2016年2月17日水曜日

数に溺れて


数に溺れて ≪無修正HDリマスター版≫ 【DVD】

1988年作品
監督ピーター・グリーナウェイ
バーナード・ヒル、ジョアン・プロウライト、ジュリエット・スティーヴンソン、ジョエリー・リチャードソン、ブライアン・プリングル

あらすじ:母娘三世代、同じ名前を持つ女性達にかかわる男達は、彼女達に溺れるように、実際に溺れて死んでしまう。

同時に、1から100までカウントされ続けていく。




数字をちりばめる、というアイデアは面白いと思うし、グリーナウェイの撮影センスとの相性も良いと思いますが、いよいよ何が目的なのかよくわからなくなってきました。

もともと、理解が出来る類の作品を作る人ではないですが、歳を取って丸くなるのではなく、どんどんやりたい放題になっていくような感じでしょうかね。

まあ、凡人には突き放し感が強まってきているなぁ、と思いました。

これまでは勝手な妄想込みでも、なんとなく自分の中での落としどころを見つけられていたのですが、本作は、なんか「数字やりたいな」とかそんな軽い感覚なんじゃないかな、と疑ってしまえる程とっかかりがありません。

数字と死、というゲーム。

わかるようでわからない。

ただ映像は相変わらず凝っていて、見応えはあるので、なおさら理解ができない寂しさを感じもします。

まず、祖母、母、娘で同じ名前を持つ三人の女性が主人公なのですが、ここに込められた何かに気づく事ができません。

三人の女性といえば、チャーリーズ・エンジェルズ、チャームドやグライアイ(タイタンの戦い)などの魔女もの、がパっと浮かびますが、姉妹ではなく、縦の血縁関係っていうのは、アレンジなのか、何か別の意味があるのか。

どうしても女性が強く描かれる、というとペドロ・アルモドバル作品を思い出すのですが、三世代というのも、ペドロっぽいですね。

やっぱりただのドラマなのでしょうか。

あと、この作品が遠く感じるのには、実は私が泳げない、という理由もありますw

溺れるのって一番怖いので、あんまり見たくないですね~。


むりくり何かをこじつけるなら、水というのは、生命の源であり、人間が生まれる場所でもありますよね。

あえて、生まれた時と同じ環境で死を迎えさせるというのが、一貫したテーマ「メビウスちっく」になっているといえば、なっている。

でも、だからといって、この作品からは、「生をエンジョイしよう!」なんていうような気力はもらえず、殺しても問題ないような男にしか出会えていないという女性達の不幸のほうが、気になってしまう凡人なのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...