アスガー・レス 崖っぷちの男 DVD
2012年作品
サム・ワーシントン、エリザベス・バンクス、ジェイミー・ベル、アンソニー・マッキー、エド・ハリス、エドワード・バーンズ
あらすじ:ある日、ホテルに飛び降りしようとする男が現れて・・・。
タイトルと冒頭から、出落ち感満載のトンデモ系かな、と思ったのですが意外とフツーのクライム系でした。
【おはなし】
ニック・キャシディは、元警官だったが何者かにはめられて、ダイヤモンドを盗んだ濡れ衣を着せられ、刑務所に入れられていた。
ある日、元相棒のマイクが面会に来ると、父親が危篤だと伝えられる。
その後、ニックの父親は死に、その葬儀にマイクの計らいで参列するが、その場で弟と口論になり、その勢いで警官の銃を奪って逃走する。
そして1か月後。
ニックは、偽名を使ってホテルの部屋を取り、その窓から飛び降りようとしていた。
駆けつけたジャック(バーンズ)にマーサー刑事を呼び出させる。
マーサーは、少し前にニュースになった有名刑事で、飛び降りの説得に失敗していた。
この事から、ホテルの前は報道や野次馬でいっぱいになり注目を浴びる。
説得をするマーサーだが、ニックの目的は実は弟とその彼女に向いのビルからダイヤモンドを盗ませる事だった。
それは、ニックが盗んだはずのダイヤで、盗まれてない事を証明して、無実を訴えるつもりだった。
彼らが盗みに入る為にビルで爆薬を使ったりするのを、ニックのパフォーマンス騒ぎを利用して、民衆から気をそらしていた。
そして交渉人のマーサーにも気づかれぬように、ニックは耳元のマイクで、弟カップルと連絡を取り合って指示を出していた。
ニックの身元がばれると、その向いにあるビルがダイヤモンドの持ち主のビルである事がわかり、何らかの因果関係が見える。
その為、向かいのビルにも調査が入るが、直前でニックが忠告して、なんとかバレずに金庫まで辿りついた。
マーサーはニックと接触しているうちに、ダイヤの件は濡れ衣である事などを信用し始める。
ところが、ニックの身元がTVでも報道されたことから、ダイヤの持ち主の悪徳実業家のデヴィットは馴染みの警官マーカスを脅して早く捕まえさせようとする。
だが無実を訴えるニックに群衆は同情を覚えていく。
そして、無理やり突入となった時にマーサーはニックをかばって窓の外に出る。
そこで、ニックが弟達と交信している事を知るが、ニックもまたマーサーを信用して「今、ダイヤモンドを盗もうとしている」と伝える。
それこそが、無実を訴える手段として。
ところが、ダイヤモンドは彼らが辿りついた金庫にはなかったので、次の作戦に入る。
わざと警報を鳴らし、デヴィットに盗みに入った事を伝え、警戒させダイヤを持ち出させたのだった。
そしてデビッドの部屋で待つ弟カップルは、見事ダイヤを奪う事に成功。
ホテルの従業員(グル)に預ける。
しかし、突入され、ニックは逃げるが(途中従業員からダイヤを受け取る)、マーカスに追い詰められる。
弟たちも、デヴィットに捕まってしまう。
弟を人質にされ、ニックは仕方なく盗んだダイヤをデヴィットに返す。
一方、ニックの話からマーサーは内務調査官と話をして、ニックがはめられた事裏付けをしていた。
そこで出た名前は、ニックの元相棒マイクとデヴィットと通じている警官マーカスだった。
ところがマイクは危機一髪のニックを助ける。
ニックがハメられることは知らなかったらしい。
マーサーは影で様子を見て、マーカスを撃ち、ニックを助ける。
ニックは、ダイヤを持って悠々と逃げるデヴィッドをホテルの屋上から用意してあったマットに飛び降りて追いかける。
その様子に、群衆もニックの味方となり、その隙にニックはデヴィッドからダイヤを取り戻す事に成功する。
そして、ダイヤモンドをかざして、無実を証明した。
ニックのお祝いパーティ。
マーサーと一緒に出席すると、バーテンはホテルの従業員だった。
そして、マーサーに紹介する。
父だ、と。
実は、父親の葬式からニックの無実を晴らす作戦が始まっていた。
もちろん、弟との喧嘩も脱走の為の芝居だった。
おしまい。
【かんそう】
期待しないで見たせいか、結構ちゃんとしているなーと思いました。
最初は、飛び降りるんだかどうするんだか良くわからなくてちょっともたっとした感じがするんですけど、弟達が盗みに入るとわかった時から、れっきとしたクライムドラマだとわかり、見やすくなりました。
交渉人を指定して、自分の無実を晴らすというのは、まさにサミュエル・L・ジャクソンの「交渉人」を想い出しました。
過去記事
交渉人
本作では、マーサーは「交渉に失敗して飛び降りてしまった」悪名高き有名人のような出だしになっていますが、ニックの目的はその知名度もありつつ(報道が寄ってきて騒ぎが大きくなる)、実はマーサーの仕事っぷりを信用していたから、でした。
なので、ニックの狙い通り、マーサーは最後にはニックの言う事を信用し、味方となってくれます。
「交渉人」ほど後味が悪くないのは、ニックをハメた相棒は、一応ニックだとは知らなかったと言って、最後は助ける所です。
とはいえ、裏で悪い事をしていたので、撃たれたまま最後は出番なし、ですけどね。
出だしの雰囲気からニックがなんらか冤罪っぽくて、面会にきてこぎれいな格好をしている、と指摘された(羽振りの良さ)相棒が怪しいとすぐに思いました。
でも、盗みが始まると、あれ、やっぱりニックが悪人で、弟と盗みのチームをしていて、相棒は何も知らず良い警官なのかな? と。(親の葬儀に立ち会わせてくれたし)
なかなか、素直に振り回されていました。
ただ、盗みが常習ではなく、無実を晴らす為の、ほぼ初めてだらけの行為だと思うと、リアリティが突然なくなってしまうんですよねw
弟の彼女は結構若い頃からやんちゃしてた発言はありますが、素人にいろいろ無理な事いっぱいしてました。
ま、この辺は助けたい一心という事で、大目に見ないとエンタテインメントは楽しめませんよね。
ちょっとじんわりしたのは、父親の存在ですね。
ホテルの従業員は何かとニックを気遣ってくれていて、ある意味、おもてなしのスペシャリスト的な味わいを見せていたのですが、ダイヤを預かって抜き取った時からアレ? グルなの?
そして逃走中にそのダイヤを上着に入れてニックに渡した時に、何者なのこの人!ってびっくり。
しまいには、実は死んだと思わせていたニックの父親でした~と、家族総出でニックを助けていたというのには感動しました。
ほんと、アメリカはこういう家族の絆が濃いですよね~。
そして父の演技っぷりも見事でした。
こういう芝居らしい芝居は嫌いじゃないです。
ただ、いくら冤罪だったとしても、ダイヤを盗み入った事やニックのした事は犯罪だと思うのですが、フツーに無罪放免って感じで、ハッピーエンドでしたw
マーサーも「どうやってダイヤ盗んだのよ~」って、ゴシップ好き女子って感じの会話になってて、キャラ違うだろ、みたいなw
飛び降りで騒ぎを起こすという事にフォーカスしているので、出落ち感がむしろ足を引っ張っているようにも思えました。
そんなトンデモではなく、普通に作戦として面白いな、と思いました。
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