2018年4月29日日曜日

砂上の法廷

コートニー・ハント 砂上の法廷 DVD



2016年

キアヌ・リーヴズ、レニー・ゼルウィガー、ガブリエル・バッソ、ググ・ンバータ=ロー、ジム・ベルーシ




父殺し


マイケル・ラシターは、弁護士の父親ブーンを殺した罪で第1級謀殺、でありながら罪の重さから成人としての扱いを受ける事になっていた。

現場には、マイクの指紋が指紋が付いた凶器が残されていて、自供もしていた。

負けは確定だったが、弁護士仲間としてラシター家と懇意にしていたリチャード・ラムゼイ(キアヌ・リーヴス)が弁護を引き受けた。


裁判が始まると、法律家志望だったというマイケルは終始無言になる。


チャーター機


チャーター機の客室乗務員アンジェラ・モーリーが証言台に上がった。

ブーンは顧客で指名を受ける仲だった。

1月の最終に息子と共に利用していた。
マイクは大学の見学等でロスへ。
ブーンは仕事でダラスへ。

帰路では、マイクは不機嫌に見えたという。

次に運転手も証言したが、揃ってブーンの印象を悪くしないよう、女の存在には触れなかった。


警官


通報を受けて駆け付けた警官が現場の様子を証言した。

ブーンの遺体の側にはマイクが座っていた。

「早くこうするべきだった」とマイクが言ったという供述がある。

マイクは「僕が」と言ったのかと聞かれても何も言わなかった。
否定しなければ、有罪になるのに。


隣人の友人


家族ぐるみでつきあいがある隣人が証言した。

父子の仲は良かった。
マイクは賢い。

でも思春期になると、母親を責める父を止めに入る姿もあったという。
ブーンのDVが匂わされる。


刑事


刑事は長年の勘でマイクが犯人だと言った。
現場から、被告人以外の容疑者を示す証拠は何も見つかっていないから。


しかし、本当は母親の発言に疑問を持っていた。

母親は当時シャワーで髪を洗っていたというが、洗面台に髪の毛があった。
記憶違いをしているのか?
陪審員が混乱するぞと言わていて、結局「何もない」と発言していた。


隣人の息子


マイクの母親ロレッタ(レニー・ゼルウィガー)に興味があったようで時々盗み見をしていた隣人の息子は、それを隠すようにブーンのDVを見ていながらも「見たことない」と嘘をついた。
「余所の家の事ですから」

問い詰めると、酷い扱いを受けて生気を失っていた、と言った。


ラムゼイは、皆嘘をついているという。


ロレッタ証言


夫と話しをしてからシャワーを浴びた。

シャワーから出たらマイクが部屋の入り口にいた。
倒れている夫を見て死んでいるのか尋ねた。

調べると死んでいた。
そこでマイクが言った
「ボクがやった」

ロレッタが虐待を受けていたと資料を出して、ラムゼイはマイクが母を守ろうとしたと主張した。

その写真は前夜に初めて見たものだった。
ラムゼイは、まだマイクを無実にするのに望みがあると思い始めていた。


解任


マイクは突然、自分が証言台に立つと言い出した。

ラムゼイは、今まで何も言わなかったのに、突然何を言うかわからない奴を断たせられないと慌てた。
すると、マイクはラムゼイを解任した。
それにはロレッタも驚いた。

せっかく無実の可能性が出てきたというのに……。


マイク


ブーンの死以来、黙秘権を貫いていたが、真実を話す為証言台に上がった。

母親へのDVだけではなく、自分も虐待を受けていた事を告白し始めた。

大学へ行けば終わると思っていたが、そうではない事がわかった。
それはチャーター機で父子で移動した時にも行われていたのだった。

ラムゼイの助手のジャネルはマイクもウソをいっているのかもしれないと疑った。

実は、母親が犯人で母親を守っているのではないか?

