2016年1月22日金曜日

ハイヒール(ペドロ・アルモドバル)




ハイヒール(パンフレット)


1991年作品
監督ペドロ・アルモドバル

あらすじ:過去に娘を捨てた母親が、戻って来た。
今となっては立派な女性に成長した娘だったが、母親を前にすると複雑な気持ちが押さえられない。

母娘であると同時に女同士という対立を乗り越えられるのか。




ペドロが、なのか文化的なものなのか、わかりませんが、のちに女性の支持を集める理由の一つに、「若い女性が若いというだけでちやほやされない世界」を描く事が多いからかなー、とこの作品から改めて思いました。

画像資料を著作権の範囲で使用しているので、アマゾンさんから利用していたのですが、ペドロであっても、作品によっては入手困難だったりするんですね。

この作品については、とても印象的な画像があったので、パンフレットなのですが、探して貼りました。

娘と母親が、距離を保って一つのソファに座っています。
どちらもその年齢ならではの魅力があり、勝ち負けの問題ではないと思うのですが、作品の中の娘は、母親にコンプレックスを持っている、と言えます。

まず、捨てられたという過去から、恨むだけ恨んで、縁を切ってもおかしくはないと思いますが、それでも娘というポジションを手放せないんですね。

やっぱり何をされても「母親」大好きなんだと思います。

そして、母親も、親であることを捨てきれない。
女性として生きる事を優先した事もあるけど、やっぱり娘は特別な存在なんですね。
最後の最後には娘が犯した罪を被って、母親らしいことをします。

それが、「最後だからしたことなのか」どうなのか、というのは、誰にもわからないんですけどね。

ハッピーエンドとは決していいきれないし、ある意味「やっぱりママにはかなわない」と最後に止めを刺されたような感じにもなって、考えると本当に複雑なドラマだな、と思います。

そんな、女同士の複雑な関係を、女性ではなく男性であるペドロが描いている、というのが不思議でもあり、ある意味納得でもあるんですよね。

女性であれば、どこかで美化したくなったりして、どんどんウソっぽくなっていきそうな・・・。

そもそも、こんなに女女がテーマのドラマなんて、ペドロ以外ではあまり見ることもないから、実はよくわかっていませんがw

母娘とドラッグクイーンと殺人など、単なるファミリードラマではないのは、もちろんですが、全作品の中でみると、若干地味目ではある気がします。

だから、今現在入手困難になっているのかもしれませんね。

ただ、「オールアバウトマイマザー」が好きな人にはお勧めできるような気がするので、簡単に見れないのは、ちょっともったいないような気もします。

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