2016年4月23日土曜日

モールス

公式サイト→(音が出ますので注意)



モールス/クロエ・グレース・モレッツ[DVD]

リメイク

コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ、イライアス・コティーズ、リチャード・ジェンキンス

あらすじ:学校でいじめられる男の子。隣に越してきたのは、訳のありそうな雪なのに裸足の女の子。
「友達にはなれない」といきなり言われるが、次第に孤独を埋めあうように接近していき・・・。




連続猟奇殺人、というキーワードでサスペンスかなーと思いきや、結構なホラーでした。

しかも、現代版「ポーの一族」ミーツ妖怪話しといった感じ。

【おはなし】

80年代のニューメキシコ。

1人の男が硫酸を被って搬送される所から始まる。
警察は、悪魔崇拝の儀式かカルトかと目をつけるが、病院に運ばれると、身元不明のまま窓から落ちて死んでしまう。
「アイムソーリー アビー」というメモを残して。

その2週間前から物語は始まる。

母親は離婚協議中のようで、父親不在で暮らす少年、オーウェン。
学校では少しなよっとしているせいか、いじめのターゲットにされていた。
その少年の隣の部屋にある家族が越してくる。
少年同様、片親らしく、父と娘の2人だけだった。

しかも、その少女アビーは、雪が降る中だというのに、裸足で歩いており、悪臭がする事も。

訳有りなのは間違いないが、初対面で「友達になれない」と突き放してもいた。

だが、オーウェンにもいじめられているという訳があったせいか、言葉とは裏腹に2人はどんどん距離を縮めていく。

そんな中、アビーの父親が猟奇殺人を起こす。

黒いゴミ袋を被り、顔を隠して他人の車にこっそり忍び込んで、後ろから襲う。
そして、被害者をさかさまにして木に釣るし、血を抜くのだった。
だが、集めた血の入ったボトルを持ったまま、雪で足を滑らせ転んでしまう。
当然、血は流れてしまい、通り過ぎるパトカーに見つかりそうになっていた。

家に戻ると、アビーが罵声を浴びせていた。

その声は、隣の部屋のオーウェンにもはっきりとではないが、聞こえていた。

安アパートのせいか、音が漏れているのだった。
これがきっかけでオーウェンは、アビーとモールス信号を使って壁つたいに会話をするようになる。

翌朝、被害者は卒業生だったという事で、オーウェンの学校に警察が来る。

アビーに会うと、アビーはルービックキューブも知らず、学校にも行っていない事がわかる。

そして、とうとうアビーは近所に住むマッチョを襲って首に食らいつき血を吸うのだった。

その死体は父親が川に流して処理をした。

血を吸って落ち着いたのか、アビーは靴を履き、オーウェンと出かけるまでに。

そこで、オーウェンの好きなガム? をすすめられるが、食べた事ないといいつつ、口にして、すぐに吐き出してしまう。

父親はまた狩りに出かける。

しかし、今度は忍び込んだ車に、もう1人乗ってきてしまう、というトラブルが発生する。

ガソリンスタンドに立ち寄った際に運転手が下り、助手席の男がライターを取ろうとバックシートを見た時に、忍びこんでいた父親に気づく。
そこでもみ合いになりながら、なんとか車を走らせ逃亡を図るが、途中で道を外れ崖に落ちてしまう。

運転手らが追ってきているのはわかっていたから、持参した硫酸をあえて被って、身元がバレないようにした。(冒頭のシーンにつながる)

そして、ラジオでニュースを聞き、病院を訪ねるアビー。

だが、面会を断られると、10階の病室まで外壁をよじ登って父親に会いに行く。

硫酸で口も利けなくなっていた父親は最後にアビーに自分の血を飲ませると、そのまま窓から落下し命を絶った。

オーウェンは、学校で凍った湖に行くが、またいじめ軍団に囲まれていた。

そこで、アビーに「やられっぱなしはダメ。やりかえさないと」と言われていた影響で、「やれるものならやってみろ」と言われ、ホッケーのスティックで殴り、1人の子の耳を大きく切ってしまう。

泣きわめく男子に先生が気づくが、同時に別の方向から悲鳴が沸く。

凍った湖から死体が発見されたのだった。

それは近所のマッチョの死体だったようで、オーウェンの住むアパートに警察が来る。

アビーの言うとおりに、やり返した事で少しドヤ顔なオーウェン。

父親を亡くし1人になったアビーは、さらに接近し、2人きりになると、オーウェンは持っていたナイフで自分の指を切り、「誓いを交わそう」という。

だが、アビーは血を見て思わず我を忘れそうになる。

そのままオーウェンの元を離れるが、その勢いで、近所の夫婦が散歩から戻る際に、女性を襲ってしまう。

なりふり構わず首にかぶりつくが、夫に追われ、そのまま逃げる。

当然、騒ぎを感じたオーウェンは、「ヴァンパイアなの?」とアビーに尋ねるが、何も答えない。

ただ、「永遠の12歳であること」「死んだ男は父親ではない」(男が子供の頃にアビーと一緒に移ってる写真もあった)などがわかった。

そして今になって「だから友達にはなれないっていったじゃない」と言うアビー。

その頃、病院では、襲われた妻は命をとりとめていたが、輸血が進むとヴァンパイア? 化したようで、自分で自分の血を吸い、そして自然発火してしまう。

いよいよ警察はアビーの家にたどり着く。

その日は、前日からオーウェンが泊まっていた。

アビーには、「招き入れてもらわないと、血が頭から噴き出してしまう」という特徴もあり、2人の間ではお互いの領域に入る時には「お入りください」というような会話がなされていた。

