2017年1月18日水曜日

ダークシャドウ



映画 (Movie) / ダーク・シャドウ 〔DVD〕

2012年作品

監督ティム・バートン

ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター、エヴァ・グリーン、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジョニー・リー・ミラー、クロエ・グレース・モレッツ、ベラ・ヒースコート、ガリー・マクグラス

あらすじ:メイドを弄んだ腹いせに、バンパイアにされて200年。その眠りから覚めると・・・。




これはよいティム・バートンでした。

【おはなし】

英国からアメリカに渡って水産業で財をなしたコリンズ家。

コリンズポートという町にコリンウッドという立派な屋敷があるが、それは過去の栄光。
1970年代の今はライバルのエンジェル・ベイに東海岸の港を牛耳られており、廃業状態だった。

そこに200年前に弄んだメイド(エヴァ・グリーン)に呪いをかけられバンパイアにされて生き埋めにされていた一族の偉人バーナバス(ジョニー・デップ)の棺が掘り起こされる。

そのメイドは実は魔女で、彼女こそエンジェル・ベイの女主人、アンジェリークだった。

バーナバスが埋められていた200年の間、人間のふりをしてコリンズ一族を呪い続けていたのだった。

コリンズの子孫であり現女主人のエリザベス(ミシェル・ファイファー)は、最初バーナバスをいつもの財産目当ての偽物だと扱うが、その人間離れした能力と、財宝の隠し部屋を知る事から信用する。

当然、バンパイアだとは紹介出来ないので、バーナバス三世だという体で、屋敷で暮らす事に。

屋敷には、エリザベスの他、娘のキャロライン(クロエ・グレース・モレッツ)、甥のデヴィッド(ガリヴァー・マグラス)、デヴィッドの父親ロジャー(ジョニー・リー・ミラー)、デヴィッドのカウンセラーとしてホフマン博士(ヘレナ・ボナム=カーター)、そして来たばかりの家庭教師のヴィクトリア(ベラ・ヒースコート)等が暮らしており、バーナバスの事は変な事を言う、風変りな奴と思っていた。

バーナバスは、ヴィクトリアが過去アンジェリークに呪い殺された妻ジョゼットに瓜二つな事から好意を抱いて行く。

また、廃業状態だったが、再び一族に富を授けようと、再建に奮闘する。
もちろん、妖術を使って。

次第に、屋敷にも馴染み、キャロラインに恋話をしたりして、バーナバスはヴィクトリアの為にも人間になりたいと、ホフマン博士に相談を始める。

そんなバーナバス(コリンズ家)の動きを、当然アンジェリーク(現アンジー)は放って置かない。

ある日、呼び出し買収を持ちかけるが、当然話は決裂する。

だが、アンジーは最初の100年は怒りが治まらなかったけど、今は寂しい。会いたかったと素直になってバーナバスを誘惑する。

つい関係を持つが、アンジーとは裏腹に冷めているバーナバス。

さらにアンジーは、自分の物にならないなら破滅させる、とバーナバスを脅す。

翌日、もっと頑張らないと、と思ったのか舞踏会を開こうと言い出すバーナバス。

キャロラインのアドバイスに従ってアリス・クーパーを呼ぶ等して、町民をもてなす。

ヴィクトリアと2人きりになり、いい雰囲気の所を、呼ばれてもいないのに押しかけて来たアンジーが目撃してしまい、嫉妬の炎を燃やす。

そうとは知らず有頂天になったバーナバスは、早く人間になりたい、とホフマン博士の部屋に飛び込んで行くが、ホフマン博士はこっそりバーナバスの血を輸血している所だった。

人間になる研究はしておらず、ホフマン博士が永遠の命を手に入れる為にバーナバスの血からバンパイアになろうとしていたのだった。

怒りからその場でホフマン博士の血を飲み干し殺すが、叫ぶホフマン博士の歯はすでに牙が生えていたのには気づかなかった。

死体は、使用人のウィリーに海に沈めさせこっそり片づけた。


パーティーの片づけをしている屋敷で、ミラーボールの下敷きになりそうなデヴィッドを助けた際に、身体に火が付いているのにまったく気づかないバーナバスを子供達やヴィクトリアが見て引かれてしまう。

そのショックでバーナバスは、アンジーの元に乗り込み、呪いを解いてくれ、と頼む。

ヴィクトリアとのいい雰囲気を見てそう来るだろうと踏んでいたアンジーは、解く所か、再び棺に入れてまた200年埋まってろと、言う。

今度は履いていたパンツも一緒に入れて。

だが、その棺は屋敷に置かれただけだったようで、あっさりデヴィッドが開けて助け出す。

その間に、コリンズ家を徹底的に潰そうと、工場に火をつけていたアンジー。

そこに集まった住民や警察に、バーナバスが殺人者である証拠を見せ、さらに火をつけたのは使用人のウィリーだと濡れ衣を着せ、追い詰める。

その結果、屋敷には警察や住民が押し寄せるが、そこへ閉じ込めたはずのバーナバスが登場して、アンジーも驚く。

バーナバスは共倒れ覚悟でアンジーも化け物だと言い、皆の前で血を吸い物凄い力で吹き飛ばされる。

それを見たエリザベスは、魔女だと叫ぶ。

屋敷の中でバーナバスとアンジーのバトルになるが、巻き込まれたキャロラインも実はアンジーの呪いで狼少女になっており、加勢するが、やられてしまう。

そして、デヴィッドの母親を海に沈めて殺したのも自分だと告白。

そこへ、そのデヴィッドの母親のゴーストが登場。

あっという間にアンジーをシャンデリアに張りつけにして止めを刺す。

屋敷は炎が広がり崩壊寸前だが、アンジーは最後自分で心臓を取り出し、バーナバスに差し出す。
だが、受け取ってもらえないハートは、アンジーの手の中で粉々に砕け散ってアンジーも死ぬ。

