2016年4月4日月曜日
華麗なるギャツビー(1974)
華麗なるギャツビー 【DVD】 1974年作品
原作有り
ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー
あらすじ:お金持ちのお嬢様に恋をしたのは、釣り合う家柄ではない男だった。
「待つ」という言葉を信じて戦争に出るも、彼女は富豪と結婚していた。
それでも、忘れられない男は、金を手にして再び彼女の前に現れる。
今度こそ、彼女を自分の物にする準備が出来たと思われるが・・・。
原作や、他の映画作品は知らず、タイトルは知っていたので、今回初めて見てみました。
とにかく、若い頃のロバート・レッドフォードがブラピに似ているのにびっくり!
いわゆるイケメン顔って、伝統なんですね。
【おはなし】
家柄が違う為、お互い惹かれていたが、結ばれなかったギャツビー(レッドフォード)とデイジー(ミア・ファロー)。
デイジーの親類である青年ニックは、デイジーほどの金持ちではなかった事から、一番常識的な視点を持ってストーリーテラーとなって物語が進みます。
戦争へ出た時には「待つ」といっていたデイジーはあっさり他のお金持ちと結婚。
だが、諦めきれないギャツビーは違法な手段を使ってでも金を稼ぎ、今では、ニックの家の隣にある豪邸に住んでいた。
そして、デイジーと再会する為に毎晩のように豪華なパーティーを開くが、デイジーはそんな気持ちを知ってか知らずか、姿を現さない。
そこで、隣に住むニックが親類である事から、橋渡しを頼む。
ニックの家でお茶会を開いてデイジーを呼べ、というのだった。
ニックは、噂に聞く成金と初対面だったが、「デイジーが喜ぶ事なら」と引き受ける。
そして当日、デイジーの為に、庶民的なニックの部屋では大した用意もできないだろう、とギャツビーが勝手に花やティーセットなどを持ち込むが、その豪華さにデイジーは大喜び。
ギャツビーとの再会も、過去に何もなかったかのように、受け入れる。
おまけに、「隣の豪邸が自宅だから皆で移動しないか」というと、大はしゃぎ。
じわじわと、「なぜ待ってくれなかったんだ」と問うと、ありのまま答える。
「金持ちは貧乏人と結婚できないもの」
だが、そんなデイジーをストーカーのごとく愛しているギャツビーには大したダメージにはならない。
それがわかっているからこそ、違法行為をしてでも金持ちになり、ギャツビーを迎えようとしているのだから。
そして、金さえあれば、やっぱりあなたが一番好き、とでもいいたげなギャツビーと、親交を再開する。
デイジーの夫には愛人がいて、昔からアイドル的存在で、社交界の花形であっても、悩みはあった。
ギャツビーはそんな隙からも、デイジーを取り戻せると信じる。
だが、デイジーは夫に言い出せない。
しびれを切らしたギャツビーが自分が直接言う、と同席をセッティングする。
その流れで、車で出かけるが、その際にギャツビーの黄色の車とデイジーの夫の車を交換して出かけます。
実は、デイジーの夫は、妻を狙う男だと知っているので、デイジーを手放すつもりはない、と愛人を切っていた。
愛人は、車の整備をする男の妻で、車を口実に良く押しかけていた。
そしてその愛人は、そのショックから家で騒ぎになり、W不倫であった事から夫と口論になります。
その日も、出かける際に、黄色い車で立ち寄るが、整備員にとってはお金持ちの顧客なので、言いたい事も言えずにこらえる。
その出先から戻る時、ギャツビーはスムーズに事が進まないいらだちからか、猛スピードを出しており、整備員の家の前で妻をひき逃げしてしまう。
整備員にとっては、黄色い車はデイジーの夫の車だという認識があるので、妻の復讐にデイジーの屋敷を訪ねる。
だが、デイジーの夫は車の持ち主であり、事故を起こした本人はここにはいない、という事をすべて話す。
その頃、自宅で、夫の側にいるデイジーの身を案じながら、もう少しでデイジーが自分のものになる、と信じてしばしの休息を取るギャツビーは、一人プールに浮かんでいた。
