2016年4月13日水曜日
ザ・ビーチ
ザ・ビーチ<特別編> 【DVD】
2000年作品
原作有り
レオナルド・ディカプリオ、ロバート・カーライル、ヴィルジニー・ルドワイヤン、ティルダ・スウィントン
あらすじ:一人でタイを旅するアメリカ人、リチャード。
いまいち冒険が出来ずにいたが、ホテルの隣の部屋の変人から「伝説のビーチ」の地図を受け取る。
だが、その男はすでに死んでいて・・・。
ディカプリオに興味を持った事がないので、長年、タイトルとジャケ写から「ビーチで男女がきゃはは」する青春映画だと思ってました。
つい先日、何かミステリが見たいなーと検索していたら、この映画のタイトルを見つけてびっくり。
何気にディカプリオって、本人のキラキラ? パブリック・イメージと反した作品が好きなんですかね?
【おはなし】
タイ旅行で、冒険をしたいと思った時に、「伝説のビーチ」の地図を手に入れたリチャード(ディカプリオ)。
ホテルの反対側の部屋には、フランス人のカップルが滞在していたが、冒険はしたいが1人の心細さと、その彼女に惹かれていた事から、一緒に冒険をしないか、と声をかける。
そして3人で島の地図を元に、ビーチを探す事に。
そのビーチはとにかく、外からは見えない場所にあり、閉ざされている分美しく最高なのだという。
この世の楽園。
そのビーチを目指す途中、カップルのいちゃいちゃにイラつき、さらに大雨の中コテージのカギを落としてしまい、荒れていると、隣のコテージから「一緒に飲まないか」と声がかかる。
男二人組にビールをおごられながら、雑談していると、都市伝説の話になり、そこでまた最近タイで定番になっているという「ビーチ」の話を聞く。
まるで初めて聞いたように誤魔化すリチャード。
そこは大麻の畑があって、吸い邦題だとも言っている。
翌朝、少し不安になったリチャードは、「知らない、そんなの噂だろ」と誤魔化していたにもかかわらず、借りたTシャツと一緒に手書きで書き写したビーチの地図を置いていく。
その後、3人は島を見つけ、泳いで島に渡りきる。
確かに、島には大麻畑があったが、そこはしっかり管理されたもので、武装した警備がついていた。
慌てて、隠れ、そして戻ったほうがいいというフランス・カップルに、ビーチを探そうとさらに深追いをする。
結局、川の流れをたどっていくと、大きな崖につきあたってしまう。
疲労からケンカしはじめる男2人を横目に、フランス人女性が、いきおいよく飛び込む。
安全だとわかると、男2人も飛び込み、三人でごきげんになっていると、それを見ていたひとりの男が拍手を送る。
「俺は1人だったから、1時間は迷った」
そう、3人は見事に「ビーチ」の場所をつきとめたのだった。
だが、案内され奥に進むと、そこは彼らの想像をはるかに超えた、コミュニティで、単なるビーチではなく、しっかりした集合体だった。
女性リーダーのサル(ティルダ)に紹介され、何故ここを知ったのか、と聞かれ、死んだ男から地図をもらったことを伝えると、「彼は創設メンバーだった。頭がおかしくなってここを離れた」と知る。
さらに、「まさか地図を誰かに見せたり、渡したりしていないか」と聞かれると、とっさにウソをついて「誰にも」と言う。
「なら安心」と3人は、新しいコミュニティのメンバーとして迎えられる。
大麻畑は島民のもので、お互いは干渉しない事になっているが、ただし、これ以上人を増やすな、と言われていた。
だから、地図の拡散には神経質になっていた。
コミュニティもまた、大麻畑を持っており、それが収入源となっていた。
時折、島の外で出て、物資を仕入れるのだという。
最高のビーチに、非現実的な自由気ままな暮らしに、たちまち魅了される三人。
だが、そこでの生活に慣れていくにつれて、どんどん歪みが生じていく。
最初は絶好調だったリチャード。
フランス人女性の横恋慕に成功し、雨が続く中魚が捕れないから数日間飢えるかも、と言われるとモリを持って海に飛び込み、子供のサメに襲われたかと思えばそのサメを捕まえ食糧を提供する、等。
