ウェス・アンダーソン ザ・ロイヤル・テネンバウムズ DVD
2001年作品
ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、グウィネス・パルトロー、ベン・スティラー、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ルーク・ウィルソン
ある日、子供たちが全員大人になっていた頃。
ロイヤル(父親)は、長期滞在していたホテルを宿泊費滞納で追い出される事に。
行く場所がない事から家に戻ろうとするが、ただ戻ると言っても戻れない事がわかっているので、ウソの病気を口実に戻るが、同時にバラバラになっていた子供たちまで実家に戻ってきて、望むか望まないかはさておき、新たなテネンバウムズ家の交流が始まる・・・。
当時、見ていたのですが、その時の印象は「退屈であまり面白くない」でした。
おしゃれ映画という売り込みでしたので、ま、こんなもんか、とも思いました。
最近のファッション界でこの映画のファッションがまた注目を浴びていました。正確には1年くらい前かな?
長女マーゴのファーに素足にローファーというスタイルは、GUCCIのナードなコレクションのようですし、長男チャスのアディダスのジャージ・スーツ、次男リッチーのオールドなテニス・ルックにチェスター・コートもファッションページで良く見ました。
もちろん「テネンバウムズ」ファッションとして。
で、本作の事を思い出し、今見たらどう感じるのかな、と改めてちょっと気になっていたところにTVで放送していたので。
【おはなし】
変わりもののロイヤルの子供たちは、皆幼い頃から天才で、成功していた。
長男は、ビジネスマンとして。
長女は、養女であることを公表しており、作家として成功していた。
次男は、天才テニスプレイヤー。
この3人に、近所のイーライ(普通の子)が入り浸っていつも賑やかだった。
だが、ロイヤルは妻との不仲である時からホテル住まいに。
子供たちも、
長男は結婚するが、妻を飛行機事故で失い、息子2人と残され、
長女も結婚するが、年上の精神学者との生活はほとんど終わっており、
次男は最後の試合で失態を見せたまま引退し、傷心の船旅に出る、等それぞれ大人になってからの生活になっていた。
逆に、近所のイーライは、作家として現役セレブになっていた。
ある日、長男が妻を事故で失った事から精神的に不安定になり、子供を連れて実家に戻ってくると、それを知ったマーゴはずるい私も帰りたい、といい、マーゴを兄妹ではなく愛してると気づいたリッチーも船を下りた。
そして、ホテルから追い出されたとはいえ、黙って戻る事を認められないのが父親ロイヤルだが、そこで余命半年だとウソをついて無理やり戻ってくる。
何故ならロイヤルは、父親らしいことをほとんどした事がなく、特に長男のチャスには未成年の頃、会社の利益を全部奪われていた事から、嫌われていた。
そして、その家には妻にプロポーズしたばかりの会計士も家族のように出入りしており、最初は、突然の家族の再会に誰もがぎくしゃくしていた。
ロイヤルが無理やり突然、家族との距離を縮めようとしても、そう簡単にはいかない上、すぐに会計士によってロイヤルが仮病である事がバレてしまう。
今度こそ、本当に宿なしとなって追い出されるロイヤル。
最初は、単なる芝居で家族ごっこをしていたが、いざ離れてみると、今度は何の下心もなく、孫と交流しようとする。
マーゴは浮気相手のイーライからリッチーの気持ちを知り、そしてお互いの気持ちがお互いにある事を認める。
リッチーはマーゴを愛しているが、マーゴの過去の恋愛や友人イーライとの関係にショックを受け自殺未遂をするが、その後マーゴの気持ちを知り、立ち直る。
イーライはずっとテネンバウムズ家の一員になりたかった。
チャスは、子供たちと交流するロイヤルの姿に、ついに一緒に死んだ妻の墓参りをするほど、許し、距離を縮める。
等々、ロイヤルだけではなくそれぞれがまた成長した関係を再構築していく。
そして、ロイヤルをチャスが看取り、チャスとその子供たちは黒いアディダス・スーツで見送った。
【かんそう】
子供たちが天才一家という設定は魅力的ですが、最初に見た時は出落ち感が強くて、よく理解が出来ていなかったんだなー、と今改めて思います。
これは、物語に個性を出す為の味付けであって、その内容は普遍的なファミリー・ドラマなんですよね。
だから、おこちゃまな私には「退屈」だったんでしょうね。
そして今見ると、普通に面白く見れました。
プラス、ファッショナブルで洒落ているのですから、悪い事はないですね。
でも、やっぱりおしゃれ映画って、すごい面白いって事はあんまりない・・・んですよねw
実は、誰が主役という感じではなく、まるでオムニバス映画のそれぞれの主人公がたまたま1つの家族だった、というだけのような感じで、だからさらっとしすぎていて、印象に残りにくい。
章立てなのも、30分のシットコムを見ているような軽さがあって、見安くある分、重みは感じられなかったですね。
むしろ、ファッションや映像のインパクトだけしか残らない、とも。
それは以前も今も、変わらないかも。
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