2016年5月5日木曜日

複製された男


映画 (Movie) / 複製された男 〔DVD〕

2013年作品

原作小説

ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ

あらすじ:大学で歴史講師をしていたアダムは、ある日映画の中に自分とそっくりな俳優を見つける。
興味を持ってその俳優の事を調べ、近づいていくが・・・。


ミステリーというよりは、ワケワカラン映画でした。

【よくわからないあらすじ】

冒頭、怪しい地下クラブのような場所。
裸の女性を鑑賞する男たち。シルバーのトレイに乗っていたのは蜘蛛。
そこにギレンホールもいる。


映画の中で見つけた自分そっくりな男に興味を持つ大学の講師アダム(ギレンホール)は、恋人はいるものの、変わり映えのない生活を繰り返していた。

そんな生活のリズムを壊すように、そっくりな男に憑りつかれたように、調べ始める。

役者の所属する事務所へ行くと、ドアマンが「アンソニー、6か月ぶりだな」と声をかけてくる。
そのまま、俳優のふりをして、親展の郵便物まで受け取る。

自宅へ電話すると、妊娠中の妻が出るが声も同じなのか、アンソニーが悪ふざけしているんだと思われる。
だが、アンソニーではなく大学講師のアダムです、と言い続けると警戒されてしまう。

今度はアンソニーから連絡が掛かってくると、近づくなと警告はされるものの、確かにそっくりである相手が存在する事を実感できて浮かれる。

アンソニーの妻が大学にこっそりアダムを見に来ていた。
確かに夫とそっくりなアダムに驚きを隠せない。
だが、まだアンソニーの妻とは気づかずに? 世間話をして別れる。

アンソニーと会う事になる。

ホテルの一室で会うが、何もかもがそっくりすぎて、若干引き気味になるアダム。

逆にアンソニーはそっくりを利用して、調子に乗り始める。

電話で妻と話した事で、自分の妻を巻き込んだから、お前の彼女も同じ目に合わせないとフェアじゃない、と、無理やりなこじつけで、何故か1晩入れ替わって、彼女とヤラせろ、と言う。

それ以降は、お互い接触しないで元の生活に戻ろう、という条件で。

仕方なしに、アダムは承諾するが、じっと待ってるはずなのに、ふらふらとアンソニーの家まで行ってしまう。

そして、不法侵入のはずだが、アンソニー本人としか思わないドアマンに鍵を開けてもらい、部屋に入る。
エレベーターの中でドアマンから意味ありげな会話がある。
「また仲間に入れて欲しい」「鍵はもらっていない」
もちろん何のことかわからず、適当に誤魔化す。

ジムから戻った奥さんにも動ぜずアンソニーのふりをし続けるが、奥さんにベッドに来てと、誘われる。

そこで、「大学はどう?」とカマをかけられるが、アダムは聞こえないふりをし、そのまま関係を持ってしまう。

その頃、入れ代っていたアンソニーとアダムの彼女もドライブからホテルへ行くが、途中で彼女がアンソニーの指輪の跡に気が付き、「なによこれ!」と拒絶する。

アンソニーも逆切れをし、帰りの車中でも口論となり、そのはずみで、事故ってしまう。

アンソニーが死んだと思ったのか、家にあった親展の郵便物をアダムが開ける。

そこには鍵が入っていた。

何かを理解したのか、「夜でかけるよ」と言いながら奥さんのいる部屋に行くと、そこには部屋いっぱいの大きな蜘蛛がいた。

おしまい。

【かんそう】

蜘蛛で始まり、蜘蛛で終る。

途中にも、六本木ヒルズや韓国でも見かけた蜘蛛のオブジェの高層ビルよりも大きい版が、出てきたり。

まあ、その時点で「???」になるのですが。

最初から結構な???続きなので、見ている最中はマヒしてあんまり気にならないんですよね。

この映画を見る前に、ちょうど「奇跡体験! アンビリーバボー」で「ドッペルゲンガー? 自分そっくりな双子がいた!」というのを見ていたので、なんだかそっくりネタ祭りだなー、なんて思ってみてました。

ところが、アンビリーバボーの方は現実のお話しなので、しっかりした落ちがあるので、(2組の双子の片方だけ入れ替わってしまっていた)そんなノリを期待しちゃってもいたんですね。

ところが、時間が経てば経つほど、しっかりした落ちどころか、どんどん意味不明になっていくんですよね。

特に、そっくりのレベルがタイトルにある「複製」という言葉そのもので、ほとんどコピーのレベル。

だけど、注意しないといけないのが「複製」はあくまでも邦題で、原題は「ENEMY」なんです。

それは最初に見れますし、単語1つですから、英語がわからない私でもなんとなくニュアンスはわかるつもりになれます。

アダム、アンソニーはお互いが敵?

