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モールス/クロエ・グレース・モレッツ[DVD]
リメイク
コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ、イライアス・コティーズ、リチャード・ジェンキンス
あらすじ:学校でいじめられる男の子。隣に越してきたのは、訳のありそうな雪なのに裸足の女の子。
「友達にはなれない」といきなり言われるが、次第に孤独を埋めあうように接近していき・・・。
連続猟奇殺人、というキーワードでサスペンスかなーと思いきや、結構なホラーでした。
しかも、現代版「ポーの一族」ミーツ妖怪話しといった感じ。
【おはなし】
80年代のニューメキシコ。
1人の男が硫酸を被って搬送される所から始まる。
警察は、悪魔崇拝の儀式かカルトかと目をつけるが、病院に運ばれると、身元不明のまま窓から落ちて死んでしまう。
「アイムソーリー アビー」というメモを残して。
その2週間前から物語は始まる。
母親は離婚協議中のようで、父親不在で暮らす少年、オーウェン。
学校では少しなよっとしているせいか、いじめのターゲットにされていた。
その少年の隣の部屋にある家族が越してくる。
少年同様、片親らしく、父と娘の2人だけだった。
しかも、その少女アビーは、雪が降る中だというのに、裸足で歩いており、悪臭がする事も。
訳有りなのは間違いないが、初対面で「友達になれない」と突き放してもいた。
だが、オーウェンにもいじめられているという訳があったせいか、言葉とは裏腹に2人はどんどん距離を縮めていく。
そんな中、アビーの父親が猟奇殺人を起こす。
黒いゴミ袋を被り、顔を隠して他人の車にこっそり忍び込んで、後ろから襲う。
そして、被害者をさかさまにして木に釣るし、血を抜くのだった。
だが、集めた血の入ったボトルを持ったまま、雪で足を滑らせ転んでしまう。
当然、血は流れてしまい、通り過ぎるパトカーに見つかりそうになっていた。
家に戻ると、アビーが罵声を浴びせていた。
その声は、隣の部屋のオーウェンにもはっきりとではないが、聞こえていた。
安アパートのせいか、音が漏れているのだった。
これがきっかけでオーウェンは、アビーとモールス信号を使って壁つたいに会話をするようになる。
翌朝、被害者は卒業生だったという事で、オーウェンの学校に警察が来る。
アビーに会うと、アビーはルービックキューブも知らず、学校にも行っていない事がわかる。
そして、とうとうアビーは近所に住むマッチョを襲って首に食らいつき血を吸うのだった。
その死体は父親が川に流して処理をした。
血を吸って落ち着いたのか、アビーは靴を履き、オーウェンと出かけるまでに。
そこで、オーウェンの好きなガム? をすすめられるが、食べた事ないといいつつ、口にして、すぐに吐き出してしまう。
父親はまた狩りに出かける。
しかし、今度は忍び込んだ車に、もう1人乗ってきてしまう、というトラブルが発生する。
ガソリンスタンドに立ち寄った際に運転手が下り、助手席の男がライターを取ろうとバックシートを見た時に、忍びこんでいた父親に気づく。
そこでもみ合いになりながら、なんとか車を走らせ逃亡を図るが、途中で道を外れ崖に落ちてしまう。
運転手らが追ってきているのはわかっていたから、持参した硫酸をあえて被って、身元がバレないようにした。(冒頭のシーンにつながる)
そして、ラジオでニュースを聞き、病院を訪ねるアビー。
だが、面会を断られると、10階の病室まで外壁をよじ登って父親に会いに行く。
硫酸で口も利けなくなっていた父親は最後にアビーに自分の血を飲ませると、そのまま窓から落下し命を絶った。
オーウェンは、学校で凍った湖に行くが、またいじめ軍団に囲まれていた。
そこで、アビーに「やられっぱなしはダメ。やりかえさないと」と言われていた影響で、「やれるものならやってみろ」と言われ、ホッケーのスティックで殴り、1人の子の耳を大きく切ってしまう。
泣きわめく男子に先生が気づくが、同時に別の方向から悲鳴が沸く。
凍った湖から死体が発見されたのだった。
それは近所のマッチョの死体だったようで、オーウェンの住むアパートに警察が来る。
アビーの言うとおりに、やり返した事で少しドヤ顔なオーウェン。
父親を亡くし1人になったアビーは、さらに接近し、2人きりになると、オーウェンは持っていたナイフで自分の指を切り、「誓いを交わそう」という。
だが、アビーは血を見て思わず我を忘れそうになる。
そのままオーウェンの元を離れるが、その勢いで、近所の夫婦が散歩から戻る際に、女性を襲ってしまう。
なりふり構わず首にかぶりつくが、夫に追われ、そのまま逃げる。
当然、騒ぎを感じたオーウェンは、「ヴァンパイアなの?」とアビーに尋ねるが、何も答えない。
ただ、「永遠の12歳であること」「死んだ男は父親ではない」(男が子供の頃にアビーと一緒に移ってる写真もあった)などがわかった。
