2016年10月17日月曜日

ブラック・ウィドー



 1987年作品

デブラ・ウィンガー、テレサ・ラッセル、サミー・フレイ、デニス・ホッパー、ニコル・ウィリアムソン

あらすじ:資産家が嫁を残して事故死するという事件。自然死だと言われていたが、気になって調べると・・・。




デニス・ホッパーがあっさり死ぬ役とは、まったく思いもつきませんでした。

【おはなし】

司法省捜査局に勤めるアレックスは、2件の資産家の死亡記事に何か共通する事があるのではないか、と気になっていた。

周囲は、すでに事件性もなく片付いている事から、誰も取り合わない。

その頃、キャサリンは、次のターゲットの玩具王(ホッパー)を狙い、殺していた。

そしてそのニュースはアレックスにも届く。

同じような事件に関連性を感じるのは簡単だった。

金持ちが新婚数か月で美人な妻を残し、死ぬ。

妻の写真を見比べ、女の勘で、どの妻も写真を避けるようにしているが、同一人物ではないか、と気づく。

一方、キャサリンは新たなターゲットに、シアトルの博物館長を選ぶ。

その為には、勉強を惜しまない。

努力の結果、館長は簡単にキャサリンの手に落ちる。

そして、アレックスはキャサリンに近づくが、誰もアレックスの言う事を信じず、止められたはずの館長の命もキャサリンの餌食となってしまう。

人命を救えなかった後悔からか、アレックスは仕事を辞めてキャサリンをハワイまで追う事に。

自然と知り合うよう、近づいてまんまと友人になるが、キャサリンもまたアレックスが自分の事を嗅ぎまわっている事には気づき始めていた。

だが、それを知った上でキャサリンはアレックスをも自分の計画に利用しようとし、特別に突き放す事はしなかった。

ハワイのホテル王ポールを次のターゲットとしていたが、あえてアレックスに紹介し、2人を浮気している体で探偵に撮影させる。

そして、アレックスがポールを好きになると、キャサリンはポールと結婚すると言い出す。

結婚祝いに、アレックスはキャサリンに「ブラック・ウィドー」のブローチをプレゼントする。

それは、交尾の後、メスがオスを食べる蜘蛛だった。

アレックスは、ポールにキャサリンの正体を話すが、すでに「遺産は寄付する事になっている」といい、相手にしなかった。

だが、ポールは殺されてしまう。

しかも、その犯人はアレックスだと思われ逮捕されてしまう。(写真から付き合いがバレ、嫉妬が動機とされてしまう)

キャサリンは、夫も、アレックスも片づけ後は遺産の話をするだけだった。
実は、ポールの出身地の法律では、寄付するかどうかを変更できるというのだった。もちろん、キャサリンはすべてを知っていたのだろう。寄付を取り消す。

そしてアレックスに面会をする。

そこで、アレックスはキャサリンを追い詰めるが、すでに勝利気分のアレックスは余裕だった。

だが、ある足音を聞いて様子が変わる。

死んだはずのポールが生きていたのだった。

そして、すべてを理解したようで、大人しく部屋を出ていく。

おしまい。


【かんそう】

80年代の作品という事で見てみました。

ちょい役同然であっさり死んでしまうデニス・ホッパー以外は、ほとんど馴染みがない役者さんばかりですが、ファッションはもちろん80年代の雰囲気は味わえました。

女性2人がダブル主役と言う感じで、見所は女優対決なのかなーと思いましたが、意外とその見た目だけではないお話しの落ちが、しっかりしていました。

やっぱり80年代の作品って何か意外な発見があるというか、しっかり作ってるって感じがして、見た甲斐が感じられました。

とはいえ、誰かに薦めるとか、超気に入るとかではなく、あくまで「80年代の作品として感心」なのですけど。

80年代好きとしては、一度見て損はない、といった感じです。

その落ちというのは、何度も遺産目当ての結婚と殺人を繰り返してきた、今ならシリアルキラー枠間違いなしのキャサリンが、アレックスに目を付けられた事で、その活動に終わりが来る、と言うもの。

しかも、夫殺しを成功させ、かつアレックスに濡れ衣を着せた、キャサリンの計画通りに行ったと見せかけ、実は夫は死んでおらず、「死んだ後の行動を見せる事で、周囲にキャサリンの犯行を理解させた」という、なかなか大がかりなもの。

キャサリンはすでに何度も成功させていますから、資産はもうこれ以上なくても問題ない程手に入れていたはずなんですが、目的はそこではなかったんでしょうね。

獲物を狙い、近づき、そして殺す、これこそがキャサリンの目的で、資産はオマケだったんでしょう。

だから、止まらなかった。

80年代という事で、ちゃちいな、と思うのは、大勢の専門家が居る中で、アレックスだけが事件の関連性に気づき、同一人物である事に気づいた・・・という、ま、この作品の肝なんですけどw

今にして思うと、そんなアホばっかりな訳ないでしょ、と。

写真並べて気づくくらいなら、誰でもわかるだろ、と。

もしくは、誰も気づかない程の変装するだろ、とか。

あとタイトルでもある、蜘蛛(ブラック・ウィドー)ですが、そんなに有名なんですかね?
結構これまたちゃちいブローチを見て「あら、ブラック・ウィドーね」って気づくんですが、蜘蛛博士でも無理じゃね? ってブローチなんですよ。
しかも、超詳しいし。
せめて、どちらかは知らなくて「何これ?」「これはね・・・」という説明があるなら自然に感じたんですがw

ま、でもこの大雑把な味が許されるような時代だからこその(大真面目な)ストーリーでもあるんですよね。

ただ、キャサリンについてちょっと感心したのは、短い間とはいえ確かに4人の別人妻を演じているのですが、さらっと見てると確かに(見慣れない女優さんだけあって)結構わからないんですよ。

最初は、あちこちに同じような遺産狙いの女がいるのかな、と思っていましたw

それと、資産家に近づく為の努力は惜しまない事。

女性なら誰もが、玉の輿に乗りたいなーとか一度は口にするかもしれませんが、本当に乗りたいなら、猛勉強しないと無理ですよね。

相手に気に入られるよう、どんな専門分野でも勉強して、叩き込むのには、さすがプロだな、と。

でも、相手に「あまりに完璧すぎるから、勉強したんだろ」と見透かされても、「いかがかしら?」と動ぜずそれすらもアピール材料にする、という咄嗟の頭の回転の良さ。

なんだか、殺し云々よりも、人を騙すゲームとして自分の才能を確認したい人のように見えました。

ダークヒーロー好きとしては、キャサリンの方が、興味そそられたので、最後にやっぱり勧善懲悪ムードで終ってしまうのは、少し残念でしたが、キャサリンの事だからすぐ上手くかわして、何かやらかすんじゃないか、と希望も感じられる終わり方は良かったです。


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