2016年10月10日月曜日

オール・ユー・ニード・イズ・キル



オール・ユー・ニード・イズ・キル DVD

トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン

あらすじ:決して武闘派ではない主人公が、戦地に追いやられてしまう。その中で、偶然タイムループに巻き込まれてしまい・・・。




トム・クルーズというブランドが確立しているからこそ、それを知ってる前提で出来る役が多くなって来ていますね。

【おはなし】

近未来の地球は、ギタイというエイリアンに侵略されていた。

ウィリアム・ケイジ(クルーズ)は、米軍のメディア担当としてUDF(ユナイテッド・ディフェンス・フォース/統合防衛軍)をPRしていた。

UDFのアイコンは、ヴェルダンの女神と言われる、パワースーツを着たリタ・ヴラタスキで、彼女の活躍に希望を見出していた。

ある日、ケイジはロンドンに呼ばれ、戦地に赴くよう命令を受ける。
だが、戦争でしかたなく今の職についているだけであって、決して武闘派ではないケイジは頑なに拒む。

すると、一見ケイジの希望を受け入れたと思わせて、反逆罪で逮捕してしまう。

そして、目覚めたケイジはヒースローの前戦地にいた。

少佐だったはずが、新兵であり脱走兵でもある、と書類が回っていた。

しかたなく、J分隊に配属され、翌日には戦地に送り込まれるが、当然戦闘経験もなければ、根性もないケイジはオロオロするだけだった。

奇襲作戦のつもりが、むしろ待ち伏せされていたような状況で、仲間も次々に死んでいく。

リタとも出会うが、彼女さえ、目の前でやられ、ケイジもエイリアンに追い込まれていた。

そこで、目に入ったのが対人用地雷でケイジはそれを使ってエイリアンもろとも自爆した。


ところが、目覚めるとまたヒースロー前戦地に飛ばされた所だった。

ケイジは、自分がこれから起きる事をすべて知っている事に驚く。

だが、周囲はもちろんそんな事は知る由もない。

戦地でも起きる事がわかっているので、前回死んだ仲間を注意して助ける。

リタとも再会し、死ぬ事を予知して助けるがその際に自分が死んでしまう。

そして、また目覚める。

今度こそ、自分がこの日を繰り返しているという事を主張するが、当然、誰にも受け入れられず、口にガムテープを巻かれて戦士に送り込まれる。

戦地で死ぬとまたヒースローで目覚めるという、確実にタイムループをしているのだった。

何度も繰り返していると、戦場のリタは、ケイジの何でも知っている行動に気づき、「目覚めたら会いに来て」と言う。

言われた通りに目覚めた時、隊を抜け出し、リタに会いに行く。

最初こそ、「は、誰?」 という反応だったが、ケイジが説明すると、リタはすぐにケイジを修理部に連れて行き、カーター博士を紹介する。

実は、ヴェルダンの女神と言われた頃は、リタにもその力があった。

どうも、ギタイの特殊なタイプを殺し、その血を浴びた事がきっかけだという。

というのも、そもそもギタイ達は、それぞれに役目を持っており、唯一のブレイン、オメガを中心に、タイムループを利用して人間に勝つ算段をしている、というのだった。

ある意味、人間にもその機能が移ってしまうのは、バグのようなもので、彼らにとっても排除したい。

死ねばループで済むが、リタは戦場で受けた傷を輸血した事で、その能力が消えてしまったのだという。

リタはオメガを探し当て、殺せばすべてが終わると言う。

そして、長年研究していた博士の考えは、誰にも受け入れられず今では、修理工に追いやられていたが、リタに出会った事で、確信したのだという。

あまり乗り気ではなかったが、仕方なく協力する羽目に。

とにかく毎日死ねと言われ、ケイジは戦地へ行く前の日からを何度も繰り返す。

ある日、ケイジはオメガのビジョンを見る。

それによると、ドイツのダムに居ると言う。

その日から、リタとケイジはいかにしてダムまで行くかを繰り返す。

その様は、まるでビデオゲームをプレイしているようで、ゲームオーバーになったらセーブデータまで戻って、その経験値を積んで繰り返す、そのものだった。

少しずつ先に進めると同時に、進むにつれてダムに近づけない事もわかっていく。

そして2人で過ごすうちにリタに特別な想いを持つようになるケイジ。

また、この先リタが死ぬという事もわかってしまい、ケイジは知っているのに知らないふりをして先に進むのを先延ばしにするようになっていく。

リタと2人でダムへ乗り込むパターンはありとあらゆる方法を総当たりのように試したが、どうやってもリタが死んでしまう事から、ケイジは新たに目覚めると、リタに声を掛けずに単独でダムまで行く事にする。