そんな目立ちはサルの目にも留まったのか、街への買い出し同行に指名されてしまう。
サルの彼氏とは、最初から犬猿の仲であったから、きつく「手を出すな」とくぎを刺されるが、あっさりサルの誘惑に乗ってしまう。
それも、その買い出し先で、サルと一緒に飲んでいると、以前地図を書き写して渡した男たちに再会してしまい、地図の話をサルに聞かれてしまったからだった。
だがサルは、「地図を渡していた事を黙っている」といい、リチャードが誘惑に断れないようにしたのだった。
そして何事もなかったかのように買い出しから戻る二人だが、何もなかった事には出来なくなっていく。
ビーチでは今度は大人のサメに襲われる事件が起きて、一人は死に、一人も重傷を負っていた。
だが、病院へ行っても襲われた場所を言ってはいけない、というこのコミュニティを守る事の方を重視するサル。
それがいやなら、ここにいろ、とも言う。
とても外に移動できる状態ではない事から、結局病院にはいけないが、家の中でずっとうなされている事から、全員の士気が下がる。
ただ一人心配するのは、フランス人の男だけ。
とうとう、うるさいから、と森の中にテントを張り、何もできない寝たきりの病人を放置する始末。
いつのまにか、その放置のグループに入っているリチャード。
ビーチを楽しむ為にはネガティブな要素は必要ない、のだった。
だが、自分こそ、地図を撒いてきてしまったので、いつしかそのネガティブな要素になるには時間はかからなかった。
地図を手にしたグループがうろつくのをサルが見つけ、リチャードに監視する責任がある、と押し付ける。
1人いつだれが来るかもわからない中、森に居続ける日々が続くと、だんだんとリチャードはおかしくなっていく。
そして、コミュニティが自由だとはいえ、あれをやれこれをやれ、と縛られていた事に気づき、むしろ1人で島にいる、今こそが一番の自由だと思い出す。
だがそれもほとんどおかしな妄想だったが、武装した農民たちを自分の駒にして、また旅人が来たら彼らを利用して追い出せばいい、と考えて、罠を作ったのは現実だった。
ある日、リチャードが地図を渡した男2人が女2人を連れて島にたどり着く。
リチャードの予定どおり、大麻畑に大騒ぎしていると、武装農民に囲まれ、そして、あっさり4人は銃殺される。
それを目の前で見たリチャードはやっと目が覚める。
目の前で死んだ女が手にした、自分が書いた地図を奪う前に気づかれてしまい、森を逃げ、見事罠にかけてなんとか逃げ切るが、農民がコミュニティを襲いに来るのは時間の問題だと思った。
それまで、頭がおかしくなったと思われていたリチャードは、フランス人2人を呼び出し、正気に戻った事を伝え、3人で島を出よう、と訴える。
リチャードの言うことは理解できたが、だが、フランス人男は、サメに襲われて寝たきりになったままの病人を置いてはいけない、と言う。
だったら連れて出ようと、船の用意をさせる間に、リチャードはけが人を窒息死させる。
自分達が生き残る為の判断だった。
だが、結局農民に見つかり、全員コミュニティに連れ戻されてしまう。
そこで、農民のリーダーからサルが「約束したのに、地図をばらまいてる」と責められると、サルはあっさり「地図をばらまいたのはリチャードだ」という。
素直に出て行けば済むところを、サルは出て行きたくはない、と言う。
だったら、と銃に1つだけ弾を入れてこれでリチャードを撃て、と言われ、サルは迷わずリチャードに銃を向ける。
さすがに、そこまでしてコミュニティを守る姿に、全員がどん引きする。
結局、空砲で終ったが、それはコミュニティの解散を決定づけ、ほぼ全員が慌てて引き揚げて行った。
自分のコミュニティから仲間がいなくなる事にショックを受け崩れるサル。