そして今になって「だから友達にはなれないっていったじゃない」と言うアビー。
その頃、病院では、襲われた妻は命をとりとめていたが、輸血が進むとヴァンパイア? 化したようで、自分で自分の血を吸い、そして自然発火してしまう。
いよいよ警察はアビーの家にたどり着く。
その日は、前日からオーウェンが泊まっていた。
アビーには、「招き入れてもらわないと、血が頭から噴き出してしまう」という特徴もあり、2人の間ではお互いの領域に入る時には「お入りください」というような会話がなされていた。
もうすっかり自分の正体を隠さないで済むと感じたアビーは、オーウェンが眠る床に、古いパズルとメモを残していた。
「バスルームにいます。夜になったらまた会いましょう」
と。
警察に見つからないように、隠れたオーウェンだったが、そのメモを見た警官は、バスルームへ行く。
真っ暗な中、バスタブにも布がかぶされていたが、その中にはうずくまって寝るアビーがいた。
警察が、窓をふさぐものを外し、陽の光が入ると、途端に光に触れたアビーの肌は陶器のようにヒビが入った。
そこへ思わずアビーを助ける為に入ってしまったオーウェン。
アビーは反撃し、警官の血を吸う。
さすがに、このままでは無理だと思ったのか「ここを離れるね」といい、夜アパートを出るアビー。
オーウェンは学校へ行くと、いじめ軍団がその兄を連れて、耳のケガの復讐をしてくる。
プールを閉鎖して、オーウェンをおぼれさせるのだが、その寸前で、プールが血の海になっていく。
アビーが助けに来て全員を殺したのだった。
そして、オーウェンは1人で列車に乗っている。
大きなトランクを持って。
そのトランクにノックをすると、中からもそれに応える。
おしまい
【かんそう】
クロエちゃんは、ありがちですが「キック・アス」で初めて知りましたが、
美人さんですが、こういった訳有りの役が本当にはまりますね。
本作も、クロエちゃんじゃなかったら大分印象違ったと思います。
もちろん、マイナスな感じで。
男の子が、いじめられつつ歪んでいきそうな感じが、すごいはまってて、逆にちょっと怖くて、同情できない、というか、冒頭はミスリード狙ってる感じもしたんですよね。
家の中で、裸になってナイフ持って鏡を見てひとりで遊んでて、そして隣近所を望遠鏡で覗き見している。
この子が、どう考えても犯罪者予備軍じゃん、と。
でも、どちらかというとそうなってもおかしくない環境で、実はがんばって踏みとどまる良い子、で、アビーとの出会いが、むしろ暴力に向かわせていっていたり。
悪影響、なんですよね。
だけど、アビーはそもそも人間ではないから、人間の感覚で計っても意味なくて、ピュア・ラブみたいな感じにはまったく思わなかったです。
昼間には出歩けない事から自給自足は難しいのかな?
アビーはすごい力持ちでまあ、人間じゃないんで・・・、自給自足もできそうなのに、側近に血を集める係をさせていた。(周囲にしてみたらお父さんと思っていた男)
まあ、「ポーの一族」に当てはめるなら、子供だけだと周囲から怪しまれる、というのもあるでしょうね。
しかも、アビーは成長しないのだから、永遠に同じ場所にはとどまれない。
ロマンがないとは思いますが、オーウェンの隣に来たのは、次の側近候補として最初から選ばれたんじゃないかなー、と思いました。
アビーを好きになり、社会と断絶しても構わないような存在。
オーウェンは、最初からぴったりなんですよね。
そして、男はすでに老いていて、血を集めるのもままならなかった。アビーとの生活にも疲れていました。
過去にはオーウェンと同じような蜜月が会ったんだとは思います。
2人のセピア色の写真、メガネをかけて冴えない男と綺麗なアビーの笑顔から、それがわかりました。
でも、老いた少年に対するアビーの態度は、その写真の関係とは明らかに違う気がします。
「そこ使うからどきな」とか。
結局劇中で、アビーの正体に名前がつけられることはなかったのですが、「お入りください」と言われないと血が出ちゃう、みたいな設定は、日本でいうところの「座敷童」とかの伝承に近い感じもして、そういう外国ではポピュラーな妖怪? とかがいるのかなーと思いました。
主人公も子供ですから、若干豪華な「学校の怪談シリーズ」って感じもしました。
いかにも、連続殺人、シリアルキラーってノリでひっかけてましたけど、それはちょっとやらしいな、と思いました。
「モールス」という邦題は、わからなくはないですけど、良く思わせ過ぎるような。
オーウェンも使い古されて、最後はまた次のオーウェンを探すだけですからね。
アビーも孤独なんでしょうけど、死んだ男に対する態度を見ると、その孤独さよりも、次のパートナーを見つける為の姑息さのほうが目立ってしまうんです。
なので、そんなにアビーが孤独で云々、というのはなかったりして、宣伝文句かなーと思ってしまうのでした。
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