そこになぜか一瞬デイジーの声が聞こえたような気がした。
瞬間、銃弾に撃たれ死ぬのだった。
ギャツビーが死んだせいか、デイジーは夫と引越しをする。
まるで、ギャツビーなど最初からいなかったかのように、ニックに「絶対遊びに来てね」と言って去っていく。
【古典的な昼ドラだけど・・・】
70年代のアメリカ、かつお金持ちの社交界が舞台という事で、馴染みはないですが、華やかさなどは映画として見ごたえがありますね。
昔の少女マンガにありそう、というか多分この作品に影響を受けたんだろうな、と思います。
大河ロマン的なラブストーリーなんですけど、主人公が男性なのに、その愛の対象であるヒロインが、すんごいビッチなんですよね。
なので、正直、私はちょっと面白いな、と思えましたが、普通に考えれば共感しにくいのではないでしょうかね。
ギャツビーが人生を賭けて、愛した女は、確かに美人かもしれませんが、内面はかなり計算高いアイラブミーな人。
愛はさておき、まずお金。
お金持ち出身だから、お金があって当たり前で、ない、なんてことは考えられないのでしょうけど、自分の家のお金で満足するのではなく、あくまで多けりゃ多いに越したことはない、と財産を見せられると愛を感じるお手軽さ。
いわゆるお金持ち的な品がないんですよね。
デイジーの金金な感じはむしろ成金っぽい。
そんなデイジーの社交界ニュースを遠くからでも、見逃さずスクラップしているストーカー的なギャツビー。
まさにデイジーの為に、金持ちになって再びデイジーの目の前に現れるのですが、ある意味お似合い。
2人とも、相手の事ではなく自分の事しか考えない同士ですからね。
デイジーは決して、お金のない人には愛は感じないし、ギャツビーはそれなら、と違法な手段を使ってでもお金を手に入れる。
デイジーの危機回避能力は、さすがに高いらしく、成金になってギャツビーが戻ってきても、すぐに彼の胸に飛び込むことはしない。
お金はあっても家柄がない、とは言わないけど、きっぱり断る訳でもなく、愛しているのはあなたよ、と言って生殺し状態にしている。
どこをどう考えれば自信につながるのかわからないが、そんなデイジーにも盲目になっているせいか、「離婚は時間の問題だ」位に思っているギャツビー。
最後は、言いにくいですけど、やっぱりお育ちのせいか、ひき逃げをしてしまい、その被害者の夫に殺されるという、自業自得・・・。
デイジーもギャツビーも感情移入が難しいですね~。
唯一の良心と思われる語り部ニックですが、ニックも自分に直接関係がないもんだから、トラブルになると想像できるのに、興味本位でかかわっている感じで、やっぱり良心とも言い切れない。
ただ、私は実は、デイジーの正直さや計算高さは好きですね。
夫選びのセンスはひどいと思いますが。
でも、そんな中でも自分の生き方を持っていて、その為には、どんな情にも流されない。
主人公はギャツビーですが、実はずっとデイジーが主人公だと思っていたんですよね。
気の強い女性というのは、なかなかラブストーリーの主役としては珍しいと思います。
ギャツビー視点だと、ある意味2度目の失恋をする前に、死んでしまったので、幸せだったんでしょうね。
デイジー視点なら、単に過去の男が出てきて、ある時退屈しのぎな出来事があって、そして消えた、というだけでしょうね。
むしろ最初からデイジーの中では亡霊でしかなかったのかもしれません。
過去を懐かしむ亡霊。
そんな変わったヒロインというのは、意外性があって面白かったです。
作品としては、ギャツビーがストーカーすぎる&思い込み激しい&フォローできない(だから育ちが・・・と言いたくなる)等々、映画の壮大な世界観の中にあまりにも似合わないしょぼさで、微妙でした。
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