2017年6月1日木曜日

恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ



中古 メドゥーサ・タッチ/恐怖の魔力

1978年作品

リチャード・バートン、リノ・ヴァンチュラ、リー・レミック、ハリー・アンドリュース


あらすじ:

ある男が殺害未遂に合うが、犯人を追う中で被害者の特殊な生い立ちを知っていき……。





ある夜、家でTVを見ていたジョン・モーラーが何者かに置物で頭を何度も殴られ殺害される事件が起きた。

呼ばれたのはブリュネル警部で、現場を検証していると死んでいると思われた被害者の胸が動いたのを見逃さず、生きている事に気づいた。

日記からモーラーはカウンセリングを受けていたとわかり、その担当医ゾンフェルド医師に聞き込みをする。


私には災いを引き起こす力があるんだ、と相談していたモーラー。
だがゾンフェルドは妄想だと診断するしかなかった。

幼少の頃から自分の周囲にいる邪魔な人間を、その能力で排除してきたという。

日記にあった「西側の前面」というキーワードをゾンフェルドに尋ねるが思い当たる事はない、と言われる。


モーラーはほぼ植物人間状態だったが、脳は生きようとしているということで、筆談は出来そうだと担当医は診断した。

モーラーの部屋には、大災害が一面を飾るような新聞の何年分ものスクラップがあった。
最近の事故は、モーラーが襲われた時にTVで見ていた宇宙での事故だった。


そしてモーラーの日記を読み進めるとテレキネシスやおとぎ話のような内容が出てくる。
だがゾンフェルドは何をいっても否定した。


ある日モーラーの脳波が活性化したと担当医に呼ばれる。
初めてゾンフェルドも立ち会い、もっと早くに行けばよかったと言った。

その夜、TVで「大聖堂の改修費集めが終了し、その式典が行われる」というニュースが流れると、ゾンフェルドが訪ねて来た。
そして真実を語り始めた。

モーラーが災いを起こせるという話を信じていなかったが、ある日目の前で飛行機を墜落させたのを見て、信じざるを得なくなった、と。

あまりの非現実的な話に、隣で聞いていた助手は、とうとうゾンフェルドもおかしくなったと茶化した。

しかし、警部はまだ何か隠していると疑う。
現実にまだ話していない事があった。

翌日、病院から見える大聖堂の様子が気になって確認しにいくと、塔が重すぎて壁がひび割れを起こしていると聞く。
そこにモーラーの日記の「西側の前面」という言葉を思い出し、ゾンフェルドを訪ねてまだ話していない事があるだろうと言った。

すると話し出した。
その後もモーラーなりの理論で大災害を起こそうとしているのを知り、次は宇宙をターゲットにしていると聞いてしまった。
大聖堂の壁の修繕にも不満を言い、大聖堂を崩して大災害を起こすと言っていた。

まずは宇宙の事故を止めようと、あの夜モーラーの家に向かった。
そして……。
事故を止める為、モーラーをなぐり殺そうとしていたのだった。

この話を聞いて警部は、モーラーが脳だけでも生き延びているのは大聖堂を崩壊させたいからだ、と納得した。
ゾンフェルドを逮捕する前に、被害を止める事が優先だ、と部屋を飛び出した。

その間にゾンフェルドは病院へ行き、モーラーを殺そうとしたが出来ずに自殺した。

そして式典の日。
警部は爆破予告だという理由で、式典を中止させようとするが誰も信じなかった。
だが、実際に崩壊が始まると大騒ぎになった。

警部は病院へ向かい、モーラーに繋がれた医療機器を引き抜くが、それでも崩壊は止まらなかった。
しかもまだ指が動いているので、ペンを与えてみるとメモに「原子力発電所」と書いた。
次のターゲットだろう。

目はしっかりと見開いていた。


おしまい


かんそう:


70年代の作品という事で、特撮に味わいがあります。
大聖堂の崩落のその軽やかな事よ。
それがなんとも言えずに良いのです。

お話しは、モーラーの殺害から始まり、モーラーがどんな生い立ちをしてきたのかは、カウンセラーの話をきっかけにすべて再現ドラマになっています。
これが、幼少の頃から周囲を呪い殺す様が、ダミアンみたいな感じでちょっとホラーちっくなんですね。

しかもモーラーの顔面が部屋の空間に浮かび上がって過去シーンに行ったりと、これまた味わいのある演出が見られました。

犯人捜しをしつつ、モーラー自身の謎も追う感じで、なかなかストーリーも頑張っていると思いました。

ただ、タイトルのメデューサという単語としょっぱなに登場する、メデューサのレリーフに気を取られてしまい、そのメデューサの一般的なイメージと繰り広げられる話がしっくりこないまま進むのが、勿体なく感じました。

でも、最後の最後、ベッドで植物人間状態になりながらもカッと目を見開いて、呪いを発していたシーンを見て、「ああ……。これをメデューサと言っていたんだな」と理解は出来ましたが……。

個人的に持つメデューサのイメージとのズレの方がやっぱり気になってしまいましたw

メデューサって、「目を見ると石にされる」とかそんな力を使って魔除けとかヴェルサーチ、というイメージでしたので。
もしかしたらこの70年代にはまた違っていたのかもしれませんがw

タイトルが違っていたらまた印象も違ったと思うので、個人的にはとっても惜しいのでした。
なかなかのヘンテコ良作品でした。




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