2016年1月18日月曜日

バチ当たり修道院の最期


1983年作品
監督ペドロ・アルモドバル

あらすじ:タイトルそのまんま。バチあたりな修道院のお話し。
ドラッグ、同性愛、異性愛、だめっぽい事がぎゅっとつまった修道院。
そんなの続くわけないよね、って。




大分前に見た作品ですけど、ペドロ作品の中ではもちろん、好きな作品です。

この作品から改めて思ったのは、ペドロは誰かが思い描く甘いファンタジーの中にも、リアルを忘れない辛さがあるんだな、と言うことです。

例えば、あらすじ・・・を書いてて気が付いたんですけど、この修道院の設定はすごく面白く、超ファンタジーなんですけど、それが続かないという現実感がある。

後に、全世界の女性を味方につける事になるのは、もしかしたらこういった最初から持ち味として存在していた、リアル感が理由なのかもしれません。

そこに共感が芽生えるのかなーと。

私が、この作品がもっと大好きになるには、「バチ当たり修道院フォーエバー」じゃないと。

エンタテインメントなんだから、ファンタジーのほうがいいんです。

ただ、この作品のファンタジー度合はとても高いですけどね。

作中の宗教とか文化にはまったく詳しくないので、あくまでイメージでしか捉えられていませんが、聖なるものをいじるのって、一番わかりやすい悪ふざけですよね。
それでいて、禁忌感も増しますし、物議をかもすでしょうし、実際に存在してたら大事件になりますよね。
だからこそ、ファンタジーとしての価値がある。

こちらは修道院という建物ですから、フェリーニの「女の都」の館を思い出しました。


これも、80年代、本作の数年前に公開されていたんですね。

やっぱり80年代付近のものが好きなのかも。

この映画も、好きです。

あと、宗教的なテーマいじりという点で、ルイス・ブニュエルも思い出します。

順番とかはあまり考えた事ないですけど、もしかしたらいろんな意味でルイス・ブニュエルが一番好きな監督かもしれないのですが、彼の方がファンタジーから抜け出さない感じがあるような気がします。
しっかり、自分の妄想の中で完成しているような。

ペドロは、意外と? 現実的なのか、どこか「でも現実ってこうじゃん」みたいなどこかでパチンと手をたたいて目を覚まさせるみたいなノリがあるような・・・。

それが悲しさだったり、厳しさだったり、で一般的に受ける要素になっていそう・・・な?

でも、だからといって本作が昨今の作品を気に入る人に受けるかと言えば、やっぱり難しいような気はします。

今なら修道女の一人は生き別れの母親だったりして、何かちゃんと説得力あるような設定が加わるかもしれませんねw

そんなことよりも、登場人物のキャラが面白いですし、もう設定だけで出落ち的なノリっていうだけでいいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...