2016年2月1日月曜日
トミー(ケン・ラッセル)
ケン・ラッセル Tommy/トミー DVD
1975年作品
監督ケン・ラッセル
ロジャー・ダルトリー、アン・マーグレット、オリヴァー・リード、エルトン・ジョン、ロバート・パウエル、ジャック・ニコルソン、ティナ・ターナー、エリック・クラプトン他
あらすじ:ザ・フーのアルバム「トミー」を映像化したロック・オペラ。
トミーは幼い頃の出来事が原因で、見えず、聞こえず、話せずの三重苦となってしまった。
ある時、ピンボールと出会い、そんなトミーがその腕でスターになっていく。
だが、登りつめた後は、落ちていくしかないのか・・・。
せっかくなので見直そうと思ったんですが、手元にDVDがなかった><
ザ・フーの知識は、名前を知っている程度なので、あくまで純粋に映画としての印象しかありません。
どうやら、本人やファンの一部には、あまり気に入られてはいないらしいですねw
そして、ケン・ラッセル監督自身、映画のオファーが来るまでは、特にロックに興味はなかった、とのこと。
でも、アルバムを聞いて気に入って、こうなりました、なのですから、やっぱりすごいな、と思います。
なので、この奇抜なストーリーは、そもそもザ・フーのアルバムのテーマにあったものなのですが、オファーしただけあって、ケン・ラッセルっぽさ満点で、ぴったりだと思います。
というか、こういう世界をアルバムで表現しようと思った事にも、びっくりですが。
そして、映画化においては、割と監督の意向が強く入っているようなので、ともかく、ここは、「ケン・ラッセルの映画として」の感想となります。
まず、監督のお得意なPVノリですが、何せロック・オペラなのですから、満載です。
そして、あくまでオペラなので、全編歌です。
そこも、すべてを過剰にドラマチックに見せる要因なので、監督ならではの映像世界とぴったりフィットなんですよね。
そういえば、トミーのジャケットの印象、丸メガネの顔のアップ、私だけだとは思うのですが、「ショックトリートメント」のジャケットとちょっと被るんです。
もちろん、ショックのほうが後ですから、あちらもミュージカル風という事もあって、トミーを意識していたりするのかなーとか、勝手な妄想ですが。
そして、後付けなんですけど、「マーラー」の改宗シーンの女兵士って、「ロッキー・ホラー・ショー」のコロンビアと被るんですよね。
多分、ちゃんと見比べたらショートカットとアイメークだけだとか、だと思うし、時代もほぼ同じなので、どちらがどう、というよりは、そういう時代だった。
というだけ、だとは思うんですが。
イギリスとアメリカですが、どちらも好きですし、時代は被っていますから、どこか影響しあう部分があったら、面白いなー、なんて。
特に、印象に残っているのは、ピンボールのシーンです。
まず、ピンボールというのが、時代なのかもしれませんが、正直、笑っちゃうんですよね。
「ピンボールの魔術師」って言われても、みたいなw
すごく乱暴に言うと、全編オリジナルのアルバムの事は置いておいて(念の為、何度もいいます)、この映画の印象だけで言うと、ちょっとコメディっぽいんですよね。
ざっくり言うと、「ロッキー・ホラー・ショー」は、まさにアメリカっぽい、シット・コム的なノリがありますが、こちらはそれを「イギリス」という土地が変わると、こんな感じなのかな、と。
監督のお茶目感なんですかね。
そういえば、マリリン・モンロー教みたいなシーンもあって、そこはアメリカンでしたね。
この頃の映画の味わいって、CGがないというのも大きいですね。
ちゃんと、セットでおかしな世界を作り出している。
今だと、アニメーションとかCGで、それはそれでお金がかかるのかもしれませんが、個人的には手作り感の味わいが好きです。
それは、あちこちにちりばめられていますが、特にピンボールのシーンは、見応えあると思います。
また、エルトン・ジョンが対戦相手の大ボス? っていうのも、もうエルトン・ジョンねえさん自体、オブジェみたいなもんですもんねw (失礼だったらすみません)
ともかく、トミーはピンボールの才能で、スターにのし上がり、そして、それ自体は三重苦を乗り越えるタイミングではないんですが、その後、ひょんなことから、すべてを取り戻すんです。
(取り戻す、というのか、解放された、というのか)
その後の展開も、B級カルトの王道とう感じで、今度は「トミー教」が出来るんですね。
だけど、目隠ししてピンボールしてうまくいくのはトミーだからだったわけで、信者がそうなれるわけではない。
そして信者の暴動が起きて、トミーの母親などは死んじゃいます。
1人、残されたトミー。
さて、この映画は、何を言いたかったんでしょうか。
あらすじをおさらいしてみます。
実の父は、戦争で死んだと思ってた。
でも、生きてたが、戻ってきた時にはすでに母には新しい恋人がいた。
なんだかんだで、養父が実父を殺してしまう。(この出来事から、トミーは三重苦となる)
何をしても三重苦のままのトミー。
ピンボールとの出会いによって、人生が一変。
セレブ・ファミリーになる。
三重苦からの脱出。
信者の暴走。
家族を失い、一人になる。
うーん。
ざっくり、書き出してみても、何もわからないですねw
ここで、急に「映画だけを前提とします」と言っていたのを、引っ込めてしまいますと、やっぱり原作者の何等かの個人的な想いが強くあるのかな、と思いました。
意味なんて、考えなくていいんだと思います。
アホが考えるのを投げ出しただけ、とも言えますがw
何がわかったわけではないですが、でもなんだか、決してつまらない、とは思えないストーリーです。
おそらく、母と息子という関係とか、時代背景とか、いろいろあるんだとは思います。
でも、世代も違い、同じ感覚を共有できなくとも、ケン・ラッセルの映画という形で、楽しむ事はできますから。
そういう意味では、十分なロック・オペラなんです。
難しい事抜きにして、映像と音楽を純粋に楽しむ。
まさに、PVっていっちゃPVなんですけど、ともかくゴージャスなPVです。
トミー Tommy パンフレット(中古)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