2017年7月31日月曜日

インフェルノ



トム・ハンクス インフェルノ DVD

2016年作品
原作あり

トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、オマール・シー、ベン・フォスター、イルファーン・カーン、シセ・バベット・クヌッセン、アナ・ウラル、アイダ・ダーヴィシュ

あらすじ:


ダン・ブラウン原作のシリーズ小説第4作目映画化。
映画作品としては、「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続く3作目。

今回は人類を淘汰するべく仕掛けられたウイルスの在り処を解読し、阻止する――。


病院


ラングドンは頭に銃弾をかすめたせいで病院で目覚めたが、直前の記憶がなかった。
夢に見ていたのは、現実とは思えない地獄のような光景だった。

女医のシエナ・ブルックスが診断をする。
IDも財布も盗られていたラングドンを、一方的に知っている人物だった。
自分を知る存在がいて少し安心するラングドン。

外の夜景が見えた時に、自分がいる場所がフィレンツェだと気づいた。

その時、病院に軍警察の女警官が到着し、何故か職員に発砲してラングドンの病室に近づいて来る。
シエナは実はラングドンも何者かに狙われて撃たれたらしいと言い、慌てて病室に鍵を掛けて逃げるよう誘導する。

なんとか病院の外に出てタクシーに乗り込み、発砲を受けながらも逃げた。


天国の25


再び目覚めると、そこはシエナの家だった。
撃たれる理由に身に覚えはない。

シエナのラップトップでGmailを受信すると、イニャツィオ・ブゾーニからのメールが目につく。

会えなかったが無事か? 
我々が盗んだ物は隠した。
「天国の25」
私も追われている。

だが、今のラングドンには何のことだかさっぱり分からなかった。


ダンテの地獄篇(インフェルノ)


ラングドンの服は血がついていて着れないので、シエナから友人の服だと渡されて着替える。
その時、自分の服から危険物の運搬に使うバイオチューブが出てくる。
やはり記憶にないが、政府支給品で指紋認証つきが、ラングドンを認証した。

中から出てきたのは、円筒印章で人の骨で出来ているようだった。
中世に黒死病を現すのによく使われていた、人間を食らう3面の悪魔が彫られている。
さらに振るとライトがつくファラデー・ポインタでもあった。
それを壁に映すとダンテの地獄篇(インフェルノ)を絵にした地獄の見取り図が広がった。
それはラングドンの幻覚のイメージと重なった。


図を見ているとラングドンはおかしい所を発見する。
オリジナルにはない文字が描かれていたのだった。
人の身体に「R」「E」「C」などの文字が散りばめられていた。
他にも英語の言葉を見つける。

「真実は死者の目を通してのみ見える ゾブリスト」

ゾブリストをネットで調べると、生化学者で過激な学説で物議をかもしている、米国の億万長者だと分かる。
動画によると、今から40年後には人間同士が戦い失敗する、人口増加が悪であると過激な思想を発表していた。

3か月前に自殺するまでの2年間は、姿を消してウイルスを生成していたようだ。
地獄絵は、遺書だったのか?


その頃、ラングドンがメールを受信した事から位場所をつきとめたWHOのパリ支局のブシャールが到着する。
念の為窓から見えるホテルに居ると偽り、シエラに領事館にも電話してもらっていたが、そこに来たのはラングドンの病院で発砲した女警官ヴァエンサ、そして遅れてWHOのエリザベス・シンスキー博士達だった。
ブシャールとエリザベスはそれぞれ、競うように仲間以外は誰も信用するなとお互いをライバル視した。

ラングドンはシエナと逃げながら、地獄絵の文字はアナグラムではないかと気づく。

誰もがラングドンに逃げられた。
ヴァエンサはボスに「ラングドンは殺していい」とポインターの回収を命じられた。
その元の依頼人はゾブリストだった。


チェルカ・トローヴァ


逃走中の車中でアナグラムを探っていると、シエラが「Cerca trova.(チェルカ・トローヴァ)」じゃないかと突き止める。

イタリア語で尋ねて、見出せ。
ラングドンは、ポインタはウイルスの隠し場所を示す為に誰かに残されたものと考え出す。
シエラは、それがラングドンではないのかと疑いながらも、解読を依頼された可能性を指摘する。
だが、記憶はなくても計画殺人に加担するはずはないと興奮して否定した。