最初は、戦場でおどおどしているだけのサラリーマン少佐だったが、何度も繰り返している事から、いつしか戦士としても成長していた。

そしてダムに侵入すると、エイリアンに挟み撃ちにあうが、彼らはケイジを殺す事はせず、傷をつけて出血多量で輸血させる事を狙ってくる。

もちろん、ケイジはループで抜け出せるのだが、そもそもダムにはオメガが居ない事もわかる。

それは、ケイジを呼び出す為の偽のビジョンを見せられていたのだとわかる。

上手なエイリアン達にあきらめムードになるが、博士が研究していたトランスポーターがあるじゃないか、となる。

だが、気が狂ったと思われて、ロンドンに部品を取り上げられたままだ、と言う。

もちろん、ループを利用すれば、部品を取り戻す事も不可能ではない。

リタとケイジは、ロンドンのケイジを戦場に送り込んだ軍曹に会いに行き、すべてを話す。

が、すぐに信用されるはずもなく、それを何度もループした結果、やっと金庫から部品を受け取るのだった。

ところが、それは罠で、外で軍が待ち伏せていたが、リタとケイジは振り払いながら、ケイジの足にトランスポーターを刺して起動させる。

すると、ケイジの脳裏にパリ、ルーヴル美術館が見え、その下の水中にオメガが潜んでいる事を見る。

だが、追手に車を襲われた事で、事故になり、ケイジは目覚めると輸血を受けていた。

おそらく、タイムループ能力はなくなった。

だが、すべてを知ってもリタとケイジはオメガを倒して世界に平和を取り戻すしか、選択肢はない。

パリに向かうにも人手が足りな過ぎたが、ケイジはJ分隊を説得する事に成功する。

何もかも知りすぎているケイジに、さすがに何か起きていると感じとり、さらに止めは、誰もが知るリタが、現れたのだから断れなくなる。

彼らは、パリに飛び、ルーヴルに近づくが、ギタイも当然攻撃してくるのだった。

何人も戦闘不能になるが、なんとか飛行機を走らせてオメガまで近づく。

辿りついた時には、リタとケイジだけになる。

リタはどうせ2人共生きては戻れないだろうから、と自分がオメガを守るアルファを引き付けるから、ケイジに爆弾を持ってオメガを倒すように言う。

ケイジは水中に飛びこみ、なんとかアルファから逃げつつ、オメガを目指すが、あと少しという所で、アルファの攻撃を受け負傷し、そして持っていた爆弾をオメガの真上に落としてしまう。

だが、すでに起爆した後で、オメガを巻き込んで爆発する。

そしてギタイ達の動きが止まる。

ニュースでは、フランスでの謎の爆破によって、ギタイの行動が停止されたことを告げていた。

ケイジは死の直前でオメガの血を浴びたせいか、別の日を生きていた。
脱走兵とならずに、少佐のままでいるケイジ。

そして、少佐という立場でヒースロー前戦地に行くと、そこにはリタも生きていた。

「何か用?」とこれまでと同じように聞かれるのだが、ケイジは何も言わずに立ち去った。

おしまい。

【かんそう】

何も知らずに、見ていて、「超ゲームっぽいな」と思っていたら、まさにそれを狙ったお話し(原作)、という事でした。

お見事、なわけですね。

しっかりその狙いは見ていて伝わってきますから。

トム・クルーズといえば、大抵規格外のヒーローなんですけど、最近はそのブランドを逆手にとったダメ・クルーズだったり、本作のような「戦地? 冗談じゃない。だからPRやってんのに」みたいな、あれ、いつものトムじゃない! という役が目立ってる気がします。

本作は、そのダメ・クルーズからのスタートから、ビデオゲーム同様に、繰り返し経験する事で、自然と鍛えられていき、本人の意思かどうかはさておき、最後には世界を救う事を実現して、まさにヒーローになるのですが、その説得力はトム・クルーズというブランドならではかもしれないなー、と思いました。

ダメ・クルーズの意外性から始まり、でも気が付けばいきなりヒーローよりも、ヒーローになる経緯を一緒に体験、想像出来るので、納得感がある。

今更、トム・クルーズがヒーローである事に慣らされ過ぎていて誰も違和感唱えないだろうけど、それでも念には念を入れるように、見ている人に成長過程を見せ、文句を言わせない。

正直、ストーリー的には世界の終り感のある暗い、戦場が主で、女子には馴染みがない、というか一切のキラキラがなくて、殺伐としていて、はっきり言うと面白味がない世界なのですけど、そのとっつきにくさをトム・クルーズというブランドで、うまく多くの人を引き寄せているな、と思いました。

見れば、面白い、とわかりますが、トム・クルーズでなければ、なかなか見る気にならないとっつきの悪いテーマだと思いました。

実際、原作のライトノベルであっても、そういう難しい扱いにはなっていたようですが・・・。

ハリウッドの貪欲さというのは、こういう所でわかるんですね。

良い、と思ったらそれが日本のライトノベルだろうが、なんだろうが、映像化してしまう、という。

「前例がないからやらない」というつまらない言い訳がないんだな、と思うと、嬉しくなりますね。


と、最後まで見てやっと理解出来た訳で、見始めでさらっと見る事はできなくて、何度も途中まで見てはしばらく放置、また最初から見て・・・を繰り返していましたw

まさに、見方がタイムループw

この映画は疑似タイムループを体験もさせてくれるんですねww

見るごとに耐性と記憶から理解できるようになっていくw


と、SFが得意であればまったく問題ないんでしょうけどw

でも、苦手でも繰り返していたら理解できるようになり、そして最後は面白いな、と思えるようになりました。


今でも、作法がよくわからない事もあり、疑問はいくつかあります。

例えば、タイムループになるきっかけがギタイの血を浴びる事なら、いくらでもあちこちでループ起こしてそうだけど、どうなんだろう、とか。

タイムループした人間は、記憶は蓄積されているので、その力を失った後も、ループの経験や存在は忘れていません。
だったら、おれも知ってる、おれも、ってならないのかな、とか。

どうして、戻る位置が固定なんだろう、とか。(初めて血を浴びて死んだ時と目覚めた時の関係性がわからない)

時間がいじれる程のエイリアンが、なんで人間相手にちまちまやってるんだろう・・・とかw

最後、オメガを殺してループしたらオメガのいない世界に戻っていたのは、リセットと言えるのだろうか・・・。

などなど・・・。

ま、エンタテインメント作品として、これらの疑問は解決しなくても別に困らないのですけどね。

決して華やかでもなく、トムも終始カッコ良いわけでもないですが、映画としては、面白かったです。

でもやっぱり、男性向けって感じで女子の友達には薦められませんけどw


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