2016年9月6日火曜日
オブリビオン
オブリビオン
2013年作品
トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、アンドレア・ライズボロー、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ、ゾーイ・ベル、ニコライ・コスター=ワルドー
あらすじ:2077年の地球。核を使った結果、宇宙戦争には勝ったが汚染された地球には人が住めなくなっていた・・・。
ジャック(トム・クルーズ)は、海水エネルギー実験の警備の為、人が住めなくなった地球に、通信担当のヴェガと2人きりで任務についていた。
5年前に強制的記憶抹消があった(宇宙人に記憶を探られないように)ので、古い記憶がないが、繰り返し見る夢に1人の女性が出てくるのが気になっていた。
専用機にエルビスの首ふり人形を乗せ、ボブと呼んで孤独を紛らわしていた。
他の人間達は、土星タイタンに移住するまでの仮住まいテットに居た。
任務が終わればジャック達も合流する事になっていた。
ある日、2体のドローンがいまだ邪魔してくる宇宙人スカヴ達のせいで壊されていた。
1体はすぐ見つかったが、もう1体を追っているうちに、スカヴに襲われる。
そこで1冊の本を見つけ、ヴェガには内緒で持ち帰る。
古代ローマの叙事詩だった。
海水プラントでメルトダウン発生。
未確認信号を調べに行くと、廃墟ビルをアンテナにしたスカヴの実験だと思われる物を発見。
そこから砂漠の座標を宇宙に送っていた。
本部からは、手を引けと言われるが、ジャックは交信を切って飛び続ける。
向かったのは、ジャックの隠れ家でそこは以前の地球のようにジャックが過ごせる場所だった。
川には魚が泳ぎ、ジャックは宇宙服からネルシャツとデニムにキャップと人間らしい格好に着替える。
そして、手に入れた本をコレクションの中に加え、レコードをかけて息抜きをする。
うたた寝でまたニューヨーク、エンパイアステートビルで女性と会っている夢を見る。
起きると、未確認飛行物体が飛んで行くのを見る。
ヴェガも気づくが、ジャックはそれを探しに行ってしまう。
墜落現場には5人の人間がコールドスリープ状態で居た。
その宇宙船は古く、人間が作ったものだった。
そのうちの1人は、夢に出てくる女で、J(ジュリア)・ルサコーヴァと記されている。
人間を襲うはずのない、ドローンが暴走したのか、攻撃してきたのでジュリアだけ運んで逃げる。
ジュリアは目覚めると、教えてもいないのに「ジャック」と呼んだ。
ジャックに記憶はないが、ジュリアはジャックを知っているらしい。
ヴェガは女の勘なのか、ジュリアの存在をあまり歓迎はしていない。
翌日、ヴェガが目覚めると2人はすでにフライトレコーダーを取りに外に出て行っていた。
ところが、その先でジャックはスカヴに捕まってしまう。
その男はビーチ(モーガン・フリーマン)と名乗り、ジャックをずっと観察していたという。
スカヴだと思っていたら、それは人類の生き残りだったのだ。
ジャックにテット破壊の協力を求めるが、それは人類を破壊する事。とても承諾は出来ない。
真実は汚染地区に行けばわかると言われる。
ジュリアとジャックは、エンパイアステートビルの跡地へ行く。
まさに夢の再現のように2人並ぶと、ジャックは記憶を想い出す。
ジュリアはジャックの妻だった。
一緒にタイタンの調査に行くはずだったが、直前で未知の飛行物体が現れそれを調べる事になった。
そのメンバーにいたヴェガとジャックだけが起こされていたのだった。
そして残されたメンバーが不時着した飛行船で、それはスカヴの座標に導かれて辿りついたのだった。
テットこそが、ヴェガとジャックの目標の未確認飛行物体だったが、スカヴに支配されてしまっていたのだった。
ジュリアと一緒に家に戻ると、ヴェガはすべてを悟ったようで、泣いていた。
そして、ジュリアの存在を本部にチクると、すぐさま家に居たドローンが処刑モードになる。
ジャックはジュリアのおかげで命拾いをしたがヴェガは死んでしまった。
ジュリアとジャックはドローンから攻撃を受けながら逃げると汚染地区に辿り着く。
着地した先で人間と遭遇する。
銃を向けあう2人は、どちらもジャックだった。
これがビーチの言う真実だった。
そんな2人を見て驚くジュリアは、不時着のダメージで腹から出血していて、倒れてしまう。
ジャックは、偽物のジャックに勝ち、縛って放って置く。
偽物の家に行ってみるとそこは、自分の家とまったく同じ空間があり、そしてまったく同じヴェガが変わらぬようにジャックを迎えた。
自分達はクローンで何組も存在していた、と悟る。(ジャックは49番、偽物は52番)