ヴェッキオ宮殿


2人が目指すのはヴェッキオ宮殿になった。
ラングドンには「チェルカ・トローヴァ」の言葉に見覚えがあった。
ブシャールを撒いて、ヴァザーリのフレスコ画「マルチャーノの戦い」を見る。
その中に「チェルカ・トローヴァ」と書かれた旗が描かれているのだ。

「尋ねて 見出せ」を実践したというラングドン。
次の言葉は、「真実は死者の目を通して見える」だが誰の事かと考え出した時、襲われて注射を打たれた事を思い出す。
すでにウイルスに感染しているかもしれないと気づくと、妊婦の職員マルタに声を掛けられた。

「また来たの? 今日はイニャツィオは?」
記憶にないラングドンは適当に話を合わせ、前回来た場所まで案内させた。


デスマスク


ラングドンがイニャツィオと見に来たのは、詩人ダンテのデスマスクだった。
まさに死者の目だ。
ところが、展示してあるはずのケースはもぬけの空で、マルタは大慌てで警笛を鳴らした。


警備室で防犯カメラを確認すると、デスマスクをケースから取り出したのはラングドンで、それを服に隠して盗んだのはイニャツィオである事がしっかり録画されていた。
しかし、当然ラングドンには記憶がなかった。

その時、ブシャールや軍警察も押し寄せて来て金属探知機のアラームが鳴り続ける。
警備員達が席を外した隙に、マルタの社員証とデスクにあった携帯を盗んで2人は逃げた。


大聖堂ドゥオーモ


イニャツィオの行方がわからないので、メールにあった「天国の25」を手掛かりにする。
神曲の天国篇、第25の歌をスマホでシエナがググる。
「声は老い、白髪でも私は詩人として戻り洗礼盤の前で冠を受ける」

この一節から、イニャツィオの仕事場でもある、ダンテが洗礼を受けた大聖堂ドゥオーモを目指す。

ヴェッキオ宮殿から抜け出す際に、追手を撒く為屋根裏の梁をつたって逃げようとするが、ヴァエンサに見つかって追われる。
だが、シエナが隙を見てヴァエンサを突き落とし、ヴァエンサは天井を突き破って落下して死亡する。

その穴から今度はブシャールに姿を見られてしまう。

しかし、外に出るとデモ隊で溢れていて2人は上手く紛れて逃げる事が出来た。
ブシャールは、何故かそこで持っていた無線を捨てて単独行動となり2人を追った。


シムズ


その頃、ヴァエンサを使ってラングドンとポインタを追っていたもう1つの組織のボスである、シムズは今回の依頼人からの動画を確認していた。
契約ではまだ見てはいけないものだったが、その依頼人ゾブリストはもう死んでいるので、いいだろう、と。

すると、ゾブリストの計画がウイルスの拡散という危険なものだったと気づく。
何も知らずに保護する契約を受けていた事を悔やみ、今からでも出来る事をしようとウイルス拡散を阻止する立場に切り替える。
しかしすでに死んでいるヴァエンサとは連絡が取れず、自ら現場へ向かう事に。


サン・ジョバンニ洗礼堂


ラングドンとシエナは、サン・ジョバンニ洗礼堂に到着するとすぐに洗礼盤の中に、ジップロックに包まれたデスマスクを見つける。
デスマスクを取り出すと、シエナが水溶性の顔料が塗られている事に気づく。
すぐに水を湿らせた布で、デスマスクの背面を拭いてみると、隠されていた文字が読めた。

「裏切り者のヴェネツィアのドージェを探せ。
彼は馬の首を断ち切った。

英知に満ちた黄金のミュージアムでひざまずき、ひそやかに流れる水の音に耳を澄ませ。
深く水に沈んだ宮殿で地底の怪物が待っている。

血で赤く染まった水の中に沈み。
そこに星が映ることはない」


これにより、ウイルスは何処かの水中に沈んでいると分かった。


ブシャール


そこにブシャールが追い付いた。
慌ててマスクを隠して誤魔化す。

ブシャールは、ポインタを渡すのに2日前にラングドンに会っていると言った。
するとなんとなくそんな光景を思い出す。
ブシャールは、ラングドンにエリザベスとは別行動である事を説明した。
彼女はウイルスを外国の政府に売ろうとしているから、と。

もともと知人であるエリザベスがそんな事をするとは信じがたいが、ブシャールを疑う理由はないので、ひとまず一緒にヴェネツィアに向かう。
ブシャールは、エリザベスにはジュネーブだとウソの情報を流した。

