2006年作品
監督ペドロ・アルモドバル
ペネロペ・クルス
あらすじ:ペドロ・アルモドバルお得意の女性賛歌。
ある日、娘が血のつながらない父親を殺した。
その死体を冷蔵庫に隠し、娘を守りながら生活を続けていくペネロペ。
そんな時、死んだはずの母親が生きていると聞くが、その母親は姉には会ってもペネロペには会おうとしない・・・。
何時の時代も女性は弱く、そして強い。
そんな女性を同性以上に理解して、そして愛するのがペドロなのかもしれません。
だからこそ、同じ女子w として、この「女性愛」が強すぎるテーマに出会うと、引いてしまうんですけどね。
ただ、大半の女子の反応は「そうそう、そうなのよ!」と理解して、テーマとして取り上げてもらえる事を素直に喜び、好むと思います。
ペドロの作品でいうなら、「オールアバウト・マイ・マザー」と同じグループって感じ。
とはいえ、こちらはよりペドロちっくな、ダークなテーマが絡んでいるので、同じ女性でも若干目を背ける要素になっているでしょうね。
それは、近親相姦なんですけど、大っぴらな話題になりにくいだけに、遠い世界の事のように思えますが、想像しただけでも厳しいですね。
ペネロペ扮する母の一人娘が、血のつながらない父親を殺した理由は、それ、です。
その殺人を母だから、という理由だけで娘をかばって死体遺棄をし、もみ消そうとしたのではなかったんです。
実は、ペネロペも実父から近親相姦を受けていて、それで生まれたのが、娘、なのでした。
母子2代、同じ目にあってしまったんですね。
もしかしたら、この筋書きは、男性であるペドロだからこそあり得たのかもしれません。
本当の同性であったら、こんなひどいストーリーを作品にしようなんて、思えないかも。
まあ、この話の時点で私は、この作品を「面白かった」とは言い難いんですけどね。
こういうリスクのあるものに挑戦する姿勢は、ペドロならでは、とも言えると思います。
ペネロペの実父を殺したのは、実母で、隣の奥さんと浮気中に火をつけて二人共、殺してしまうんですね。表向きはその火事で母親も死んでいたはずだったのですが、本当は生きていた。
でも、ペネロペの前から姿を消したままなのは、父親とペネロペの事を知っていたから?
殺す事でしか、止めることが出来なかった。
ペネロペはペネロペで、ちゃんと母親と話がしたかった。
なので、最後の最後、二人が話すことができてめでたし、めでたし、という感じ。
見てから時間も経っているので、詳細は覚えていないのですが、若干「ハテナ」が浮かんだ事は覚えています。
でもまあ、このお話しは、そんな細かい事を気にするのではなく、「女性は弱く、そして強いけど、でもやっぱり生きていくのは大変なんだよ。でもがんばってるよ」みたいな、とにかく「こんな女たちもいるよ」なんです。
まあ、ドラマの小道具としての殺人、実は生きてたおばあちゃまを幽霊と言う、とか決してただの昼ドラペドロならではの昼ドラではありました。
でも、男女のラブストーリーではなく、母子の家族愛、友情愛、姉妹愛、でした。
それと、もしかしたら母と娘であっても、女同士のライバルである、という部分もあったのかも。
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