2016年4月6日水曜日

モネゲーム



モネ・ゲーム 【DVD】

2012年作品
コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、スタンリー・トゥッチ

あらすじ:美術品好きなメディア王ジャバンダーの元でキューレターとして働くハリーは、雇い主であるジャバンダーの横暴さに耐えかねていた。

その恨みを晴らす為に、ジャバンダーを詐欺にかけて大金をいただく作戦を計画する。

それはジャバンダーの大好きなモネの贋作を売りつける事だった・・・。


毒っ気のない詐欺コメディ。

【おはなし】

雇い主のジャバンダーは、モネの作品が大好きで、過去にオークションで日本のメディア王と競り合いに勝ち、「積み藁・夜明け」を所有していた。

その作品には対となる「積み藁・夕暮れ」が存在するのだが、当然それも所有したいと思っている。

キューレターであるハリーは、そのジャバンダーの気持ちを利用し、贋作で詐欺にかける計画を立てた。

仲間は、
少佐と呼ばれる贋作作家。
そして、夕暮れの所有者として、カウガールのPJ(キャメロン・ディアス)が選ばれた。

明るく純粋なPJは、詐欺仲間になるが、ハリーのコントロール下にはなかなか収まらない。

だが、そここそがPJの魅力で、少佐ともども、ターゲットのジャバンダーさえも、PJのノリに巻き込まれていく。

そんな中、PJはハリーから聞いていたジャバンダーの印象と本人が違う事を知り、またハリーこそジャバンダーから「使えない奴」と言われすでにクビにすることを決めていると聞いてしまう。
絵の鑑定は別の新たなキューレターにやらせる、と言われ、贋作がばれて計画が上手くいくはずないと思ったPJはハリーに辞退する事を告げる。

だが、最初はハリーのクビについては気を使って言わなかったが、何もかもが勘違いしているようなハリーの発言に、ついその事実を言う。

それでもハリーはめげずに、後釜キューレターに、「会社は倒産間近だ」という偽の情報を流したりして、計画を進めようとする。

そんな想いが通じたのか、PJも再び協力を約束し、作戦としてはハリーの思い通りにはならないが、PJとジャバンダーが意気投合したおかげで、贋作をジャバンダーに見せる機会を得る。

それは、ジャバンダーの屋敷のパーティーで、そこには、ジャバンダーが取引中で、過去には「夜明け」で競り勝った日本のメディア社も呼んでいた。
その会社と取引きはしたいが、過去の一見からどうも難航していたのだが、PJの機転でパーティーで打ち解けたほうがよい、と言われ納得したのだった。

パーティの最中、ジャバンダーのコレクションルームに入り贋作と本物を並べて見るハリー。
周囲を確認すると監視カメラがないので、思わず本物のモネを壁から外してみる。

すると、実はジャバンダーが仕込んでいたセキュリティが作動しているが、それに気づかない。

パーティー会場では、PJがジャバンダーに「ハリーは絵を見に行った」というと、「そんなバカをする奴はいない。あそこには特性のセキュリティが仕掛けてあるんだから」と言われ、ハリーを助けに行く。

それはライオンで、ハリーはまさにモネを持ったまま狙われていたが、カウガールの本領発揮で、ライオンの足を紐でしばって、助ける事に成功する。

そして、騒ぎを知ったジャバンダーからクビを宣言されるハリー。
鑑定の時を迎えるが、そこで嘘情報で消したはずの、新しいキューレターが登場する。

もはや計画は無駄で終ると思ったが、そのキューレターは贋作に対して「見事な本物だ」と判断をする。

ほっとするPJと裏腹に、ハリーはあえてその作品が贋作であることを言い出す。

立場が逆転、その場を去る新キューレターに対して、「見抜く目があるとは」と再び雇われるハリーだが、当然断る。
そして、贋作を持ってきたという事から態度を一変させるジャバンダーに、PJもタンカを切って去る。