エリザベスは慌てて向かった空港で、シムズと合流する。
シムズは民間の危機管理会社だと説明し、これまでの邪魔を告白するとともに今後は手を組もうと申し出る。
同時に、ブシャールがウイルスを狙っていると警告する。



サンマルコを目指す列車の中で、ブシャールがゾブリストを2年間追っていたと聞く。
見つけた時に自殺されて、そのポケットからポインタを見つけていた。
解読の為にラングドンに渡していたが、そのまま拉致されてしまったと、最もらしかった。
会話中、ブシャールはラングドンの腕がただれているのを指摘する。
やはりウイルスを打たれていて、発症し始めているようだった。

その時、フラッシュバックでポインタを渡したのはエリザベスだと思い出した。
それを気づかれぬよう誤魔化しつつ、駅についた瞬間ブシャールを殴って撒いた。


コンスタンティノープルの馬


コンスタンティノープルの馬の側にいたガイドに馬の首が切られた話を知ってるかと、聞く。
すると、十字軍の戦利品だったが、大きすぎて積めずにドーシェであるダンドロの命令でクビを切って運び、付け直したと教えてもらう。

そこでラングドンは勘違いをしていたと気づく。
「裏切り者のヴェネツィアのドージェを探せ」とは、ヴェネツィア人を裏切りエジプトへ行くと見せかけコンスタンティノープルを襲ったエンリコ・ダンドロ。
そのダンドロの墓所はイスタンブールのアヤソフィア、英知の博物館だ。

慌ててイスタンブールへ移動しようとすると、ブシャールが側まで来ていた。
2人で小窓から逃げ出そうとした時、シエナが突然裏切ってラングドンを置き去りにする。
シエナは、ゾブリストの恋人だったのだ。
そして彼女こそがウイルスを探す賛同者だった。
危険だからと、謎解きだけを残していたのだった。

ラングドンに渡した服は恋人であるゾブリストの服だった。

まんまとラングドンはブシャールに捕まってしまった。


種明かし


ラングドンが廃墟で目覚めると、ブシャールは正体を明かした。
自分こそがウイルスを探しているのだと。
そこに、シムズが間に合いブシャールを殺し、便利屋だと名乗り種明かしを始める。

そもそもラングドンの怪我から病院などすべては作られたシナリオで、注射も思わせるだけでウイルスなどではない、と。
するとそれを聞いて、病室に鍵を掛けていた事を思い出し、おかしいと気づく。
ヴァエンサは部下で、病院で発砲したがすべて空砲の芝居。
その後乗ったタクシーも仕込み。

その時は、依頼人ゾブリストの依頼と、死後シエナにも協力を求められポインタを持つラングドンの拉致を計画していた。その為一時はラングドン暗殺も命じたと白状する。
だが、ウイルス散布の事を知らなかったからで、知った今は阻止する側に回った事を主張する。

そこへエリザベスも到着。
WHOのジェット機でイスタンブールに向かう。


イスタンブール トルコ


機内でエリザベスと話すうちに、拉致された時にはエリザベスと一緒に居た事を思い出したラングドン。
その時、両親から貰った愛用のミッキー・マウスの腕時計を落として壊していた事も。

アヤソフィアに到着すると全員を退去させ、ダンドロの墓を目指す。
「黄金のミュージアムでひざまずき、ひそやかに流れる水の音に耳を澄ませ」
そのままに、耳を床に当てると水音がした。
責任者に聞くと、水は古代の貯水池に流れると言う。
6世紀のイェレバタン・サラユ、沈んだ宮殿。
暗号の最終地点のイメージそのものだった。


沈んだ宮殿


その頃、シエナも沈んだ宮殿の場所を協力者から入手していた。
さらに、ウイルスの入った袋を爆発で破く為の起爆スイッチも渡される。


現場に着くと、想像以上に人が集まっていた。
今では、使われていない貯水池だが水は溜まっている為、音響が良いとサマー・コンサートが開かれるのだという。
中に人はいるが急いで封鎖をし、電波を遮断し交信不能にする。

迷路のような通路で仕切られた内部は、複数の石柱に支えられ、赤いライティングが水面を照らしている。
手分けしてくまなく探すと、シエナとシムズが出会い一騎打ちとなる。
だが、シエナの仲間が加勢をし、シエナを逃がす。
シムズは刺されながらも1人を倒し、1人を負傷させるが、再び現れたシエナに止めを刺されてしまう。

