2006年作品
ヒュー・グラント/マンディ・ムーア/デニス・クエイド/ウィレム・デフォー
あらすじ:「アメリカン・アイドル」ちっくなリアリティ番組を中心に、いろんな思惑が交差するブラック・コメディ。
番組の辛口有名プロデューサーは、視聴率はもちろん、若い出演者の事が気になっている。若い出演者は、元彼を利用するような腹黒なので、プロデューサーにシンパシーを感じ始める、アイドルに憧れる元兵士の移民君は、同じくアイドルになりたかった世話になってる親戚との関係を気にしつつ、そして番組のファンでもあるアメリカの大統領は心の病に陥っていて・・・。
デフォー祭りを一人でした時に見ました。
ヒュー・グラントも昔は好きな時がありましたが、この作品での彼は新境地って感じで良かったです。こんな感じで歳を取るなら安心ですね。
この映画、私の中ではかなりお気に入りです。
まず、デフォーが良い。
ハゲヅラです。
この人ってやっぱり脇でこそ光る人なんだなーと改めて思います。
病んだ大統領を一生懸命補佐する立場なんですけど、出落ちの井出達で一人まとも、というか真面目な役、というのがコメディそのものに感じました。
もう、このキャスティングだけでずるいです。
こういう発想と実現が出来てしまう事がうらやましくて憎いです。
別に誰とも戦ってませんけど、勝てないなーと思いました。
お話しも、好きな構成で、それぞれの立場があって、それが一つの目的に集結するパターンで、だけど思惑はそれぞれで。
パロディ元になったアメリカン・アイドルも好きで見ている時期がありましたが、別に見たことなくてもまったく困らないです。
こういう番組なんだな、の理解で十分です。ま、こういう素人勝ち抜き歌合戦って、日本でもなじみありますしね。
いろんな登場人物がいるのですが、私はアイドルに憧れるメンズ達がいる、イラクファミリー達がお気に入りでした。
アメリカで裕福な暮らしをしていて、まるでハリウッド版ゴシップガール的な生活をしているんですが、まあそこがそもそも面白いですし、だけど社会的背景のせいで、「そのまま勝ち進んで自爆テロしろ」と言われてしまうんですね。
もちろん、断るという選択肢はないんですが。
まあ当然、映画ですから、うまく勝ち残っていよいよ、どうするんだろう!? という、純粋なドキドキも味わえます。
そして、そこで初めて活躍するのが、アイドルとしてのライバル女子のずーっと蔑ろにされていた元彼なんですね。
この辺の伏線というか、ストーリーもただのコメディだけでは勿体ないくらい、良くできていました。
彼氏なんて些細なエピソードかと思って油断しているとなおさらです。
私は、落ちもやりきった感があって、それを含めてのお気に入りですが、やや観覧注意でもあると思います。
思いっきりネタバレですが、念の為さくっと書いておくと、ちゃんと爆弾爆発して巻き込まれる人がいます。
だけどじめじめした終わりでもないところが、ブラック・コメディ。
◇
基本的に、風刺コメディなんだと思いますが、そういう事を意識しなくてもシーンシーンが面白いコントのような感じになっているので、ライトに楽しめました。
ただ、歌番組という軽いのりに戦争とか、大統領とかの社会が絡んで来るのは、お国柄というか、スケールは大きく、アメリカっぽいです。
シンプソンズとかサウスパークが好きな人であれば、OKだと思いますが、「アイドルものか~」なんてうっかり手を伸ばした場合は、つまんない~って事になるかもしれません。
ちなみに、うちの母親年期の入ったヒュー様ファンには、まず勧めません。
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