2016年8月16日火曜日

ヴィジット



  映画 (Movie) / ヴィジット 〔DVD〕

監督 M・ナイト・シャマラン

オリビア・デヨング、エド・オクセンボールド、キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー

あらすじ:姉と弟の2人は、初めて会う祖父母の田舎に遊びに行く事になるが・・・。




がっかりシャマラン、ストーリーどうこうではなく、それ以前の問題で不快でした・・・。
視聴注意が必要だと思いましたし、以下にも不快な表現がありますので、閲覧注意お願いします。



【おはなし】

ベッカとタイラーは15歳と13歳の姉弟。

訳あって家を出ていた、今ではシングルマザーの母親の事情で、祖父母には会った事がなかった。

それが、突然休暇を利用して会いに行く事になる。
1週間母親の実家で過ごすという事で、ベッカは映画監督さながらにずーっとビデオ撮影をする。

初対面の印象は悪くなく、2人は人見知りする事なく、すぐに打ち解ける。

が、年寄りだから早寝なんだと21時30分におやすみを言った後、祖母の手作りのお菓子が欲しくなって、ビデオを回しながらキッチンへ降りると、そこには夢遊病者のように動き回る祖母がいた。


怖くなり、ベッカが翌日祖父に告げると、「おばあちゃんはお腹を壊していたんだ。今はもう治ったよ」と言われる。

タイラーは、祖父が出入りする納屋に目をつける。
ふざけ半分のドキュメンタリーを装って、侵入するがそこで見つけたのは、冗談で言った死体などではもちろんなく、使用済みの大人用おむつの山だった。

それを祖母に言うと、実は失禁症で常用しているが、男らしい人なので、恥ており、隠してまとめて焼いているのだという。

2人とも年寄りという事で、ある程度は受け入れないといけないが、母親とノートパソコンでスカイプすると、つい愚痴を言ってしまう。

母親は、いまだに両親と顔を合わせる事ができず、スカイプとはいえ、祖父母には隠れて繋いでいた。

母親も、2人の話を聞き、ショックは受けるが、歳なんだからとなだめる。

ベッカがドキュメンタリー映画のごとく撮影しているのは祖父母も知っていたが、ある朝、ノートパソコンのカメラを祖母に使えなくされてしまっていた。

片づけていたら汚れてしまい、拭いたらひどくなってしまったのだという。

わざとではないので、カメラが壊れたままで使う事に。

だが、祖母の様子を日に日に見るうちに、子供たちは一緒にいる事が怖くなっていく。
祖母だけではなく、祖父も記憶が曖昧になっているようで、パーティーがあると正装しだしたりして、2人ともがおかしい。


年寄りである上に、それぞれが精神的な病気にもかかっているとしり、子供には荷が重い。

だが、病状が出ていない時は2人共優しい理想的な祖父母だからと、残りの数日を耐えようとするが、昼間笑い続ける祖父母に近づくと、何をしているわけでもなくただ笑っていて、その理由も支離滅裂な事を言われる。

また夜は、素っ裸で壁をツメで引っかいたりと、実際に安眠妨害も。

その話をすると、祖父からは21時以降は部屋から出ないほうがいい、と言われてしまう。

滞在中、2名ほど祖父母を訪ねてくるが、いつもその時2人は散歩で留守にしており、伝言といえば「この間病院のボランティアを無断欠勤したから」というのだった。
だが、何も気にせず伝言を伝えていた。

そんな日を繰り返していると、祖父母の異常性がどんどん露わになっていく。


いよいよ気になるので、タイラーはリビングに隠しカメラを仕込もうとするが、ベッカが事前に発見して、「それはマナー違反だ」と取り上げる。
だが、すぐにベッカも同意する。

そして、一晩録画したカメラに映っていたのは、カメラに気づいて怒り、ナイフを持って子供たちの部屋のドアを殺意を持って叩く祖母の姿だった。

ちょうど、パソコンのカメラが治って母親に助けを求めるスカイプで祖父母を映して見せると、母親が凍りつく。


「その2人は両親じゃない」


母親は警察に連絡するが、すぐにはつながらなかった。
隙を見て逃げる事に。

だが、祖父母達も明日には子供たちが帰る日だという事で、正体を隠しきる必要がなくなっていた。

子供たちを逃がさないかのように、今夜は一緒に遊ぼうと遊びに誘うが、その途中ベッカは理由をつくって1人抜け出し、初日に軽く「地下はカビだらけだから入るなよ」と言われていた、地下に本当の祖父母がいるのではないか、と探しに行く。

