2017年3月28日火曜日

アイデンティティー



アイデンティティー 〔DVD〕

2003年作品 アメリカ

ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、ジョン・ホークス、クレア・デュバル、ジョン・C・マッギンリー、レイラ・ケンズル、アルフレッド・モリーナ、ホームズ・オズボーン、レベッカ・デモーネイ、ウィリアム・リー・スロット、ジェイク・ビジー、プルイット・テイラー・ヴィンス、ブレッド・ローア

あらすじ:あるモーテルに大雨の為、偶然立ち寄った11人が、次々に殺されていく。
犯人は……?




以下、ストーリーというよりは、思いっきりネタバレのまとめ、になります。

単なる犯人捜しのミステリー、サスペンスとはちょっと違って、ざっくり言うとトンデモ系でした。

一番最初に「墓地」が近くにあることを強調して、途中それを利用して「たたりだ」みたいなノリも出して、ホラーと思わせるようなそぶりもありますが、それもおそらくわざとですかね。
ホラーでもありません。


・マルコム・リバース(プルイット・テイラー・ヴィンス)という死刑囚がいたが、多重人格者でその罪は「殺人を犯した人格にある」と判断され、その人格が消えさえすれば死刑を免れるのではないか、と治療をしていた。

・モーテルというのは、そもそも多重人格者の治療で見せている妄想のようなもの。

・そこに集まった11人は、多重人格者のもつ人格が具現化した存在。(だから性別、年齢様々)

・その人格同士はお互いの存在やメインの存在に気づいていない。(もちろん、自分が実際には存在しないと言う事も)

・モーテルでの殺人=その人格が治療によって消えたという事を示すが、もちろん各人格者にはわかっていないので、純粋に怯え、また犯人を捜したりそれぞれの反応をする。

要は、オチにびっくり系で、見ている側は気づくまではモーテルの殺人は本当に進行しているものだと思って見ます。

その間に、本当の現実である死刑囚の治療のシーンが挟まり、モーテルはこの死刑囚が犯した殺人でもしかして、近い過去と現在を見せているのか、等とアレコレ想像したりします。

だけど、なかなかモーテルに死刑囚が登場して来ないので「アレ?」となります。
ここで勘の良い方であれば、気づくのかもしれません。

ただモーテルには子供も登場するので、やっぱりかなり昔の話なのか、もしくはシリアルキラーで子供時代から殺人を犯していたのか、など深読みしました。

ですが、繰り返しになりますが、「モーテルは非現実」「現実は死刑囚1人だけ」である事が、かなり後半で判明します。

そして、ダブルオチとして、人格の中の殺人犯も誰もが除外して考えそうな子供でした。

それは治療している医師にとっても同じで、別の人格が犯人だと決めつけた為、子供を治療して消すことが出来ず、結局人格が入れ替わって医師達は殺されてしまうのでした。

おしまい。

【かんそう】

レイ・リオッタとモーテルの殺人という内容に惹かれて、まあB級どんと来いの気持ちで見たのですが、なかなかのトンデモに、B級とも言い切れず少し戸惑いました。

個人的には、「妄想のモーテル」という時点で若干テンション下がりました。
結構真剣に見ていたので、どんなトリックも妄想の時点で、なんでもアリなのかー、と。

ホラーかどうかは、騙される事はありませんでした。
そこは終始リアルに感じられたと思います。
恐らく、モーテルをしっかりリアルにしておかないと気づかれやすいからでしょうね。

とにかく、死刑囚役のプルイット・テイラー・ヴィンスの演技が凄かったです。
本当にいっちゃってる感じの迫真の演技というか、怖いと思う程。
特に、目が揺れるのが説得力を増していました。




メンタリストでもお馴染みですが、まったくキャラが違うので本当に演技力ってのがあるんだな~って素人でも驚かされます。

でもそれだけインパクトのある死刑囚なのですが、実は本人のキャラがほとんどないんですよね。
そりゃ11人格もあるから、もう存在した所で埋もれてしまうのかもしれませんが。

そこが、見た目のインパクトの分、ただの入れ物で終っているのが残念にも感じられました。
人格が変わっている姿がほとんどないのも、ちょっと蚊帳の外になっている要因かもしれません。(あくまでもモーテルの人々と死刑囚という区別した表現になっている)

最後に、人格が勝つというオチは、今改めて思い直してみるといわゆるハッピーエンドではないので、面白かったと思います。

ただ、死刑囚への感情移入や、殺人人格へももちろんないので、ちょっとぼんやりはしていますが。


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