2017年5月25日木曜日

ノーマッズ



DVD未発売 中古 ノーマッズ

1986年作品

ピアース・ブロスナン、アダム・アント、レスリー=アン・ダウン、アンナ=マリア・モンティチェリ

あらすじ:ある夜、病院に1人の男が運ばれるが……。


LA。
精神科医の女医アイリーンが当直中に起こされる。
海辺で発見された男(ピアース・ブロスナン)。血まみれで発狂していて暴れ鎮静剤も打てないと医師達が困り果てていた。

診察する為に近寄っていると、何かを呟いた。
そして、次の瞬間大声を上げてアイリーンは襲われたかと思うが、男はそのまま死んでいた。

家に帰ると、奇妙な夢のような幻覚を見始める。

翌朝、同僚から昨夜死んだ男は、学界では有名なカリフォルニア大の人類学者ポミエだったと聞かされる。
変質者でも浮浪者でもなかった。
アメリカへ来て1週間だったという。

ニ・ソン・パ
ソン・デジノワ

急に、友人のキャシーにこの言葉の意味を聞いた。学者が死の直前に呟いていた言葉のようだ。
ニ・ソン・パは彼らはいない、だと答える。
だが、ソン・デジノワはわからなかった。

そしてアイリーンの幻覚が強まっていく。
それは、死んだ学者がアメリカへ来た日から遡っているようだった。

学者がLAでの家を決め、引っ越すと近所にゴロツキ達がウロついている事を知る。
さらにすぐにその家で殺人があった新聞記事を見つける。
ミュージシャンが子供を殺害していたのだった。

「その家が彼らを呼ぶ」
倒れたアイリーンがうなされて言っていた。


学者は、職業柄興味を持ったのか、ゴロツキをカメラに納めようと尾行する事にする。
一晩追い掛け見つけると、彼らがその日暮らしをしているノーマッド(放浪民)だとわかる。しかも30時間一度も寝ている姿はなかった。

そんな中で誰かを殺しているのを見てしまう。
その死体をゴミ箱に居れようとしているのを見て思わず「やめろ!」と声をかけてしまう。
気づかれ追われるがなんとか逃げ切る。
再びゴミ箱を確認すると遺体はなかった。

次にゴロツキを見つけると、隠れている事を相手に気づかれる。
すると、攻撃してくるのではなく写真を撮らせるそぶりをしたので、堂々と写真を撮る。
家に帰り現像するが1枚たりとも、彼らの姿は映っていなかった。

一方、寝ていたはずのアイリーンは、夢遊病者のように病院から失踪していた。
アイリーンの家で電話を受けたキャシーは、言葉の意味を問い合わせていた事を知る。
デジノワは架空の名前らしい。
しかし、エスキモー語にイヌアトという言葉がある。それは悪霊という意味で、姿形は人間と同じで、災難の有った場所に住み、災いと混乱をもたらすものだという。

ニ・ソン・パ
ソン・デジノワ
「彼らは存在しないイヌアトだ」

キャシーが訳した。


写真に写っていない事を解明しようと、また夜の町へ飛び出した学者は、彼らの後を追ってまた同じ廃屋に辿り着く。
だが、そこで1人の尼僧に迎えられる。
学者には見えていて、会話もできるが、彼女もまた人間ではないのだろう。

そしていわくつきの場所などにはものを引き寄せる力があると聞く。
深入りしすぎた。
大抵の人は見えても存在しないものがあることを知らない。
今となっては、彼らが知っている事が問題だと言う。
彼らがあなたのことを。
逃げるしかないといわれて、彼らに何ができる? と聞くと現にここへ連れてきたと言われる。

すると沢山の尼僧の霊に囲まれ、気づけば家の前の車中でフロントガラスに頭を打ちつけていた。

そこへリーダー的存在のイヌアト(アダム・アント)が1人で現れた。
鉄パイプで殴り倒し放置するが、翌朝には跡形もなかった。


そしてアイリーンは妻だけが住む学者の家に辿りついていた。
これまでの体験を幻覚で追いながら。

妻と話しているうちに、改めて自覚した。
彼は、何かを伝えようとしている。その為に記憶でいっぱいされているが、理解できない、と。
彼は奴らに狙われている。
イヌアトとかいう連中に。

すると妻は何故「イヌアト」を知っているのかと驚く。

そこへアイリーンを探しているキャシーから電話が掛かってくる。
その時電話の側にあった新聞記事に気づく。
殺人犯が修道院で首吊りをした、という記事でその写真はイヌアトのリーダー格の男だった。

学者は妻をホテルに身を隠させると、尼僧の忠告に従って荷造りをし、逃げようとしていた。
だが間に合わず、病院で死んだ。
アイリーンは、学者が狂っていたわけではないと気づいた。

そして次は自分達だ、と。
慌てて妻を誘って逃げる事にする。

気付けば家の周囲にはイヌアト達に囲まれていた。
夜になり、彼らがいない隙に家を出る2人。
夜明けまで車を走らすと1台のバイクが着いて来ている事に気づく。

だが、マスクを外すとそれはバイカー・イヌアトになった学者だった。
彼女たちの無事を見守っていたのだろうか。

そして車がカリフォルニアに入るのを見届けると戻って行った。

おしまい

かんそう

80年代作品という事と、ピアース・ブロスナン、アダム・アントの名前で見てみました。

80年代ってやっぱり面白い!

これはホラー・ファンタジーって感じの内容なんですけど、そのホラーの軸である「悪霊」を「見た目は人間」って言いきっていて、ほぼ特別な演出がないんです。

しかも、その悪霊を「ゴロツキ」というパンク風軍団にしているので、一見ただのやさぐれ若者が町で暴れているだけ、なんですよねw
壁にスプレーで「PIG」って書いたり。

でそんなゴロツキに目をつけられた学者のピアース・ブロスナンが興味を持って追うのですが、追うものは追われるという、ホラーではお決まりのお約束で憑りつかれて死んでしまいます。

その死に際に立ち会った事から、早速学者にのり移られてしまったのが女医さん。

「あいつら危険だから逃げろ!!」ってメッセージを妻に伝えたいが為に、女医さん巻き込まれてしまったんですね。

80年代ならではの、素朴なストーリーと味のある映像がなかなか面白かったです。

しかも、ゴロツキのリーダーはアダム・アントですからビックリ。

この時代役者さんもしていたんですね。


Adam & The Ants - Stand And Deliver

確かにコスプレして演技するのはお手の物かもしれないw

それにイケメンですしね。角のないジョニデって感じ?

しかも悪霊という役柄、セリフは皆無。
まさにプロモーション・ビデオ状態なんですね~。

80年代のパンク・ファッションもいい感じですし、マトリックス以前に皮のロングコートでバッチリ決めていましたw

ただ、そういう見所がなく純粋にホラー作品として期待すると、かなり肩すかしに会うと思います。

これは、B級さまるごと、古き80年代の味わいを理解して、そのまま味わう作品だと思います。

DVDになっていないというのは、ある意味納得する貴重な作品でもありました。


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