2017年1月13日金曜日

男と女の取扱説明書



メグ・ライアンの男と女の取扱説明書 レンタル落ち 中古 DVD

2009年作品

メグ・ライアン、ティモシー・ハットン、ジャスティン・ロング、クリステン・ベル

あらすじ:ある日突然夫から別れを切り出され驚く妻。
絶対に別れたくない妻はあの手この手で・・・。




wikiに掲載されているメグ・ライアンの最後の映画作品でした。
まだ十分魅力的だと思いましたが・・・。

【おはなし】

弁護士として成功しており、週末には愛する夫イアン(ティモシー・ハットン)と別荘で過ごす自由もあるルイーズ(メグ・ライアン)は、何の不安もなかった。

夫より1日早く別荘に到着すると、部屋中に薔薇の花が。

まだ仕事をしているという夫のサプライズだと喜ぶが、実はそれは夫が愛人のサラ(クリステン・ベル)の為に用意していたのだった。

まさかルイーズが1日早く来るとは思わずに。

しかも、別れの手紙を書いている途中だった。

自分の為だと喜ぶルイーズに素直に、書きかけの手紙を読ませるイアン。

当然、ルイーズには寝耳に水で、別れるなど認めない。

最初は、理由を伏せていたがあまりに頑固なので、「好きな女がいる」と正直に言うが、それでもルイーズは認められなかった。

仕事も成功、家庭も順調、それが今更崩れるのを受け入れる事は出来ないのだ。

言い争いの中、ルイーズは夫をガムテープで拘束する。

そこへ、約束していたサラが訪ねてくる。

助けを呼ばれないよう口を塞ぎ、ルイーズはサラを出迎える。

2人は、パリ旅行を企てていたのだが、ルイーズは今聞いたばかりなのに、何もかも知っていた体で、サラを安心させる。

旅行前に離婚を成立させるから、先に空港に行ってて、と。

その会話を信じたサラは安心し、うっかり「1年前に話せばよかった」と呟いてしまう。
もちろん、まったくルイーズは気づいていなかった。

その真実を知ってもルイーズは夫を諦めない。

拘束したまま、なんとか気持ちを変えさせようとあの手この手を使う。

一度、心変わりしたと思わせ逃げ出しそうになったので、トイレに拘束し直し、そこで結婚式の思い出の曲を聞かせたり、思い出のスライドを見せたり、セクシーなドレスに着替えギターで歌を歌ったり・・・。

だが、何かをすればする程別れたいと言われる始末。

どうしてそうなったのかについては、ルイーズの欠点を指摘する事もあったが、実は子供に恵まれず、人工授精を試していた時に失敗した事が大きな引き金になっていた、と言い出す。

そこから、ルイーズの事だけではなく、自分の仕事や生活の何もかもにモチベーションが沸かなくなってしまったのだという。

つらい過去を穿り返され、さらに傷つくルイーズだが、それでも別れを認める事は出来なかった。

ありとあらゆる、気持ちを取り戻す方法をリストアップしていたが、ロマンチックなディナーを用意するといって、ルイーズは買い物に出かける。

その間になんとか脱出しようと、イアンは大声を張り上げながらバスルームの小窓を眺めていると、芝刈り機に乗った若者を見つける。

だが、その青年(ジャスティン・ロング)はトイレに張り付けられているイアンを見るとこれはラッキーと、助けるのではなく泥棒を始める。

そこへ、ルイーズが戻ってくると今度はルイーズもガムテープで足と手を縛られ、バスルームに置き去りにされてしまう。

気絶したルイーズを見て思わず「妻に触れるな!」と怒るイアン。

青年は、仲間を呼びさらに階下で騒ぎ出し、一晩過ごす。

気絶したルイーズを見ながら、イアンは殺されるかもしれないという状況で、考えを改める。

そして夜、ルイーズが目覚めると、イアンは謝り、再びやり直す決意を告げる。

仕事を変え、養子をもらって新たに出直そう、とまで提案する。

翌朝、空港に来ないイアンの元にサラが怒りながら訪ねてくると、まだ家に居た泥棒一味に出くわし、バスルームの仲間入りをする。

3人まとめて殺されるかもしれないという状況だが、イアンの取り合いも始まる。
そんな中、気づくと芝刈り機が走り去って行き、3人は殺されずに済んだ事を確信する。

そして、次はどうやって脱出するかを話し合おうとするが、サラがポケットに携帯があると言い、あっさり解決する。

家の物はほとんど盗られたが、2人が大事に思っていたルイーズの形見の銀食器一式は残されていた。
それでも泣くルイーズをなだめるイアンの姿に、諦めたサラは身を引いて出て行く。