ラムゼイはマイクの嘘はどうでもよく、無罪にする事が大切だと言った。
ジャネルは、ラムゼイも信じられなくなっていたのか、母親を庇ってるのではないかと疑う。
するとラムゼイはジャネルの不安定さをつき、ジャネルに「辞める」と言わせてしまった。


評決


マイクは、法廷でずっと時計の落書きをしていた。

最後にマイクはロレッタに「本当に殴られたの?」と尋ねた。

虐待の証拠もないとつかれてはいたが、陪審員の出した結論は、無罪となった。


やはりマイクは犯人ではなかった。

ラムゼイはマイクに話があると呼ばれ、ある絵を見せられた。
それは現場にあった時計の絵だった。
ロレッタが慌てて隠していたラムゼイの腕時計。


マイクは法廷で、ラムゼイが同じ時計をしている事に気づいたのだった。

父親を殺したのはラムゼイ。

「罪を被ったのはあんたの為じゃない」

でもラムゼイもロレッタを守る為にしていた事だった。
そしてもう裁判は無罪で終わっている。
すべてはラムゼイの作戦通りに。

マイクは怒りながらも、ロレッタの待つ外へ出て行った。


回想


事件当日、ロレッタは自分でアザを作っていた。

ラムゼイはブーンを刺し殺す。

倒れているブーンを見つけたマイクが母親を呼んでいた――。


おしまい。


かんそう:


地味な法廷ドラマで、「嘘」だらけで何が真実かよくわからないままに進んで行き、最後の最後までよくわからない……という、好き嫌いが別れそうなタイプのストーリーでした。

基本法廷が舞台ですが、それぞれの回想と言う形で法廷の外のシーンが挟まります。

証言する人が過去を振り返り、その映像はその人から見た事実ではあるはずなのですが。

それによると、ロレッタのDV被害はあった……と思ったんですが、最後の最後、これは誰のと言う訳でもない客観的な回想だと捉えましたが、そこで自分でアザを作っていた。

と言う事は、単にブーンは気性が荒い面はあってもDVまでもはしていなかったのかな、と。

証言については、ラムゼイは「嘘はつきもの」と最初から助手に話していました。
これは、自分こそ嘘つきなのに、どういうつもりで言っていたのか。

嘘っぽいなと思っても、「皆そうだし!」って有耶無耶にする為の下地作り?


ともあれDV未遂でもいわゆるモラハラ、夫婦間でもパワハラ的なストレスは許される事ではないでしょうから、問題がなくはなかったのは事実。
(そもそもブーンの暴力的な面も、死後都合よく解釈されていたのだとしたらさっぱりお手上げですが)

どうであってもブーンが殺されていいのかどうかは、微妙な所ですが。
陪審員は無罪、としました。

でもそれにはマイクが突然付け加えた「虐待」の効果で、これこそウソでしょうね。
マイクも法律を学んでいたので、何が効果あるかなど理解して利用したんでしょう。


このドラマには2つのポイントがあったと思います。
1つは、真犯人探し。
もう1つは、嘘だらけという所。
ただ嘘には、無罪にする為の嘘もあれば、単純に面倒を避ける為の嘘などいろいろありました。

そもそも証言には宣誓がつきものなのですが、それを全否定しているという。
これはラムゼイが弁護士として、かなりベテランでそういった知識があって、利用を狙ったんでしょうね。

最終的に真犯人は、ラムゼイだとわかりましたが、真相そのものははっきりはさせていなくて、想像に委ねています。
DVしかり。

ロレッタとラムゼイが浮気するようになって、ただでさえ怒りやすいブーンにばれたらその時こそ危ないから先に殺したのか。

それとも、浮気現場を抑えられて殺すしかなかったのか。


私は、キアヌ作品と言う事であまり期待しないで見た事もあり、地味ながらにも面白く見れました。

キアヌが弁護士というといかにも、ハートウォーミングなドラマを想像してしまうのですが、そうではないというのも意外性があって良かったです。
しつこいですが、地味ですけどねw

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