2016年9月24日土曜日

キンキーブーツ




2005年作品

イギリス/アメリカ

実話ベース

ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ボッツ


あらすじ:W.J. Brookes Ltdという実在する紳士靴メーカーがモデル。
経営難の工場を立て直す為、ニッチマーケットを狙うが・・・。





これは「コメディ」とは言えないと思いました。
毒にも薬にもならないようなハート・ウォーミング系を狙った? ドラマ。

【おはなし】


イギリス、ノーザンプトンにある靴工場、プライス社の一人息子、チャーリーは、工場を継ぐ事よりも婚約者とロンドンで暮らす事を望んでいた。

その希望かなって移住した途端に、父親が死んでしまい、会社を継ぐ事に。

仕方なく、ではあったが元々悪い人間ではないチャーリーは、継いだからには工場を潰してはいけないと考える。

だが、実は経営はかなり傾いており、泣く泣くリストラをする羽目に。

ある日、チャーリーは夜道で数人のチンピラに絡まれている女性を見かける。

腕っぷしが強いタイプとは思えないが正義感からか、声をかける。

だが、絡まれた女性が、ブーツを振り回すとチャーリーに命中し、倒れてしまう。

目に入るのは赤いエナメルのヒールが折れたブーツだった。


気が付くと、チャーリーはクラブの楽屋に居た。
助けた女性は、ローラというドラァグ・クイーンでしょっちゅうヒールがダメになると愚痴をこぼしている。
チャーリーは、靴工場の跡取りらしく、シューズ七つ道具的なものを持ち歩いているようで、ブーツを履くのに困っていたローラに靴ベラをさっと渡す。


この出会いがきっかけでチャーリーは、ある事を想いつく。

リストラにした中にローレンという若い女性が居て、「他の会社もニッチな市場を狙って持ちこたえているのに」と批判されていた。
その女性の元を訪ね、もしかしたら仕事に復帰できるかもしれないから協力して欲しいと頼む。

チャーリーが狙ったニッチな市場というのは、ドラァグ・クイーンの履く派手なブーツの事だった。

早速ローラにサンプル・モデルになって欲しいと依頼をし、採寸をする。

だが、出来上がったブーツのあまりのダサさにローラは憤慨。

さらに、訪ねた工場は古い田舎にありがちで、ドラァグ・クイーンのローラを受け入れない男もいた。

その場でささっと書いたデザインがを置いて、怒ってローラは帰る。

チャーリーはデザイン画を見ても、無理なデザインだと諦めモードだが、老婦人と老紳士のベテラン社員は、「こうすれば出来るかも」と前向きな意見を述べてチャーリーの背中を押す。

そして、ローラを追いかけ、頭を下げて協力を頼み、ミラノを目指す事にする。

だが、チャーリーが工場の為にがんばろうとすればするほど、不協和音が生じてくる。

婚約者のニコラはもともと上昇志向が強く、欲しい靴もジミー・チュウやマロノなどのハイ・ブランドを公言していた。
だから、傾いている工場を受け継いだ事を良く思っているはずがなく、むしろ売り払ってそのお金で高級マンションに住みたいと思っている。

工場の従業員は、ローラやそのデザインする靴に反感を持つ者とローラのいざこざや、ミラノに向けたハード・スケジュールでの不満などが溜まっていく。

チャーリーは、従業員や婚約者の為に、会社を立て直してヒットを飛ばそうとしているのに、その経緯ではうまく伝わらず、まるで、まったくの逆を強いているようだった。

ある日、ローレンとローラがショッピングをしていると、赤いジミー・チュウの靴を買うニコラを見かける。ローラはその前にチャーリーといる所で声をかけたが、工場を売らずにオカマと仕事をしている事に腹を立て、完全にシカトされていた因縁の相手だった。
ローレンは知り合いらしく、会話をするが、その会話で、「チャーリーは自宅を担保にしてまで、工場の事をがんばっている」と言うと、ニコラはまたしても不満を覚えた。

すぐに、珍しくも工場に乗り込んだと思うと、チャーリーに文句を言う。
だが、それは工場内にアナウンスするマイクがオンになっており、ローラと対立している、男性社員がすべて聞いてしまう。
そして、チャーリーがいかに社員を家族のように考え、工場を守ろうとしているか、という気持ちを改めて知る。

ミラノを直前にバラバラになりかけていた工場が、この事から団結し、そしてローラと男性社員も完全に打ち解けられたようだった。

後は、ミラノの本番だけ、となった夜に、チャーリーはニコラが連れてきた不動産屋と高級レストランのトイレで再会する。
妙に慌てる男に、不思議に想いながらフロアに出ると、あるカップルが急に逃げて行ったと騒いでいた。

そして、レストランの前に残されていた赤いジミー・チュウから、チャーリーはニコラの浮気を知る。

そのショックから、そこで待ち合わせていたローラに、女装している事をきつくあたり、ケンカをしてしまう。

ミラノに着いたが、チャーリーはローラとのケンカが尾を引いてテンションが低い。

何も知らないスタッフ達は、後はローラ達がモデルとなってショウに出てくれればバッチリだ、と楽しみにしているが、チャーリーは来ないかもしれない、と白状する。

そして、ショウの持ち時間になるが、仕方なくチャーリー自身がモデルとなって、スーツの下に下着だけで、ニーハイブーツを履いて出るが、慣れないヒールにスっ転んでしまう。

すると、まるで2人の出会いを再現するかのように、倒れたチャーリーの視界にピンヒールのブーツが入ってくる。

ローラはチャーリーの留守電を聞いて、思い直してミラノへ来たのだった。

そして、プライス社のショウは大きな拍手と共に幕を閉じ、チャーリーの元にローラは駆け寄り、2人はキスをする。


おしまい。


【かんそう】

「工場危機を救う為に、派手なブーツを作り出す話」という、あらすじから得た印象、そのまんま。
それ以上の事はないし、それ以下の事も。

実話ベースという事ですが、実話以上の事もなさそうな、地味なドラマ。

キンキーブーツというアイテムはキャッチ―なのに、何処か地味なんですよね。

実話に忠実だからかなーと。

例えば、ブーツ作ってるうちに、ローラを好きになってしまうとか、ローラがチャーリーを好きになるとか、もしくは、チャーリーも女装に興味を持ち始めるとか・・・。

工場のマッチョぶってる男も本当はジョソコで隠していたものを堂々としているローラが憎かった、とか・・・。

エンタテインメントならではの、少々大げさな盛り付けが足りない感じがしました。

全部が、想像以下でも以上でもないので、心を動かされる事がありませんでした。

ローラの幼少時代から始まるので、結構ローラ色も強いのかな、と思いきや、ローラ自身も、パンチが弱い。

女装で貫き通す訳でもなく、工場に迎合してノーヅラになっていたり。

もちろん、リアルではそういう気づかいもあって当たり前だとは思います。

でも、あくまでエンタテインメントですもんね。

ハラハラしたり、ドキドキしたり、がほとんどなかったんですよね~。ほぼ、どうせこうなるんじゃないの? の範疇。

大きな見せ場がほとんどなくて、事件と言えば、奥さんの浮気がシンデレラ方式で発見された事くらい。

それもまたどうなんだろう、とw

これは、とってつけたようなドラマで、店の前にヒール挟んで置いていくか? みたいな。

ここだけは確かに笑えましたw

ジミー・チュウはよく協力したな、と思います。イメージ悪くなりそうなのに。(嫌な女が好むブランド)


でも、そんなんだからミュージカルには向いているのかもしれませんね。

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