2016年8月13日土曜日

パイレーツ・ロック



映画 (Movie) / パイレーツ・ロック 〔DVD〕

2009年作品

フィリップ・シーモア・ホフマン、トム・スターリッジ、ビル・ナイ、ウィル・アダムズデイル、リス・エヴァンス、ニック・フロスト、トム・ブルック、リス・ダービー、キャサリン・パーキンソン、クリス・オダウド、トム・ウィズダム、ラルフ・ブラウン、アイク・ハミルトン、ケネス・ブラナー

あらすじ:60年代、音楽に飢えた世代が海賊ラジオに夢中になっていた・・・。




私にはちょっと時代が古目でしたが、どんぴしゃな人にはじーんときそうなBGMがいっぱいでした。


【あらすじ】

いわゆる民放ラジオがまだなく、ロック等の放送が制限されている60年代。

海の上から24時間ロックを送る「パイレーツロック」は人気だった。

だが、その反抗的な態度から特に法を破っていないものの、政府のお堅いドルマンディ大臣(ブラナー)に目をつけられ、新たな法を作ってまで彼らをつぶしにかかる。

そんなパイレーツロックに、1人の少年カールが送り込まれてくる。
カールは退学になり、母親に送り出されたのだという。

だが、名付け親だというクエンティンはカールに厳しくするどころか、退学になった理由を聞いても「やったな」とハイタッチするようなノリだった。

カールは、個性的なDJやラジオのスタッフという大人たちに囲まれ、成長していく。

周囲が過激なせいか、誰も押さえつけないせいか、退学になった少年とは思えないくらいカールは自制心が強く、真面目で良い青年に見える。

大人たちの中でも、比較的紳士的で大人しい部類と特に親交を深めていき、決して過剰に羽目を外す事はなかった。

それでも、ある時は、船に乗り込んできた女性と経験させてやる、とおデブにそそのかされ、真っ暗闇で入れ替わろうとするが、電気がついてバレて裸で逃げたり。

ある時は、クエンティンに可愛い姪を紹介され、一目惚れするが、おデブなDJに横取りされるという苦い経験をしたり。

そんな特殊な生活の中で、クエンティンが自分の父親ではないか、と考え始める。

だが、実は誰もがその存在を知らないレアな朝方担当のDJボブが、父親だと知る。

ボブは変わり者で、ほとんど人前に出ず、DJをしている以外は1人音楽を聞いているか寝ているのだという。

最初は想像した父親像と違ったらしくショックを受けるが、次第に受け入れていく。

船の上で、男だらけ(女子はコックのレズビアンのみ)の寮生活の延長のような、気ままでロックな生活。

船内の唯一の争いは、途中でアメリカ帰りのDJ、ギャヴィンが加入したことで、もめ事が起きて、通称伯爵のリーダー的DJと根性試しに発展した事くらい。

だが、2人はそれで大けがをし、和解し、さらに船内は団結した。

ますます調子に乗るが、政府は彼らを取り締まる事に必死で、ある日新しい法律、海洋犯罪法を作る。
ラジオ局はもちろんすべての海賊局に関係するものは、リスナーも含めて実刑になる、という。

さすがに、これで最後だと、しんみりするが、運命共同体となる意思確認をする。

そして、リスナーにも最後の放送だと思わせて、「なんちゃって~」と辞めない事を表明する。

すぐに追ってくるだろう政府を煙に巻いて、船は出航する。

だが、運の尽きか、船に穴が空いてしまい、沈没寸前となる。

政府が放送をチェックしてるだろうから、SOSを受け取り助けに来るだろう、と踏んでいると、彼らをつぶしたかった政府は見て見ぬ振りをする。

もうおしまいだ・・・と思ったその時、彼らの放送を聞いた一般人リスナー達のボートがあちこちからやってくるのだった。

そして、全員無事助かった。

おしまい。



【かんそう】

海賊盤っていいますけど、まさに船上で海賊そのものの無許可ラジオ局でした。

知ってる曲もありましたが、世代がちょっと違うので、もしぴったりあっていたらもっと面白かっただろうな、と思いました。

60年代という時代のせいか、イギリスが舞台のせいか、DJ達もおっさんばっかりで、いまいち地味なんですよね。

なんたって一番の人気DJがフィリップ・シーモアなくらいですからw 

そこに紛れ込む少年カールは結構な美少年で、一番目の保養になるかも。

でも沢山DJがいるという設定なのに、勿体ない地味さ加減w

ま、この映画結局は、オッサン達がいつまでたっても大人になりきれず、寮生活のような男だらけの気ままな生活を楽しんでるっていう、ある意味ちょっとしたファンタジーなんですよね。

そこにロックという反骨的なテーマがあって、最後船が沈没してしまうという終わり方も、ロックのどこか刹那的な面を表しているな、と思いました。

お話し的には、少年カールの存在は別に主人公という訳ではなく、単なる船員の1人って感じで。
ラジオ局全体が主役であり、永遠の学生寮のような生活、空間がロックと共に、「こんなのあったらいいなー」みたいなおやじ青春映画って感じでした。

ラジオが舞台になる映画って、個室でマイクに向かってしゃべるという設定的に、地味な印象になりがちなんですけど、本作はそのラジオ局を巨大な船にしたことで、常に動的な演出をしていたと思います。

誰かがボートで訪ねてきたり、帰って行ったり。

たまには、町に出たり。

そして船だからこそ、最後の沈没して終わるという終わり方にも出来たのですが、結構実話っぽく思えるような良くできているお話しだな、と思いました。

キャラ的には、繰り返しになりますけどDJとはいえおっさんばかりなので、これといって突出する人はいないんですけど、その分? ケネス・ブラナーの大臣が良かったですね。

行き過ぎた真面目で、とにかく、ロック局をつぶしたくてしょうがない。(何されたわけでもなく)

大臣のクリスマスのホームパーティはなかなかのコント状態で、船上のラジオ局より、面白かったw

ロックで海賊ラジオなんていうと、過激なシーンがいっぱいって思うかもしれませんが、何せ地味なおっさんだらけの船なので、ちょっと口悪いくらいで、基本的には安心して見れると思います。

最後に、ボウイのレッツダンスに合わせて皆が船の上で踊って大団円。

さえないおっさんばかりだけど、ハッピーエンドで良かったと感情移入していました。
憎めない人ばかり、でした。

が、それがロックというテーマを想うと少し刺激が足りないくらいなのかも。



0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...