2015年12月11日金曜日

クロエ


2009年作品
アマンダ・セイフライド、ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン

恍惚(2003年作品)のリメイク

あらすじ:ある日夫の浮気を確信した産婦人科女医。もともと、夫婦関係に不安を感じていたが、それが決定打となってしまい、夫にある事を仕掛けてしまう。
それは、娼婦を偶然出会った一人の女性として夫に誘惑させて、その一部始終を報告させるというものだった・・・。




アマンダ・セイフライドが好きなので、見ました。

サスペンスちっくな前振りもありますが、私の中ではラブストーリー度が高かったです。

もともと映画の感想を書き残そうと思ったのには、雑多に見ているので「見たことを忘れてしまって同じ作品を借りる」という事があったからなのですが、この作品は見ている途中「これ超フランス映画っぽいストーリーだなー」と思ってみていました。

フランス映画っぽいどころか、これリメイクだったんですね。
オリジナルに出ているエマニュエル・ベアールも好きな女優さんなので、多分? 「恍惚」を見ていたんでしょうね。
でも、あんまり記憶ないです・・・。

そういう意味では、本作の方がラストの展開でインパクトはあると思います。
これは、なかなか忘れないと思います。

話題が少し前後しちゃいますが、アマンダ・セイフライドやジュリアン・ムーアというハリウッドっぽい雰囲気で「フランス映画」風なストーリーっていうのが、ちょっと違和感あったんですよね。
ただ、ラストの落ちは、ハリウッドな感じがしました。
でも、結果ちぐはぐな印象が残っています。

アマンダ好きとしては、アマンダの勝気な感じがそのまま役に出ているとうれしいのですが、本作はちょっと可哀想なんですよね。
綺麗どころとしての見せ場もたくさんあるのですが、影のある娼婦という役柄なので、それもちょっと痛々しくもあって、あまりエンタテインメントとして楽しめはしなかったです。

女性としての自信を失いかけているジュリアン・ムーアがいっぱいいっぱいなのはもちろん・・・。



お話しは、あらすじにもあるとおり、「夫が浮気している」と気づくと、なぜか「夫に娼婦をけしかけて、その一部始終を報告させる」という奇行に出る妻なのですが、実はそれは「妻」がそうさせたのか、「娼婦」がそうさせたのか、結果的に「夫」はわき役なんですよね。

この辺を「サスペンス」と言っている部分なのでしょうけど、そんなサスペンス感はありません。

まあ、多分、たまたま、なんですよね。
偶然というか。

そもそも行動範囲が、被っているので偶然が発生しやすかっただけ。

ともかく、何かを求めていた娼婦と、それを与えられる浮気されている人妻が、出会ってしまいます。

人妻は、最初に求めていたのは、「誘惑してみたけど、旦那さんのってこなかったよ」みたいな、結果だったのかもしれないです。

だけどあっさり旦那は娼婦(という事は伏せている)の誘惑にまんまと乗ってしまいます。

何度も、「こんなことやめよう」って考えはするのですが、娼婦に流されてどんどん目的がズレていきます。

二人は共犯者の関係になって、不思議な絆が出来てしまうんですね。

ただ、娼婦にとってはむしろ最初からそれが目的。

それどころか、旦那の誘惑そのものがすべて嘘なんですから。

ここがポイントです!

1回でも旦那に接触していたなら、(断られて)途中で気が変わった、途中で目的が変わった、等理解ができますが、最初から旦那には接触していないんですよ。

という事は、「旦那よりも妻」の方に最初から興味があった、という事になりますよね。

なんだか「飛んで火にいる~」みたいな感じ?

こう感想をまとめていると、これ、恋愛ドラマではなく、むしろ女性の友情ストーリーとか自立ストーリーのようにも思えますね。

多分、娼婦という生き方を決して後悔していないわけではない。かといって、自らその生き方を変える事もできない。
だけど、人妻と接している間は、普段の自分にはない時間、普通の? 女性としての振る舞いが出来ている。

どんなに高級なレストランにいても、向い側に座っているのは、一時の客。
だけど、カジュアルなカフェで時には、笑いあったりできる女友達がいる、という体験は、娼婦である彼女にとっては、それこそお金よりも欲しかったものだったのかなーと。

だから、旦那に一切接触しなかったのかな、と。(妄想ですが)
娼婦という仕事はしているが、おそらく男性には、だからこそ何も感じていないんでしょうね。
むしろ、一切信用していないんじゃないか、と。

そんな日頃から行き場がなく、もてあましていた愛情を、人妻にいっきに注いでしまったんでしょうね。

すべてがバレた後、当然、人妻にはウソをついていたということから拒絶されます。
それでも人妻の側にいたくて、彼女の息子を誘惑して家に入り込むのですが、息子を誘惑っていうのも、そうですよね。
男なんて簡単に誘惑できるんですよ。

本当は、旦那を誘惑するのも簡単だと思っていたでしょう。簡単すぎるから、やらなくたっていいんですよね。
だいたい、必要じゃなければやりたくはないんですから。

というわけで、人妻を失いたくないという思いから、身体を張ってしまいます。
アマンダはジュリアンの事となると、がんばれちゃうのです。

まだ、気持ちをちゃんと伝えれば、通じ合える、と信じていたのです。

そしてその通り、実際家で顔を合わせれば、また切れた糸がつながるようにも思えたのですが、人妻はやっぱり家庭の人です。
息子の気配に気づいた時に、我に返り、アマンダをまた拒絶するんです。

そして、そのままアマンダは窓から落ちてしまい、ハリウッド的な最期となるのです。



人妻サイドから見ると、「厄介な娼婦が死んでくれてほっとした」という落ちですよね。

アマンダファンから見ると、やっぱり最後には簡単に消されちゃって「可哀想」なんですよね。

落ちだけ見ると、やっぱり主人公はジュリアン・ムーアなのかなー、と思います。

まあ、暗いお話しでした。

多分、オリジナルのほうがザ・フランスという感じでまとまっていたと思います。




リーアム・ニーソンの行動もちょっとよくわからない、というか思わせぶりというか、意味不明でしたけど、あんまり気にしなくていいんだろうな、と思います。

自分が求めてるアマンダ・プロモーション・ムービーではなかったです。

が・・・。

ジュリアン・ムーアの体当たり女優魂が好きな人には、お勧めかも。
何気にこの人、いろんな作品ですごいですよね。

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