノンは、ミッチに手口が似た未解決事件があるから、シリアルキラーかもしれない、と言う。

自分が轢いているのだから、ミッチは違うかもしれないと興奮した。


通報データ


ミッチは上司から第1級殺人で起訴するようにと言われ、スチュアートと共に担当になる。
だが、デイヴィスの無罪を誰よりも知っているミッチ。

調べによると、デイヴィスと被害者に面識はない。
傷口には轢き逃げの証拠となるオイルと砂利も見つかるが、工具によると思われるものもあった。
スチュアートは、デイヴィスを犯人扱いするがミッチは自然と庇ってしまい、反発した。

それに音声データの存在がある。
しかし届いたデータは音質が悪く、名前を名乗っていない為、すぐに通報者を判明するのは難しいようだった。


裁判で通報の音声が再生される。
ミッチは、音声の専門家である博士に証人尋問をする。
音質が悪いが、声から30代で白人、訛りを隠して話していると説明され、それはまんまミッチを指していた。

その夜、何かに気づいたようでキャノン刑事がミッチに電話を掛ける。
どうでもいい会話の最中に、何かの音に気づきミッチは録音されていると気づく。

そこで、ミッチはあんなにも接触を拒んでいた義理の兄、ジミーに偽証を頼む。
通報したのは自分で、はねたのは赤い車だと。

ニュースは通報者と合わせて、デイヴィスを容疑者から一転し善人だと放送し始めた。

裁判所の前で、デイヴィスに握手を求めたミッチ。
デイヴィスはミッチに、これからどうなる? と聞いた。
それは自分の事ではなく轢き逃げ犯の事だった。
名乗り出るかも、というと君ならそうする? と聞き返された。


新たな事件


失踪中のペドロ・ゴンザレスの遺体が川で発見された。
調べると、金づちによる頭部損傷の他、拷問の可能性もあった。
キャノン刑事の言う、手口が同じ連続殺人にあてはまった。

気になったミッチは轢き逃げの現場に戻って周囲をじっくりと調べてみた。
すると、現場から少し離れた所にタバコの切れ端が落ちているのを見つけた。
それは裁判所の前でデイヴィスが手にしていたものと同じだった。
その時も、吸う前に千切って地面に切れ端を落としていた。
更にその位置からは、廃材の影に隠れてちょうど隙間から事故の位置が見えていた。

デイヴィスは、ミッチが轢き逃げしたのを見ていたのだった。


シリアル・キラー


ミッチは、キャノン刑事にアッカーマンも連続殺人だった事を伝えた。
犯人はデイヴィスだ。

しかし、ミッチ自身が裁判でデイヴィスを無実にしていたし、キャノン刑事はミッチを疑っているので取り合わなかった。

ミッチは夜、デイヴィスを尾行するが、支援グループの施設の中でデイヴィスに気づかれ退散する。

帰宅後、デイヴィスが自宅に侵入する夢を見る。
朝起きると、それは夢ではなかったと分かる。
ガレージのシャッターが半分開いていて、工具箱が盗まれていた。
そしてメッセージが置かれていた。
轢き逃げ現場に落としていた事に気づいていなかった、血のついたミッチの名刺の写真だった。


オフィスにデイヴィスから電話が掛かって来た。
写真を見たか、と。
ミッチは、罪を償わせると息巻くが、デイヴィスもやってみろ、と引かなかった。
お前を破滅させるといい、妻と娘の事を持ち出してミッチを脅した。


手掛かり


デイヴィスがシリアル・キラーだと確信したミッチは、スチュアートに一連の被害者の共通点を探していると相談する。
すると、「仮釈放中」というキーワードが当てはまる事に気づく。

ミッチはまたしても仮釈放中のジミーに協力を頼む。
もう罪は犯したくないと一度は断るも、大事な弟の家族が危険に晒されているのなら、と協力する事に。

ミッチがデイヴィスの自宅に侵入する間、ジミーがデイヴィスを見張った。
家には、特に怪しいものはなかった。
そろそろ家に帰るようだ、とジミーから電話が掛かってくる。
スケジュールにも怪しい所はなく、目立った成果がないことを報告していると、自分の会話から支援グループで獲物を探していたんだという事に気づく。
その時、床板が動いた。

床下からは被害者の物と思われるIDが出てきた。
証拠となる、戦利品を見つけた。

そこへ、セメント工場の休憩の合図がお互いの通話に鳴っていた。
デイヴィスは家から近いセメント工場に居たのだった。

ジミーは「倉庫から何かを持って出たまま、デイヴィスを見失った」というと、ミッチはそれは工具箱だと気づき、危ないと叫んだ。

その時、ジミーはデイヴィスに襲われた。
デイヴィスは落ちたジミーの携帯を拾って、ミッチの声を確認した。


慌てて、セメント工場に走るミッチ。
ジミーは工場内で、拷問されていた。
ミッチが探し当てた時には、すでにデイヴィスはジミーの振りをして通報して逃げていた。
ミッチもジミーを見つけた際に通報したが電波のせいでつながらなかった。

