2016年2月22日月曜日

ピーター・グリーナウェイの枕草子


【VHS】【中古】ピーター・グリーナウェイの枕草子 [字幕][中古ビデオレンタル落]

1996年作品
監督ピーター・グリーナウェイ
ビビアン・ウー、緒形拳、ユアン・マクレガー、ジュディ・オング、吉田日出子

あらすじ:書をたしなむ一家に生まれた女性だが、紙ではなく、人間の身体に書くのが好き、という性癖があった。

ある日、性癖を含めてぴったりと合う男性に出会った。

だが、その男は、その魅力から他の男の愛人でもあった。

しかも、その相手の男は、女性の父をも権力で愛人にされていた天敵の変態おやじ。

ショックで、恋人とは別れるが、恋人は女性に捨てられたショックから誤って命を落としてしまう。

それだけでも、女性にとってショックの上塗りだというのに、天敵は墓荒らしをして死体を掘り出してしまい・・・。




あらすじを書いていて、とんでもないBLがあったもんだ、と改めて思いました。

こちらも大きな声では言えないですが、まったく記憶になかったです。

人様の感想などを読ませていただいて、「あーそんなんだったかも」とうっすらよみがえる部分はありましたけど、あまりにひどいと記憶から抹消するんですね・・・。
人間ってすごい。
というか、私が都合が良いだけかもしれません><

ただすごく覚えているのは、久々のグリーナウェイだ、という事で映画館に行ったのですが、なんと珍しく普段映画を一緒に見に行く友達ではなく、職場の人と行ったんです。

グリーナウェイの作品を見たい、なんていう人がいるからちょっとうれしくなったんだと思います。
(今思えば、トレイン・スポッティングのユアンのせいだったのかも・・・)

それで、すごく見終わった後に「気まずい」空気が流れた事だけは覚えていました。

それが、肌色シーンが多い事なのか、それともBL要素なのか、グロなのか・・・。


まあ、全部ですよね。


BL要素も、いわゆる女子がうっとりするような昭和美少年的なものではなくて、オッサンVSオッサンとかですからね。

ある意味、すごい作品なんですけど・・・。

あとこのお話し、趣味云々はさておき、ストーリーとして軸がよくわからないんですね。

変態おっさん(ゲイ)が主人公な勢いでインパクトあるので、主人公の女性が地味に感じる。

しかも、女性目線のハッピーエンドで終ってるように思えて、実はオッサンも十分幸せだったんじゃないかな、と。

だって、欲望に忠実でやりたい放題で、最後は本望だったんじゃないかと。

ユアンの事はそれなりに特別な存在で、死んでなお、その皮膚を永遠に手元に残そうと墓を掘り起こした。
そうすることで、この先、色あせない本として大事に愛でられる。

変態+犯罪ですが、でもその想い? は想像以上にすごかった。

(変態オサンの)愛人がいたから別れる!

なんていう、女性と比べると気合が違います。

・・・といっても、精神的なものではない・・・だろうな。

そう、無理やり自分的にグリーナウェイらしい要素を見つけようとすると、

「皮膚」という人間でありながらも、物としての魅力にとらわれた人と、女性はそういう部分もありながらも、やっぱり「精神的」な愛もあった。
だから、「気持ちで許せなかった」。

肉体と精神の違いの物語・・・、なんですね。

そして、肉体は変態おっさんのようになんらかの手を施さないと、朽ちてしまいますが、精神は朽ちるどころか、痛みすら忘れていきます。

女性はお腹に赤ちゃんがいて、無事産まれて、幸せではありますが、やっぱり最愛の彼を失ったという事実は変えられませんからね。
だけど、一生引きずっているものでもありません。


ちょっと、復讐してハッピーエンドっていう考え方は、どうなんだろう? という疑問はありますが。

本当に幸せなのかな?

ともあれ、その形が見えない「気持ち」は誤魔化せるけど、物体として存在するものの、見た目はあくまで見たまんまで、誤魔化す事はできない。


だから、この映画の内容、忘れちゃうんですね。



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