やがて、2人は別荘を売出し、宣言通り養子をもらい、新生活をスタートさせていた。
前にも増して幸せな生活をしているようで、3人でデートしようと、街を歩く。

すると、向かいから泥棒の青年が歩いてくる。
顔はバンダナで隠していたから気付かないが、その見慣れない青年がすれ違い様にルイーズに会釈をし、更にそれをルイーズが無視した事で、イアンは何かを想い出す・・・。

おしまい。

【かんそう】

これが、メグ・ライアンの最後の作品、って事なんでしょうかね。

まだ主役で、普通に魅力あるなぁ、と思いましたが、これ以降作品が増えていないというのは残念ですね。

そんなメグ自身が書き足したかのように作中で「(うるさい)若い女よりもこっちの方がいいぜ」とか「いい女。皺も身体の曲線もいい」なんて熟女賛美がされています。

こういうのって、女性にとっても見ていて心地良いですよね。

これまではロマコメの女王なんて感じで言われていましたが、本作はさすがにロマンティック路線とは言えず、どちらかといえばドタバタしているラブコメ寄りだと思います。

別れ話から始まって、開き直った夫の言い分は不快を通り越して無味無臭な位でしたが、それを意地でも引き留めようとする、妻の方が最初はキツイな、って思いました。

でも、ストーリーは結構現実的で、自分を分かっているからこその行動なんですよね。

自分には仕事もあり、魅力もあるから、こいつがいなくなってもいくらでも代えはいる! とは思っていないからこそ、なりふり構わず引き留める。
実は冒頭は、ルイーズがやり手で結構嫌な上司である事が表現されていて、ほんの少し夫の「別れたい」を観客が受け入れやすくされているんですよね。
ルイーズにもそんな自覚があるのかな、と思えました。

と同時に、裏切られていたとは知らず、妻は夫をずっと愛していたんでしょうね。
そして、裏切られたと知っても。

そこに、実は過去に人工授精に失敗していたという事実を知ります。

もちろん、妻にとってもつらい過去ですが、それが夫に大きな影響を与え、生活を変えたいと思うようになってしまった。

結構、ヘビィなのですが、そんな言われにもめげずに、妻は引き留め作戦の手を緩めません。

で、これは実はオチに対する、免罪符になっているのかなーと思ったんです。

別れ話しの最中に、アクシデントで泥棒が入った事により、夫は自分の間違いに気づき、あれだけ別れるの一点張りだったのに、あっさり気持ちを変え、そして重要な問題点、子供については養子をもらうという前向きな判断をしました。

だけど、実はそれこそ、妻が考えた作戦にまんまと乗せられていたのです。

その泥棒こそ、妻が考えた計画。

だから、大事な銀食器だけは残っていた・・・んですよねw

そして、夫を取り戻す為には、そこまでする!? という罪悪感については、子供の事について責められたという傷を受けているのですから、お互い様でしょう・・・と。

何より、作為があったとしても夫は望んだ生活を手に入れられたのですから、それに気づいたとしても蒸し返す必要はないはずなんです。

見方によって、いろんな感情があり得るので、中には不快に感じる方もいるかもしれませんが、私は、途中で気づいていたので、「お、当たった」というのを真っ先に思いましたw

ただ、最後の最後まで綺麗に伏せられていた・・・、銀食器はかなりヒントでしたが、あれは2人の判断が間違いではないんだよ、という幸せの後押しみたいなもんかな、と考えたので、はっきりとはわからなかったのが、気持ちよかったです。

ちなみに気づいたのは、ルイーズが「取り戻し計画」をリストアップしていた事(敏腕弁護士という仕事柄もありつつ)と、バスルームに連れて来られた時に気絶しっぱなしな姿を見て、です。

この女なら、ここまでやりそうだな、と。

そして状況が、確かに夫が死を意識しつつ、1人で考えを改めるのに都合が良かったですもんね。

もう後半のメグの作品はそれ程ヒットにはなっていないらしいのですが、本作は、良くできているなーと思いました。

何より、舞台は一軒家のほとんど狭いバスルームのみ。
登場人物は、夫婦に愛人に泥棒、というシンプルさ。

あれ、まるでコックと泥棒、その妻と愛人じゃないですかw

過去記事)MOVIELOG: コックと泥棒、その妻と愛人

ストーリーや世界観はまったく違いますけどね、当たり前ですがw

これ、主演がメグ・ライアンではなくて、もっとB級でもっとれっきとしたコメディ寄りにしてたら、さらに面白かったんじゃないかな~って、思ってしまいました。

ルイーズとサラの拘束されているのに、バトルする感じとか、それでもコミカルではあるんですけど、何処か品が感じられますからね。メグ・ライアンですから。

古い作品ですけど、見て良かったです。



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