地球を守っているつもりでスカヴに利用されて、海水をどんどん吸い上げられていたという事も。
ビーチの作戦通り、ジャックだけが操作出来るドローンを利用してテットを破壊する事を決意する。
だが、スカヴ側の攻撃を受け、ビーチは負傷。ドローンも破壊され、思った通りには行かなかった。
ヴェガ亡き後、ジュリアとなら良いチームになれるとスカヴにアピールすると、2人でテットに戻ってこいと言われていたので、2人でならテットに近づける、とジュリアをスリープ状態にして戻る事に。
ところが、そこに寝ていたのは、ジュリアではなくビーチで、ジャックは自爆してテットを爆破させる。
ビーチは死んでも間近でテット爆破が見れたら本望だ、と言っていた。
3年後、地球に残っていたジュリアは妊娠していたようで、子供を出産していた。ジャックの隠れ家を引き継いで暮らしているようだった。
そこに生き残りの人間達とクローンのジャックが訪ねてくる。
クローンのオリジナルに近い記憶を持っていたジャックは死んでしまったが、彼もまたジャックだからこの場所を知っていた。
ジュリアは喜んで受け入れる。
おしまい。
【かんそう】
SFは苦手なのですが、本作は、自分の知る中での王道的な、わかりやすいドラマで、小学生の頃に読んだコバルト文庫を想い出すような感じでした。
自分はクローンで、記憶は消されたはずだけど、完璧ではなく少しノイズのように残っていて。
疑問を持ちつつも、宇宙人に植え付けられた偽の情報で生きている。
生き残りの人間は、救世主となる存在を探しておそらくすべてのジャックを観察していたんでしょうね。
その中で、オリジナルに近いのか、クローンとしては不具合なのか、人間の記憶が残っていて、人間らしい面を見せ、そして何より地球に愛着を持ち続けたジャックを見抜き、白羽の矢を立てます。
私には、なるほど~とストーリーが進むにつれてジャックと同様に、新鮮な驚きを感じられました。
SF得意な方には、平凡な展開なのかもしれませんが。
純粋に、SFってこういう感じだよね! と楽しめました。
ただ、やっぱり地球の一大事で復帰の為のプロジェクトなのに、外に出る役目はジャック1人だけ、という不自然さは、最初から気になりました。
1人しか居ないので、あっちでトラブル、こっちでトラブルって、同時に発生したら何も出来ないじゃん、と。
でも、そもそも管理しているのは、宇宙人なんですから、やり様があったという事ですね。
それはジャック達も知らない事で、同時に守るクローンが居た事。
ジャックは、余程優秀だったんでしょうね。アクシデントがあったのに、始末される事なくむしろ別の任務につけ、と言われるような。
というか、いつでも殺す事は出来ると思いますが。
人間はすでにジャックとヴェガしか居なくなっていたんでしょうね。(宇宙人の配下として)
そして、ヴェガは役目上、ペアにされたんでしょうか。
でもジャックへの気持ちは、記憶を植え付けられたのか、もともと持っていたのか、わかりませんね。
宇宙人の誤算は、人間の感情を軽く見ていたという事になるのかな。
ジャックは妻への想いを、記憶操作されても無にする事は出来なかった。
だから、それがノイズとなり、ジャックは常に違和感を持つようになった。
最初は、ジャックが飛行船に乗せているエルビス人形、ボブを、アメリカのドラマなんかではよくある表現だと思ってスルーしていましたが、あの行為こそが、ジャックが特別なクローンである事の証なんですよね。
ヒントは最初から優しく出ていたんです。
そういった事に気づいた時には、「面白い!」と素直に感じました。
いわゆるSFのハードな感じではなく、ドラマ寄りなので、わかりやすいのも良かったと思います。
最後、ジャックが自爆テロみたいな感じでテットを倒しますが、それはちょっと共感できませんでした。
そして、SFならではですけど、クローンがジュリアに会いに行って、ジュリアも受け入れるというのも、なんだかハッピーエンドと見せかけて、悲しい。
しょせん、人間なんてオリジナルも何もないのかなーと。
まあ、クローンに罪はないんですけど。
あれを、単純にハッピーエンドとは言い難いと思いました。
と、SFの持つ、遠い未来の手さぐりだからこその、どこかほの暗さというか、いわゆるコメディの明るいSFよりも、こういうちょっと落ちが考えてしまうような感じが、私のSFのイメージにぴったりでした。
なんでSFの未来は、常に地球が危機ってるんでしょうねw
ま、ファンタジーだからこそ、なのかな。
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