結局、計画はうまくいかなかったが、故郷に帰るPJを見送る二人。

空港にはもう一組、二人を待っていた。

それは、ジャバンダーの取引先の日本人メディア王で、実は彼らこそが、ハリー達の依頼人で、かつて競り負けた「夜明け」をジャバンダーの屋敷から盗むのが今回の真の作戦だったのだ。
ハリーは、贋作と本物をすり替えていたのだった。

PJは、すべてを知らされておらず、詐欺で大金を得るという計画は失敗に終わったと信じているがが、手荷物検査の時に自分のバッグに小さな額縁が入れられているのに気付く。

ハリーが貯金をはたいて所有していたという小さな絵だった。

ハリーの全財産のような絵を渡された事から、何か気づくかもしれない・・・。

【かんそう】

コリン・ファースのダメな感じが、コメディの要で、面白さと同時に、その隙で見ている方も詐欺にかかります。

最後に落ちがあるなんて、思いもしないで、どちらかというとハリーという人間の成長ドラマなのかな、と思ったり。

とにかく、毒っ気がない上、大人ばかりの出演者ですが、お色気シーンもほとんどなく、安心して見られる作品でした。

1回だけ、思わず声に出して笑ってしまったところがあったんですが、なんだったか忘れた・・・。

コメディも比較的品を保っていて、お下品寄りなネタも舞台が高級ホテルサヴォイだったりするので、そのアンバランス感も効いていました。

特に好きなのは、お金もないのに、ジャバンダーの手前サヴォイに宿泊しないとヤバイ、となってカウガール姿のキャメロンとなぜか股間を湿らせたスーツでカウンターに行くのですが、そこでコメディ王道の誤解される会話が展開されて、少佐がハリーの股間だとホテルマンに勘違いされます。

最初こそ、怪しい売春婦とリーマンの組み合わせかと思われる組み合わせなんですが、最後にはハリーがホテルから花瓶を盗もうとして、これまたコメディ王道な展開で、うまく持ち出せず、窓から出る羽目になるのですが、その道中スーツのボトムを失い、ジャケットに下着姿でホテルをうろうろします。

それを、少佐を誤解しているホテルマンがあちこちで見かけ、まるでハリーがやり手の男娼? のように。

ホテルを清算する時には、いよいよ「少佐の調子はどうですか?」なんて聞かれる始末。
それでも、まるでアンジャッシュのコントのように「(なんでこいつら少佐を知ってるんだ?)あ? 元気だけど?」
と会話が成立してしまう。

最初は金なさそうなきもいサラリーマンが、最後ホテルを下着姿で去る時は「彼はすごい・・・」と尊敬のまなざしで見送られるように。

で、そんなハリーを観客も見ていますから、まさか、しっかり大きな計画を動かしていた、と少しびっくりします。

でも、そもそも詐欺の映画と思ってみてますから、驚きはあくまで少し・・・なんですけどね。

そんな感じを含めて、ライトで楽しめるんですけど、登場人物が、大人ばかりの割に、シゲキが少なすぎて、若干退屈と言えなくもないのが惜しい所です。

キャラ的には、語り部でもあった少佐(贋作担当)が良かったです。

あまり登場頻度が高くはないのですが、贋作の才能がすごいですし、淡々と詐欺をしていて、冷静で、彼が一番詐欺師としても才能あるような感じでした。

日本人に渡した絵も、もしかしたら贋作ではないのか・・・と思いたくなるくらい。


ただ、そもそもの計画というのが、

「ジャバンダーに贋作を売りつけ、さらに本物と贋作をすり替える」

だったのか、

最初から、ジャバンダーをぎゃふんと言わせるために「贋作でした」も予定されていた事なのか、は1回見ただけでは良くわかりませんでした。

キャメロンはただ利用された、と思うとすごいやり手なんですけど、それがジャバンダーから評価されていないハリーというのが、ちょっと釣り合わない感じで、ここは、「贋作を売りつけたかったけどそれは失敗した」と思った方がいいのかな、と思いました。



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