その考えを推すのが、地味で人畜無害そうなアダムに対して、後から登場するアンソニーのちょっと破滅した感じの人格。

そっくりな2人なのに、ファッションや職業は対極でもある。

大学で歴史講師で白いシャツにパンツ、というスタイルが定番のアダムに対して、俳優で、レザージャケットにサングラスとちゃらいアンソニー。

だけど、生活はまたその逆で、アダムはまともなつきあいをしている描写がなく、彼女というよりは愛人のようなつきあいに見える。

アンソニーは、俳優としては「ファンがいる」と言えば妻に笑われる程、大して仕事をしている訳ではないが、結婚しており、子供も産まれると、地に足がついてる感じがある。

どちらかというと、ここは反対のほうがしっくりくるんですよね。

アダムは、アンソニーの家に足を踏み入れた時、自分の地味な? 生活と俳優という職業柄か、より華やかに見える生活に少し憧れを抱いていたように見えました。
ただ、海外なので、アダムの生活も決してしょぼくは見えなかったですけどね。

比べれば、という感じなのかな?

あるいは、独り身の部屋よりも、家族の住む家の暖かさのようなものへの憧れ、みたいな?
その差はあったと思います。

最後、アダムのそんな想いが通じたのか、アンソニーとアダムの彼女が事故に会い、おそらく死んだんでしょうかね。

都合よく、残ったのはアダムが入れ替わったアンソニーとその妻。
アダムは、自分にない生活を手に入れる事が出来た。

それと、謎の鍵。

冒頭のシーンを忘れているとまったくピンとこないのですが、ドアマンとの会話で、何らかの秘密クラブをアンソニーは開いていた? と思えます。
そして、それには鍵が会員証のようになっているのはわかります。

でも、アンソニー自身が主催者なら、アンソニーに鍵を送る必要はないので、主催、とまではいってなかったんでしょうかね。
ドアマンはあくまでも紹介した一見さん、って感じなんでしょうか。

ただ、それはアンソニーの生活で、その会話だけでは、鍵を手に入れる意味はすぐにわかる訳がないのに「出かけるよ」と嬉しそうに言っている。

まるでアンソニーが消えたと同時に、アンソニーを取りこんだかのように。

そしてその流れでの妻が蜘蛛? それとも蜘蛛が部屋に登場?

本当に意味不明でした。


で、当然ネットで他の方の解説を読んでみました。


すると、「アンソニーとアダムは同一人物。アダムが今の自分で、アンソニーが過去」
というようなお話しだったみたいです。

それを踏まえて、自分なりに解釈してみました。


要は、過去は売れない俳優をしていたアダム(とします)。

母親にいつまでふらふらしてるの、(セリフあり)と言われていた。

だけど、妻の妊娠を機に、お金の為に大学の講師に。

でも妻には、内緒にしていた。(見栄っ張りなところがある?)

だから「大学はどう?」と言われて誤魔化した。
(そっくりさんと思っているわけではなく、妻は夫にもう知ってるのよ、と言いたかった)

アダムの彼女が愛人のように思えたのは、実際に愛人だったから。

指輪の跡で口論になったのは、おそらく不倫なのでリアル。

交通事故もリアルで、そこで死んでいる男の夢? の話なのかも。

何故、そう思うかというと、手紙を開けて手に入れる鍵は冒頭の秘密クラブへと続いて、この一連の流れがループしていると思ってもしっくりくるから。

ざっくり時系列順にまとめると。

売れない俳優

秘密クラブ出入りしていた。

奥さん妊娠

大学講師に。(お母さんは満足)
(俳優は6か月やっていない=6か月ぶりだね)
奥さんにはまだ言っていないっぽい。(大学はどう? カマかけられる)

愛人に妻の存在ばれる?(指輪の跡。だましていた?)

事故る。死ぬ。死んだから、最初に戻ってループしている。

死んだ事で、自分のやりたかった事など願望が現実と混ざってしまって、別人格のような登場人物が出来たのかなー、と。

死んだ時に、アダムの服を着ているのは、アダムで死んでいるから、だと思いました。

アダムが実在する存在で、アンソニーはアダムが捨てなくてはいけない過去の自分。

秘密クラブに入り浸り、俳優としてちゃらちゃら生きてる。

ただ、秘密クラブのシーンは冒頭だっただけに、よく服装などは見ていないんです。

分かっててみると、また違う面白さがあるのかもしれませんが、そこまでのめり込む魅力は、私にはありませんでした。

というのも、結局この手の映画って、ナンデモアリ、じゃないですか。

とはいえ、この手の「正解はない」的なのが得意なリンチのように、強烈な魅力がある世界観でもないので、素直に受け入れるのが難しい。

シンボルになっている蜘蛛が「母親」の象徴という公式の情報もあったようですが。

たしかに、母親はめちゃちょい役なのに、イザベラ・ロッセリーニという豪華さで、不自然な感じはありました。

でも、作中であまりそこは感じなかったです。

ピンと来る人、好きな人には好きな映画なのかもしれませんが、私には、あまりにもぼんやりしすぎていて、いろいろわかった・・・つもりになった所でも、「へーーー」みたいな引いた感じは変わりませんでした。

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