今までは、コミュニティの楽しさを邪魔するものは見えないように始末していたから、皆も気づかないでいたが、やはりサルの異様な執着こそ、おかしいと気づいたのだった。
そして、本当に現実に戻ったリチャード。
パソコンでメールを受け取ると、フランス人の彼女が撮影していたビーチでの写真が添付されていた。
写真が趣味な彼女に、買い出しのお土産でインスタントカメラを贈っていたのだった。
そして「パラレルな宇宙」とメッセージが書いてあった。
それは、二人が惹かれ始めた頃、星空を見ながらリチャードが彼女に話していた内容だった。
星の写真なんて意味ない、という彼氏に気づかれないよう、こっそり写真を撮る彼女に、リチャードは、「このどこかに地球みたいな星があって、そこからパラレルな君がきっと君の写真を撮っている」と。
メッセージの最後には「愛をこめて」とも。
それを見てにやけるリチャード。
現実にこそ、楽園はある、かも。
【かんそう】
ミステリーやスリラーというには、ちょっと違和感を覚えました。
ちょっとミステリーっぽくした青春映画って感じ。
とにかく、若い、って感じがします。
目的なく旅をするのも若者の特権だし、何より、コミュニティの子供っぽさ。
怪我や病人はテンション下がるから、排除って、そもそもコミュニティとして成立させたいなら医療班いないの? っていう。
シンプソンズで漂流しちゃう回とかありますけど、あんなノリですね。
楽しいことだけ妄想して、いえーい、みたいな。
そもそも設定が、子供だましな感じもありますよね。
まず、楽園ですが、現地人が大麻を栽培して暮らしている島なのに、そこで「人増やさなかったら干渉しない」て言って、あいまいに共存してるとか。
あり得ないんですよね。
しかも、大麻の栽培まで許されるって、どんだけ甘いのっていう状況と、農民の武装具合がバランスおかしいでしょ。
島にたどり着く人間撃つ前に、住みついちゃってる事を許すの変。しかも大麻売買のライバルじゃんw
で、かなり「人増やすな」って大雑把な条件で、あっさり3人来ても受け入れちゃうのも変だし。
2、3泊はOKでも、「人増やせないから帰ってくれ」にもならない。
もう少し、何故サルが農民に認められた? のか、の説得力が欲しかったです。
あと、何気に最初は「伝説のビーチ」ってすごい辺境なイメージだったのですが、実際は、簡単に船で行き来できるような近場? なんじゃないのかな? って思えるのも、よくわかりませんでした。
特に、最初の説明では、気ままに仲間も出入りする、というような説明があったと思うのですが、虫歯の男が街の歯医者に行くから許しをくれ、とサルに言うと「ヒミツがばれるからダメ」といって、虫歯を皆で抜く、という。
この時「あれ? そんな厳しい設定だっけ?」と。
で、その後の買い出しでは、お米を買いに行くのに、女性のサルとご指名のリチャード2人だけで、しかもリチャードは行くとなったら住民からお使いをいっぱい頼まれて。
その内容は何カ月分の生理用品とかの雑貨類が主なんですけど、そんなお土産ノリで手に入れないといけないような環境で、よくサイコー! なんて生活になってるなぁ・・・、とか。
しかも、その買い出しも定例というよりは、アクシデントで、だったので、もし買い出しに行く事がなかったらどうするんだろう・・・とか。
なんかほんと、子供の妄想みたいな集団生活にしか思えないのでした。
そしてそんな大荷物でしょぼいボートで海に出る時点で、秘密の場所も何もなさそうな・・・と思ってしまったのでした。
最後のほっこり、ラブストーリーみたいな終わり方は、まあディカプリオ作品だからかなー、とは思います。
やっぱりあんまりディカプリオって何を見ても「ディカプリオ!」って感じがしちゃうのですけど・・・。
「ギルバード・グレイプ」以外。
特に、こういったダークな感じのドラマだと浮いてるような気がしました。
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