2016年2月3日水曜日
ゴシック(ケン・ラッセル)
ゴシック(DVD)
1986年作品
監督ケン・ラッセル
ガブリエル・バーン、ジュリアン・サンズ、ナターシャ・リチャードソン、ティモシー・スポール、デクスター・フレッチャー
あらすじ:詩人バイロンの館に集うのは、詩人シェリーとその愛人メアリー、そして義妹に、バイロンの主治医。
そこで、怪談話から各人は悪夢を見る・・・。
「ゴシック」「サロメ」「白蛇伝説」とファンタスティック三部作は全部好きですが、ケン・ラッセルの作品で、一番好きなのが、「ゴシック」です。
何度見たことか。
ちょっと言うのにためらいもあるのですが、今時を経て、改めて気が付いたのですけど、ケン・ラッセルって二次創作っぽい・・・のかな?
そこが、おちゃめ感というか、馴染みやすいところなのかも。
あと何かはっきりとは言えないのですが、「萌え」がある。
そんな感じで、実際の登場人物たちがどうであったか、というのは知識もないのでさておき。
先入観がないからこそか、すごくこの世界にのめり込めました。
まず、バイロンが直球でかっこいい!
メアリーの若い義妹は、バイロンの子を妊娠していて、バイロンおっかけみたいな感じなんですが、その気持ちわかります。
でも、すでにバイロンにとっては、対象外で。
そんなクールなところも、素敵です。
そして、私は当時、シェリー役のジュリアン・サンズのファンでもありましたので、まさにおいしさ2倍でした。
(今でも、たまにアメリカのドラマなんかで見かけるとうれしいです)
お話しは、ざっくりというとシェリーがのちに世に出す、「フランケンシュタイン」が出来たきっかけのお話し、という感じです。(この題材も二次創作っぽく感じた原因かも)
アーティスト達が、集まって(オフ会?)、そんな集まりだから普通におしゃべりして終わるわけもなく、ドラッグに悪ふざけの怪談から、じゃあ降霊しよう、みたいな。
で、トリップというか、それぞれが悪夢を見るのですが、それが本質的なものだろう、という。
バイロンは、苦手なものが出てくるという比較的可愛いものでしたが、バイロンのキャラ的には、それだけでも十分、恥ずかしくて可哀想。
主治医は、これまた脇役としてはいいキャラをしている方ですが、ポリドリという役名のほうがお顔同様、インパクトあります。
ちなみに、実際にはのちに、「吸血鬼」を書いているみたいですね。
彼の隠したい本能は、バイロンへの想いでした。バレバレでしたが・・・。
そんな感じで、確かにホラーっぽいシーンもなくはないですが、ホラーというにはちょっと私は抵抗があります。
ゴシック・ロマン・ドラマ、ってそのまんまですが。
まず、時代的な世界観。
毎度のことながら、自然や建物を含めて、むしろそれだけでも見応えありますし、屋敷の中のセットも素敵です。
トリップ的な映像はもちろん、私は何より、自然のシーン。
バイロンが客人と銃を撃って遊ぶシーンがすごく印象に残っています。
まさに、昭和の少女漫画の世界って感じで。萩尾望都みたいなw
あと有名? なのは、ジュリアン・サンズが全裸で雨にうたれるシーンでしょうか。
個人的には、何も萌えないシーンですが。
登場人物の想いが、ほぼほぼ一方通行なのも、萌えポイントでした。
誰もが、現状ではなかなか報われない。
だけど最愛の人は、同じ屋根の下に集っているのに。
片思いの連鎖。
こういった切ないストーリーは永遠に、普遍的に、萌え、だと思います。
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