2016年6月6日月曜日

スリーデイズ



中古洋画 レンタルアップDVD スリーデイズ

2010年作品

監督ポール・ハギス

リメイク

ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、リーアム・ニーソン

あらすじ:幸せだった大学教授の家庭。ある日突然、警察が妻を殺人容疑で逮捕するが・・・。



殺人事件、脱獄と聞くとハードな男性映画のように思えますが、これは何よりもロマンチックなラブ・ストーリーでした。

【おはなし】

主人公ジョンとその妻は、妻の女上司らと食事をしている。
が、その際に、妻と上司は言い合いになってしまう。

その上司が何者かに殺され路上で見つかる。

発見者が見たのは、そこから立ち去る妻の車だった。

翌朝、幸せな家族風景が一転、警察が妻を殺人容疑で逮捕していく。

無実を主張するも、それを示すものはなく、状況証拠から犯人となっていく。

そこから、幼い男の子と夫、2人で妻の出所を待つ生活になるが、妻が出所できる望みは3年経っても見えず、それどころか不利な証拠から殺人罪が確定してしまう。
ジョンに追い打ちをかけるように、妻は刑務所の中で自殺を図る。

そして、決意する。

妻を救い出す、脱獄させる、と。

そこから、ジョンは脱獄経験者(ニーソン)に会い、「罪のない人も殺せるようじゃないと成功はしない」等と厳しいアドバイスをもらう。

悩み抜くが、妻の無実を信じ、家族の幸せを願う気持ちが、罪を重ねていく事に。

偽造パスポート、バンピング、さらには資金の為に銀行強盗を考えたり。

平和な大学教授だったのに、犯罪のオンパレードに。

結局、悪人から金を強奪し、高跳び用のチケットを用意していよいよ、となった時に、実家に子供を預けていた事から、実父にエアチケットを見られてしまう。

実父は何かに気づくが、ジョンには何も言わなかった。

同時に、警察もジョンの行動が怪しいと感じ追い始めていた。

ジョンは、妻が糖尿病である事を利用して、脱獄を計画し、驚き諦めようとする妻に子供を盾に説得しながら、結果、脱獄に成功する。

脱獄が知れると、すぐにジョンらが警察のターゲットとなるが、取り調べを受けても父親はチケットの事を言わなかった。

そして、ジョンは経験者のアドバイス通り、綿密に計画を立てていた。

警察がジョンの家を捜査して見つけたゴミ袋。あたかも知られたくない事を隠すように、バラバラにちぎられて捨てていたものを警察は何かの手がかりになると、慌てて組み立てる。

そして、組み立てた先に見えたのは「ハイチ」という行先だったが、それこそブラフだった。

ジョンたちは見事にベネズエラに逃げていた。

ジョンは、最後まで妻の罪を問う事も疑る事もなかった。

最初から最後まで無実である、と信じていた。

警察は、何故か再び事件現場を訪れる。

本当に無罪だったのかもしれない、と妻がボタンが落ちたと主張するのを想い出し、ボタンを探す。

その夜も、雨が降っていたと、紙切れを現場から落とし、水の流れを追う。

たどり着いた排水溝を見るが、今更何があるわけでもない。

助手が「当日だって調べたんだろうし」と言う。ちらっと見た程度では何も見つからず、蓋をすると実はボタンは溝に引っかかっていたのだが、今まさに蓋を閉じた事で中に落ちて行った。


おしまい。

【かんそう】

脱獄ってあんまりピンと来ないワードで、気乗りせずに見たら、テンポが良いのか結構するすると見てしまいました。

そして、途中から壮大なラブストーリーだとわかって、最後まで見る事ができました。

事件の真意どうこうではなく、ジョンが妻を愛する気持ちは、世の中を敵に回してもいい、その為に無実の人を殺す事もできる、という事を実際に証明するお話しでした。

ここまで誰かに思われるなんて、なかなかないと思いますし、実際あってもちょっち怖い。

だからこそのファンタジー、映画ですね。

それにしても、奥さん、ついてないですね。

たまたま喧嘩した上司が、たまたま殺されてしまって、その犯人とすれ違って、ご丁寧にコートに血までついてしまい、更には、凶器である消火器が転がって邪魔だから持ち上げて動かした時に指紋までつけてしまう。


むしろ、妻に犯人をなすりつけた、完全犯罪として、真犯人がすごい強運の持ち主と思うんですが・・・。

とはいえ、見ている途中までは「そうはいっても奥さん本当にやってないの?」みたいなどっちかわかんない感じもあって、(ミスリードっぽく奥さんを見せる事もある)ジョンががんばれば頑張る程、ちょっと真実も気になってしまって、集中しずらい感じもありました。

でも最後、どうでもいい、ジョンの脱獄への想い、いや、奥さんへの想いを実らせてあげたい、と応援してしまうんですよね。

それは、父親がいかにも怪しいエアチケットを発見したのに、何も言わないという態度がすごく効果的でした。

「ああ、ジョンを信じて応援していいんだ」という見ている側への一押しになりました。

でも、普通に考えたら相当あり得ない話なんですが、それでも突拍子もないB級アクションコメディーみたいなノリになっていないのは、恋愛至上主義な原動力と、一応素人がすんなり出来るもんじゃない、という失敗の連続があった事。(最初は、悪の世界でボコボコにされたり、鍵開けに失敗して捕まりかけたり)

そして大学教授という職業柄、物事を良く観察し、綿密な計画を立て、実行する、という可能性がなくもない、という説得力があった事。

冤罪も、脱獄もあってはならない事ですが、今回はラブストーリーの表現として、かなり厳しい設定で使われています。

そして厳しいからこそ愛の深さがわかる、という。

おとぎ話の定番というか王道ですよね。「いつか必ず王子様が助けに来る」みたいな。

だからといって現代版おとぎ話・・・というような憧れは持てませんが。


まさに映画ならではのお話しでした。


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