その後バーナバスはやもめ岬に向かったヴィクトリアを追う。

相容れない関係を悲観して身を投げるヴィクトリアを引き留められなかったバーナバスは、一緒に落ちながら血を吸う。

そして、過去妻が身を投げた時と同じように、自分だけが起き上がる。
ところが今度は、しばらくするとヴィクトリアも目覚める。
妻のジョゼットとして。

一家は、これまでと同じ、生き延びる事を誓い一件落着・・・、と思えたが、遠くの海中では、ホフマン博士が目を覚ましていた。


おしまい。

【かんそう】

先日TVで見ましたが、また忘れていただけで見た事がありました。

しかも、結構面白いのに忘れるって・・・。

なんか、ティム・バートン作品を「途中から見てない」って思い込んでしまうのでした。

本作は、私にとっての良いティム・バートンです。

監督らしいと思えるダークファンタジーの世界に、くすっと笑えるコミカルな要素がある感じが好きです。

元々は、古いドラマのようですが、バートン・オリジナルといっても違和感のないイメージです。

壮大な三角関係で、どう考えてもバーナバスがメイドを弄ぶからいけないのですが。

でも、メイドもメイドで、魔女な上、バーナバスに執着しすぎて可愛さ余って憎さ100倍どころか、子孫まで祟り続ける執念。

でも見方を変えれば、一途なのにその気持ちが受け入れられない可哀想な女性なんです。

アンジーが、決して自分を見る事がないバーナバスを恨んで永遠の命のバンパイアにしてしまう気持ちは良くわかります。

いつか、気が変わるかもしれないし、永遠の命という2人だけの時間を共有できる事が武器になるかも、と思ったんじゃないでしょうか。

でも、バーナバスって本当に残酷で、アンジーを選ばないんですよね。
誘惑にはのっちゃう癖に。

100年間は怒りだけど、だんだん寂しかったという、正直な告白をしても効かないなんて、本当に嫌な男だなーと思いました。

それに、あの2人がくっつけば、町もコリンズ家も安泰で、皆幸せになれるのにw

アンジーは、確かにちょっと魔女で怖いところもあるけど、美人だし、やり手だし、その気になればバーナバスを忘れてパートナーを見つける事も出来たはずなんですけどね~。

小さい頃の一目ぼれ、初恋だったんでしょうね。


そんなピュアなアンジーに比べると、かなり自己中に見えるバーナバスですが、こちらもまた元妻を愛し続ける一途さが、あるんですよね。

だから、可哀想だけどアンジーには応える事が出来ない。

まさに三角関係なんです。

でも、妻そっくりなヴィクトリアと出会い、またピュアな恋に落ちるのですが、ヴィクトリアと妻の関係はちょっとよくわかりませんでした。

生まれ変わり・・・だとしたら、ゴーストに導かれて家庭教師募集の面接に行くというシーンがおかしくなるので、イタコ能力を利用された?
あそこのゴーストは、ジョゼットではなかったの?? (なんせゴーストなのではっきりわからないw)

でも、屋敷ではジョゼットのゴーストに導かれていたからな~。別の存在である事は間違いない?

そして、最後ヴィクトリアとして生き返るのではなく、ジョゼットとして生き返っているのが、ちょっとヴィクトリアってなんだったんだろうって思えて、可哀想というか、唐突な感じがしちゃいました。

ヴィクトリアは、小さい頃からゴーストが見える事で両親に気味悪がられ精神病院に捨てられちゃっていたという可哀想な子なのに、最後に消えちゃうだなんて。


と、結構感情移入してしまう、昭和の少女マンガみたいな世界なのでした。

そんな恋愛模様とは別に、随所にちりばめられたコミカルなシーン。

200年ぶりに外に出たバーナバスがマクドナルドのMの大きな看板を見て「メフィストフェレスか」と呟いたり、車のライトを悪魔の目だと言ったり、勝手に勘違いして仰々しく表現するだけで、普通の光景が面白くなっていました。

そしてクロエちゃん!

本作でも可愛かったですね~。

ロック好きな反抗期の女の子が実は狼少女だったという、クロエちゃんらしい? ただの人間ではない役柄のがはまっていました。
アリス・クーパーが好きで、舞踏会に呼んでもらいますが、バーナバスはブスな女って名前から勘違いしたり、カーペンターズをそのまま大工だと思ったりw


彼女を筆頭に、女性陣が豪華でした。

ミッシェル・ファイファーは、歳と共に迫力が増していましたし、エヴァ・グリーンの人間離れした肌の白さは、本当に魔女みたいでしたし、ヘレナ・ボナム・カーターは、見た目はもちろん、ヴァンパイアになりたい博士だなんて、ハマりすぎ。

バンパイアに魔女に呪いという、ホラーな要素が、どこかのんびりした登場人物達に囲まれてまったりホームコメディで怖いというよりは、キッチュで可愛い感じに思えました。

女性が多い事から、ファッションも見応えあって、レトロで可愛かったです。

って、何気にバートン作品の中で一番好きな作品・・・だな、と思いました。

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