2016年10月5日水曜日

クルーエル・インテンションズ



クルーエル・インテンションズ コレクターズ・エディション

1999年作品

サラ・ミシェル・ゲラー、ライアン・フィリップ、リーズ・ウィザースプーン、セルマ・ブレア、タラ・リード

あらすじ:ハイソでヒマを持て余した義理の姉と弟は、常に悪巧みをして遊んでいた。
その次のターゲットに選ばれたのが・・・。


思えば、ゴシップガールの元祖的作品ですね。



【おはなし】

ハイソなキャスリン(ゲラー)とセバスチャン(フィリップ)は、両親の再婚によって義理の姉と弟になった高校生。

キャスリンは生徒会長の仮面の下に、ロザリオ
にドラッグを仕込んでいるような別の顔を持っていた。

セバスチャンは、そんなキャスリンにも負けず劣らずのサイコパス候補生といった感じで、特にプレイボーイというか女子を貶めて楽しんでいたので、大人受けは悪かった。

2人は、他人の不幸こそが自分達の楽しみと言わんばかりに、悪巧みをして他人をもて遊んでいたが、ある長い休暇に、セバスチャンがそろそろ身近な女を騙すのは、簡単すぎて飽きてきたと言い出す。

そして、どうせならこういう女を狙いたい、とある女性誌のインタビュー記事を持ち出す。

それは、新しい校長の娘で、育ちも良く、堅物なアネット(ウィザースプーン)だった。

キャスリンは、落とせたら自分を好きにして良いが、失敗したらセバスチャンの愛車を貰う、と賭けを提案し、セバスチャンはそれを受ける。

ハイソなつながりで、アネットとの出会いは簡単に出来るが、すぐ様セバスチャンの悪評は耳に入っていると警戒されてしまう。

このままでは賭けに負けてしまう、と焦るセバスチャンは、まず悪評を知らせた犯人捜しをするが、その際にも、ゲスな手を使い、隠れゲイのフットボーラーの証拠写真を撮るなどして、手段は選ばなかった。

一方、キャスリンは、元彼の許嫁候補に選ばれたセシルに接近する。
セシルは、同じ高校生とはいえ、彼らとは違い、ピュアでまだまだおこちゃまだった。
だから、キャスリン達の思うままになるのだが、キャスリンが元カノとは知らず、「前の女はひどかったんだって」とキャスリンの怒りに火をつける。

キャスリンは、セシルを傷物にする事で、元彼に復讐しようとし、それにもセバスチャンを利用する。

だが、セシルはセシルで、チェロの家庭教師といい感じになるが、セシルの家もまたハイソであり、母親が人種差別をしている事から、黒人の家庭教師との関係を良く思うはずもなく。

あっさりキャスリンは母親にちくって、2人を引き裂くが、またそれを利用して、2人をもおもちゃのように扱う。

頭の良いアネットは、確かにこれまでの対象と違い、簡単にセバスチャンに落とす事は出来なかったが、側に居るにしたがって、アネットの魅力そのものに惹かれて行き始める。

そして、セバスチャンも少しずつ素顔を見せ始めると、アネットは、まるっきり悪い人ではないのかも、と惹かれ始める。

そんな傍らも、キャスリンの指示で、セシルと寝たりしていたセバスチャンだったが、すべて日記に記録していた。

いつしか、アネットに恋した事を認めるようになると、キャスリンはそれを面白くは思わず、「セバスチャンが良くても、アネットの評判に傷がつく」と思ってもいない事をいい、なんとか思い直させようとする。

セバスチャンは、キャスリンの言葉にアネットに「ちょっと遊んだだけだった」とウソをつき、別れを告げる。

だが、想い直し、自分がつけていた日記と共に謝罪の手紙を送る。

傷つけられたアネットはすぐにセバスチャンを許す事は出来なかったが、日記である真実を知る。
決して、セバスチャンだけが悪者ではなかった事。裏ではキャスリンがすべて仕組んでいた事やキャスリンのドラッグ問題など。

キャスリンは、アネットの一件は、セバスチャンの勝ちだと認め、自分を差し出すが、セバスチャンに拒まれ、怒り、セバスチャンにも復讐を考える。

セシルのチェロの元家庭教師に、セバスチャンに殴られたとウソをつき、さらに、セシルと寝ていた事をちくり、炊きつけたのだった。

怒った家庭教師は、街でセバスチャンを見つけ、責める。
それを家から見ていたアネットは、心配して駆けつける。

が、そのもみ合いではじかれたアネットは道路に転び、事故寸前になり、それをセバスチャンは助けて、帰らぬ人となってしまう。

ちょうど、新学期の始まりが、セバスチャンの葬儀で始まってしまったが、キャスリンは女子トイレで
ロザリオに仕込んだドラッグを決めていた。

そこへ、個室からアネットが出てくる。
誰もいないと思っていたキャスリンは驚くが、2人とも初対面を保ちつつ、白々しい挨拶を交わす。

キャスリンは、生徒達の前で、堂々と生徒会長としてセバスチャンの姉として立派なスピーチを始めるが、1人の生徒が外から入ってきた事をきっかけに、次々と生徒達が退席し始め出す。

