2017年2月21日火曜日

リアリティのダンス


リアリティのダンス 〔DVD〕

2013年作品
監督アレハンドロ・ホドロフスキー

あらすじ:監督の自伝的物語であり、ある家族のストーリー。



【かんそう】

この作品は、「ホドロフ好き」な人以外、見る必要あるのかな?

とくらい感じる、「俺物語」だと思いました。

まあ、後半は父親のターンみたいになって、引いてみると「家族物語」なんですけど。
そもそも、「監督の家族」というのでもなかったら・・・どうなんでしょうw

ところどころで、本人が本人として登場してますし。
知らない人が見たところで、「ナニコノ演出」ですよねー。


それにしても、年齢を感じました。

やっぱりもうあまり強い刺激には耐えられなくなっている=自分。
そして、いつまでもそういう意味では変わらないホドロフスキー。

凡人との違い、なんでしょうね。

自分はどんどん弱っていってますがw
でも、変わらない人こそ、リスペクトするべき存在で、それが確認できる作品でした。

フリークス、「息子を死んだ父親だと思ってオペラでしか会話しない母親」
謎キャラクター満載。

これが自伝(創作もあるとは思うけど)だと見せられて、すごく納得です。

うそでも、こうであってほしい、みたいな?w

普通の環境で生活してて、こんな作品作るようになったら、そっちのほうが怖いわっ
みたいなw

こりゃ、仕方ないか、感が、なんか安心できますw



ただ、これまでのいわゆる作品と比べると、その「リアリティ」こそが、狂気にも感じますね。

ちなみに、旧作では、

サンタ・サングレ、エル・トポ、ホーリー・マウンテン
それぞれ違いがあるので、どれが1番と選べないですが、好きです。

ただ、BOXセット買ったのに、友人に貸したら、DVD失くして手元にあるのは「ファンドとリス」だけ><


サンタ・サングレは、本作を見て思い出しましたね。

母親は、亡き父親(息子にはおじいちゃん)に似せる為に息子に金髪ロールのヅラをつけていたのですが、スパルタな父親が「オカマか!」とヅラを外すんです。
すると素の短髪になった息子を見た母親は「お父さんじゃない、さわらないで!」と大拒絶するんですね。

このシーンで、胸がキュっとなりました。

そんな母親に拒絶された感情が「サンタサングレ」に現れているような気がしました。


あと、狂気の中にも、どこかただようオサレ感が、魅力の一つでもあると思いますが、
本作でもそれは感じられました。

それは、奇妙なキャラクターにだったり、背景だったり、一画面だったり。
(異文化だから、というのもあるのかもしれませんが)

そういった風に、仕上がるところはまさに鬼才ならでは、なんでしょうね。
これだけマイナーな作品を作っておきながら、世界的評価を得られている人物である理由として、そういう無視のできない魅力が唯一無二なんですよね。
(ただ目をそむけたくなるようなものではない)


そういえば、家族を大事にしているところも、ただエキセントリックなじじいってだけじゃなくて、憎めない要素で、そんなところが作品にもにじみ出ているのかも。

決して、他人(家族といえども)を拒絶していないからこそ、他人も寄ってくる。

そういえば、お孫さんが女優として話題になってますよね。

直接の子供だと大変そうだけど、孫くらいだとうらやましいな!

ファミリーとしてのご活躍も期待しています。


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...