2016年2月26日金曜日

鳥(ヒッチコック)


アルフレッド・ヒッチコック 鳥 DVD

1963年作品
監督アルフレッド・ヒッチコック
ティッピ・ヘドレン、ロッド・テイラー
原作あり

あらすじ:ある日突然、鳥が人間を襲い始める!

そのタイミングと一人の女性の訪れが同時だったことから、魔女呼ばわりされるが・・・。




TVで見ました。

小さい頃に、親が見ているのを横目で見た記憶があります。

その存在は、あまりにも有名ですし、「鳥」というタイトルとその知れ渡っている内容から、あえて見ようとは思っていませんでしたが、TVでやっている事で「そういえば結局どういう話なんだろう」と、知ってるようで知らない事に気づきました。

ヒッチコックといえば、少し前に

アンソニー・ホプキンスの「ヒッチコック」を見ていました。


本作の最後に「サイコ」を超えるヒットはなかった、という一文があったと思います。

この「鳥」は「サイコ」の次の作品なんですね。

Wikiによると、日本ではサイコ以上のヒットだとか。当時は、こういったパニック映画は珍しかったんでしょうね。
それと、主に鳥の特撮も。

とはいえ、「サイコ」と比べなくても、「鳥」は時代のなせる技、という感じがしてしまいますね。

特撮は、今となっては何がすごかったのかなど、わかりませんが、今見てもあまり違和感ないのは凄い事なんだろうな、とは思います。
でも、一般的にはそういう見方ってあまりしない・・・ですよね。
私は、しょぼかったらそれに気づきますけど、そうでもないのは逆に気にならないんですよね。
すごいかどうか、が素人にはそもそもわからない。

まあ、バリバリ合成みたいなのは、この時代の味わいですから、しょぼい、とはちょっと違う判定です。

単なる好みでもありますが、鳥が襲って怖い! っていうだけだと、ドラマ的に物足りなさを感じてしまいました。

さらに、鳥と人間ドラマの因果関係っていうのも、ほとんどない・・・んですよね。

鳥が人を襲う事と、この映画で進んでいく人間ドラマがほとんど関連なく思える。

というのも、

まず、冒頭は、ヒッチコックでは珍しくはありませんが、ボーイミーツガールで始まる。

場所も鳥のペットショップなので、何か鳥がらみの問題でも発生するのかと思いきや、ほんとうにたまたま鳥のペットショップだっただけ。

しかも、BGMがないのは狙いとしていいのですけど、鳥のさえずりが、終始うるさいんですw

そのせいであまり集中できないくらい。

そこで「うるさいー」って暴れて鳥をいじめて、鳥に仕返しされる・・・とかもなく。

よくわからないのですが、主人公の美人なお嬢様は、いたずら好きのようで、以前とんでもない事をしていた。
その担当弁護士? がお嬢様をつけてきて、ペットショップで接触してきた。

という・・・。

ストーカー??

だけど、一応美男美女? お嬢様も、「何よアイツ!」と言いながらも、気になって逆ストーカーで、一度会っただけの男の名前や住所を独自調査で突き止める・・・。

こっちのほうが見てて恐ろしかったです。

個人情報ダダ漏れ。

しかも、お嬢様、相手はサンフランシスコから遠い所に住んでいるにもかかわらず、車飛ばして自宅に不法侵入します。

何の目的があってそこまでするのか!?

かなり、過激ですが、ただのラブストーリーなんですよね。

でも、そこから突然、不法侵入後、ずらかる為にボートをこぐお嬢様がカモメに襲われ流血します。

侵入された男も気づいて、お嬢様を港で待ちうけていて、本当なら、「不法侵入を責める」所ですが、それどころではありません。

このシーンの為に今までがすべて伏線!?

血を流した女性を介抱する為に、二人は急接近、となります。


そして、二人は男性の地元で親しくなっていきますが、その進行と並行して、鳥達はどんどん人間を襲うようになります。

男性は、干渉が強めな母親、歳の離れた妹と暮らしていますが、そんなちょっとややこしい家庭にも、お嬢様はすんなり入り込んでいきます。

こういう時、世間知らずのお嬢様はかえって強いですね。

その近所には、男性の元カノが住んでいますが、その元カノの家にも偶然とはいえ押しかけて、ちゃっかり友達になりますし。

でも、可哀相な元カノは、男性のファミリーに入れなかった事が象徴するように、あっさり鳥の餌食? となり死んでしまいます。

途中、あらすじにも書いたように、町の人がお嬢様に向かって「あんたが来たらおかしくなった! 魔女め!」みたいな事を言うんですね。

いよいよヒッチコック的な何かがあるのか? と思いきや、単なるヒステリーなんですね。

まあ、この辺は「鳥も怖いけど人間も怖いよね」っていうお約束かな、と思います。


結局、お嬢様はボロボロになりつつ、男性が助ける為に町を離れる・・・

というシーンで終るのですが、そこでふと気づいたのは、ほとんど「ウォーキングデッド」なんですよね。まあ、ウォーキング・デッドはゾンビなんかより、人間のほうが怖いよね、っていうお話しが強めですが、人間が人間じゃないものに町を支配されて、移動していく、という感じは、同じだなーと思いました。

こちらは、人間ってやりたい放題してると、いつか何かに鼻折られるぞ、という警告色の方が強いですね。

これも時代かな、と思います。かなり大雑把ですが、「鳥」を現代に発展させたのが「ウォーキングデッド」みたいな。原点、って感じ。

でも、見ながらにしてそんなテーマを考えたり、感じ取れたりするのか、と言えばそんな事はまったくなかったので、最後の最後まで「これは・・・いったいなんなんだろう」という疑問はありました。

何もない、ただのパニック映画って言ってもおかしくはないくらい。

だけど、ヒッチコック的な「ボーイミーツガール」と「複雑な母息子」はヒッチコックぽいな~って感じでした。
とはいえ、セルフ・パロディの範囲でしかないんですけどね。
ちょうど「サイコ」の次、というのがなおさらそう思えました。



バービー ヒッチコック 「鳥」 L9633 (ブラックラベル)マテルフィギュア・コレクタードール【送料無料】

鳥仕様のバービーまでありました。

ヒッチコックと、本作が愛されているのがわかりますね。

バービーは一時期少し欲しいものだけ買っていましたが、これはなかなかマニアックなチョイスだと思いますが・・・。

バービーの立ち位置としては、かなり異色じゃないですかね?

襲われてるって・・・。

これを飾ってどういう気分になればよいのか。


でも正直、鳥がここまで愛される理由は、映画を見ても、凡人にはわかりません><

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...