もうすっかり自分の正体を隠さないで済むと感じたアビーは、オーウェンが眠る床に、古いパズルとメモを残していた。

「バスルームにいます。夜になったらまた会いましょう」

と。

警察に見つからないように、隠れたオーウェンだったが、そのメモを見た警官は、バスルームへ行く。

真っ暗な中、バスタブにも布がかぶされていたが、その中にはうずくまって寝るアビーがいた。

警察が、窓をふさぐものを外し、陽の光が入ると、途端に光に触れたアビーの肌は陶器のようにヒビが入った。

そこへ思わずアビーを助ける為に入ってしまったオーウェン。

アビーは反撃し、警官の血を吸う。

さすがに、このままでは無理だと思ったのか「ここを離れるね」といい、夜アパートを出るアビー。

オーウェンは学校へ行くと、いじめ軍団がその兄を連れて、耳のケガの復讐をしてくる。

プールを閉鎖して、オーウェンをおぼれさせるのだが、その寸前で、プールが血の海になっていく。

アビーが助けに来て全員を殺したのだった。


そして、オーウェンは1人で列車に乗っている。

大きなトランクを持って。

そのトランクにノックをすると、中からもそれに応える。

おしまい


【かんそう】

クロエちゃんは、ありがちですが「キック・アス」で初めて知りましたが、




美人さんですが、こういった訳有りの役が本当にはまりますね。

本作も、クロエちゃんじゃなかったら大分印象違ったと思います。

もちろん、マイナスな感じで。

男の子が、いじめられつつ歪んでいきそうな感じが、すごいはまってて、逆にちょっと怖くて、同情できない、というか、冒頭はミスリード狙ってる感じもしたんですよね。

家の中で、裸になってナイフ持って鏡を見てひとりで遊んでて、そして隣近所を望遠鏡で覗き見している。

この子が、どう考えても犯罪者予備軍じゃん、と。

でも、どちらかというとそうなってもおかしくない環境で、実はがんばって踏みとどまる良い子、で、アビーとの出会いが、むしろ暴力に向かわせていっていたり。

悪影響、なんですよね。

だけど、アビーはそもそも人間ではないから、人間の感覚で計っても意味なくて、ピュア・ラブみたいな感じにはまったく思わなかったです。

昼間には出歩けない事から自給自足は難しいのかな?

アビーはすごい力持ちでまあ、人間じゃないんで・・・、自給自足もできそうなのに、側近に血を集める係をさせていた。(周囲にしてみたらお父さんと思っていた男)

まあ、「ポーの一族」に当てはめるなら、子供だけだと周囲から怪しまれる、というのもあるでしょうね。

しかも、アビーは成長しないのだから、永遠に同じ場所にはとどまれない。

ロマンがないとは思いますが、オーウェンの隣に来たのは、次の側近候補として最初から選ばれたんじゃないかなー、と思いました。

アビーを好きになり、社会と断絶しても構わないような存在。

オーウェンは、最初からぴったりなんですよね。

そして、男はすでに老いていて、血を集めるのもままならなかった。アビーとの生活にも疲れていました。
過去にはオーウェンと同じような蜜月が会ったんだとは思います。
2人のセピア色の写真、メガネをかけて冴えない男と綺麗なアビーの笑顔から、それがわかりました。
でも、老いた少年に対するアビーの態度は、その写真の関係とは明らかに違う気がします。
「そこ使うからどきな」とか。


結局劇中で、アビーの正体に名前がつけられることはなかったのですが、「お入りください」と言われないと血が出ちゃう、みたいな設定は、日本でいうところの「座敷童」とかの伝承に近い感じもして、そういう外国ではポピュラーな妖怪? とかがいるのかなーと思いました。

主人公も子供ですから、若干豪華な「学校の怪談シリーズ」って感じもしました。

いかにも、連続殺人、シリアルキラーってノリでひっかけてましたけど、それはちょっとやらしいな、と思いました。

「モールス」という邦題は、わからなくはないですけど、良く思わせ過ぎるような。

オーウェンも使い古されて、最後はまた次のオーウェンを探すだけですからね。

アビーも孤独なんでしょうけど、死んだ男に対する態度を見ると、その孤独さよりも、次のパートナーを見つける為の姑息さのほうが目立ってしまうんです。

なので、そんなにアビーが孤独で云々、というのはなかったりして、宣伝文句かなーと思ってしまうのでした。



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