駆けつけた警察は、ミッチを犯人だと思い逮捕した。


容疑者ミッチ


キャノン刑事の取り調べを受けるミッチ。
ジミーは昏睡状態だが回復するという。

ジミーは、両親が結婚をしなかったから記録のない義理の兄で、偽証を頼んだ事を暴露した。
そして初めてミッチは自分が容疑者となっている事を知る。
ジミーを襲った工具は、ミッチの自宅から盗まれたもので、ミッチの指紋しか出ていないからだった。

なのに自分で救急車を呼ぶか? と言うと、2回目ね、と言われる。
轢き逃げの通報もミッチがしたと認めると、その上でデイヴィスを真犯人だと主張した。

だが、キャノン刑事には工具入れの中に入れられていた血染めの名刺など、デイヴィスの狙い通りミッチが真犯人だとしか思えていなかった。


その後、スチュアートから電話だと言われて受話器を取ると、デイヴィスだった。
デイヴィスは、仮釈放中の人物を殺すことで再犯を防いでいる、ヒーロー気取りだった。
それをミッチが邪魔したとさえ。

しかし、ミッチを救う選択肢もあると言い出す。
拘留中に同じ手口の殺人が起きたら、無罪が希望の光に照らされる。

だが、デイヴィスが電話を掛けているのはミッチの自宅の前からだった。
これで俺の痛みがわかるだろう、とミッチの妻と娘を自分がされたように殺すつもりだった。

ミッチは、「家族が殺される!」と大声で叫び、人を呼ぶと警官が来て捕り抑えられるが、警官を倒して鍵と銃を奪って家に向かった。


その頃デイヴィスは、刑事の振りをしてミッチの家に入り込み妻に近づくが、偶然キッチンに放置してあったデイヴィスの資料を見た妻はこっそり逃げる。
それに気づいたデイヴィスが庭先で追いつくと、ちょうどミッチも到着した。

妻を人質にとられ、デイヴィスに銃を向けるミッチ。
だが、銃を寄越せといわれ、それに従うしかなかった。

デイビスを挑発して、銃弾を受けるミッチ。
妻に手を掛けようとした時、キャノン刑事も追いつき、デイヴィスを撃った。

スチュアートがミッチに電話をしていない事を確認し、ミッチの言う事が事実だと分かりすぐに後を追い掛けていたのだった。


数日後――。

ミッチは腕を怪我していたが、退院したジミーを家に迎えていた。
兄だと妻と娘に紹介する為に。


おしまい


かんそう:


タイトル通りの騙しが重なっていて、良くできているストーリーなのですが、どうしてもサミュエル・L・ジャクソンが出た瞬間に「絶対ただの冤罪じゃないでしょ」感が溢れているので、分かっちゃうんですよね。
こういうタイトルも良し悪しだなーと思いました。

作品内容をシンプルに明確に伝えてはいますが、ほとんどネタバレもしているんですもんね。
そして、役者バレw

サミュエルだって、悪人ばかりを演じている訳ではないんですが、演技が上手いせいか、滲み出ちゃってます。人殺してる感がw

もし、デイヴィス役に先入観がなく、いかにも神父の言う「虫も殺さぬ善人」に見えたなら、迷わされてより面白くなっていたような気がします。

あとミッチ役が、もう少し利己的な嫌な奴だったら。
ミッチが実は悪人という深読みもしていたかもしれませんが、ミッチは最初からデイヴィスを庇っていたので、事故は起こしてしまったけど根っからの悪人ではない、と信頼が持てました。
ただ、義兄のジミーへの態度だけは、かなり嫌な奴でしたけど。
そういえば「仮釈放」というキーワードで、仮釈放中の兄に協力を頼んだのは、ミッチが兄を餌にデイヴィスをおびき寄せる為……、だったらすんごいやな奴!
でも、そこまでの感じはなかったので、兄の仮釈放はややこしいだけだったような……。
最後はハッピーエンドですし。


ともかく、見ている最中にミッチやデイヴィスのキャラで真相について揺らぐ事がなかったので、タイトルも手伝って意外性に物足りなかったんだと思います。

でも、小道具やシリアルキラーと轢き逃げの出会いなど、本当にストーリーは良くできていると思いました。
それだけに、勿体ないと欲を出させる作品でした。




Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...