キャスリンが、不思議に思って外に出てみると、それぞれの手には、配られたプリントを持っていた。

ドヤ顔のセシルがキャスリンにも1部渡すと、それは、セバスチャンの日記のコピーで、キャスリンとの悪巧みがすべて記されていたのだった・・・。

その場で、教師にドラッグを見つけられ、逃げ場のなくなったキャスリン。

そして、アネットは、遺品である日記を助手席に乗せ、セバスチャンのサングラスをして勝ち誇った顔でドライブするのだった。

おしまい。

【かんそう】

完全に女子向けだとは思いますが。

初めて見た時は、やっぱりハリウッドってすごいな、と思いました。

ティーン物の映画で、このクオリティかー、と。

そもそも原作があるようですが、昼ドラにありがちなドロドロ・ドラマをハイソなティーンの世界にした、というのが、すごく面白味を増していると興奮したのですが、今見ても色あせないですね。

時代としての、役者も揃っていると思います。
リーズとライアンは、すでに出来ていた感じがしますよね。
やっぱり実際の関係があるかないかって、なんとなく雰囲気違いますよねw

そしてリーズの旬の始まりと言うか、優等生役がはまっていますし、本当に可愛い!


ハイソな世界のティーン・スキャンダルとはいえ、銃も出てこなければ、殺人などはなく、むしろゴシップ・ガールなんかよりも安全なのですが、だからこそスキャンダル性を強く感じるのかもしれません。

多感な時代だからこそ、色恋の占めるパーセンテージは多く、そこに血は流れなくても、彼らを深く傷つけるには効果は絶大なんですね。

創作物の世界なので、舞台がリッチというのは(女子の)永遠不滅の人気テーマだと思いますが、古くはビバリーヒルズ青春白書を想い出しますが、



本作に比べると、彼らはおこちゃまな感じがします。

ある意味本作は世界が狭く、ハイソなクラスの中で、騙し、貶め、遊んでいます。

日本ではあまり馴染みがないですが、一般の女学生が雑誌に載る程のハイソサエティだったり、高級車を乗り回していたり、という世界観はそれだけでも、女子は好きですよねw

その中でも彼らはクラス分けをしたいようで、それもキャスリンとセバスチャン以外は、全員下、というような大雑把なマウンティング。

そう思っているだけでは物足らず、実際にモノにして捨て、挙句、晒し者にして笑うという悪趣味さ。

まさに、若者ならではの残酷さが、説得力を増すんですよね。

大人がこんな事わざわざしても、性癖か、くらいで終ってしまいそうですもん。

しかも、学校という閉鎖空間も加われば、全世界が知らなくても彼らにとっては、それ以上のダメージである事が、誰しも胸に覚えがありますしね。
今でこそ、SNSでの流出とか、珍しくはないですが、当時はまだまだ他人事のようで、だからこそ想像できない恐怖にもなっていたと思います。(今も怖いですけどw)

観客はどこかで、キャスリンとセバスチャンの奔放で、残酷な特別感に憧れを持ちながら、彼らの被害者にも同調して、恐怖も感じられる。
ドキドキが止まらないんですよねw

そして、唯一の正義、アネットがまさにヒロインとなって、すべてのもやもやを振り払ってくれる。

まさに、後味はスッキリです。

ストーリーが、今でこそどんでん返しで驚かせるものは沢山ありますから、そこまででもないという事はわかりますけど、私は良く出来ていると思います。

女子としては、セバスチャンが女の敵のように登場して来て、最後まで悪者かな、と思うんですけど、実はラスボスは、キャスリンだったという、女子の敵は女子という図式も、受け入れやすいんでしょうね。

更に、セバスチャンは最後、命を落とす事によって、名誉は落としきらず、挽回した感じになっているのも、良かったんだと思います。自ら、初めて愛したアネットには、すべての罪を告白し、心を入れ替える事を示していますしね。

人は変われる、良く「セカンド・チャンス」という言葉を聞きますが、まさに、セバスチャンはそれを表していると思いました。

セバスチャンが書きためていた日記も、たびたびアメリカのティーン作品には登場するアイテムですが、必ずコラージュのような、切り貼りがしてあるんですよねw
日本で言うところの絵日記みたいな感覚なのかな?w


大抵女子の日記ですけど、男子でもあんな風に残すんだなーというのが、実際はどうなんだろう、と気になりましたw ポピュラーなのですかねぇ。


本作の出来で納得ですが、その後2、3とシリーズが出ていますが、あんまり記憶にないんですよね。
役者が違ってしまっているというのも理由として有ると思いますが、やっぱり本作の衝撃度はなかなか越えられないのかな、と思います。

探せば出てくると思うんですけど、わざわざ見てもがっかりしそうだから、またTVで見かけたら・・・w


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