それを見たラングドンはシエナを追う。
シエナは爆弾を見つけなくても爆破させて袋を破る事ができると、起爆装置を見せる。
ラングドンはなんとか説得するが、シエナに聞く耳はなかった。
目の前で起爆させようと携帯のスイッチを押すと、圏外で失敗する。
すると池に飛び込んで直接爆弾のスイッチを押す事に。
爆弾は爆発し、その勢いでラングドンも池に吹き飛ばされる。


その時、ウイルスはすでに発見されており、ちょうど安全ケースに入れたところで、間一髪散布は防いでいた。
だがそのケースを水中からエリザベスが持ちあげると、シエナの仲間の生き残りが襲って横取りをした。
そしてケースを開けようとする。
止めようとするエリザベスが溺れる寸前に、ラングドンが追い付き犯人と揉み合う。
到着していたスナイパーが、ラングドンが犯人から離れた隙を見て撃ち殺した。
エリザベスは慌ててケースを探して回収。ウイルスが漏れてない事を確認。
無事阻止できた。


解決後、エリザベスはラングドンの腕時計を拾って修理しておいたようで、ラングドンに渡した。
2人は、一度は一緒になる事を考えた事もあったようだが、またそれぞれの生活に戻り、離ればなれになる事を選んだ。



ヴェッキオ宮殿のマルタを訪ねるラングドン。
だが、マルタは出産を控えて産休していた。
職員にダンテのデスマスクの事を訪ねると、盗まれたので展示してないと言われるが、あったよ、と告げると見に行った職員で大騒ぎになった。


おしまい


かんそう:


1作目と2作目を見た時よりも、かなりアクション要素が強くなったように感じました。
同じ事の繰り返しではダメだと思ったんでしょうかね。
映画だから派手さが必要?

でも、原作は知りませんが私はそこそこ老体のラングドン博士にアクションなんて求めないし、見てても違和感があってラングドン博士の謎解きにはちょっと邪魔でさえ感じてしまいました。

特にラストの貯水池での爆発は映画的には見せ場だと思いますが、正直普通の博士、しかも結構なオジサマに爆破の衝撃+水中アクションは無理すぎじゃね? とw

ラングドンにつりあわせる為? のエリザベス博士も水中で犯人と格闘するには、弱すぎでしょという、別の意味でのハラハラが続きました。

しかも序盤は、怪我人な上記憶障害というボロボロからのスタートで、そっちは歳相応? 感があってそれもまた痛々しいのに、そこからの急な回復のギャップw
本来ラングドンの仕事である謎解きも前半は、シエナがいなければできていない状態でしたし。

そのシエナが胡散臭いな、というのは登場から感じてはいましたが、最後に完全悪役として死ぬ事になったのにはビックリしました。
これに関しては、新鮮な驚きが得られました。

面白かったのは、シムズのキャラクター。
この人も最後死んだように思えますが、死ぬには惜しいキャラでした。
かなりワンマンなボスと見せかけて、いざとなると自分が現場に出てアクションもする、という。
ビジネス至上主義でありながらも、さすがにウイルス散布となれば素直に立場を切り替えてそれを阻止する為に協力する、というダークヒーローっぽさに惹かれました。

他に気になったのは、イニャツィオとラングドンの感染。
イニャツィオは、幻覚でヘビに巻かれていましたけど、はっきりその後どうなったのか描かれていませんでした。
あの幻覚で死んだ、って事なのかな。曖昧ですね。

ラングドンの偽感染状態も、本当にウイルスだと信じてた頃のリアクションとしては薄過ぎでしょ……と思いました。
しかもシエナはウソだと知っていたんでしょうね、「感染してるならあたしもよ」と冷静でしたw
保菌者2人で世界中ウロウロしてる時点で、パンデミックじゃんと思いましたが……。
なんでウイルス感染疑惑を持たせたのか謎でした。
ウイルス捜しをさせたいのか、阻止したいのか。
注射の意味はよくわかりませんでした。

全体のストーリー自体はさすがに謎解きも含めて面白かったので、やっぱり不釣り合いなアクションが勿体なく感じました。
せめてアクション担当は若者かそれ専門のシムズさんとかに任せていたら、良かったなぁと思いました。



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