ブライアン・デ・パルマ スネーク・アイズ<期間生産限定盤> DVD
1998年作品
監督ブライアン・デ・パルマ
ニコラス・ケイジ、ゲイリー・シニーズ、ジョン・ハード、カーラ・グギノ、スタン・ショウ、ケヴィン・ダン、マイケル・リスポリ
あらすじ:ボクシングの試合の最中に国防長官が暗殺されるが……。
ある嵐の夜の満員のスタジアム。
汚職刑事でちゃらんぽらんな男、リック(ニコラス・ケイジ)は浮気相手のプレゼント資金を稼ぐ為に、ボクシングの試合に賭けていた。
そんなリックとは正反対なエリートのケヴィン中佐(ゲイリー・シニーズ)は、国防長官の護衛として来ていた。
今夜の席は、ケヴィンがリックを最前列に招待していた。
試合直前になると、ケヴィンは派手な赤毛の女性が1人で観戦しているのが不自然だと、気になり追いかけて行く。
それと入れ替わるように、ブロンドの女がリックの隣に座り何やら長官に話しかけた。
しかし、試合に夢中なリック。
すると試合中にも関わらずリックの携帯が鳴り、電話に出るとそれは試合前に電話番号を教えたリングガールだという。
何処からかけているのかと周囲を見ていると、突然銃声が響き、国防長官が撃たれてしまった。
慌てて伏せるリックだが、その時直前にノックダウンしたはずのボクサー、タイラーと目が合ってしまう。
その後ケヴィンと落ち合うと、自分が大事な場面で席を外していた事を悔やんでいた。
だが、そのおかげで偶然射殺犯を見つけ撃ち殺す事が出来ていたのだが、真面目さ故かリックに弱音を吐く。
するとリックはそんなケヴィンの力になろうと、FBI到着までに俺らでこの場を収めよう、といつになく真面目に捜査に取り組み出す。
リックはタイラーの事が気になり、ビデオを調べるとやはりパンチが当たっていなかった事を突き止める。
本人にも追及すると借金の為、八百長試合をした事を認めた。
頼んで来たのは女だと知る。
次にリックは、ケヴィンよりも先に消えたブロンド女を見つける。
女はジュリアといい、ブロンドはカツラだった。
話を聞くと、ジュリアの勤める軍需産業の会社が不正をしていて、その証拠を国防長官に渡そうとしていたのだった。
そして、ケヴィンが不正に関わっているとも知らされ、混乱する。
リックにとってケヴィンは、こんなちんぴらな自分を友達と扱ってくれる自慢の存在だったに違いない。
そのケヴィンが暗殺に関わっていたとなれば、ショックも大きく、信じたくはないのだろう。
ひとまずジュリアを閉じ込め、自分で事件を確かめようと改めて会場をチェックする。
すると、場内を撮影していた監視カメラを見つけ、その映像から不信なシーンを発見する。
ケヴィンは壁越しに狙撃犯を撃っていた。
狙撃犯自体は見えないはずなのに。
何故そんな事が出来たのか?
するとそこにケヴィンが現れ、全てを知られた事を悟る。
ケヴィンが追った赤毛も仲間で、ケヴィンが証拠隠滅の為、狙撃犯を射殺するところまでは、狙い通りだった。
しかし、ちゃらんぽらんなリックがいつになく真面目に捜査をし、しかも優秀だったことから足が付くのを恐れ、早々に赤毛などの仲間も処分していた。
そして今、ケヴィンはリックを買収して事を済ませようと持ちかける。
そう、これまでのリックの行いからすれば、大金を目の前にぶら下げられたら黙って受け取っていたはずだった。
そもそもそれがケヴィンがリックを呼び出した目的でもあった。
暗殺の瞬間のケヴィンの不信さを隠し、保証する男。
万が一、ばれたとしても買収でなんとか出来るはずの男。
だが、これまでリックが手を汚していたのはケチな犯罪の類で、人殺しまではしていなかった。さらには、親友を助ける為に芽生えた正義感が思わぬ方向にリックを動かしたのか、またその不正のスケールの大きさ故か、リックはケヴィンの思惑通りに首を縦には降らなかった。
2人の関係は完全に決裂。
ケヴィンはジュリアの居場所を聞き出そうと、リックをタイラーに殴られせてボロボロにする。
それでもリックは口を割らず気絶した。
リックが気が付くと、誰も居ないようなのでボロボロの身体でジュリアの元へ急ぐが、これこそケヴィンの仕かけた罠で、レーダーを仕込まれていた。
ジュリアと再会するがすでにケヴィンにつけられていたリック。
だが、嵐が味方したのか暴風で壁が吹き飛ばされると、彼らに銃を向けるケヴィンが警官に見つかる。
しかも嵐と事件でニュースの生中継をしており、ケヴィンは言い訳出来ない状態に。
結局、自殺を選んだ。
その後、お手柄となったちんぴら刑事のリックだったが、過去の汚職で裁判にかけられ離婚へ。
しかし、そんなリックでもジュリアにとっては自分を助け出したヒーロー。
2人はキスをして再会を約束する。
おしまい
かんそう:
大分古い作品ですが、タイトルから内容がまったく想像できず、監督もデ・パルマという事で一度見てみようと思いました。
割と普通のサスペンスで、ケヴィンが真犯人だとわかるまでは、どういう事件なんだろうとドキドキしました。
ケヴィンが怪しいと言うのは、観客には比較的早い段階で分かるのですが、そこからはリックどうなるんだ? というドキドキになりました。
時代もあるので、冒頭の「長回しのカメラ」が見所でもあるようですね。
私は、大スタジアムの臨場感は感じられましたが、少し慌ただしく目が回りそうでしたw
そして、デ・パルマといえば変装?
リックの隣に座る女が銃声に倒れた際に、ブロンドのウイッグが外れて落ちるのですが、ウイッグ好きだよな~と思いましたw
オチとして、リックがこのブロンド女性といい感じになるのが、お茶目なハッピーエンドで良かったですw
ただ、お手柄→セレブへ、だけではなくやっぱり汚職はしっかり露見して罰せられるものは罰せられるというw
これで、本当にリックは生まれかわれるのではないかな、と思いました。