残されたタッカーは、最初は一緒に遊んでいたが、祖父がまたボケて、パーティーに行かねばと言い出しその場でおむつを脱ぎだす。
そして、本性を現した祖父に、「おまえなんか嫌いだよ」「潔癖症だったな」、と言われ履いていたおむつを顔になすりつけられ大ダメージを受ける。

地下のベッカは、想像通り本当の祖父母を見つけるが、すでに白骨化死体となっていた。
横には、精神病院の制服? もあった。

もともと病院にボランティアにいっていた本当の祖父母は、この2人の殺人者に殺され、すり替わっていたらしい。(だから無断欠勤になっていた)


だが、ベッカは祖父に見つかり、先に病状が出ていて寝室に行っていた祖母の部屋に閉じ込められる。

祖母もまたベッカを見つけると「あんたなんて嫌い」といいベッカに暴力をふるい出すが、ベッカは割れた鏡の破片で反撃し、祖母から逃げる。

そして弟の元に駆けつけるが、弟もまた覚醒し、アメフトの教えを想い出し、祖父に反撃する。

そこへ母親が警察と一緒に到着し、2人は無事助かる。

その後、この体験から2人は、それぞれが抱える親の離婚による問題を解決していた。

姉は、見れなかった鏡が見れるように。
弟は、過度な潔癖症が治った?

おしまい

【かんそう】

最初は、「老い」をテーマに、割と真面目な話にしたのかな、と老人の身体や心の変化を取り上げる事を、友好的に考えようとして見ていました。

が、そんな深い想いがあるようにも思えず、単なる「弱った老人に悪い事は出来ないだろう」というブラフのような、扱い、あるいは、「犯罪者が老人だったら面白い」位のものでしかないという事に気づいて(そうとしか伝わってこなかった)、見ていてすごく不愉快になりました。

「入れ替わり」という落ちそのものは、久しぶりの「シャマラン節」なのは間違いないと思います。
それが良かっただけに、残念感もハンパないんでしょうね。


装飾に「老人のボケ」「老化」というものが「恐怖」「醜悪」のような感覚で沢山大げさに使われているのが、私にはダメでした。

これまでのホラー映画でも「おばあちゃんなのに強い」とか「おばあちゃんなのに走るのが早いゾンビ」とか、老人である事を武器としたキャラクターはいました。

が、でも、おばあちゃんなのにに加味される要素が、アッパーなものなので、笑いになったり、純粋なホラー要素となっていて、それは大げさにいえばエンタテインメントでした。

でも、本作は、笑いにもなっていないし、怖さを純粋に味わう事もできない。

ただただ、「何故こんな風に取り上げたのか」と疑問でした。


これはティーン向けでも成立するかどうかのギリギリな感じだと思いました。

実際に、老いなんて存在をまったく身近に感じない若い人なら、もしかしたら楽しめる人もいるかもしれません。

でも、その人にも祖父母が居たりしたら、気になると思うんですよね。


それとおじいちゃんのオムツ事情も正直、そこに踏み込まなくても、と思いましたが、その段階ではまだどうなるかわからないから、飲み込みました。

だけど最後の、オムツを潔癖症の子供の顔になすりつけるシーンは、最悪でした。
これは、事前に注意書きがあっていいレベルだと思いましたし、このためだけにオムツ出したんだな、って思えてしまいました。


誰もが、最後には必ず老化します。

それを真正面から捉えた作品なら見る側は覚悟しているでしょうが、本作は、不意打ちで、この扱いですから。

こういう感情のゆさぶり方は、ナシだと思いました。

がっかりシャマランなんて可愛い言い方ですね。

シャマラン監督には本作で、がっかりしました。


監督好きな人とこの作品の話題は避けようと思いました。
(面白かったとか言われたら、その人を見る目が変わってしまうかも・・・)

見なかった事にしとこ。


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